個性『弾幕』という名のUNDERTALE   作:絶対正義=可愛い

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本命はUSJだ。
これは前座です。
だから許して欲しい。
こんな駄文を投稿した私を……!


本命の実験には

ヒーロー基礎学。

 

 

前世では無かった、ヒーロー科というこれまた絶対に無いであろう学科の必修単位。

 

やる事は至って簡単。

ヒーローになるための基礎的な知識と技能を身につけるというものだ。

 

まさに、読んで字の如くヒーロー基礎学。

 

俺は今雄英高校に受かり、騷しくもうるさい(言ってること同じ)クラスメイトに囲まれて二度目の高校生活を楽しんでいる。

 

仏頂面とはいえ内心楽しんではいるのだ。

 

そして、今日はその記念すべき――前世でも経験のしたことのない――ヒーロー基礎学の初回授業である。

 

みんな大好きオールマイトが教師として壇上に上がり俺たちを指導してくれるんだとさ。

 

一般的に、初回授業というのはどのような評価体制で成績をつけていくのか、その説明などが入る。

と思いきや、まさかの初回から戦闘訓練。

 

 

この学校、本当に何でもありだな。

 

 

そうして、入学前に申請したコスチュームを手に持ち更衣室と転がり込んだのが、今の俺。

 

 

「おい幕張ィ……!!」

 

と、そこで声がかかる。

俺に向けて話しかけてくるやつなんて、物珍しいやつもいたもんだなと振り返る。

 

 

*しかし そこに は だれも いなかった!

 

 

 

「下だよっ!悪かったなチビでっ!」

 

 

そう言われて視線を下げれば、そこには特徴的な髪型の葡萄男子がいた。

名前は知らない。

 

「何か用か?」

「テメェには聞きたいことが山程あるんだ!!」

「はぁ……?」

 

目をガン開きしながら下唇を噛む様は……鬼気迫るという言葉がぴったりだ。

一体どんな衝撃的な真実を話してくれるのか、少しばかりの興味とワクワク感で彼の言葉を待った。

 

結果的には、あまりにもくだらない話だった。

 

 

「お前…お前ェあの透明女子とはどういう関係だあ゙あ゙ん!?」

「幼馴染だが」

「クソかよ死ねよ」

 

そんな血涙ながされても……。

 

「俺たちは至って普通の幼馴染だよ」

「異性の幼馴染と雄英までくるかよこのリア充がァ!!」

 

虚しい非モテの叫びが更衣室に木霊する。

チラリと周囲を確認すると、爆発野郎と火傷男子とマスク男子以外はソワソワとしている。

 

多感な年ごろだ。

致し方あるまい。

むしろ先に上げた3名のような反応の方が珍しい。

 

そうと分かっていても、やはりこのやり取りは、いい加減めんどくさい。

俺と透が異性の幼馴染だからといってその関係を疑ってくる輩が多すぎる。

いや、本当に。

 

 

「俺と透はただの幼馴染だよ。オマエの疑ってるような関係じゃない」

 

 

実際、俺の精神年齢は三十路を超えて四十路にまで手が伸びかかっているのだ。

 

俺はロリコンではない。

いや、ロリという定義的には15歳は決してロリではないのだが。

 

それでも一回り以上歳の離れた女の子を性的対象として見るか……といえば、うーむ……と言わざる得ない。

しかも透明だしな。

 

「嘘こけ!!四六時中イチャコライチャコラ……!見てるこっちが胸焼けしそうなんだよ!!」

「そうか、お前が胸焼けしようが俺には関係ないからどうでもいいな」

「うがぁぁぁぁぁ……!!!」

 

「まあまあ気持ちは超分かるが、峰田もそこら辺にしとけって……」

 

金髪チャラ男が峰田と呼ばれた葡萄男子を宥めている。

めんどくさい……。

 

 

「それじゃあ、俺はお先に失礼する」

 

 

