ホシノが先生と過去のアビドスに行く話   作:ツキ0912

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第6話 過去のアビドス2日目

体が揺れている。

聞き慣れた声が私を呼んでいる。

でももう少し待って欲しい。

この温もりをもう少しだけ...

 

“ホシノ、ホシノ起きて!

朝だよ!”

 

先生の声で段々と意識が覚醒する。

 

ホシノ「おはよう...先生...

なんか近くない?」

 

“寝ぼけたホシノが夜中来たんだよ”

 

ホシノ「うへ...そうなんだ...」

 

10秒程先生の顔を見てだんだんと意識がはっきりして来た。

 

ホシノ「うわごめん先生⁉︎」

 

“いやいいんだ...緊張してちょっと寝不足だけど”

 

お互い顔を赤くしながら見つめ合う。

 

“やば、そろそろ動かないとユメ達との約束に遅れる!”

 

自身のタブレット端末を取り出して時刻を確認する。

 

ホシノ「ごめん、私のせいだ!

普段すぐに起きるのになんで...」

 

正直、自分でも寝坊した理由がわからない。

ただ一緒に先生と寝てただけで........それだ。

私は先生と寝るとそんなに気が抜けるのかと情けなさと先生対する想いで顔を赤くする。

 

“ホシノ?”

 

ホシノ「なんでもない、ほら行こう!」

 

心配そうに顔を覗き込む先生に声をかけて私は支度を進める。

だが、少し違和感を覚えた。

 

"ホシノ、どうしたの?"

 

端末をもう一度見直す、主に日付の部分を。

 

ホシノ「ねえ先生、見てこれ」

 

端末を先生に見せる。

そこには私達の元の世界よりおよそ半年程前の日時が表示されていた。

 

"日付にズレがあるね..."

 

ホシノ「そう...ねえ...もしかしたら...

あー!?

やばい、そろそろ動かないと本当に遅刻するよ!」

 

"やばい、遅刻なんてしたら昔のホシノになんて言われるか...

急ごう!"

 

こうして、私達は慌ただしく学校へと向かった。

 

ホシノ(過去)「遅い!

時間ギリギリってどういうことですか!

それでも大人ですか!?」

 

ホシノ「うへへ...ごめんごめん

先生を責めないで、私が慣れない場所でなかなか寝れなかったのが原因だからさ...」

 

ホシノ「ソラノさんがですか...

どの道、もっと早く来てください!」

 

ユメ「こーら、あんまり強く言わないの

私だってしょっちゅう遅刻するんだし」

 

ユメ先輩が間に入ってきて仲裁をする。

 

ユメ「さて、そういえば昨日は自己紹介してませんでしたね

ご存知かと思いますが、改めて

私がアビドス生徒会長の梔子ユメです

んで、こっちの小さくて可愛いのが副会長の小鳥遊ホシノです

よろしくお願いします」

 

ホシノ(過去)「一言余計ですけど!?」

 

昔の私が吠えてる。

 

ホシノ「よろしくお願いします、ユメ先......ユメさん」

 

危うくユメ先輩と言いかけたがギリギリで言い直せた。

しかしまたメンタルに響く。

会いたかったユメ先輩と初対面のフリをしなければいけないし、騙すのも気が引ける。

正直、こうやってメンタルがブレるのは何度目だと自分を叱りたくなる。

 

ユメ「.......私とソラノちゃん、同い年だよね?」

 

ホシノ「ええ、そうですが」

 

ユメ「じゃあ、その敬語と...ユメさんって他人行儀なの止めない?」

 

ホシノ「い、いえ...この方が私はしっくり来るので...

.......それに、別に他人行儀ってわけじゃないんです

個人的なもので」

 

確かに同い年で敬語等は少し変かもしれない。

けれどどうしてもタメ口なのは違和感があり、私は意味不明な説明をする。

 

ユメ「そっか...

でも確かにソラノちゃんの言う通り、壁は感じないんだよね

...わかった、じゃあそれでいいよ

同じ3年生同士よろしくね、ソラノちゃん」

 

無垢な微笑みをユメ先輩は私に向けてくる。

その微笑みで私は限界だった。

 

ホシノ「ごめんなさい、ちょっと失礼します

先生、ちょっとこっち来て」

 

ユメ「あ、あれ...私なにか変なこと言っちゃった?」

 

ホシノ(過去)「さあ...変なやつですね...」

 

私は先生を連れて2人から距離を取る。

先生は表情を見るに、察していたようだった。

 

ホシノ「.......胸、貸して」

 

先生は何も言わずに私を抱きしめた。

先生に甘えるように私はその胸の中で泣いていた。

 

ホシノ「いやー...ごめんごめん

待たせちゃったね

それで、今日はどうしようか?」

 

しばらくして私達は2人の元に戻り、声をかける。

 

ユメ「今日は私達の学校を案内しようかなーって

これから通うわけだし、必要でしょ?

ってことで、校内探検ツアーです!」

 

意気揚々と宣言するとユメ先輩は私たちを先導して学校に入る。

見知った学校ではあるが、物とかは昔の状態なので懐かしさを覚える。

 

ユメ「はい、こちらが教室です!

