ある日のこと、今日も今日とて仕事に励んでいた先生とユウキ。
そこに、突然天雨アコが風紀委員達をつれてシャーレに現れた!
──ん?
「探しましたよユウキさん。」
──なんだおめェら、ぞろぞろと。
「天雨アコでございます。(気さくな挨拶)」
"どうしたのアコ?"
「先生、今日一日ユウキさんを貸してはくれないでしょうか?」
"───あ、晄輪大祭の"ユウキの一日お時間お借りします権"!そういえば、晄輪大祭に勝てたのはゲヘナだったね。"
──……ああ。今日なのね。
「ええ。という訳で、ゲヘナにどうぞ?」
"行ってらっしゃい〜!"
──行ってきます〜!
ユウキは先生に挨拶を交わして、アコの案内で運送用の車に乗り込み、ゲヘナ学園に向かうのであった。
ゲヘナ学園
ユウキは風紀委員会の部室に連れてこられ、その様子に驚きつつ呆れた。
「あら、いらっしゃい。久しぶりねユウキ。」
アホみたいな資料の束に、圧殺されかけているヒナの姿があったからだ。横を見れば、イオリが倒れており、チナツが必死に資料を捌いているがそのスピードは、お世辞にも早くはない。
──……手伝おうか?
「それは無理です。………厄介なことに、他に見せれるものではないので……。」
そういうアコの眉間にはシワができており、内心ブチギレているのだろう……殺意の籠った目をしていた。
──………なら、オラがいる理由ないんじゃ……?
「いえ、このような状況でヒナ委員長を外に出しても、帰って不良生徒を制圧は難しいでしょう。ヒナ委員長ならあの状態でも出来なくはないですが、効率は悪いでしょうね。」
──……なるほど?不良生徒を絞めて独房にぶち込めばいいんだな?
「そういう事です。………私は、今日一日ヒナ委員長のコンディションを何とかして立て直しますので、ユウキさんはゲヘナ学園の"風紀委員会委員長特別代理"として不良生徒の鎮圧、及び捕獲をお願いします。」
そういうアコは、ユウキに風紀委員会の腕章を貰う。見た目は同じだが、色が変わっており、赤が白に、黒が青に変更されている。
受け取ったユウキはいつもの服に腕章を装着した。
──了解した。んじゃ、パトロール行ってくるわ。
「お願いします。ゲヘナ自治区の不良生徒だけでいいですからね??」
──了解!……あ、通信とかは?
「それは、ユウキのドギラゴン閃でお願いします。ほら、あのスカウターです。」
──ああ、閃さん。お願いな。
『了解です。』
ユウキはスカウターを装備して、風紀委員会の部室から退出する。
「………大丈夫かしら?彼。」
「大丈夫ですよヒナ委員長。彼、ああ見えて記憶力はかなりあるので。」
ユウキは、スカウターに入った通信に耳を傾けながら走る。
『代理!!座標を送りました!お願いします!!』
──あいわかった。捕まえたら逃がさないようにしてくれよ?
『了解!!』
ユウキが向かった先は、高速道路。今からやるのは、給食部の車を奪って走っている美食研究会の捕縛だ。
──(フウカは本当に可哀想だよ。──んで、見つけたから捕まえるか。)フッ!!!
ビルの屋上から美食研究会の前に降り立ち、道の前にバリアをクッションのようにしながら張る。
「「「「!?」」」」
「アカリさん!!」
「問題ありません〜☆」
──いいや、チェックメイトだ。
車をドリフトさせて、一回転。向かっていた方向の反対になるように回転させて逃げようとしたが、既に範囲内だ。
車は、一向に前に走らない。
「…………なんで進まないのよ!?」
「これは……」
──はい、終わり。
そう言いながら、バリアで4人を拘束。持ってきた「ホシノを5時間の間、拘束することに成功した」拘束用ロープで縛り上げた。ちなみに、並の流通してるナイフでも切れません☆
「「「「…………」」」」
「この程度のロープで私たちを止められたと思いですか?ユウキさん。」
「私たちのことを、少し舐めすぎでは〜?」
「ふぬぬぬ!!………アレェ?」
「…………これ、めちゃくちゃ硬いんだけど??」
──ああ、それは"空崎ヒナと同格"が"本気で抜け出そうとして5時間掛かった"ロープだからな。
「「「「」」」」
全員が絶望したような顔をしているが、容赦はしない。このまま車に乗せて、フウカさんを解放する。
──大丈夫でしたか?
