【急募】このガンプラチームのまとめ方   作:猫好きの餅

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 遅れて申し訳ない。





GN粒子の使い方【挿絵あり】

 

 

 

「……で、そのAGE1ルミナス、動かしてみるか?」

 

 ユウトは、今しがた機体にそう名付けたミツキにGPDの筐体を起動させながら尋ねる。

 

「うん。早くGNドライヴ機の挙動に慣れたいからね」

「ん、普通の機体と違うの?」

「ああ。スラスターの反作用で飛ぶんじゃないから、また感覚が違うんだ」

「へぇ〜、僕は未だにこの…GNドライヴだっけ?が機体を飛ばすのは想像つかないなぁ」

「なら、今日が初見になるな」

 

 ユウトは、筐体にルミナスをセットしたミツキを見ながら言う。

 

「ステージは空中でいいか?」

「うん、敵もGN系で」

 

 言葉通りのステージが構築される中、ミツキはシステムに表示されたAGE1ルミナスの性能に目を通していた。動力を変えただけあって表記が変わっているところはあるが、前の機体よりもスペックが跳ね上がってることは理解出来た。

 

「よしっ、ソラザキ・ミツキ。ガンダムAGE1ルミナスっ、行きます!」

 

 カタパルトがガンプラを押し出し、ステージに射出する。ミツキはルミナスのGNスラスターか粒子を出して前に飛ぶが、一番の機体の違いに思わず声を上げた。

 

「…うわっ、全然感覚違うっ!」

「そりゃまぁ、GN機だからな。まだ敵は出さないから、しばらく機体の挙動を馴染ませてくれ」

 

 そう言ったユウトに頷きを返すと、自立飛行可能になった機体を色々動かしてみる。スラスターの反作用で動していたAGE1とは違い、無重力空間で手で押されるような不思議な今日に戸惑う。

 

 ただ、その中でも確かに感じる部分はあった。

 

「やっぱり、性能は段違いに上がってるよ!」

 

 特に機体の反応速度。可動域が広がったことによって思った場所に狙いをつけることが出来る。マニュアル照準による精密射撃モードの狙撃はミツキもよく使うので、これなら当たりやすそうだと満足そうに頷いた。

 

「じゃ、敵出すぞ」

 

 少し飛ばして挙動を掴み始めたミツキにユウトが呼びかける。

 

 少ししてプログラムが自動で敵機「GN-X」を生成する。4つのカメラアイを光らせたGN-Xは赤い粒子を纏い、右手に持った「GNビームライフル」を撃ち放った。

 

 迫り来る赤いビームを、GN粒子の噴射によって右に滑るように動いて躱す。そして、右手のドッズライフルを構えて撃ち込んだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 GN粒子を撃ち出したことによって、前とは違う発射音を轟かせたピンク色のビームはGN-Xが構えたGNシールドに着弾した。

 

 すると、ドリル状に放たれたGN粒子がGN-XのシールドをGNフィールドごと削り、シールドが爆散する。その威力にミツキは目を見開いた。

 

「……凄い、ライフルの威力も上がってる……しかもちゃんとGN粒子のビームになってるんだ……」

 

 ミツキは続けてドッズライフルを撃ちながらGN-Xに接近する。

 

 飛んでくるビームライフルは盾で受け止め、GN粒子を最大で噴射させる。スラスターで飛ぶ時とはまた違う噴射音を響かせながらAGE1ルミナスを前で押し出した。

 

「今度はこっちだ!」

 

 ルミナスはリアスカートにドッズライフルをマウントするとサイドスカートのビームサーベルを引き抜いた。

 

 ユウトの教え通り、ライフルで狙いにくい相手の左手側に滑り込みながら、サーベルを横凪しようとして…………GN-Xを通りすぎて勢いよく空振った。

 

「……あ、あれっ?」

『おいおい、何やってんだ』

「いやっ、スラスターと感覚が違くって…」

 

 スラスターなら推力がかかる方向を帰ればその通りに曲がるのだが、GN粒子の前方の慣性が残っていたため、そのまま通り過ぎてしまったのだ。

 

 ミツキは期待のGNスラスターを一方向に向けて噴射させると今度はまるで壁でバウンドしたボールのように急に進行方向が変わる。その動きで追撃のビームを避けながら、ミツキは動力の違いによる挙動の変化に舌を巻いた。

 

