私と先生は昔の私を落ち着かせて話を聞くことにした。
ホシノ「ユメ先輩が攫われたって...どういうこと?」
ホシノ(過去)「そのまんま...先生とソラノが言った通り、ユメ先輩が行こうとしてたバイト先はやばい場所だった
それを広められたらまずいと思ったのか、ユメ先輩は攫われてた...
私はユメ先輩からメッセージを送られてきて今から助けに行くところ」
一応年上なのに呼び捨てにされたことがちょっと引っかかったが触れないことにした。
先生と顔を見合わせる。
確かに私はユメ先輩をバイトしに行って騙されるという未来を変えたはずだ。
けど、実際...ユメ先輩が危ない事実は変わっていない...これは...
ホシノ「考えるのは後にしよう
とりあえず、今からすぐに準備するから待ってて」
私の言葉に昔の私は怪訝そうな顔をしていた。
ホシノ(過去)「もしかして、2人も行くつもり?」
ホシノ「もちろん、当たり前」
ホシノ(過去)「ふざけるな!
私はユメ先輩と違ってお前たちは信用していない!
それに、お前はともかく後ろの先生は銃弾一発で死にかけるんだから...足手まといにしかならない!
そんなの着いてこられても迷惑だ!」
大声で私たちはいらないと昔の私は叫びだす。
実際、この事件は私一人でなんとかなる...
それでも...
ホシノ「...私の目的はユメせ......ユメさんを助けること
悪いけど、信用されようがされまいが勝手にいくよ
一緒に行くって言ったのは、その方が連携が取れるから
それに先生は確かに貧弱だけど、私が守るし、戦闘指揮とかですごく頼りになるよ」
ホシノ(過去)「.......勝手にすれば
私は先生が死にかけても救わない
大人なんか、信用できないし...それを守ろうとするソラノも、信頼できない
なにかあればもろとも撃つから」
そう宣言すると昔の私は観念した様子だった。
私と先生は買い物したものをコインロッカーに入れる。
"じゃあ、行こうか
ソラノ、ホシノ...必ずユメを救い出そう"
ホシノ「おー!」
ホシノ(過去)「ふん...」
こうして、私たちはユメ先輩がいるビルに向かった。
ユメ先輩のビルは何人かのボディーガードが監視をしていた。
ホシノ(過去)「ユメ先輩のが私にSOSを出したのがバレたのか...
ものすごい警戒してる」
ホシノ「大変だね...こりゃ...
先生、どうしようか」
"そうだね...まずは..."
ホシノ(過去)「どうするもなにも、正面突破しかないでしょ!」
ホシノ「ホシノちゃん!?」
潜入作戦を伝えようとした先生を尻目に、昔の私は正面から突破しだした。
"しかたない、そのまま続いていこう
ソラノ、指揮はその都度出すけど...ホシノの行動がいまいち読めない
臨機応変にいこう
あと、私の護衛もお願い..."
ホシノ「任せて!
よし、行こうか!」
私達も続いてビルに潜入する。
潜入したはいいものの、基本的に大規模な戦闘はなかった。
残っていた傭兵やらボディーガードが出てくるたびに撃退して、基本的には先頭を行く昔の私は鬼神のような勢いで殲滅していく。
ホシノ「.......来た意味なかったかもね」
"ホシノは昔から強かったんだね..."
ホシノ「うん、まあね
でも、周りが見えてなかった」
雑談しながらも最上階に来る。
ホシノ「...!?
先生、下がって!」
敵の気配を大量に感じ、私は先生を突き飛ばしながら、物陰に隠れる。
"ごめん、たすかった!"
ホシノ「流石に最上階だけあって、敵も相当守りを固めてるね...結構きついかも...これ...
あれ、昔の私が見えない...」
戦っているはずの昔の私が姿を消していた。
っと思ったら私の隣に飛び込んできた。
ホシノ「うわっ...びっくりした...!
1人で行ったと思ったけどどうしたの...」
昔の私はやや言いにくそうにしていた。
ホシノ(過去)「......弾が切れそう
言い訳になるけど...準備不足だった...
それでも負けることは無いけど...だけど...敵の防御が思った以上に厚くて時間がかかりそう
..........ユメ先輩をこれ以上危険な場所に居させたくない
お願いします...力を貸してください」
昔の私は頭を下げて来た。
どうやら、昔の私もきつい様子だった。
私と先生は1度、顔を見合わせて声をかける。
ホシノ「私だってユメさんを早く助けたいんだから、当然だよ」
"ユメは大切な生徒だからね
当たり前だよ"
私達は微笑みながら声をかけた。
"じゃあ、ホシノ...私が指示を出すからそれに従って欲しい
いいね?"
ホシノ(過去)「わかった...
それで、私は何をすればいい?」
"ホシノは私が指示するルートでこの防御陣営を超えて迅速にユメの元に行くんだ
私はソラノをサポートしながら敵を倒して、追わせないようにする
シンプルな作戦だ
ホシノは多少、無茶してでもいいからなるべく先に行って欲しい
ソラノがそれをサポートするから
いいね、ソラノ...ホシノ!"
