個性『弾幕』という名のUNDERTALE   作:絶対正義=可愛い

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オラにケツイを!!(モチベ向上のために、何卒何卒)


支障はないが

USJ。

 

俺の前世の記憶が正しければ、ユニバーサル スタジオ ジャ◯ンという名称で知られているアレだ。

色々なアトラクションと家族で楽しめるテーマパーク……?詳しくは知らないが、大体合ってるだろう。

 

今世にもあるのだが、個性というチカラが浸透しているせいか、前世よりも一工夫されているらしい。

あいにくと俺はそういった施設にとんと興味が無かったものだから、あまり良く知らない。

 

 

では何故俺がそんな事を言ったのかと言うと。

 

 

答えは俺の目の前に広がる光景を見れば分かると思う。

ウォーターグライダーじみた何かと、岩肌の目立つ山岳地帯、遠くの方には燃え盛る街?がある。

 

 

どう見てもUSJである。

この学校の予算どうなってんだ。

 

 

そんな、事を思っていると今回の授業の担当スペースヒーロー『13号』が自己紹介を始める。

 

災害救助に目覚ましい活躍を見せているヒーロー……らしい。

目の前で腕をブンブン振ってる丸顔女子と緑髪男子が興奮気味にそう言ってる。

 

 

それにしても、本当にUSJみたいだな……。

 

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc.あらゆる事故や災害を想定し僕がつくった演習場です。その名も……」

 

すごいなこの先生。

いやすごいのはこの学校か?

 

作りたいと思ったものを作れる……福利厚生が素晴らしいというやつだ。

福利厚生と言うには規模がおかしすぎるが……。

 

 

(U)ソの(S)害や(J)故ルーム!」

 

 

ダメだ……著作権が仕事をしていない…!

 

というか、ルームというよりドームだろうこの規模は。

ならUSDだろ。

アメリカドルかな?

 

 

「皆さんご存知かと思いますが、僕の〝個性〟は“ブラックホール”。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

 

初めて知った。

ていうか、何だその所見殺しと理不尽の塊みたいな個性は。

 

この世界を知った時も思ったけど、よく秩序を保ててるなこの世界。

 

 

「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね!」

 

 

緑髪男子がそんな事を言っている。

え、この人そんな超強い個性持ってながらも戦闘系じゃないの?

……いや、殺傷力が高すぎるから救助ヒーローとして活躍してるのか。

 

「ええ……。しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう“個性”がいるでしょう」

 

……耳が痛い話だな。

 

「超人社会は“個性”の使用を資格制にし厳しく管理することで、一見成り立っているように見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる“いきすぎた個性”を個々が持っていることを忘れないで下さい」

 

……いやマジで耳が痛い。

 

「相澤先生の体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います」

 

たしかに、透と一緒に対人戦闘をした時は少しヒヤヒヤしたな。

ここで言うヒヤヒヤは、物理的な話でもあるんだが俺が轟を殺さないかっていうヒヤヒヤな。

 

「この授業では…心機一転!人命の為に“個性”をどう活用するかを学んで行きましょう。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。以上!ご清聴ありがとうございます」

 

俺の為にあるような授業だな。(過言)

俺の個性は、何度も言うようだが殺傷力が高すぎる。

この個性をどう使えば人を傷つけない様にできるのか……。

“緑”の弾幕で回復させるくらいしか思いつかない。

 

まともにヒーローなんざやるつもりなんて毛頭ないが、俺の個性で守りたいものを傷つけたら本末転倒も甚だしい。

そこまで無かったやる気が湧いてきた。

 

 

*ため に なる はなし を きけて ケツイ が みなぎった!

 

 

癪なことに、今回ばかりはこのアナウンスにも同意せざるを得ない。

 

 

 

ゾワリッ……。

 

 

 

何だ……悪寒が……?

 

 

「一かたまりになって動くな!!!」

 

 

俺らの担任イレイザーヘッドが叫ぶ。

……なるほどなぁ。

どうして、こうもやる気を出した時に限って邪魔が入るんだろうか。

 

「……透、俺のそばからあんま離れんな」

「へ?」

 

バカ面(見えない)を晒している透の腕を掴んで、【骨】を2本展開する。

 

「13号!!生徒を守れ!!」

「なんだアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

赤髪ツンツン男子がいまだに事態を飲み込めていない。

呑気なもんだなマジで。

 

 

「チっ……委員長!今すぐ学校へ走ってこい!」

「は?」

 

ああ…もう。

反応の悪いクラスメイトに柄にもなくイライラする。

くっそ……めんどくさい……!