「くそっ、これならAGEだけじゃなくて00系も使っとくべきだったよ…。挙動が違いすぎる」

『まぁ逆にGN系先に乗ってスラスターの動きに慣れないやつも居るな。推力の反作用で動くんじゃなくて、イメージは糸で吊るして動かす感じだな』

「い、糸?」

『そ。人によるんけど、俺は機体と同じ長さ位の糸を自分で動かす感じでやってる』

 

 そう言われたミツキはガンプラを短めの糸で引っ張るイメージを取る。機体ではなく、その糸持った手を動かす感覚で操縦桿を操作した。

 

「……あっ、こういうことか」

 

 振り子のように振り回すのではなく、リードを引っ張る感じだ。スラスター移動の時よりも気持ち素早く旋回させると、反作用推進ではありえない速度で機体が弧を描いた。

 

 それと同時に、今までではやろうともしなかった逆推進を試してみる。前に進んでいた機体に後ろを向かせてGN粒子を噴射すると直ぐに前に進む勢いが殺されて後ろへ進む。

 

『どうやら伝わったみたいだな』

「うんっ!確かに感覚は違うけどこりゃすごいや。機体が軽い感じがする」

 

 ルミナスは先程とは見違えた動きで飛んでくるビームをスイスイ躱す。きちんとユウトの教え通りにGN-Xの左手側に回り込みながらライフルの射線を振り切り、今度こそとビームサーベルを振りかぶる。

 

「…よっと!」

 

 そしてそこでちょこっと応用。ワザと通り過ぎた後にGN機特有の推進剤ではありえない反転速度で振り返りながら勢いを増した状態で振り抜いた。

 

 遠心力が乗ったぶん威力は高く、GN-Xの胴体を問答無用で真っ二つにした。2つに別れて吹っ飛んで行行った機体は撃墜判定となりデータの塊となって消える。

 

 満足顔で無傷のルミナスを回収したミツキは一応動作チェックを下が、あれくらいの動きなら特に問題は無さそうだ。

 

「で、どうだった?」

「最高!」

「語彙力」

 

 初めての改造機を動かした余韻で若干夢見心地のミツキは、ニヤニヤしながらルミナスを眺める。ずっとお世話になってきた機体の自分専用機。こいつとならどこまでも行けるとミツキはそう強く思った。

 

「…とりあえず、これでかなり戦えるようになるな。アイノはそのままの機体で行くのか?」

「うん。モリタさんに聞いたらフラッグの改造って難しいんだって。それに、僕の場合は操作技術を上げた方がいいかなって思うんだ」

「そっか。練習なら付き合うぜ」

「うん、ありがとう。………ソラザキくん、大丈夫かな」

「ああ。あれはもう病気だからな。ほっとけ」

 

 そんなやりとりにモリタは苦笑しながらやってくると無傷のルミナスをみて満足そうに頷く。

 

「いい感じだね。ミツキくんのガンプラも完成したし、これからの目標は変わらずかい?」

「あ、はい。とりあえずメンバーを集めないと…でも、なかなかフリーの人がいなくて」

「そこで、なんだけどね」

 

 モリタがスマホを操作して画面を見せてくる。マップのアプリが起動してあって、1つの店舗を指していた。

 

「ここは……カフェ?……砂漠の虎?」

「凄い聞いたことある名前だな」

「結構ここから近いね。ここがどうかしたんですか?」

 

 3人が不思議そうに尋ねると、モリタはふっふっふと意地の悪い笑みを浮かべる。

 

「ここは昼間はコーヒーとケバブが美味しい普通のカフェなんだけどね。夜になると、集まるんだよ」

「集まる?」

「そう。GDPプレイヤーがね」

「ええっ!?」

「ただ、入るにはガンプラの出来を受付に見てもらう必要があるんだけどね。そのときは僕の名前を出すといいよ」

 

 ガンプラの審査があると聞いた時は素組みのユウトとミツキだが、モリタの名前で入れると聞いてほっと胸を撫で下ろす。

 

「良かった。ミツキはともかく俺ら2人ははじき出されそうだからな」

「あ、でも名前を貸すのは今回だけだからね?次からは自分の機体を見せて入るんだ」

 

 モリタの言葉に頷いた3人。時計を見るとこれから向かえばちょうど夜の部が始まりそうだ。バトルスペースもあると聞いたので、3人は時間までガンプラの整備に勤しむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………はぁ」

「だ、大丈夫?」

 