男のむさ苦しい筋肉に囲まれてする話じゃない。

何だか暑苦しい。

その上期待を裏切られた。

 

最近の高校生というのは皆こうなのか……。

 

俺のコスチュームは酷くシンプルなので、時間をかけずに一足先に演習場へ足を進める。

 

 

後ろから聞こえてくる虚しい男の叫び声をBGMに、演習場γに行く。

 

 

 

 

 

 

「お前もう先に来て……たの…か……?」

「あ、決意。ふふーんどうだこのコスチューム!」

 

服が浮いているという奇っ怪極まりない状況を作り出せるのは我が幼馴染しか居ないため、ごく自然に声をかけたが、いつもとは明らかに違う様相に目が据わる。

 

 

いや、先程は服が浮いているなんて言ったが厳密には少し違う。

 

 

俺の反応なんて見てもいないのか腕をブンブン振っている透は、胸を張るように俺に全身を見せてきた。

もちろん、透明人間なので体なんぞ見えやしない。

問題は見えない部分があまりにも多すぎたのだ。

 

 

――嫌な予感がする。

 

 

「……透、お前まさかそれ、手袋とブーツだけとか、そんなバカなこと、無いよな?いくらお前がアホーとは言えそんなバカな事をするはず無いよな?答えてくれ透……俺は今冷静さを欠いている」

「え?手袋とブーツしか着てないよ?」

「……ああ……おじさんおばさん……。あなたの娘が痴女になってしまったのは、俺の調k…もとい教育が悪かったからなのでしょうか……」

「いま調教って言ったよね?言ったよね?」

「お前女子っていう自覚ある?」

「恋に飢える乙女ですがー!?」

「そうか……俺は悲しいよ。昔から過ごしてきた幼馴染が露出癖を患っていたなんて……本当に、割とマジでショックだ」

「だ れ が 露出癖だって〜。(#^ω^)それは聞き捨てならない!」

「じゃあ痴女にも反応しろよな……」

「私のコレは!個性を最大限活かした恰好なのですぅー!」

「…………………」

 

 

 

もう、ダメだこりゃ。

 

 

「っていうか、決意も人のこと言えないと思いまーす!」

「?」

「それはコスチュームじゃなくて、私服っていうんだよ!しかも結構ラフな!」

 

俺の今の格好はUNDERTALEのサンズの格好に酷似してる。

といっても、青いパーカーしか似ていないので、酷似という言葉は使わない方がよいきがするが。

 

サンズはパーカーの下に無地のシャツを着ているが、俺の場合はそのシャツにDELTARUNE(デルタルーン)の紋章が描いてある。

 

短パンではなく、普通にダボッとしたズボンで、スリッパではなく運動靴だ。

 

常識的に考えて、スリッパは外では適さないし、この歳になって短パン小僧は勘弁願う。

そういう理由で、まあ普通の格好に落ち着いた。

 

 

なんだ透……文句あるのか。

え?

常識を持ってるなら私服じゃない?

 

バカ言え。

これは機能性を重視して、いつでもコスチュームにすぐ着替えられるという利点がだな……。

 

被覆控除、面倒くさがっただけでしょ?

………だてに十数年幼馴染してないなコイツ。

 

「いや、待て。そもそもお前も人のこと言えないからな?」

「私は個性を最大限活かしてるんですぅ!」

「素っ裸なだけじゃねぇか何言ってんだ」

「すっ…は、裸じゃないし!手袋とブーツはしてるし!」

「いや……それが痴女度を加速させていると言っても過言じゃないだろ」

「ぐぬぬ……私服なや奴に言われたくない!」

「ぐぬぬ……素っ裸な奴に言われたくない!」

「真似するなぁ!」

「はいはい……はぁ……」

 

 

(((だからそう言うのがイチャコラしてるって見られてるんだよ!!!!)))

 

 

 

 

*トオル の コスチューム を みて ケツイ が みなぎった!

