〇月×日。
いつもと変わらないアビドス。
いつもと変わらない日課の夜のパトロール。
私は、先生と一緒にアビドスを歩いていた。
その時、それを見つけた。
穴があった。
そう、穴だ。
中でなんか虹色の渦ができている穴があった。
ホシノ「.......なんだろうね、これ」
"さあ...目に良くない色をしている穴としか言えないね..."
見なかったことにしておくにはあまりにも存在感のあるそれは無視することはできなかった。
危険なものかもしれないし、調査してみよう。
ホシノ「とりあえず石でも投げてみる?」
私は手頃な石を見つけて拾って先生に声を掛ける。
"えっ...大丈夫?"
ホシノ「大丈夫じゃなかったからこそ、こうやって調査しないとでしょ?」
"それもそうだね..."
先生が心配そうに言うも、私の説得で納得した様子だった。
そして石を投げ入れる。
虹色の渦の中に落ちると石は見えなくなった。
石を投げ入れて30秒ほど待っても変化はなかった。
石がどこかに落ちる音などは聞こえなかった。
".......なんも無いね"
ホシノ「...もう1個入れてみようか」
再度石を拾って、投げ入れる。
先程と同じように30秒...変化はなし。
ホシノ「だめだ、わからないや」
"どうしようか..."
ホシノ「とりあえず1度帰ろっか、調査するにしても道具が欲しいし...1度戻ってみんなと話をして今後どうするか相談しようか」
"そうだね、それがいいよ"
先生とも話して一度アビドスに戻ることした。
???「ひぃん...!?」
2人でアビドスに戻ろうとしたとき、穴から音が...声が聞こえてきた。
その声に固まる。
聞き覚えのある...ありすぎる声だ。
私は気づいたら穴に手を掛けていた。
"ホシノ...!"
先生は穴に飛び込もうとしてる私の腕を掴む。
ホシノ「ごめん先生...でも私...!」
先生は真剣な顔をして考え込んでいたが、口を開いた。
"...これはあくまで調査だから、私も行く
ホシノ、それが条件だよ
もう1人で危ない目には生かせないよ"
ホシノ「先生...ありがとう!」
先生のおかげで私は冷静さを取り戻した。
危ない...また1人で突っ走るところだった。
私は一度穴から手を放す。
先生の隣に立ち、手を繋いで呼吸を整える。
この穴に飛び込んで平気なのかはわからない。
けれど、先ほどの声の正体をどうしても私は知りたい。
冷静になれば何もわからないことだらけで危険極まりないことを私はしようとしている。
けれど、今回は先生がいてくれる。
私に比べれば全然弱いはずなのに、頼もしさを覚えるその手を離さないように決意し、私は先生と共に穴に飛び込んだ。