個性『弾幕』という名のUNDERTALE 作:絶対正義=可愛い
ケツイを ちからに かえるんだ! (逃げるなぁ!!)
私の幼馴染、幕張決意は天才だ。
いや、やっぱ今の無し。
常識人の皮被った変人…もしくは奇人だ。
家が隣というのもあるが、元々両親同士が友人という間柄もあって、私たちは幼少期からずっと一緒に過ごしてきた。
決意は小さい頃からしっかりとしていた。
落ち着きがあった、って言えば良いのかな?
多分、そんな簡単な言葉では言い表せないんだけど。
ただ、纏うオーラみたいなものが、他の子と明らかに違っていた。
齢4歳。
個性の発現とともに湧いてくる、全能感。
自分だけの力を試したくて、各々勝手に個性を使う、精神がまだ発展途上の中、決意は黙々と本を読んでいた。
漢字だらけの本と、よく分からない数字や記号のある、幼稚園児が絶対に読まないであろう本だ。
今だからこそ分かるが、アレは参考書とか、論文とか、レポートと呼ばれる類のものだったんだろう。
正直、周囲の子たちも先生も怖かったんだと思う。
避けるように決意のまわりには人が居なくなって、最後には私しか残らなかった。
――厳密には私とママとパパに、おじさんおばさんもいたんだけど……。
とにかく。
決意は、まわりの人とはちょっとどころか、かなり変わっていた。
それでも、私が離れなかったのは、もちろん幼馴染という理由もあるが、何より決意が面白い事や、実は結構愉快な奴というのを知っていたからね。
そんな決意だけど、小学生中学年あたりかな?
いじめにあった。
きっかけは、とても幼稚なもの。
決意は勉強ができたし、目つきは少し悪いが、比較的顔立ちの整った子だった。
大人っぽい……なんて言葉で、その歳の子にしては落ち着きがあった。
私から言わせれば、決意は昔からずっと怖いくらい落ち着きしかなかったけど。
とにかく、ちょっと大人っぽい人に憧れる
ある女の子が決意に好意を持って、それを見た女の子を好きな男子が、決意を“いじめ”だした。
上履きを隠したり、机の上に虫の死骸を乗せたり、わざと学級委員なんていうものを押し付けたり、時には暴力もあった。
でも、決意は決してやり返さなかった。
あんまりの酷さに、思わず私は言ったよ。
『どうしてやり返さないの』って。
皆は決意が個性を使うところをあまり見たことが無かったっぽいから、知らないだろうけど、決意の個性ならいじめっ子を撃退するくらいわけないはずだった。
返答は、何だったけかな?
小難しい話が続いた。
やれ“いじめ”は人間だけがするものじゃない〜とか。
動物だってする事なんだ〜とか。
だからあいつらは理性的な判断をできない動物なんだ〜とか。
でも年頃の子供に自制心なんてものを求めるのはアレだ〜とか。
本当によく分からない話が続いた後、決意はこう締めくくった。
『そもそも、俺が先生とか母さんとかに“いじめ”られてます助けて〜なんて言ったら、面倒くさくなるだろ。危害が俺にだけ及んでるなら、別に問題ないしね』
そもそも俺は“いじめ”られて困った事が特段ないし……。
私は絶句した。
だって、そうでしょ?
嫌なことをされているのに、それを嫌だと思ってないんだ。
殴られてるのに、痛い思いをしてるのに、別に大した事はないって言ってるんだ。
それは……。
それは……っ!
すっごい悲しい事だと思った。
どうして私がこんな事を言っているのか、決意は分かっていないようだった。
でも、あの日。
“いじめ”られている決意と仲良くしていた私に、いじめをしていた男の子達が手を上げたとき……。
あれだけ何をやられてもやり返さなかった決意が、その個性を使った。
目に見える全てが“白”で染まった。
一瞬だ。
瞬きの隙間に、全てが白で埋め尽くされた。
いじめっ子達の喉元に突きつけられた
更に地面からは無数の【骨】。
針の筵にするような、夥しい量の【槍】が空中から360°囲うようにいじめっ子達にその先端を向けていた。
決意の周りには、人魂のような【炎】が揺蕩っていた。
決意の足元には、【犬】や【蛙】や【蝶】のようなものもいた。
今まで過ごしてきた中でも、アレほど決意が感情を露わにしたことを私は見たことがなかった。
決意はブチギレていた。
蒼い瞳が
ただ、漠然と直感で理解した。
アレは殺意だ。
抑えようのないドス黒い殺意が、重圧となって襲った。
ガチガチと鳴る歯の音は、私に手を上げようとしていたいじめっ子のものだった。
『……俺に手を出すのは別にいいよ』
真っ黒で真っ赤な殺意を滲ませているのに、その声はやけに落ち着いていた。
『でもさ』
地面から突き出ていた【骨】が、【槍】と同じように空中に浮き、彼らを取り囲んだ。
『俺以外に手を出すのは、違うだろ?』
【槍】の一つが、
『それは、許容できないよ』
決意の手元が、“ドス黒い赤”で歪んでいる。
『……いいか、それ以上踏み込んでみろ』
軽やかに、いじめっ子達の前に躍り出た決意の手元には、いつの間に握っていたのか分からない……、
真っ赤なナイフ。
『オマエ 心の底から後悔することになるぞ?』
それを目の前に突き付けて、いじめっ子達の目を覗き込んだ。
やっぱり、瞳の色は“赤”だった。
「決意ってさ、何でヒーロー目指してるの?」
「なんだ、藪から棒に」
「いいじゃん別に」
「……いいか、俺は決してヒーローを目指してるわけじゃない。欲しいのはヒーロー免許だ」
「……?何が違うの?」
「俺はな、透。平和主義者なんだ」
「私めちゃくちゃ叩かれてる気がするんだけど?」
「俺は、俺と俺のまわりにいる人たちが守れればいいんだよ」
「?」
「はぁ……、わざわざ他人のためにどうこうする気はないってことだよこのアホーが」
「……バカにされた気がする!」
「バカにしてんだよ……ほら、サッサッと受験勉強しろよアホーが」
「くっ……この鬼、悪魔、めんどくさがり!」
「はいはい……ほら、ここの公式違うぞー」
「えっ、ウソマジで!?」
私は知っている。
決意は優しい奴だってことを。
私は知っている。
決意がヒーローを目指した理由は、あの日の出来事がキッカケだって事を。
幕張決意
見ず知らずの赤の他人のために命を張るなんて、真っ平ごめん。彼は英雄になりたいのではなく、彼のまわりにいる大切な人たちを守れれば、それでいい。
ステインとは絶対に分かり合えない……と思う。
決意君のヒーロー名 II
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