 

 

「まだ分かんねぇのかよ、どう見ても……」

 

 

「「あれは敵だ!!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん」

 

イレイザーヘッドがそう言って飛び出すのに待ったをかける。

さすがにあの中に一人で行かせるのは心もとない。

 

「先生、俺の個性で何匹かそっちに向かわせます。盾位に考えてもらって構わないですから」

「……助かる、だが避難を最優先にしろ」

「了解ですっと」

 

飛び出して行ったイレイザーとは正反対、つまり入り口に向かって駆け出しながら、片手間に【犬】を弾幕として出す。

 

【犬】。

前回の戦闘訓練でも出したが、改めて紹介しよう。

 

俺の出す【犬】は普通の犬とは違って、それなりのスピードを持っている。

自動車には及ばないが、それなりの速度で体当たりするため、それなり程度の敵であれば余裕でノックダウンを狙える。

しかも自動追尾。

 

『それなり』が多かったが、致し方ない。

この弾幕は“生物型弾幕”。

“武器型弾幕”よりも火力が落ちるのだ。

 

もちろん、俺の知覚外に行っても存在できるため、そこそこ優秀な弾幕であることに変わりはないが。

 

今回と前回の開幕で出した【犬】はニュートラルな突進しかしないタイプだが、これ以外にも動いたものに反応する設置型の【犬】もいる。

UNDERTALEのグレータードッグの【犬】だ。

 

わんさいぼうの【犬】を出してもいいか?

グロいし攻撃も唾液を飛ばしたりと轟の反応は悪かった気がするが、強い事はたしかだ。

 

 

【犬】系は実質“生物型弾幕”の花形であるため、その種類が多い。

 

……なんか、もうめんどくさくなったから【犬】は全部イレイザーヘッドにつけておこうか……。

いや、不測の事態も考慮するならやめといた方がいいか。

 

 

主に勝手に“うざい犬”になる怠け者を生み出す危険性を考慮して。

 

 

「後は……【蛙】も……いや壁の少ない広場じゃ出しても意味ないか……」

 

フロギーでおなじみ、飛びかかってくる【蛙】。

自動追尾ではあるが、基本的に壁となる足場がなければ【犬】の下位互換である。

ファイナルフロギーですらそうなのだ。

 

3次元的な動きをするからこそ輝くのが【蛙】。

今は要らない。

 

【蜘蛛】は使わない。

火力が足りないし、巨大【蜘蛛】の方も、あまり長時間顕現できるものじゃないからだ。

 

「とりあえずほいっとな」

 

走りながら【犬】を生成。

そのまま俺の意図を汲んだ【犬】はイレイザーヘッドの元に走り去っていく。

 

 

さて、後はプロに任せて逃げるだけだ。

この人数差でプロ二人だけというのは心もとないが、委員長がひとっ走りしてくれたら応援が呼べるだろう。

 

というか、何で委員長は学校に行ってないんだよ。

俺の話聞いてた?

 

あー、やだやだ。

……今日は少し、イライラする。

 

 

「させませんよ」

 

 

チっ……。

本当に……めんどくさい。

この黒モヤ…よりもよってワープ系の個性かよ。

こりゃ制圧しても敵を捕らえるのが難しくなったんじゃないか?

 

 

「はじめまして。我々は敵連合。せんえつながら…この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは」

 

 

どいつもこいつも……呑気にくっちゃべっちゃってさ。

何なんだろうな。

 

「平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」

 

………………………スゥ~……マジか。

 

「おい、透」

「な、なに……?」

 

こいつ……。

……いや、震えるのは当たり前か。

こんな悪意、この歳の子が経験するようなことじゃない。

 

「結構真面目に、俺から離れんなよ」

「わ、わかってる……!」

 

手袋とブーツでしか判断できないが、そこにいるであろう痴女姿の幼馴染が、俺のパーカーの端を掴む。

 

「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが何か変更があったのでしょうか?まぁ…それとは関係なく……」

 

モヤが広がる。

普通に考えればあのモヤがワープの起点。

 

【骨】に加えて【槍】と【剣】も展開する。

無闇に攻撃できないため、守るための盾程度にしかならないのが……っておいおい……!