 

 

 

 

 

黙れアナウンス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始めようか有精卵共!!!!戦闘訓練のお時間だ!!!!」

 

透が身振り手振りでアホな言い訳をしている最中に、いつの間にか全員揃っていた。

オールマイトの掛け声とともに最後に来た緑髪男子で最後だ。

 

その後は特に特筆するべき点はない。

 

オールマイトの説明曰く、

「敵」と「ヒーロー」で分かれて、「核」を回収する「ヒーロー」と、それを阻止する「敵」で15分間の間でビルの中でやり合う。

 

設定がアメリカンと言う事以外本当に特筆するべきことがない。

 

コンビはくじで決めるそうだ。

んで、俺も引いて、そのコンビ相手ってのが……。

 

 

「俺はお前に呪われてるのか?」

「ひどくない!?」

 

 

透とコンビを組むことになった。

本当に世界の大いなる意思とかが関係してるんじゃないかっていう妄想するレベルで一緒になるな。

 

思えば幼稚園から中学まで一度もクラスで別になったことがなかった。

 

マジで呪われてんじゃ?

 

 

まあ、本音を言えばホッとしているところもある。

 

陽キャのコイツなら、相手の個性を大雑把にでも把握していることだろう。

そういう意味ではとても当たりな方だ。

 

何せ俺はクラスメイトの個性どころか名前すらまだ覚えていないからな。()

 

 

「最初の対戦相手はこいつらだ!!Aコンビが『ヒーロー』!!Dコンビが『敵』だ!!」

 

ちなみに俺たちのチームはIである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で俺たちの番だ、普通にやるぞー」

「おー!」

 

AコンビとDコンビの試合は開幕にしては物騒な事極まりなかった。

時間の流れが急激に飛んだのは……まあ、許して欲しい。

 

 

「それで、透。相手の個性分かるか?」

「うん?えっと…轟君が氷の個性で、障子君が……腕とかいっぱい生えてくる個性?」

「………すまん、轟と障子はどっちだ?」

「決意……人の名前位ちゃんと覚えようよ…さすがに引くよ?」

「安心しろ……自覚はある」

 

 

閑話休題。

 

 

「それじゃあ、作戦を立てていこうと思う」

「はいはい決意先生!」

「なんだね葉隠アホー君」

「ぶっちゃけ私って必要なくない?」

「…………………………………」

「静かに目瞑らないでよ」

「いや、まあ…ほら、お前は隠密からの奇襲で「ヒーロー」を落とせるから……」

「でも決意の『弾幕』でそこら中に罠張っといて、核を『弾幕』で覆えば勝確だよ」

 

 

この野郎。

演習にならないえげつないこと考えやがって……。

いやまあ、俺もその考えに行き着かなかったわけがないんだが……。

 

 

「結論から言うと、却下だ」

「ええー」

「理由は簡単、演習にならないから。先生達が俺たちの個性で何をどれくらい出来るのか、そしてその使い方を見極めるのが、この演習の目的だからだ」

「なるほど……?」

「だから、お前が活躍しないというのは却下。コンビの意味がないしな」

「……決意ってツンデ「ふんっ!!」いったぁ!?

 

余計なことを言わんでいい。

 

「イタタ……それで、じゃあ結局作戦は?」

「透が奇襲、俺が迎撃」

「………以上?」

「以上」

「決意にしては珍しくノープランだね」

「まあ、できる事が限られてる上に、敵さんと透の相性が悪いんだ。それに……」

「それに……?」

 

「十数年の付き合いなんだ、大体分かるだろ」

「…………それもそうだね!」

 

 

よし、そろそろ始まるか。

俺としては今回気をつける事は二つ。

 

一つ目は、『透を活躍させること』。

この場合は、勝敗の有無は問わない。

 

二つ目は、『相手をうっかり殺さないこと』。

俺の個性はあまりにも殺傷力が高すぎる。

まともに相手に向けて【骨】なんざやったら死んじまう。

 

だから、今回は【剣】も【槍】も【骨】も封印。

 

“自律型弾幕”と“生物型弾幕”でやる。

つまり今回最適な『弾幕』は……。

 

 

ボオッ……。

 

 

【炎】や【蜘蛛】だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第2試合START!!!」

 

よし……始まったか。

それじゃあ……?

