とある孤独の魔神転生 作:変態魔術師
今回は『全次元切断術式』の能力対象となる『次元』と位相について独自解釈を多分に含む話をします。
あれからまた少しの時が経った。
『新天地』は並行世界とは異なる概念であるため、新たに死にかけて手に入れた並行世界を認識、干渉するスキルツリーは早々にあまり役立たなくなった。
「異なる世界」という観点は同じ、ということで新天地到達への糸口を探したが、そもそも位相とか次元とか虚数学区とか、『異界』は既に『とある』にいくつも登場している。
その位相を思うがままに破壊・改変・創造する無限と言っていい力を持つ全能の魔神が存在すら知らなかったのが『新天地』だ。
「そりゃ違うものを研究して正解に辿り着くはずないわな……」
俺が次に目を付けたのは、かの儀礼剣カーテナを用いることで行使できる大魔術『全次元切断術式』の術式対象となるもの────つまり『次元』である。
「
俺が憑依する前の
限り無く連なる位相の全てを一息に破壊できたとて、聖守護天使さんには何も意味を成さない。
しかし、全次元切断術式はその聖守護天使にも当たればなんとかなる可能性がある程の魔術なのだ。
もちろん「当たれば」という枕詞が付いている時点で無条件に全次元切断術式が魔神より格上という話ではないのだが。
魔術である以上は魔術を極めた魔神には内包されてしまうはずのそれが、可能性レベルとはいえ魔神クラスの聖守護天使に届きうるというポテンシャルに俺は希望を感じた。
後は『次元』が一種の『異界』に相当するから、というのもある。
「三次元の物体の断面は二次元で、二次元の物体の断面は一次元で、一次元の物体の断面はゼロ次元。
確か麦野の『極点』もこの理論によるものだったか」
遥か昔の朧気な記憶を少しずつたぐり寄せる。
「逆に言うと三次元は四次元の断面で、四次元は五次元の断面で、五次元は六次元の断面……って続きもするはずだ。それも理論が間違っていなければ無限次元まで」
少しずつ、『異界』を構築する理論を紐解いていく。
零次元という『点』。
それを無限に集めれば一次元という『線』。
それを無限に集めれば二次元という『面』。
それを無限に集めれば三次元という『空間』。
三次元という『空間』は、四次元という『時間』──言うなればパラパラ漫画──の、無数に存在するページの一枚に過ぎない。
しかしその四次元すらも、その時間軸自体が無数に存在する
「並行世界以上の
魔神の力で構築した、生命体が存在しない以外は並行世界のいくつかを完璧に再現した『箱庭』をグルグルと回しながら、異界への理解を深めようとしていた。