ホシノが先生と過去のアビドスに行く話   作:ツキ0912

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第13話 アビドス七不思議

宝探しの件から一か月が経った。

砂漠から帰ってきて先生から治療を受けた次の日、私はもう動けるまでには回復していた。

無論、所々が痛みはあったが。

先生からはなんでそんなに早いのかと驚かれたが、基本的に1人で戦ってた期間が多いため、なるべく早く治そうとして気合いをいれてたのが原因だろう。

そういうと先生は気合いで治るんだ...と驚いてた。

一週間経つ頃には既に完治し、戦闘にも復帰できた。

丁度ヘルメット団も襲ってきたので返り討ちにした。

そして一か月、私と先生が何をしていたのかというとひたすら未来を変えようとしていた。

悪いバイト先を事前に教えたり、金策を考えて実行したり。

だが、どれもこれもが失敗した。

どんなに小さなことでも歴史の修正力は許してはくれなった。

でも大丈夫...まだ次が...

 

"ホシノ、ホシノ..."

 

ホシノ「うへっ...先生どうしたの...?」

 

"ホシノ、ケチャップ服に付いてるよ"

 

ホシノ「...あっ」

 

指摘されて視線を落とす。

寝間着にケチャップが付いていた。

 

ホシノ「ごめん...ちょっと考えごとしてて...」

 

"次の修正...?"

 

ホシノ「まあね...」

 

先生の質問に素直に応えると怪訝そうな顔をしていた。

 

"ホシノ、今日はそれはなしにしよう"

 

ホシノ「うへっ...どうして!?」

 

先生の発言に思わず身を乗り出す。

すると先生に鏡を見せられた。

 

ホシノ「...なにこれ」

 

少しやつれた自分の顔が映っていた。

 

"気が付いてなかったのか...すこし根を詰めすぎだよ、ホシノ"

 

ホシノ「でも...私は...」

 

反論しようとしたが口を閉ざした。

たしかに酷い顔をしている。

このまま進めてもきっといい結果には繋がらないのは事実だ。

焦る気持ちもあるが...焦ってもよくはない...

 

ホシノ「...ごめん、ありがとう

自分でも気づかなかった...」

 

"...元々やってることは難しいことなんだし、気長にやろうか"

 

ホシノ「そうだね...」

 

"じゃあ、今日は何も考えずに生活してみよう"

 

ホシノ「...何も考えずにかー」

 

"ホシノだって学生だし、青春をだね"

 

ホシノ「...ありがとう、先生

......でも今日は私のせいだけど遅刻だね」

 

時計を見ればそろそろ出ないとまずい時間だった。

 

"あっ..."

 

ホシノ「2人で怒られようか...これも青春だよ...」

 

"私の青春はもう終わったんだけどね..."

 

結局焦っても遅刻は変わらないので私達はいつものペースで支度をして向かった。

 

ホシノ(過去)「遅い!」

 

校門前で昔の私は仁王立ちしていた。

また小言かー...と思ってると

 

ユメ「あ、おはようございます

ホシノちゃんったら実はまだ先生は来ないのかってそわそわしてたんですよ」

 

暴露された昔の私は大慌てしていた。

へえええええ。

 

ユメ先輩の援護射撃?のおかげで小言はなく、生徒会室に言った。

 

ユメ「今日はアビドス七不思議を調べたいと思います!」

 

ユメ先輩はドンッ!っと音を立てながら分厚く、古い本を机に置いた...というか重かったのか落とした。

その衝撃で埃が舞い、むせていた。

 

ホシノ(過去)「なんですか、これ...」

 

ユメ「アビドスの歴史が書いてある本だよ

ここにね、七不思議の詳細が載ってるの」

 

...アビドス七不思議。

 

ホシノ「先生、ちょっと...」

 

私は先生を呼んで生徒会室を後にする。

 

"ホシノ、どうかしたの...?"

 

ホシノ「ユメ先輩がアビドス七不思議って言ってたじゃん?」

 

"うん...それがどうしたの?"

 

ホシノ「私、アビドス七不思議なんて知らないし、あの本についても初めて見たんだけど」

 

"えっ"

 

私の知らない本、私の知らないアビドス七不思議、私の知らないイベント...

 

"歴史が...変わってる...?"

 

そう、そういうことだ。

私達はとうとう歴史を変えたのだ。

だが、素直に喜んでもいられない。

 

ホシノ「でも、なんで急に?

どうやって歴史が変わったの?

その条件はなに...?

それで、この変わった歴史はどこに繋がるの?」

 

問題はこれが意図した歴史改編ではないことだ。

もしかしたらとんでもない破滅に向かってるのかもしれない...

 

"ホシノ"

 

考え込んでいると先生が声を掛けてきた。

私はその声に反応して顔を挙げると優しい顔をした先生がいた。

 

"ホシノ、今日決めた予定は...?"

 

ホシノ「...青春を楽しむ」

 

"そう、だから深く考えないで"

 

ホシノ「だけど...」

 

"いいんだよ...今考えてもわかることはない...後手後手なのはいつもだし、それなら楽しみながら待とうか

七不思議探索、面白そうじゃん?"