なんだ、なんか……寒……ッッッ!?

 

 

「おいおい……そりゃ出力がおかしいだろうがっ!」

 

 

ビルが一瞬にして凍った。

いや、さすがに規模がおかしいだろ。

 

しかもご丁寧に核に届かないよう…に……?

 

 

もしかして、索敵できる奴がいる?

 

うっわマジかよ。

何だこの鬼畜ゲー。

初見殺しも大概だ。

今の一撃で散布した【蜘蛛】が全部消えた。

この寒さじゃあ、【蜘蛛】をもう一回出すのは無理だし、何だよこの理不尽。

 

 

いや、今はそれより。

 

 

「索敵がどういうものか分かんないが、取り敢えず音と仮定しよう。なら……」

 

 

【犬】を無差別に放出する。

 

 

“生物型弾幕”。

知能は低いが、敵に向かって自動で攻撃をする上に、俺の知覚範囲から出ても顕現し続けられる。

 

これで、敵の耳を欺けるといいが……。

ぶっちゃけ、索敵条件が目とかになると、さすがに対策できないから、これしか方法が無いが……。

 

「透聞こえてるか」

「痛タタタタ……!!」

「真っ裸はやっぱ辛くない?それ冬場とかどうすんの?」

「いいから助けてー!」

「はいはい」

 

【炎】でまずは俺の足元を溶かす。

もちろん、【炎】はみんな大好きトリエルやアズゴアの【炎】だ。

真っ白な炎は、それだけで現実味が無いが、ちゃんと火としての機能がある。

つまり、熱を発する。

 

原理がどうも詳しく理解していないのだが、どうやら酸素などがなくても存在できる事から、“炎という事象そのもの”であると仮定している。

 

きっと原作UNDERTALEではそんな馬鹿げた性能はしていないと思う。

こんな炎をまともに食らったら、Pルートに行くとかまず無理だ。

まあ、原作ではそんな炎を食らいながらも、根気強く訴えかけるあたり、Pルートの主人公は聖人かナニカなのだろう。

 

 

無断話が過ぎたな。

 

これで足元の氷は溶ける。

 

核が凍らなかったことから、敵はここに核があることを知っている。

つまり、ここに居れば直に開戦である。

その展開は、少し厄介だ。

 

核のそばで【炎】で弾幕合戦なんてしようものなら大幅減点。

 

それじゃあやる事と言えば。

 

(核を持ちながら逃げて、透を復活させる。ついでに核を隠してヒーローを潰す)

 

『ねぇまだ!?足の感覚なくなってきそうなんだけど!』

「透、お前もう喋んな」

『唐突な暴言!』

「違う、たぶん聞かれてる。あんま大きい音立てんな」

『りょ…りょーかーい』

 

【犬】を数匹出して、核を担がせる。

さて、出オチで最悪な環境からどう相手を出し抜くか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仲間を巻き込まず核兵器にもダメージを与えず尚且つ敵も弱体化!」

 

「最強じゃねぇか!」

 

腕をさすりながら解説を入れていくオールマイトと率直な感想を叫ぶ切島。

 

「見てください。幕張さんが何かしているようですわ」

 

「なんだ…?…火?」

 

八百万が決意のいるモニターを指す。

モニターに映る決意は、手に真っ白に揺らめく炎を携え、それを足元にかざしていた。

 

「そそそ、そう言えば、幕張君の個性って詳しく聞いたことなな、ない」

 

麗日が歯をガチガチ言わせながら決意の個性について言及する。

というのも、幕張決意という男は無口な上に休み時間も本を読んで、いかにも『喋りかけんな』という空気をまとっているのだ。

 