 一方その頃。ノゾミとリンは近所のファミレスに来ていた。ドリンクバーと軽い食べ物を注文し、それぞれの飲み物を取って席に戻ってきたどこらで、暗い雰囲気のノゾミがため息を吐く。

 

「………だい……じょぶ」

「ま、まぁ、そうなる気持ちもわかるけどね…」

 

 なんでノゾミがこんなことになっているのかと言うと、この一週間の学校から帰ったあとにリンと一緒に機動戦士ガンダム00を見ていて、先程ちょうどファーストシーズンの最終話を迎えたからだ。

 

 そして人一倍感受性の高いノゾミに取って、ファーストシーズンの終わりはちょっとショッキングなシーンが多かったらしく。こうして白くなっているのだ。

 

「………ロックオンさん……どうして……」

「わかるわ〜」

 

 ノゾミはソレスタルビーイングの中で特にお気に入りだった彼の死に特にショックを受けた。デュナメスが大破してから、ロックオンが残ったGNキャノンをアリー・アル・サーシェス駆るガンダムスローネツヴァイに撃とうとしている時は涙を流しながら「やめてぇ」と声を上げていた程で、最終決戦の最中やられていくソレスタルビーイングのメンバーを唇を噛みながら片時も画面から目を逸らさずに視聴していた。

 

 そして先程それが見終わり、リフレッシュに来たという訳だ。

 

「………ねぇ」

「なに?」

「これ、まだあとワンシーズンあるんだよね?」

「そうよ」

「………一体どうなるのかな…?」

「そこはネタバレ防止で何も言えないけど、面白いわよ」

 

 横で見てるリンとしても、好きな作品のの件の反応をまじかで見られるというのはとても楽しい時間だった。

 

 個人的にヴァーチェがナドレになった時も「なんか脱げ……中からなんか出てきた!?」と叫ぶノゾミが面白くて、こっそり覗きに来てた父親とニヤニヤしたものだ。

 

 ネタバレ徹底防止の為話せないが、これで彼女がセカンドシーズンを見てアルケーガンダムを見た時どんな反応するのかや、ファーストシーズンで不幸な目にあったあのカップルの姿を見た時どんな顔をするのかが、楽しみで仕方がない。

 

 「ああ〜、話したーい」と思う内なる自分を押しとどめて、リンは澄ました顔でアイスティーを1口飲んだ。

 

「まぁ色々あったけどさ、……どう?ガンダムをしっかり見てみて」

「……うん。なんか、感想を一言で言い表せない……かな?すっごく面白かったし、凄い勉強にもなったし。セカンドシーズンが楽しみかな」

「ふふ、良かった。……ロックオン以外にお気に入りのキャラとかいる?」

 

 リンがそう聞くと、ノゾミはグラスをカランと揺らしながらちょっと困った顔をする。

 

「あんなことになっちゃったけど、ルイスちゃんかな。沙慈くんともいいカップルだったし、本編の話が戦闘だったから、時々挟まる2人の話が結構好きだった」

 

 そこまで聞いてから、リンは彼女がセカンドシーズンを見たら本当にどうなるんだろうかとちょっとニヤニヤしてしまう。後に2人でガンプラの整備をしながら父親から聞いたことだが、リアルタイムで見てた人達はセカンドシーズンが放送されるまでの半年間、ロックオンロスに苦しめられたという。

 

 リンの場合はファースト、セカンドシーズンと一気に見たせいであまりだったが、今のノゾミを見ていると自分も同じだったかもねと苦笑を漏らした。それに、やはりノゾミは機体と言うよりも人同士の繋がりの方に感想を感じるタイプのようだ。リンとしてはTRANS-AM発動したエクシアを見る度に大沸きするのだが。

 

 

 

 

「…………そういえば」

「ん、なーに?」

「件の彼とはどうなったのよ?」

「へぅえ!?」

 

 テーブルに届いたポテトフライをつまみながら話している最中に突然切り込んできたリンにノゾミはむせた。喉のポテトを飲み物で流し込んで、慌てた顔でリンを見る。

 

「な、く、件の彼って、誰のことよっ?」

「そりゃもう、あそこの模型店で会った人。同じクラスなんでしょ?」

「そ、そうだけど…。なんか最近は忙しいみたいで、あんまり話せて……って!別に話したいとかじゃなくてね!?休み時間はなんかずっと考え事してるみたいだし、昼休みはカミヤくんとどっか食べに行っちゃうし、放課後はすぐ帰っちゃうしで……」

