ホシノが先生と過去のアビドスに行く話   作:ツキ0912

10 / 24
第10話 宝探し

今日は目覚ましの前に起きた。

なにも不思議なことはない、基本的に自分は早起きなのでむしろこれが普通だ。

最近は先生と寝てるので微妙に崩れただけだ。

顔を洗いに洗面所に向かう。

一通り身支度を終えて鏡に映る自分を見る。

うん、我ながらいい顔をしている。

覚悟の決まった顔だ。

朝食の支度をしようとして、部屋に戻ると丁度目覚ましが鳴った。

すぐに目覚ましは止められて、先生が体を起こす。

 

ホシノ「おはよう、先生...よく寝れた?」

 

"まあね...目覚めもすっきりだ...

ホシノは起きるの早いね"

 

ホシノ「おじさんは元々早起きだからね、大抵は目覚ましの前に起きるんだ」

 

"そっか...

じゃあ、とりあえず朝食の食べながら今後の具体的な方針を決めようか"

 

ホシノ「わかった」

 

2人で分担しながら朝食の準備をする。

今日は意外と上手く作れた気がする。

そんな可もなく不可もない朝食を食べながら今後の方針を話し始める。

 

"それで、今後はどうする?

基本的にはホシノに一任するよ

問題点とか、行き詰まったら私も意見出すけど...なにかある?"

 

ホシノ「とりあえず...今後起きる大きめなイベントを少し変えてみようと思う

ほら、この間のユメ先輩が攫われた時みたいにさ

基本的にはイベントにイレギュラー要素を足してみて、結末を変えてみよう

そうすれば、未来は変えられることになる...」

 

"...そっか

それで...大きなイベントって直近だとなにがあるかな"

 

ホシノ「......確か今日、ユメ先輩がアビドス砂漠に埋まってる鉱石の話を持ってくるはず」

 

"鉱石?"

 

ホシノ「そう、昔の人がアビドス砂漠にある大オアシスに捨てたってことを先輩から聞いて探しに行くんだ

普通なら、私とユメ先輩は探すんだけど...なにもなかったんだ

...でも、今の私達は覚えてるよね...場所」

 

"ああうん...でもなくなっちゃったよね"

 

ホシノ「でも、今ならある

もし、今...あの鉱石が見つけたら大量のお金が入って、大きく未来が変わると思うんだ」

 

"なるほど...やってみる価値はありそうだ"

 

私と先生は顔を見合わせる。

方針は決まった...どんな妨害があるかはわからないが...やってみよう。

 

準備も終え、私たちはアビドスに向かう。

特に何か起きるでもなく、予定の時間に着いた。

ほぼ同じタイミングでユメ先輩と昔の私もアビドスに着いた。

今後も同じように余裕をもって来るようにと釘を刺された。

我ながら生意気である...

ユメ先輩はなんだか楽しそうな顔をしていた。

生徒会室に入るなり話したいことがあると言い出した。

やはりあの鉱石のようだ

 

ユメ「まずはこの石を見て欲しいんだ」

 

ホシノ(過去)「...なんですかこれ?」

 

生徒会室に入るなり、ユメ先輩は自信たっぷりにテーブルにそれを広げた。

昔の私は怪訝そうな顔でそれを見ていた。

 

ユメ「これね、希少鉱石が含まれてるんだけど...実は昔、アビドスの人達が邪魔だからってオアシスに捨てたらしいの

それで、今日はこれを探しに行きたいと思います」

 

ホシノ(過去)「.......ユメ先輩、それ本気で言ってます...?」

 

ユメ「だ、ダメかな...?」

 

ホシノ(過去)「...そんなの...いいに決まってるじゃないですか!

なんですかその面白そうなのは!?」

 

2人のやり取りを先生は微笑ましげに、私は呆れながら見ていた。

主に昔の私を。

 

"アビドスの鉱石の話は私も聞いたことがあるね..."

 

ホシノ(過去)「先生ほんと!?」

 

昔の私が鉱石の存在を肯定する先生の発言に目を輝かせる。

 

"うん...ただ、私が知ってる場所と違うかも...それ、どこにあるかな?"

 

ユメ先輩は地図を取り出してホワイトボードに貼り付けてオアシスの場所を示す。

 

"...あれ、私が知ってる場所と違うな"

 

今度はユメ先輩と昔の私が落胆した声を出す。

 

"私が知ってる場所は...ここなんだけど..."