しかも、話し掛けても自然に会話の流れが止まる。

いや、自然に会話の流れ止まるとはなんぞやという話しなのだが……。

 

「ケロ……透ちゃんは、『色々な事ができて超強い!』って言って…たわ……」

 

その中でも葉隠透だけ、会話が長くなる。

しかもいつも漫才になって。

いまだにA組は夫婦漫才とでも言うべきそれに慣れていない。

 

「梅雨ちゃんくん大丈夫か!なんだか、舟を漕いでいるぞ」

 

「ごめんなさい、寒いの……苦手なの」

 

ブルリと体を震わせる蛙吹を気遣った飯田。

 

(幕張少年は周囲とうまくやれていないのか……)

 

オールマイトがワイのワイのやっているA組の喧騒を聞きながら、本人が聞けば言葉を詰まらせそうなことを考えて、モニターを見る。

 

 

まだ、試合は始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

『犬!?!?!?!?』

 

 

 

 

 

「できる事が多いとは言え、それはちょっとどうなんだい幕張少年!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きてるかー」

「うぅ……足の皮剝がれそう」

「ほらほら、【炎】だぞー、感謝しな」

「……へっくち!」

「ったく、ほらこれ羽織れよ。風邪引くぞ」

「うぅ……決意の温もりだぁ」

「気色悪いこと言うな気持ち悪い」

「男の子はこういう言葉で喜ぶって聞いたのに…」

「いや、普通に……キモい」

「あんまりだぁ!!」

 

俺が差し出した青いパーカーをひったくるように奪った透が何やら騒いでいる。

一応今は授業中という事を理解してるのだろうか。

 

いや、たぶん忘れてるな。

だってアホーだもの。

 

「さて……と。透は隙見てそのパーカー脱いで隠れてろ」

「へ?」

「そろそろ、誤魔化しがきかなくなってきた」

 

 

「ようやく見つけた……」

 

 

瞬間。

俺の目の前めがけて氷が凄まじい速度で迫ってくる。

【犬】は……全滅したな。

そりゃこの速度で来られたらただの【犬】じゃいとたまりもないか。

 

もちろん、俺は【炎】でそれを捌く。

 

「っ……お前……」

 

何やら複雑そうに眉をひそめている火傷男子……たしか、轟だったか。

……とてもめんどくさい匂いがするので無視だ。

 

「透!……さっすが、もう隠れたか」

「よそ見か……余裕だな…!」

「事実余裕だよ」

「っ!」

 

轟の足元から氷が生成され、俺に向かって再度突っ込んでくる。

 

さっきと同じパターン。

 

()の顔は三度じゃなくて二度なんだ、許してくれ」

 

俺はそれを【炎】で防ぎつつ、轟の背後に白い手のようなものを出現させる。

そこから【炎】が溢れる。

 

イメージはアズゴアとトリエル。

挟み込むようにこちらからも【炎】を出し轟を守る氷の壁を溶かしていく。

波状に広がる【炎】の玉はある程度スピードがついているものの、ずっと進み続けることはない。

一定の速度で緩やかに動きを止める。

 

 

そこで無線が入る。

 

 

『ヤバい障子君にバレちゃった!』

「透の得意なことなーんだ」

『隠れること!』

「見つかんのはえーよ」

『ごめん!』

「おいおい……核の場所はバレてねぇよな」

『それは……っあっぶないよ障子君!?』

『俺は今ヒーローだ。敵には容赦はしない……許せ』

「……そこそこピンチそうだな」

『大ピンチ〜!』

 

本当かよ。

 

「っ本当に……余裕だなっ!」

「あー、俺の相方が今ピンチらしくてさ、ここは平和に和平交渉なんていかが?」

「舐めてんだろっ……!」

 

うーん、と言われても。

ぶっちゃけ…いや、本音でぶっちゃけ。

 

 

余裕なんですよ。

 