「ぷはぁ!………ありがとうユウキくん!でもなんでここに?」
──晄輪大祭。
「ああ……景品の。………風紀委員会の腕章!?てことは、今ユウキくんは風紀委員会って事!?」
──代理です。とりあえずこのまま帰りますね。
「………うん。お願いするわね。」
その後、追いかけてきた風紀委員達に合流して、美食研究会を全員引き渡した。一応のため独房には数人体制で監視が付くようだ。
「ありがとうございました!代理!……さて、次は温泉開発部です。よろしくお願いします。」
──大変だな、お前らも……。
「私たちの仕事ですから。彼女たちの居場所は特定していますが、どうやら拮抗状態を維持されているようです。」
──おk。
ユウキは文字通り飛んで行くことにした。舞空術で行けば早いのだ。
温泉開発部のリーダーは、鬼怒川カスミ。下倉メグと共に活動している温泉バカテロリスト。
温泉のためなら"文字通り"なんでもやろうとするし、行動力バケモノなので被害がすんごい。
ので、初手で潰すのがいい。
「フフフッ………ハーッハッハッハ!!今日は"あの"風紀委員長が、部室から出ることがないと知らせを受けた時は疑ったが……こうして何事もなく作業が出来ているということは!あの情報が本当だと言うこと!!今こそ温泉を引き当てるために掘って掘って掘りまくれー!!ハーッハッハッハ!!!」
「「「「「おぉーーー!!!」」」」」
温泉開発部は、爆弾やシャベル、ツルハシにドリルで穴を掘っていく。風紀委員達を近づかせないように、見張りを立てつつ作業をすることで、どのような妨害が来ようと問題なくしていた。
「さぁ!!我らが同士たちよ!!掘って掘って掘りまくれーー!!我ら栄光の温泉は今ここにーー「──こんにちは。」ワァ……アァ………(ガン泣き)」
「あぁ!?リーダーが泣いちゃった!!」
メグがそう言うと、作業をしていた温泉開発部の生徒がぞろぞろと集まってきた。
「ダニィ!?なんでだ!?」
「うわぁ!?あれは"明楽ユウキ"ぃぃーーー!?なんでここにぃ!?」
「ハァ!?んなわけほんまやァ!?」
「ん?待て!!風紀委員の腕章をつけている!!」
「え、つまりどういう事だ!?」
「風紀委員長の代理…………ってこと!?」
温泉開発部の1人が、そう予想すると、一斉にユウキの方へむく。数秒後、確かめるように聞いてきた。
「───────え、マジ??」
──おう、そうだぞ?それじゃあ………まずお前たちから血祭りにあげてやる……!!
「「「「「「「逃げろぉぉぉ!!!!!」」」」」」」
温泉開発部は全力で逃げ出す。けれど、先んじて張っておいたバリアによって逃げ出すことは叶わず。
そのまま全員が叩き伏せられた。そして、美食研究会と同じくロープで縛り上げた。
──………よし。おーい!!終わったぞー!!
そう言いながら風紀委員達を呼びつけるユウキ。彼の戦い方を見て、風紀委員達は震え上がっていた。
ユウキとの差を見せつけられたというのもあるだろう。だが、それよりも恐ろしかったのは"彼の容赦のなさ"である。
いくら頑丈と言えど、女の子に対して思いっきり顔面殴りつけて、ぶっ飛ばしたと思ったら手からビームを出して追撃。
思いっきり頭を掴んで、地面に叩きつけたあとそのまま擦り付けたり、身体を軽々と持ち上げてサマーソルトのように蹴り飛ばしたりと……某伝説の悪魔のように戦う姿に、彼女たちは恐怖したのだ。
それでも仕事なので、温泉開発部を独房に連れて行くのだった。
「………やりすぎです、代理。一年生が怯えてますよ?」
──ええ....?(困惑)ヒナとの訓練でもやってるしなぁ?
「ほとんど見えないですよあんなの。私も最近追えるようになった程度なんですから。………今回はありありと、見せつけられましたから。」
──………メンタルケアした方がいいかなぁ?
「いえ、大丈夫です。下手にメンタルケアするより、あなたのような"強すぎる存在"が居るということを示した方がいいです。」
──……?なんでだ?
「"貴方よりマシ"と思えれば、ある程度は動けるようになりますし、何より時間稼ぎなど、色々と"意味のある行動"を率先してとるようになるでしょう?」
──鬼畜だなぁ……。
その後も、暴れる不良生徒を叩き伏せて行くことで、ゲヘナに"明楽ユウキ"という名の強者の名が知れ渡った。
ユウキが風紀委員会の部室に帰ると、ヒナ達が先生に癒されていた。
"お疲れ様、ユウキ。ゲヘナですごい噂になってたよ?"
──風紀委員長代理ですから。それより、仕事はどうなったんです?
"みんなが頑張って処理し終えたみたい。みんな、疲れて寝ちゃったよ。"
そう先生がいいながら目線を落とす。ユウキもつられて視線を落とすと、寝息を立てたヒナ達が先生に抱きつきながら寝ていた。
先生は身動きが取れないまま、椅子に座り続けるしかないようだ。
──…………先生、毛布を取ってきますね。
"うん。お願いね。"
その後、先生とユウキはヒナ達が起きるまで、風紀委員の子達とゆったり過ごすのであった。
腕章は、記念として貰った。時たまヒナが忙しそうな時はその腕章をつけて、不良生徒の鎮圧をするようになったユウキであった。
おまけ。
風紀委員会委員長代理の腕章
ユウキが風紀委員会から受け取った代理用の腕。ヒナの色違いとなっており、その配色はシャーレを意識されている。ヒナの代わりに不良生徒を倒す際に、ユウキがつけて戦うようだ。
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