 

先生はあの鉱石がある場所を示す。

 

ユメ「...どっちが本当の場所なんでしょうか、先生」

 

"どうせなら、どっちも行ってみようか

私も気になるしね"

 

ユメ先輩と昔の私は嬉しそうな声を挙げる。

なるほど...自然に正しい場所を誘導している。

 

ホシノ「それじゃあ、準備しようか

これ、無理して日帰りにしないで一泊することを想定して行った方がいいかもね

あっユメさんはコンパスは絶対に忘れないでください」

 

ユメ「なんでそんなピンポイントで...?」

 

ユメ先輩と昔の私は興奮を、私と先生も別の意味で興奮しながら準備を始める。

水着を持ってくるようにとユメ先輩から言われたので一度家に帰って支度を整えることにした。

隠れ家で準備を終え、私達はアビドスに向かう。

 

"...にしても、なんで水着?"

 

ホシノ「ユメ先輩だからねー...」

 

先生のまっとうな指摘に合間に返す。

私だって不思議だし...

 

ホシノ「それじゃ、行こうか先生...未来を変えに」

 

"あまり気負い過ぎないで行こう...初めてだからね"

 

そしてアビドスに向かう。

一足先に戻ってきていたユメ先輩と昔の私と合流してアビドス砂漠に向かう。

途中、やはりというかなんというか...ユメ先輩のコンパスがなかったことがわかり、家に戻るとその途中でコンパスが落ちていた。

この人やっぱ危ないな...

私と昔の私の視線から気まずそうに顔を逸らしていた。

 

ユメ「それじゃあ着替えようか!」

 

オアシスに着いてから開口一番ユメ先輩はそういう言う。

私も昔の私も困惑している。

 

ユメ「ほら、早く早く!」

 

促されるまま私達は着替えの準備をする。

 

ホシノ「先生、何やってるの...後ろ向いてよ

それとも、ユメさんとホシノちゃんの裸見たいの?

この変態さんめ」

 

"ご、ごめん...!"

 

棒立ちする先生に後ろを向いてユメ先輩と昔の私は着替え始める。

私は念の為、先生を見張るため後から着替えることにした。

 

ユメ「ソラノちゃん、私達着替え終わったから見張り変わるよー!」

 

ホシノ「あっ...はーい!」

 

2人が着替え終わり、見張りを交代する。

 

"けど見張りって...そんな信頼ない?"

 

ホシノ「付き合いの長い私と優しいユメ先輩はともかく、ホシノちゃんからはまだ少ないんじゃない?」

 

"酷いなあ..."

 

ホシノ「...まあ、どうしてもって言うなら...私のは見ていいよ」

 

"ソラノ...!?"

 

ユメ「わお...」

 

ホシノ(過去)「ふざけたこと言ってないで早く着替えてください!」

 

ホシノ「ただの冗談なのに...」

 

私の爆弾発言?を受けて三者三様の反応を見る。

でも実際...先生が見たらどうしようか...

...怒りながらも許しそうな自分がいる気がする。

手早く水着に着替え終わると私は待っている3人に声を掛ける。

最後に先生が着替える番だ。

 

"私の着替えも別にのぞい...ごめん、ソラノみたいに冗談だからそんな目で見ないでください...ごめんなさい"

 

先生も私と同じ冗談を言う。

私は呆れた顔で、ユメ先輩は困り顔で、昔の私は殺しそうな目で見ていた。

若干先生が可哀想だったが...まあ仕方ない。

ふと、先生が着替えてる最中に昔の私を見る。

...あれ、ちらちらと先生を見ようとしてる?

.......あれ...嘘だよね?

 

"お待たせ、着替え終わったよ"

 

先生も水着に着替えて戻ってきた。

全員砂漠で水着で向かい合うというなんとも奇妙な光景だった。

...相変わらずユメ先輩はでかいな。

 

ユメ「うわあ...水着でよりわかるけど...体型までホシノちゃんとソラノちゃん似てるんだねー」

 

ホシノ(過去)「本当ですね...

私はまだ一年なんで成長するので大丈夫だと思いますが...ソラノ先輩はもう3年ですよね...」

 

ホシノ「......うへ...私の事より自分の事心配しな」

 

ホシノ(過去)「えっ?」

 

自分は成長すると信じて、3年の私と心配する昔の私よ...これがその3年の自分の姿だぞ。

隠れて笑っている先生の脇腹を打って悶絶させておく。

 

ホシノ(過去)「...そういえば先生、スク水着ですが...私達水着なんですよ、何かないんですか?」

 

昔の私が先生にそんなことを言い出す。

私も先生もユメ先輩もそんなことをまさか過去の私が言い出すとは思わず、驚いた。

 

"えっ...あー...似合ってるよ..."

