「なぁ、龍悟……」
「イッセーか。どうした?」
「夕麻ちゃんのこと、覚えてるか?」
「ああ、覚えてるさ。実際に戦ったからな」
「そうだよな!これで龍悟まで覚えてないって言ったらどうしようかと思ったぜ!」
どういうことだ?その口ぶりだとまるで俺たち以外、天野夕──いや、レイナーレの事を覚えていないことになるじゃないか
「何故そんなことを聞く?覚えてないわけないだろ」
「いや……元浜と松田にこの事を言ったらそんな子は知らない。俺の妄想だって言ったんだ」
「……なに?」
何者かに記憶を消された?いや、考えるまでもなくヤツだな。しかし何故こうまでしてイッセーを殺した?その理由がわからない
「まあ、気にするなとは言わないが今はその事は頭の片隅にでも置いておけ。時期に真相は分かるはずだ」
「そう、だよな……」
俺の言葉でイッセーは頷きながら自分の席へ戻っていった
そして放課後、イッセーの事は気がかりではあるが俺は家に帰ることにした。そしていつもの日課である筋トレと気の修行をする。そしてそれが終わればじっちゃんの作った飯を食べて風呂に入って寝る。これが俺の一日だ
「さて、今日も頑張るか」
翌日、俺は準備をして学校へ向かう。そして学校に到着し、教室に入ると、いつも3人の友人が話しているはずだが、そのうちの1人が見つからない
「おはよう。元浜に松田」
「おはよう、孫!」
「孫君、おはよう」
「今日は珍しいな、俺が来る頃にはいつも3人で話しているのに、今日はイッセーが居ないな」
そう言ってからチラッと窓の外を見る。するとイッセーとその隣に赤髪の女、リアス先輩が歩いていた
「あれは……」
「ん?外がどうか……て、え!?」
「な、なんでイッセーがリアス・グレモリー先輩と!?」
「イッセーはどこかでリアス先輩と知り合ったのかもしれないな」
「これはイッセーに問いたださなければ!」
「松田くんに同意!尋問だ!」
「おいおい、あまりイッセーを追い詰めるなよ?」
「「わかってるさ!」」
「本当か?」
まあ、本人たちがこう言っているのだからそれでいいだろう。さて、今日も一日頑張るか
「兵藤一誠君は居るかい?」
放課後、イッセーに一緒に帰らないかと提案しようとしていたが、そこに同じ2年の木場祐人が教室に来てイッセーを呼んだ
「ああん!?イケメンが俺に何の用だ!」
「部長からの使いとして君を迎えに来た」
「使いってお前だったのかよ!」
「悪い、少しいいか?」
「君は……確か、孫龍悟君だったかな?」
「そうだ。そしてさっきの話だが、俺もついていくことはできるか?」
「ああ、構わないよ。むしろこちらから頼みたい。部長も君と話がしたいと言っていたからね」
「そうか、なら早速案内してくれ」
「ま、待てよ!一体どういうことなんだ!?」
「話は後で説明してやるから今は木場についていくぞ」
「お、おう……」
俺とイッセーは木場について行き、旧校舎にあるオカルト研究部の部室に連れてこられた。そして木場は扉を開ける。すると中は全体的に暗めな雰囲気だった。まあ、悪魔だし暗いほうが好きか。そう思いながら部屋全体を見渡していると小柄な白髪の女と目が合った
「お前は確か……」
「彼女は塔城子猫ちゃん。君や僕の後輩だよ。こちらは兵藤一誠君と孫龍悟君だよ」
「……よろしくお願いします」
「ああ、よろしく頼む」
俺が塔城に手を出そうとした時、部屋の奥の方からシャワーの音が聞こえてきた。そちらを向くと人影がうっすらと見える。そして横を向いてみると、だらしない顔をしたイッセーがいた
「いやらしい顔」
「んなっ!?」
まあイッセーの事は置いておこう。いつもどおりの通常運転だ。しかしそれはそれとして部室にシャワーなんてあるんだな
「部長、これを」
「ありがとう、朱乃」
リアス先輩にタオルを渡した黒髪の女。確かあの人は……ああそうだ、リアス先輩と同じで二大お姉様とか言われてる姫島朱乃先輩だったか?お、こっちに来たな。とりあえず挨拶しておくか
「俺は孫龍悟だ。よろしく頼む、姫島先輩」
「は、は、初めまして!兵藤一誠です!」
「ご丁寧にありがとう御座いますわ。すでにご存知かと思いますが、姫島朱乃と申します」