もう生徒は私とホシノちゃんだけなんで今は使われてないから勉強にもここは使ってないんだよね

ってことで今は砂だらけ...」

 

"それは良くないな..."

 

ユメ先輩の説明に先生が割り込む。

ユメ先輩は目を丸くして、昔の私は文句あるのかと言いたげな顔をしている。

 

"何事もメリハリは大事だ

教室ってのはそういう大事なところもある

明日、一緒に掃除しよう

そしたらそれからはちゃんと教室で勉強だ

その方が勉強も捗るはずだよ"

 

ユメ「本当ですか!?

ありがとうございます!

やったね、ホシノちゃん!」

 

ホシノ(過去)「い、いえ...私は別に...」

 

ユメ先輩は喜びながら再度学校を案内し始めた。

 

ユメ「次はここ、アビドス生徒会室!

ここが私とホシノちゃんに加えて、2人の主な活動拠点となる場所です!」

 

生徒会室に入る。

懐かしさを覚えるその部屋は私の記憶のままだった。

 

ユメ「これから賑やかになりそうだね...

...まだ案内は終わってないので着いてきてね?」

 

そういうとユメ先輩は生徒会室を後にした。

しばらくユメ先輩の案内の元、学校を歩き回っていたが...ユメ先輩が1つのトイレの入口で止まった。

 

ユメ「あっ...ここのトイレは使わない方がいいですよ?」

 

"えっ...なんで...?"

 

ユメ「.......ここはアビドス七不思議の1つの場所なんですよ

トイレの花子さん...」

 

ホシノ(過去)「なんですかそれ、知らないんですが」

 

昔の私がそう言うが、実際私も知らなかった。

アビドス七不思議、そんなものがあったのか。

 

ユメ「ドアを3回ノックし、「花子さん、遊びましょ」と呼びかけると花子さんが出てくるって話です」

 

ホシノ(過去)「ば、馬鹿馬鹿しい!

ただの作り話ですよ!」

 

ユメ「あっホシノちゃん怖がってるー」

 

ホシノ(過去)「そんなことありません!」

 

"ま、まあまあ...ところで七不思議って言うんだし、ほかのは何があるの?"

 

ユメ「えっと、まずはアビドス高校の花子さん

砂漠に住む正体を知ってはいけない白いなにか、廃病院をさまよう看護師、地図に存在しない駅、アビドス0丁目、開かずの倉庫

それと...時を超える穴...ですね」

 

最後の七不思議を聞いて、私と先生は固まった。

あまりにも身に覚えがあった。

これは必ず調べないと...

 

ガタンッ!

 

考え事をしているとトイレから物音が聞こえた。

全員が飛び上がり、トイレを見る。

 

ユメ「......今なにか音がしましたよね」

 

"き、気のせいじゃないかな'

 

ホシノ(過去)「そ、そうです...気のせいです!」

 

ガタンッ、ガタタタタタ!!!

 

トイレの中から何かが崩れる音が聞こえた。

私達4人は情けない悲鳴をあげてその場から走って逃げた。

 

ユメ「び、びっくりしたー...やっぱりいるのかな、花子さん...」

 

ホシノ(過去)「そんなわけありません!

絶対別の原因ですって!」

 

昔の私は怖いのか、必死に否定する。

 

ユメ「まあ...断定は出来ないね

あっ...やば、私バイトの時間だ!」

 

いつの間にかかなり時間が経っていたのか、日が傾き始めていた。

 

ユメ「じゃあ、案内も終わったのでこれで解散でいいかな

私はバイトがあるからそろそろ行かないと」

 

ホシノ(過去)「そうですか、じゃあここで別れましょうか」

 

ユメ先輩のバイトと聞いて、ひとつの事件を思い出した。

それと、1つの考えが浮かんだ。

 

ホシノ「ユメさん、そのバイト先って...」

 

私は1つの企業の名前を出した。

 

ユメ「そう、その会社だよ!

よくわかったね!」

 

この会社は、以前ユメ先輩を騙した会社だ。

危ない目にあったユメ先輩を私が助けたことがあった。

 

ホシノ「ユメさん、その仕事やらないでください

それ、シャーレでも目をつけていた詐欺会社です」

 

ユメ「えっ...そうなの!?」

 

"そう...だからそこに行くのは得策じゃないな..."

 

私の発言に先生が合わせる。

 

ユメ「そうだったんだ...

教えてくださってありがとうございます!」

 

結局、ユメ先輩はバイトへはいかず、昔の私と帰って行った。

私達はとりあえずスーパーに行って食材を買おうとした。

 

"ねえ、ホシノ...さっきのって"

 

ホシノ「うん、あえて教えたの

ちょっと試したくて...未来を変えられるのかって...」

 

"ホシノ..."

 

ホシノ「まあ、ちょっとした実験だから気にしないで

ほか、会計しちゃおう?」

 

私は先生を促して買い物を終わらせる。

スーパーから出るとすっかり日が暮れていた。

そこへ、昔の私が走ってる姿が見えた。

 

ホシノ「あれ、ホシノちゃん?

何してるの?」

 

ホシノ(過去)「ユメ先輩が...ユメ先輩が...!」

 

なんだかかなり焦っている様子だった。

 

ホシノ(過去)「ユメ先輩が攫われました!」

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