「ず、随分見てるのね」

「だから違うってばぁ!」

 

 赤くなった顔を手でパタパタ仰いでいるノゾミを見ながら、多分ガンプラの改造してたからねと当たりをつける。

 

 実はリン、この1週間で2回モリタ模型店に足を運んでいた。

 

 この前の彼とのやり取りでこの店がリンにとっての安置になったことと、サンプルにガンプラを見れることとでなんだかんだ来てしまっていたのだ。

 

 その2回のうち両方ともあの時も店にいた3人組の男子がガンプラの改造に勤しんでいた。どうやらここをよく拠点にしているんだそうだ。

 

 そのなかでソラザキの言う名前の男の子の改造風景を見ていたのだが、やはりただの改造とバトル向けの改造は質が違うようで結構勉強になった。

 

 隣の筐体でアイノという名前の男の子の模擬戦をちょっと見ていたのだが、あの子は一体何者なのだろうか。フラッグを操作している時の口調があのガンダム愛フラッグファイターに酷似していたような気がしたのだが。周りをみると他の2人も、店主さんもバイトのお姉さんも気にしてなかったので自分がおかしいのかと思ってしまった程だ、

 

 そんな感じで2回訪問し、片方は買い物も下がなかなか楽しい時間だった。ただ、1つ見たかったものは見れなかったが。

 

 それは、……リンに「女子がガンダム好きなことは変じゃない」と言ってくれたあの藍色の髪の男の子。その彼がバトルをするところ。

 

 ソラザキくんは改造の息抜きでAGE1を使ってフラッグファイターの彼と模擬戦をしていたのが見えたが、その彼が戦うところは見ることが出来なかった。

 

 最初はGPDをやってないのかと思ったが、戦ったあとの2人にアドバイスしているところも見たし、それとなく店主さんに聞いてみたら相当の手練と言われたので結構興味があったのにと。

 

 そんなことを思い出しながらアイスティーを飲み干す。同じく一息ついているノゾミを見て微笑んだリンは彼女に問いかけた。

 

「じゃ、一息つけたし……帰ってセカンドシーズン見る?」

「えぇ…今日もう結構見たよ…?」

「でも続き気になるでしょ?」

「……ぅ」

 

 俯くノゾミがチラっとこっちを見上げてくる。その顔が「本当は見たいけど我慢してる顔」なのはこの長い付き合いの中で知ってるリンはノゾミの手を取って席から立ち上がった。

 

「ほら、帰るわよ」

「…うんっ」

 

 

 

 

 1時間後、変わり果てたルイスを見て部屋で白くなっていくノゾミを見て、リンは笑みをさらに深めるのだった。






 ソラザキ・ミツキ
 初めての専用機にニッコニコ。改造の1週間はガンプラのことしか考えておらず、完成後の学校の授業の進み具合に驚いた。ユウトにノートを見せてと頼んでもゲス顔で返され、ダメ元でノゾミに頼んだらあっさり了承されて拍子抜け。そんなやり取りの周りではコーヒーを飲む生徒が多かったそう。

 アイノ・コウスケ
 フラッグの練習中だが、グラハムになると劇中の彼の動きがいとも簡単にできてしまう。それを見たユウトとミツキはちょっと引いた。

 カミヤ・ユウト
 ミツキの改造機を見ていいなーって思っているが、自分もそんなに制作技術がないので諦めの方向。某劇場版の影響でアカツキに最近ハマり直し、キットを予約した。

 アマツカ・ノゾミ
 ミツキにノートを見せるという(本人は無自覚だが)役得イベントをこなしたその日に00を見て絶望に叩き落とされた。ソレスタルビーイングの中だとデュナメスが好き。ファミレスで飲んでた物はオレンジジュース。案外子供舌。

 カシワギ・リン
 この回で1番得をした人物。ミツキの改造姿を見て、いずれプレイしたいと考えているGBNに向けて機体の改造方向を見直そうと考えている。00の中で好きなキャラは刹那とぎっちょん。アルケーの足サーベル考えた人は天才だと思っている。




 今回の挿絵も星震さんからの提供でした。

 ガンスタ
https://gumpla.jp/hg/2279767?type=edit

00の推し

  • 刹那
  • ロックオン
  • アレルヤ/ハレルヤ
  • ティエリア
  • ぎっちょん
  • スミルノフ
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