「兵藤一誠君、いや、イッセーと呼ばせてもらうわ。そして想定外ではあるけれど貴方も来てくれたならこちらとしてもありがたいわ。孫君、貴方も龍悟と呼ばせてもらうわね」
「ああ、前に使いはいらないと言ったが結果的には先輩の使いと一緒に来ることになってしまったな」
「来てくれたならそれでいいわ。ああそうだ、朱乃、二人にお茶を出してもらえないかしら?」
「かしこまりました」
姫島先輩はお茶を用意するために部屋の奥に行った。そしてしばらくして戻ってきて俺とイッセーに茶を出した
「ふむ、いけるな」
「うまいです!」
「あらあら、そう言っていただけると嬉しいですわ」
「それじゃあ改めて、私達は貴方達二人を歓迎するわ───悪魔としてね」
───────────
あれから俺達は色々説明された。悪魔と堕天使、そして天使の三すくみで争っているということや、オカルト研究部とは表の話で実際は悪魔の集まりなのだとか。そして、堕天使レイナーレの事を。これを聞かされたイッセーはなんで俺が狙われるんだ!と叫んでいた。リアス先輩はそれに対してイッセーが
「それは本当か?イッセーにそんなものがあったのか」
「ええ、イッセー、手をかざしてちょうだい。そして目を閉じて貴方が一番強いと感じるものを想像するのよ」
そう言われたイッセーはドラゴン波!と言いながら手を突き出した。すると、突然イッセーの左腕が輝き出す。そして光が止むと腕に赤い篭手のようなものが装着されていた
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?」
「ほう、まさかほんとうにこんなものが……」
「貴方はその神器を危険視されて、堕天使、天野夕麻に殺されたの」
「そ、それはわかりましたけど、じゃあなんで俺は生きてるんですか?」
「それは突然現れたリアス先輩がお前を悪魔として蘇らせたからだ」
「あ、悪魔……?」
「彼の言った通り、貴方は私の眷属として生まれ変わったの。下僕悪魔としてね」
リアス先輩がそういった時、その場にいた俺以外の全員の背中に黒い羽が出現した。その事にイッセーは驚いたが流石に実際に目にすれば嫌でもわかる為、無理やり納得させていた。そしてその後に改めて自己紹介ということでリアス先輩、姫島先輩、木場、塔城が自己紹介をした
「それで、貴方に聞きたいことがあるのだけれど。まずは私たち悪魔や堕天使のことを知っているということについて教えてちょうだい」
「それはじっちゃんから聞かされたからだな。うちのじっちゃんも何回かそういう堕天使とか悪魔と戦ったことがあるらしい。まあ俺が実際に会ったのはお前たちやレイナーレとか言う堕天使だけだがな」
「そう、わかったわ。じゃあ次は以前見た尻尾についてなのだけれど」
「ああ、それは俺がサイヤ人だからだな」
俺は隠していた尻尾を出してそう答えた
「サイヤ人?聞いたこともないわね」
「まあ、あの堕天使にも言ったがこの世界でサイヤ人は俺一人だけだ。今まで見たこともないしな」
「驚きましたわ。まさか悪魔や堕天使とも違う種族がこの世界にいたなんて。しかもたった1人」
「まあ、俺のような存在は珍しいだろうな」
「そうね……ねえ、龍悟」
「なんだ?」
「貴方も悪魔になってみない?」
「断る」
俺は悪魔にならないかと提案されたが断った
「それは何故かしら?」
「俺はサイヤ人という種族であることに多少なりとも誇りを持っている。まああの王様程ではないけどな。だから悪いが断らせてもらう」
「そう……それは残念ね」
「だが、オカルト研究部には入部しても構わない。実際俺はどの部活にも入部していないからな。この部活に入れば色々と面白くなりそうだ」
俺は口角を上げながらそう伝えた
「あら、まさか貴方からそう言ってくれるなんてね。サイヤ人という興味深い存在である貴方を逃すなんて勿体ないわ。もちろん歓迎するわ」
「決まりだな。それじゃあこれから宜しく頼むぜ?リアス部長」
「ええ、よろしく頼むわ」
こうして俺は、オカルト研究部に入部することとなった
オカルト研究部に入部しましたね。さて、これから龍悟君にはどんどん頑張ってもらいます