 

ホシノ「七不思議探索なんて普通先生は止める側じゃない?」

 

"ホシノが私にも青春を楽しめって言ったじゃん"

 

ホシノ「...言ったけどさ」

 

少し呆れながらも考えることをやめた。

先生が言った通り、今は情報が少ないので考えても何も出ないのも事実だ。

なら、先生の言う通りにしてみよう。

 

ユメ「おかえりソラノちゃん、何話してたの?」

 

ホシノ「先生に七不思議探索なんて危ないことさせていいのかって聞いたんです

そしたら先生もノリノリで...普通止める側なのに子供っぽいですよね」

 

私の返答にユメ先輩は微笑んでいた。

 

ユメ「それじゃ、改めてアビドス七不思議についてかくにんしようか

1つ、アビドス高校の花子さん

2つ、砂漠に住む正体を知ってはいけない白いなにか

3つ、廃病院をさまよう看護師

4つ、地図に存在しない駅

5つ、アビドス0丁目

6つ、開かずの倉庫

7つ、時を超える穴

これがアビドス七不思議だね...ホシノちゃん、知ってた?」

 

ホシノ(過去)「知りませんよ、ばかばかしい...そんなのあるわけないじゃないですか科学的に考えて」

 

ユメ「でも、トイレの花子さんいたよね」

 

ホシノ(過去)「あ、あれは気のせいですってば!」

 

昔の私が顔を青ざめながら答える...よっぽど怖かったのだろう。

正直、私だって怖い。

 

ユメ「じゃあ、この砂漠に住む正体を知ってはいけない白いなにかは」

 

ホシノ(過去)「あれは...」

 

ユメ「あれって、ビナーの事じゃないかな?

トイレの花子さんはともかく、砂漠に住む正体を知ってはいけない白いなにかは物理的に存在したよね?

そしたら他のはどうかな...七不思議って言うけど実は超常的なものじゃなくて科学で存在できるものだとしたら?

って考えると面白くない?」

 

なるほど...ユメ先輩の言いたいことは分かった。

そして概ね事実だと思う。

原理はわからないが、最後の時空を超える穴は私達が通ってきた穴だ。

それは確かに存在する。

それに、時間を超える存在はあの穴だけではない...別の世界から来たシロコちゃんだっているんだ。

まだわからないだけで、きっと原理はあるのだろう。

それに、時空を超える穴については私も知りたい。

全てを終えた後に帰るために必要だからだ。

 

ユメ「だから、調べてみようよ...ホシノちゃん」

 

ホシノ(過去)「い、嫌ですよ...正直に言いますけど...怖いです」

 

ユメ「でもアビドス0丁目には埋蔵金が埋まってるって話だよ?」

 

ホシノ(過去)「それを早く言ってください」

 

恐怖よりお金が勝ったのか、すぐに目の色を変えていた。

我ながら恥ずかしい。

 

ユメ「けど、全部は調べられないかな...この本に載ってるのもアビドス七不思議全部じゃないし

とりあえず最初はアビドス0丁目について調べようか」

 

ホシノ「あの、すみません...私時空を超える穴ってのが気になります。

私にも読ませてもらっていいですか?」

 

"私も気になる...一緒に読ませて"

 

ユメ「それは確か載ってたはずだよ

はい...重いから気を付けてね

知りたい未来とか、変えたい過去とかあるの?」

 

 

乾いた笑いを返しつつユメ先輩から本を借りて私は先生と一緒にページを捲る。

そして時空を超える穴についての記載を見つけた。

 

ホシノ「年に一度、虹色の穴がアビドスのどこか出現するであろう。

その穴は時空を超えたアビドスに繋がっている...

そしてその日付は...」

 

"ソラノ...どうかした..."

 

ホシノ「後で言うね...」

 

神がいるならどうやらこの神は神はかなり意地が悪いと思う。

そこに記載されていた日付は丁度ユメ先輩が失踪する前日だった。

 

あれから私達は一度解散することになった。

なんでも、深夜3時にアビドス1丁目と他学区との境界線を越えるのが行く条件らしい。

そんな簡単なものだろうか...

とりあえず、準備と夜中に備えるために家に戻った。

 

ホシノ「...さて、アビドス0丁目かー...」

 

"ホシノ、さっきの穴についてだけど..."

 

ホシノ「ああ、あれね...

うん、あの本に書いてあった日付見た?」

 

"うん...一応..."

 

ホシノ「書いてあった日付の次の日、ユメ先輩が失踪したんだ...」

 

私の言葉に先生の動きが止まった。

 

"じゃあ、実質的なタイムリミットは..."

 

ホシノ「ユメ先輩が失踪する前の日。

だから私達は最終手段としてユメ先輩を砂漠に行かせないって言うことはできない。

仮にやったら、一年はここにいる必要がある。

元の世界でどれくらい時が経つかはわからないのにそんなことはできない...」

 

"あまり悠長なことはできないってことか

でもホシノ..."

 

ホシノ「わかってる...今日は普通に過ごすんでしょ?

タイムリミットはあるとはいえまだ先だし、それに今の時点で未来は変わってるんだよ?

きっと、いい未来に向けて何とかなるよ」

 

笑いながらそう言うと先生は安心したような顔をした。

大丈夫、事態は動いている..焦ってもどうにもならない。

自分に再度言い聞かせ、アビドス0丁目に向かう準備を始める。

 

ホシノ「けど、準備って何すればいいかな...」

 

"防寒着、懐中電灯、何か出た時のためのお札と塩..."

 

ホシノ「お札なんてないから塩だけだね...

...出るかな?」

 

"わかんないけど...怖い?"

 

ホシノ「そりゃまあ...おじさんだって女の子だし...?

何かあったら守ってね?」

 

"当たり前だよ...死んでも守り切るよ"

 

ホシノ「うへへ...嬉しいなー...」

 

なんだか甘い雰囲気に包まれながら私達は準備を進め、夜に備えて2人で眠るのだった。

 

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