 

ホシノ(過去)「そ、そうですか...」

 

なに、なんなの...?

もしかして先生が気になってるの?

大人だよ?

信頼できないって言ってた大人だよ?

少し助けてもらっただけで信じるの?

いや、確かに先生はいい人だ...今まで出会った大人の中で1番と言っても誇張にはならない。

けれど、私が先生を信じるのだって時間はかかった。

やっと私は全幅の信頼を置けるようになったのにもう信じちゃうの?

それなのに...だめだよそんなの...

そもそも昔の私は先生の何を知ってるのさ。

いや、私だって全部を知ってるわけじゃないけどそれでm

 

"ソラノ、なんか怖いよ?"

 

おっと...いけないいけない、落ち着かないと。

 

ホシノ「それよりも先生、私のスク水はどう?」

 

"へっ?"

 

ホシノ「前に手伝いの報酬として散々ねだった私のスク水だよ?」

 

"そ、ソラノ...それは!?"

 

落ち着いて私は牽制する。

先生は渡さないよ?

唖然とする昔の私と、先生を置いて私は宝探しを始めるのだった。

 

ザックザック。

砂を掘る音と実に楽しそうなユメ先輩と昔の私の話し声が聞こえる。

ザックザック。

少し疲れてきたのか、口数が減り始める。

ザックザック。

遂には会話もなくなった。

私は元々出てこないは知ってるが、それはそれとして楽しいので無言で掘りながら2人を眺めていた。

 

ユメ「ねえ、ホシノちゃん、ソラノちゃん...言っていいかな」

 

ソラノ「なんですか?」

 

ホシノ(過去)「...やめてください、薄々わかってるので」

 

ユメ「やっぱり出ないじゃないかな...」

 

ホシノ(過去)「...やっぱりそうですよね!

出るわけないですよね、こんなの!」

 

ユメ「ほ、ホシノちゃんもノリノリだったよね!?

あと...やっぱり水着は着る意味なかったような」

 

ホシノ(過去)「そもそも、なんで水着なんて着ようって言ったんですか?」

 

ユメ「それは...地下水とか溢れて砂漠化が解決しないかなーって...」

 

ホシノ(過去)「そんな確率ありましか!?」

 

段々とヒートアップする2人私は宥める。

 

ホシノ(過去)「ところで、先生はどうしましたか?」

 

ホシノ「先生は一足先にダウンしたから日陰で休んでるよ」

 

休む直前、まだまだ自分も若者だけど、学生の体力が羨ましいとボヤいていたのを思い出した。

 

ホシノ(過去)「もうやめましょう!

こんだけ掘ったのに出ないってことはないんですよ、きっと!」

 

昔の私はツルハシを投げだして砂漠に倒れる。

 

ホシノ「そうだね...じゃあ、私達も少し休憩したらもう1つのポイントに向かおうか」

 

ホシノ(過去)「...本当にあるんですかね」

 

ホシノ「さあ...結局は噂だからね...確定はできないよ」

 

ホシノ(過去)「じゃあ、無駄骨になることもあるんじゃないですか」

 

ホシノ「そうだね...でも、この時間だって楽しかったでしょう?」

 

昔の私は無言になった。

私はそのまま続ける。

 

ホシノ「結果を追い求めるのもいいけど、身近にいる大切な人との思い出も増やすのはすごく大切なことだよ

これは少しだけ長く生きてきた先輩の教訓だよ」

 

昔の私は少し不思議そうな顔をしていた。

 

ホシノ(過去)「まあ、情報元がユメ先輩ではなく、先生なので信憑性は高いですからね」

 

ユメ「ひ、酷くない?」

 

ホシノ「......さて、そろそろ移動しようか

先生、行けるー?」

 

"なんとか..."

 

先生に声を掛けて、私たちは大オアシスを後にして鉱石が埋まってる場所に向かう。

 

ホシノ「...あれ...?」

 

ユメ「ソラノちゃん、どうしたの?」

 

ホシノ「いま、地震でも起きました?」

 

ホシノ(過去)「そんなの起きてませんよ」

 

"私も気づかなかったな"

 

ホシノ「...そっか」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。