 

何やってんだあのツンツン髪二人組み。

ワープ持ち相手に物理攻撃は愚策だろ。

 

あー、あー、ほら言わんこっちゃない。

先生の邪魔をしちゃって……いや、先生の攻撃もワープされる可能性があるけど、それでも物理攻撃よりかは幾らかマシ…だと思いたい。

 

 

「危ない危ない……そう…生徒とはいえど優秀な金の卵」

 

「ダメだ、どきなさい二人とも!」

 

 

モヤが広がる。

弾幕の【骨】や【槍】で囲うように守るが……。

 

 

…………まずったな。

……これは…ちょっと予想外。

 

 

想定以上にモヤの範囲が大きい。

さすがにこの範囲を守るには、ちょっと手数が足りないかな?

 

くそっ。

透の手だけでも握っとかなければ。

ワープ先がマグマとかだったらシャレにならん。

宇宙空間でもシャレにならん。

何なら、俺が居てもシャレにならんかもしれない。

 

透なら敵だらけの集団に放り込まれても、索敵ができるやつが居るだけで詰みだ。

コイツの強みは透明故の不可視の攻撃だが、如何せんそこまで膂力がある方じゃない。

 

ぶっちゃけ、純粋な力じゃあクラスの中でもワーストトップを狙える。

 

 

だからせめて、コイツと一緒にワープされないと。

 

 

 

 

散らして嬲り殺す

 

 

 

 

そんな言葉が聞こえたと同時に、俺の手の中にあった温もりが消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃え盛る炎の中に俺はワープされた。

もちろん、俺の手の中には透明な幼馴染の腕などない。

 

掴まっていれば大丈夫だと思っていたけど、俺がバカだった。

……いや、少し考えれば分かることだった。

これは俺の落ち度だ。

だが……。

 

 

「…………くそったれが」

 

 

思わず悪態を吐いてしまうのも許して欲しい。

それくらい今の俺は焦っているし、余裕がない。

 

 

「ギヘヘッ!!獲物だぞお前らァ!!!」

 

 

敵の一人が俺を見つけて仲間を呼ぶ。

 

 

あ゙ー、ほんっとうに……イライラするな。

 

 

コイツラ、半殺しでいいんじゃないか?

いや、いいだろ。

犯罪者である事に変わりはないんだ。

こんな奴ら……一人…二人…三人…居なくなっても、誰の迷惑にもならないし。

 

 

【骨】が出る。

大地から、壁から、宙から。

ありとあらゆる所から無数の【骨】が出てくる。

 

 

「俺の邪魔すんなよ……」

 

 

ドスの利いた声が出てくる。

無意識だ。

だけど、何となく気持ち的にはアレに似ているのかも知れない。

 

虐殺者(主人公)が最後の回廊にて現れたときのサンズは、こんな気持ちなんだろうか。

 

 

「サイアクな目にあわされたいのか?」

 

 

躊躇なく、その【骨】が敵の一人に攻撃する。

高速で飛んでいく【骨】は、その腹部を殴打……せずそのまますり抜ける。

 

 

「がッ……あ゙あ゙あ゙あ゙ァァァァ!!!!?」

 

 

しかしその敵は、悲痛な悲鳴をあげて悶え苦しんでいる。

 

 

【骨】に触れたんだ。

しかも、体を貫通(すり抜け)して。

【骨】の力の一つであるスリップダメージ。

毒のように蝕むそれは、“ダメージという概念”を直接叩き込む【骨】本来の攻撃と相まって、サイアクな相乗効果をもたらしているだろう。

 

 

“ダメージという概念”を強制的に叩き込む【骨】の強みは、〝防御不能〟というところだ。

その効果は、内臓にまでいっている。

 

 

 

さぞかし痛かろう。

 

 

 

もうソイツは立てやしない。

 

それよりも、他の敵を処理しよう。

そう、雑に処理すれば、ここら一帯の敵なんて一瞬で殺せるんだ。

 

……いや……いやいや。

相手は殺しちゃダメだ。

半殺し程度。

さっきもそう決めたし、うんそうだ…そう決めた。

しっかりしろ、俺。

 

取り敢えず、視界に入っている敵の足元から【骨】を出し貫く。

もちろん、そのまま突き刺したままだと死んでしまうのですぐに引っこ抜く。

 

 

 

「「「「「あ゙ァァァァガァッッ゙ッ゙ッ゙!?!?!?」」」」」

 

 

すり抜けて貫通した【骨】のチカラで、敵共が倒れ伏していく。

 

汚い悲鳴だ。

……内臓が壊れた……なんて事ないだろうな?