 

轟の奴……個性の限界かな。

【犬】を潰すのに個性をたくさん使ったのかもしれない。

そのせいで氷を出すスピードも体の動きも鈍い。

 

 

まあ、どのみちそろそろ終わりかな。

 

 

「すまんな轟。お前はこのクラスでもトップクラスに強いんだろうけど……ここは俺の勝ち逃げにしてもらう」

 

 

ちょっとした演出のためにパチンッ!と指を鳴らす。

 

 

もちろん、結果は火を見るより明らか。

 

「こいつらさっきの………ッ!?」

 

廊下に【犬】を出現させる。

 

俺の【犬】は、残機数が無限なんだ。

やろうと思えばこのビルを【犬】で埋め尽くす事だって出来るんだぜ。

まあ、やろうとは思わないけど……。

 

でも、さっきの【犬】って舐めてかかったら痛い目見るぞ。

そいつはさっきまでのとは違う【犬】だ。

 

【犬】の中でもトップクラスに強い、わんさいぼうの【犬】。

 

 

顔はのっぺりと目も口も鼻もない。

しかしゆっくりと、その顔面が変形する。

虚空のようにポッカリと顔面に穴があく。

 

 

普通に恐怖ものだが、これがわんさいぼうの【犬】なんだ。

 

 

許して欲しい。

 

 

3匹。

轟の実力と今の体力と残り時間を考えた上で出せた【犬】でできる足止めのための人員ならぬ犬員。

 

今の氷の速度なら【犬】でも避けれる。

だから、それなりに手こずるだろう。

 

さらに、廊下と天井の間に【炎】の壁を作って、閉じ込める。

本物の炎なら、酸欠で結構マズい事になるのだが……【炎】は違うんでね。

 

 

「ってめ、待てっ!」

「待たないよ、あいにく相方がピンチなんでね」

 

 

【炎】の壁の突破自体は簡単だ。

天井か床を壊せばいい。

たが、果たして……それをわんさいぼうの【犬】がさせてくれるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はあっさり終わったように思える。

俺が轟を【炎】で閉じ込めて、透の元に向かってそこで障子と街角転校生の如く会敵。

 

不意を突かれたように飛び退いた障子の着地を狙って透がテープを巻き付けて確保。

 

そして、タイムアップ。

結果、俺たち「敵」チームの勝利。

いえい。

 

 

それで今は講評タイムなのだが。

 

 

「今回のMVPは〜……誰でしょう!」

「ハイオールマイト先生」

 

一試合目でも講評の時間をほぼ独壇場にしたポニテ女子が手を挙げる。

 

 

「今回のMVPは全員です」

 

 

「……」

「全員…か」

「全員だって、やったね!」

「全員……?透は違うだろ」

「ぶつよ?」

 

上から順に轟、障子、透、俺、透である。

どうでもいいが、“ぶつ”って言葉今日日聞かないな。

 

「轟さん、障子さん、幕張さん、葉隠さんは、状況に適応して臨機応変に行動していたからです」

 

「敵役のお二人の居場所を正確に把握して情報的に有利を得ることに貢献し、葉隠さんとの戦闘では正確に相手の居場所を把握し追い詰めた障子さん」

 

「開幕の氷結で敵を奇襲し、その後の戦闘でも相性を理解して会敵するメンバーを割り振ったであろう轟さん」

 

「開幕の氷結に対して迅速な対応をし、障子さん対策の犬。さらに居場所がバレた事に気付き核を別の部屋へ移動した幕張さん」

 

「自分でできることとできないことの報連相。さらに連絡があったであろうタイミングで障子さんを誘導し、幕張さんと会敵させ隙をついて確保した葉隠さん」

 

「各々が自分の役割と状況を把握していたからこそ、今回のMVPは全員ですわ」

 

 

…………いやぁ、この子すごいなー。(小並感)

 

 

「ん゙ん゙っ……ま、まあ…轟少年はペース配分、障子少年は詰めの甘さ、幕張少年と葉隠少女は気の緩みがあったりするわけだが……またもや正解だよ…くぅ〜!」

 

 

オールマイトがプルプル震えてらぁ。(笑)

 

それにしたって、過大評価がすぎる。

 

俺と障子と轟は分かるんだが、透があそこまで褒められたのはよく分からん。

 

俺が見てないだけで、実は障子との戦闘でファインプレーでもしていたのか……?

