ホシノが先生と過去のアビドスに行く話   作:ツキ0912

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第5話 穴の行方

ホシノ(過去)「小鳥遊ソラノー?」

 

昔の私はいかにも怪しいという顔で私を見ている。

 

ホシノ「な、なに...?」

 

ホシノ(過去)「怪しい...偽名とかじゃないですか?」

 

ホシノ「そ、そんなことないよ

小鳥遊って別に珍しい苗字じゃないでしょ?」

 

ホシノ(過去)「......なんで響きが似てるんですか」

 

ホシノ「た、たまたまだよー...」

 

ホシノ(過去)「......まあ、元々完全には信用する気はないのでいいですが...」

 

少し私を睨んだ後、昔の私は引き下がった。

 

"えっと、そろそろいいかな...

こんな形だったけど、今日の予定だった顔合わせは終わったし私たちは行こうと思うんだけど

明日、朝から学校に向かうけどそれでいいかな"

 

ユメ「はい、わかりました

よろしくお願いします!」

 

ユメ先輩はまだ険しい顔をしている昔の私を引っ張って去っていった。

 

ホシノ「うへええええ...緊張したよぉぉぉ...」

 

緊張の糸が切れて私は私は先生と一緒にその場に座り込んだ。

 

“にしてもホシノ...小鳥遊ソラノはないよ....安直過ぎで焦った...”

 

ホシノ「何も私聞いてないのに合わせた方だと思うんだけどなー...」

 

“でもごめん、ホシノ...必要なこととはいえ、ユメと昔のホシノを騙す事して...“

 

先生が私に謝罪をする。

別に気にして無いのに先生はやはり優しい。

 

ホシノ「いいよいいよ、ちゃんと必要なことってのはわかってるからさ

それよりも先生、そろそろ行こうか」

 

”行くって、どこへ?“

 

ホシノ「やだなー...忘れちゃったの?

あの穴だよ

ユメ先輩のこともあれだけど、帰る方法を探さないとでしょ?」

 

”あっ...そっか...”

 

私は先に立ち上がって先生に手を差し出す。

 

ホシノ「それじゃあ行こうか、先生

私がそばにいるから守ってあげられるけど、アビドスの治安はあんまりよくないからね

気をつけて行こうか」

 

“そうだね

頼りっきりになるけど、よろしくね”

 

ホシノ「うへへ、元々は私のわがままなんだし、気にしないで

ほら、早く行こっか」

 

先生は私の手を取って立ち上がる。

何となくお互い手をそのまま離さないで繋いだまま歩き始めた。

 

ホシノ「確かこの辺りだよね、先生」

 

特に問題もなく、私達はあの穴があった場所に来た。

 

"さて...穴は.......あれ、ないかな?"

 

ずきりと胸の中が痛む気がした。

 

ホシノ「ば、場所は同じかもだけどまだ座標はズレてるかもだし...探してみようか」

 

"うん、そうだね"

 

私は若干引きつった笑顔を見せて2人で穴を探し始めた。

 

"うーん"

 

ない。

 

ホシノ「そっちはどう?」

 

ない。

 

"ないねー..."

 

ない。

 

ホシノ「ど...どこかなー...」

 

ない...!!!

 

"......."

 

結局、暗くなる捜索したけれども、穴は見つけることは出来なかった。

 

"見つからなかったね...仕方ない...ホシノ、今日はm"

 

ホシノ「どうしてないの!!!」

 

堰を切ったように私は叫びだした。

 

"ほ、ホシノ...?"

 

ホシノ「なんで...なんで見つからないの!?

なんでないの!?

私はどうなってもいい....けど先生は違う!

私はただのわがままで来たけど、先生は違うじゃん!

私のわがままに付き合ってもらっただけじゃん!

だから...私は帰れなくてもいいから先生だけは帰してよ!」

 

私の心は我慢の限界だった。

今まで2度も先生に助けられた。

今度は私が助けなければいけないのに...私のせいでまた先生に迷惑をかけてしまった。

私は...

 

"落ち着いて、ホシノ"

 

先生は私の肩を叩いて微笑みかける。

 

ホシノ「先生...?」

 

"ホシノ、私達が元の世界であの穴を見つけたけど、ずっとあった?"

 

ホシノ「...ない...なかった」

 

"そうだよね...もしかしたら出現の条件があるかもしれない

まずは情報を集めようか

諦めるのはまだ早いよ"

 

ホシノ「...ごめん、そうだよね

ごめんね、先生...先生を守るとか言ったのに情けない姿を見せて...」

 

"いや、それ以上にあんなになってしまうくらい思われてるんだなって感じたよ"

 

急に先程の慟哭に恥ずかしくなってきた。

 

ホシノ「と、とりあえず今日の寝床探そうか...明日も早いからね!」

 

なんだかニコニコしていたので軽く小突いて歩き出した。

 

"ホシノ、ここは?"

 

1つの建物に私達はたどり着いた。

想像していたより少し古かった。

 

ホシノ「ここはおじさんが昔使ってた隠れ家みたいなものだよ

戦いが長引いた時とかここに隠れて夜を過ごしてたんだ

もうしばらく使ってないから昔の私も来ないと思うよ」

 

軽く説明すると私達は中に入る。

埃臭かったが一夜を過ごすには申し分ない。

非常食の備蓄もあったが、万が一ここに来られてバレても面倒だと思い、手は出さないようにした。

 

ホシノ「とりあえず、今日はおじさんが持ってた非常食を食べて明日から拠点と食料の確保を考えようか」

 

"そうだね"

 

その後は軽い雑談をしながら食事を済ませて就寝の準備をする。

2人分の寝具を敷いて、早めに寝ることになった。

 

"ねえ、ホシノ"

 

2人で寝具に入って、寝る直前に先生が声をかけてきた。

 

ホシノ「なあに?」

 

"さっき、私だけでも帰してっていってたけどさ"

 

ホシノ「うへ...その話する?」

 

情けない自分の姿を思い出して少し嫌な気分になる。

 

"それは絶対だめだよ

帰る時は、2人で一緒に

わかったね?"

 

ホシノ「.......ごめん、ありがとう先生

そうだね、ちゃんと一緒に帰ろうか」

 

先生の強い眼差しに私の心は少し軽くなった気がする。

 

ホシノ「ねえ、先生...

もう少し傍で寝てもいい?」

 

"いいよ、おいで?"

 

寝具を近づけ、無言で手を繋ぎながら私は目を閉じる。

前途多難ではあるが...先生の温もりが私の心を和らげ、次第に眠りに誘った。

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