最悪の場合“緑”の弾幕で回復させなきゃならない。

 

 

……わざわざ敵相手にそんな事するのも億劫だから、できればやりたくないが。

 

 

 

そんな()()()()()()()より、この火災ゾーンから脱出して透を探しに行かないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリッとした顔で『離れるな』宣言をした決意とはぐれた葉隠透です。

なんて呑気に言ってる場合ではない。

いや、マジで。

 

モヤに包まれた私がやって来たのは土砂ゾーン。

私ってば決意に散々言われている通り、隠密位しか取り柄がないから、本気出して手袋とブーツも脱いで息を潜めて、隙を見て敵を締め上げる位のことしか出来ない。

 

「おりゃっ!」

「っがぁ…てめっ…やわっ……!?」

 

それはそうと。

真っ裸のせいか肌寒い。

 

コスチューム申請の時に決意に相談すれば良かったのかな……?

 

でも何でもかんでも決意に頼ってばっかじゃ、カッコつかないし……。

 

決意の言ってた通り、これじゃあ夏場はまだしも、冬場とかどうするんだろう?

決意に散々アホーと言われてるけど、反論できない。

ぐぬぬ……。

 

戦闘訓練の時に決意が痛い子でも見るかのような視線を思い出す。

そんな目しなくても、いいじゃんか……。

 

 

するとその時、つい最近感じた冷気が肌を撫でる。

 

 

…って、あぶなっ!?

咄嗟にジャンプして避けられて良かった!

さすがに二度目は無いんだよ轟君!

でも、それにしたって……。

 

 

「散らして殺す…か。言っちゃ悪いが、あんたらどう見ても『個性を持て余した輩』以上には見受けられねぇよ」

 

 

…と、轟君つっよ!!

目の前に居た敵が全員凍ってるよ!

戦闘訓練で身を持って知ってたけど……決意はどうやってこの轟君から逃げられたのか……。

 

それよりも、轟君と合流した方がいい。

 

「轟君!!」

「っ…!」

 

だからあぶないっ!?

ノータイムで氷ブッパしてきたよ!?

 

「ちょ、待って待って、私だよ私、葉隠透だよ!」

「……ああ、葉隠。見えなくて、つい……すまん」

「うん、まあそれはいいんだけど……」

 

これからどうする?という言葉は発する事なく、遮られた。

 

 

 

ズドンッ!!!!!!

 

 

 

空から何かが降ってきた。

いや、何かじゃない。

見覚えのありすぎる影だ。

 

 

「決意!?」

「幕張……!?」

 

 

それは、キリッとした顔で『離れるな』(エコー)を宣言した、私の幼馴染だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開始10秒で火災ゾーンの敵を根こそぎ屍(生きてる)に変えた平和主義者とは思えない暴れっぷりを見せた、俺だ。

 

屍の山の中にて、透を探すための現状把握と打開策を熟考すること1秒。

 

俺は今火災ゾーン……つまりUSJの中に居る。

 

いきなり生存不可能な場所にワープされなくて助かった……なんて能天気な事は決して言えない。

 

俺がたまたまUSJ内に飛ばされ、生徒の何人かは人質として取られている可能性がある。

 

また、USJの外に飛ばされて孤立無援になった奴がいるかも知れない。

 

 

……そうなっていたら、全てを助ける事はさすがに俺でも無理だ。

 

 

そして、最悪の最悪を想定するなら……もう透は……。

 

っ…しっかりしろ俺。

生産性のない最悪の想定なんて、するだけ無駄だ。

 

俺が出来ることを、今はやる。

透はUSJ内にいる。

クラスメイトの連中もUSJ内にいる。

 

警報装置が働かなかったのは、相手にそれを阻害する個性か道具があったという事ほかならない。

 

つまり、相手は増援を呼ばれることを危惧している。

それ即ち、敵はオールマイトを倒す“質”を持っていても、プロヒーローという“質”と“量”をさばく自信がない。

 

USJの外に生徒を出そうものなら、応援を呼ばれる可能性がある。

だから……みんなはUSJ内に居る。

 

そうに違いない。

そうであってくれ。

 

……希望的観測も甚だしい。

 

俺が敵なら人質として生徒を数名拘束し、余った邪魔な生徒を生存不可能な場所にワープさせて、見せしめに一人確実に殺したという証拠を残して、ヒーローには人質を盾にしながら戦う。いや、自害しろと命令する。

 

 

……だから、これはあくまでも希望的観測。

 

 

でもそんな希望にでも縋らないと、俺はどうかしそうだ。

 

 

……透の救出を優先しよう。

 

