とある孤独の魔神転生   作:変態魔術師

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 みなさんはとある世界の魔術がデメリットを無視して一つ使えるようになるなら何が欲しいですか?
 私の場合はトールの女性になら誰にでも変装できる魔術やエツァリが海原に変装するために使っている魔術が欲しいです。理由は察しろ。



とある試行の並行世界

 

 あれからまた少しして、俺はとうとう最終手段に手を出すことにした。

 それは『コロンゾンがウラシマ効果云々で新天地送りにされた時のアレ』を見てコツを掴むというもの。

 理論もへったくれもない根性論100%の精神修行のような無茶苦茶であるが、実際あれでコロンゾンは『新天地』に行ったのだから、参考情報(サンプル)としてはこの上なく実践的なのだ。

 

 そうして早速その時間軸を目指す。俺が憑依したオティヌスの世界は既に壊れているので並行世界のそれを見ようと思い、一度原作軸に近い並行世界に渡り、上里編まで時間軸を移動する必要があった。

 

 まずその時間軸の移動の時点で苦労した。

 

「ああああああ痛だだだだだだァァァアアア!?!?」

 

 大規模な時間移動を察知したアレイスターさんが何事かと俺の脳内にビッグバン爆弾を叩き込んだり、局所的な時空間の崩壊に巻き込ませたり、魔神の共通の体質を弱点として突く『聖人崩し』の応用編のような魔術をぶちこんだり、色々してくるのだ。

 特に『聖人崩し』の応用編──『魔神崩し』とでも仮称するか。あれは痛い。めっちゃ痛い。

 肉体と精神の双方に割合ダメージのようなものを与え存在自体を削り取るように『俺』を殺してくる。

 

「うげごっ、がっ、ぶおおっ、いびべっ!??」

 

 単純な魔術行使の規模は並行世界をも掌握した俺の方が上だが、そんな単純な強さなど無意味と言わんばかりにアレイスターさんはテクい魔術で俺を苦しめる。

 ポ○モンと同じだ。

 多少レベルに差があろうが、属性相性を熟知して弱点を突けば大ダメージを与えられる。

 

 そんな相性など気にならない程レベルを上げればいいじゃんと思われるかもしれないが、そもそもアレイスターさんも魔神の域に手が届いたぐらいの魔術師だ。

 並行世界を掌握したって、大したアドバンテージにはならない。

 

「ちゅーか俺の経験値(ちしき)を知らぬ間に解析(チューチュー)されてる感覚までするんだがっ! なんだこの魔術!? 原作知識(ボクのデータ)には無いぞ!」

 

「さっきから君は一体何を言っているのかね」

 

 さも『何故ここにオティヌスが?』というような不思議がる顔をしつつも、自分に敵わぬと知るや少し余裕の笑みを浮かべて嘲るような態度を見せ始めた変態は、ひたすら俺をボコボコにしてくる。

 捕獲のために弱らされるポケ○ンってこんな気持ちかしら。

 

「っ! それでもっ、捕まるわけには行かねえええ!」

 

 なんとか様々な魔術を複合して脱出の糸口を作り出し逃げる。敗走もいいとこの脱兎の如き逃走であるが、今はなりふり構っていられない。

 

 そんなこんなを繰り返して、コロンゾンが新天地送りにされる場面を盗み見すること500億回目。

 ついになんとなくコツを掴む。

 

「こんな……感じか?」

 

 俺の時間軸と世界の時間軸をズラし、逆に俺の時間軸と新天地の時間軸が重なるように意識を移す。

 新天地の座標を捉えるたびに通常の時間の流れからは外れ、俺は動いてるのに世界の時間は動かなくなる。

 

「世界の時間軸と新天地の時間軸は、並行ではなく直角のように、しかも離れた位置にあるのか……」

 

 新天地の時間軸に意識のチャンネルを合わせると、世界の時間軸に対してはちょうど直角のようになる。

 そうすると時間を止めたわけでもないのに、経過時間ゼロの中を動けるようになるのだ。

 まあ世界と新天地は並行世界とはまた違う関係にあるとは原作からして言っていたことだし、こういう奇妙な構造だから理解も遅れたのかもしれない。

 

「しかしこれを既にある程度理解していた上里君は怪物みたいな洞察力だな」

 

 そう思いつつ、ついに俺は新天地へ飛び立った。

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