 

 

……まあ、でも。

当初の目的は達成できたし、別にいいか。

 

 

「幕張……」

「ん、なんだ」

「次は……負けねぇ」

「ん…、んん?…ま、まあ……お手柔らかにお願いします?」

 

 

轟がわざわざ話しかけてきて、次は勝つぞ宣言をしていった。

結構アツいやつらしい。

 

人は見かけによらないなー。

俺と同類だと思ってた。

主に休み時間一人っていう意味で。

 

変なやつだな轟って。

 

「決意にだけは言われたくないと思う」

「サラッと心のプライバシーの侵害するんじゃないよ」

「顔に出やすいんだよ決意って」

「……え、マジ?」

「うん」

「ええ〜……?ウソだろ?」

 

 

(((((いや、何で分かった!?)))))

 

 

俺ってそんなに顔に出やすいのか……。

自他ともに認める仏頂面なんだけど。

 

 

「そういえば葉隠さん家の透さんや」

「ふふんっ、何かな幕張さん家の決意君」

「俺の貸したパーカーは?」

「……………………アッ」

「……………………この野郎」

 

 

まさか脱ぎ捨てたままかよコイツ……。

 

 

 

結局。

パーカーはオールマイトが超人っぷりを見せて一瞬で回収してきてくれた。

……なんか、オールマイトをパシったみたいだ。

パシリ平和の象徴。

……ネットで言おうものなら炎上間違いなしだなおい。

 

その後も試合は続いて、まあやってる時はそれなりに楽しかったけど、見ている側だとつまらなかった。

 

授業をほとんどサボった感じだ。

だってずっと突っ立ってただけだし。

 

ただ、障子と話をした。

少しだけ仲良くなった気がする。

 

さっきから文章が単調なのは、それだけ何もなかったということ他ならない。

 

クラスメイトの演習を横目で流しながら思わずあくびをしてしまう。 

 

 

暇だ。

 

 

そのまま眠気と抗いながら授業を受け、何事もなく終わった。

 

 

 

*はじめて の くんれん で いい あせ を ながし ケツイ が みなぎった!

 

 

 

そんなもんで漲ってたまるか。

こちとら眠いんだ。




幕張決意 
個性 “弾幕”(UNDERTALE)
UNDERTALE内のことなら大抵出来るぞ!

“自立型弾幕”
いわゆる一般的なモンスターやボスモンスターが出す飛び道具のような弾幕。
種類が“弾幕”の中で最も豊富で、現時点で分かっているだけで
【炎】【水】【雷】【胞子】【機械】【爆】【弾】【筋肉】【顔】【水晶】【蔓】【涙】【野菜】【星】【斬】【歯】etc.
使いどころがとても難しく、これらを十全に使いこなすのは至難の技。


“生物型弾幕”
知能は低いが、敵を識別してこうげきする弾幕。
【犬】【蜘蛛】【蛙】【テミー】などがいる。
残機無限だが、一気に出しすぎると一部制御下から外れる個体が出てくる恐れがある。
特に【犬】と【テミー】はその傾向が高い。

特に【テミー】は知能がとても高い。
複数出すと勝手に“テミー村”を作る可能性がある。
要注意。

なお今回大して役に立たなかった【蜘蛛】には目を瞑ってください。






















個性 UNDERTALEは、殺意によってその出力と威力が上がる。

決意君のヒーロー名Ⅲ

  • Megalovania/メガロバニア
  • Megalonia/メガロニア
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