 

危険は度外視で【槍】に掴まって飛行してUSJをしらみつぶしにまわる。

俺が考えつく限りこれが一番速い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とは言え……まさか、初っ端でアタリを引けるとは…っ思わなかった……」

 

凍った大地に【槍】ごと突っ込んだせいで、少なくない傷を負った。

明らかに速度調整のミス。

 

焦っていたとはいえ、あそこまでのスピードが出るとは思わなかった。

 

焦っていいことなんてないな。

常に冷静にを心がけなければ……。

 

「決意!血が……っ!」

「大丈夫か……?」

 

透と轟が駆け寄ってくるのが視界の端に見える。

ああ……もう…本っ当に良かった……。

 

 

「轟……透を守ってくれてありがとう……」

「いや、別に……(凍らすところだったなんて言えねぇ)」

「それより決意!頭から血出てる……!」

「ちょっと待ってろ……応急処置程度ならできる」

「いや、いい。怪我はある程度なら治せる」

 

 

気まずそうに目を逸らす轟と本気出して素っ裸の透を傍目に“緑”の弾幕を用意する。

ウォッシュアの【水】の弾幕。

 

それを頭から被る。

 

ぱしゃっ…という控えめな水の散る音とともに急速に傷が塞がる。

色はどう見ても毒液にしか見えないが、これでも数少ない回復可能な弾幕だ。

 

あくまでも“外傷を治す”というだけなので、失った血は戻らない。

だが、俺の個性にしてはとても温厚だ。

 

「……幕張、回復系の個性なのか」

「うーん、決意は攻撃魔法も回復魔法も使える万能魔道士みたいな個性なんだよ」

「そりゃ器用貧乏っていうんだよアホーが。フォローになってねぇよ」

「ちょ…ほっへはひっはるあー!」

「……俺も…まだまだだな」

 

いや、お前は一体何を目指してるんだよ。

……ヒーローだわ。

何言ってんだ俺。

 

「ところで轟……この襲撃、どう思う」

「…用意周到に画策された計画的犯行。けど、俺たちに割り振られた相手があまりにも雑魚すぎる……オールマイト殺すっつぅなら、それなりの根拠があるはずだ」

 

 

なるほど。

……しくったな。

置いてきたアイツラに拷m……もとい尋問でもすれば良かった。

少なくとも、計画的犯行である事は確定なのだ。

中心人物だけでも聞き出せればよかった……。

 

「ちょうどよかった、コイツラに話を聞こうと思ってたんだ」

 

轟が凍りついた敵共を指しながら言う。

 

有能か轟。

 

情報とはそれだけで情勢が左右するものだ。

 

情報の価値を正しく理解すれば、それだけでアドバンテージとなる。

情報の価値を見誤れば、破滅する。

 

 

何にしたって俺たちには今情報という武器が足りない。

 

 

顔以外が氷漬けになっている敵のもとに三人で向かう。

 

 

その【骨】はなんだ…って?

そりゃもちろん“平和的に話し合い”で解決するために必要なもんだよ。

 

 

おいなんだその鬼畜を見るような目は。

透、お前もだぞ。

見えてないからって、視線に気づかないと思ったかこのアホーめ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初戦闘にして初勝利!!

 

これが勘違いだった。

 

僕らの“力”が敵に通用したんだと錯覚してしまったんだ。

 

“敵”。

プロの世界。

僕らはまだ何も見えちゃいなかったんだ。

 

 

「あ……れ……幕張……君……?」

「オイオイオイオイ………!!ウソだろ、マジかよ何なんだよぉ!!」

「そん…な……」

 

 

僕らは勘違いをしていた。

 

 

「に……げろ……とお…る…!」

「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

 

 

幕張君が居た。

葉隠さんの悲鳴が木霊した。

脳みそ剥き出しの敵に四肢を折られていた。

相澤先生が、必死に個性を発動させて居る。

 

幕張君のまわりに漂う白い【骨】は、力なく地面に落ちて、消えた。

 

 

そして……。

そして……。

そして……。

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

しかし、()()()()()()()()

 

 

幕張君の頭が、簡単に……潰されて…………………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜♪

〜〜〜〜〜〜〜〜♪

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

 

 

暗い闇の中。

聞き覚えのあるメロディー。

俺の目の前には一筋の光。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あきらめては いけない……

―――! ケツイ を ちからに かえるんだ!



















ケツイ








決意君のヒーロー名Ⅲ

  • Megalovania/メガロバニア
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