ホシノ「まっかせて!」
ホシノ(過去)「わかった」
先生の指示に私と昔の私はうなづいて突撃準備を整える。
今度は昔の私の様子を見て、お互いが頷き、昔の私が物陰から飛び出す。
モブ「来たぞ、止めろ!」
昔の私は猛スピードで走る。
時折戦闘も入るが、インカムから先生が指示を飛ばしている。
指示通りに動いた結果、消耗をかなり抑えて制圧できており、その結果に驚いている。
うん、その気持ちはよくわかる。
対して私は、昔の私を追おうとする者の相手をする。
ホシノ「あなた達の相手は私だよー」
先生の指示を受け、私も戦闘を開始する。
1人、また1人と先生の的確な指示の元、倒していく。
モブ「クソ、やつを追え!
これ以上行かせるな!」
モブ「だめだ...この女、小鳥遊ホシノ並に強いぞ!?」
モブ「くそ...アビドスは暁のホルスを抑えればあとは余裕なのに...あの女なんなんd...ぐあ!?」
若干の余裕を見せつつも、背後にいつもより危ない先生がいることを念頭において戦闘をする。
いつの間にか昔の私は姿を消していた。
私は私で、既に殲滅を終えていた。
ホシノ「こんなものかな
先生、終わったよ
怪我とかしてない?」
"大丈夫だよ
それより、昔のホシノはどうしてるかな"
ホシノ「大丈夫だよ
元々、これ私1人で解決出来るものだし」
なんて話していると、発砲音が聞こえてきた。
しばらく待っていると、気絶しているユメ先輩を抱き抱えて昔の私が出てきた。
ホシノ(過去)「状況終了しました
ユメ先輩は...無事奪還しました」
ユメ先輩の体を見る。
所々痣があり、乱暴にされた形跡が見られる。
おそらく、情報源を教えろと言われたのだろう...それでもユメ先輩は言わなかった。
その覚悟に嬉しく思いつつ、怒りが湧いてきた。
けれど、それはしまっておくことにする。
ホシノ(過去)「すみません...今日は先に帰ります
ご覧の通り、ユメ先輩は傷だらけです...早く帰って治療しようと思います」
"そうだね....それじゃ解散しようか"
先生がそういうと、昔の私はユメ先輩の家に行き始めた。
その前に...
ホシノ(過去)「...明日、ちゃんとアビドスに来てください
謝罪も兼ねてお話をお願いします」
そういうと、今度こそ歩いていった。
一方私たちはスーパーに戻って買い物を回収して隠れ家に戻る。
ホシノ「いやー...今日は大変だったね...
お疲れ様、先生」
隠れ家に戻って、食事をしながら先生を労う。
'ホシノこそお疲れ様
とりあえずユメを救えてよかったね
.......殴られてたのはあれだけど"
ホシノ「先輩....どうして騙されてることに気づいたかあいつらに教えなかったんだ...私達を守るために...
だからああして...」
"明日、お礼言わないとね"
ホシノ「そうだね...
って、先生にもだ
ありがとう先生
ユメ先輩を助けてくれて」
私のお礼にキョトンとしていた。
ホシノ「本来...今回のことは昔の私1人で事足りたんだけどさ...
それでも私のわがままで危ない場所に着いてきてもらったからさ...」
"ああ...気にしないでいいよ...
私は教師だからね...
生徒が危ないなら救いにいくよ
だからホシノが言わなくても私から声をかけてたよ"
ホシノ「先生...ありがとう...」
先生の気持ちが嬉しくて再度お礼を言う。
ホシノ「そういえば今回、ユメ先輩がバイトに行くのを阻止したのに...結局戦闘になったね...
なんでだろう...」
たまたまなのだろうか、それとも必然なのだろうか...
"私の考えなんだけど...歴史の修正力が働いたんだと思う"
ホシノ「歴史の修正力?」
"そう、例えば...何かしら大きな出来事は変えることは出来ないんだ...
例えば、今日の出来事をABCで考えてみよう
まず、学校に行くがA、バイトに行くがB、ホシノが相手を壊滅させるがC
本来、A+B+Cとなるはずが、ホシノの助言があって、B'というものが発生した
けど、歴史の修正力は-B'を作るんだ
だからA+B+B'-B'+Cとなって...最終的には変わらないと思うんだ"
ホシノ「おー!」
先生の解説に私は声を上げる。
"まあ...ある漫画に書いてあったことなんだけどね"
ホシノ「お、おー...」
でも...仮にそうだとしたら...ユメ先輩を救うことは出来ないということだ。
元々、ユメ先輩を救ったら将来どのようになるか検討もつかない。
誰かがアビドスにいないなんてことも有り得る。
そのため、歴史を変えるつもりはなかったが...それでもユメ先輩はどう足掻いても死ぬということを突きつけられてショックだった。
"ホシノ、結果だけが全てじゃない
例え過去を変えられないとしても...私達は全力で2人に向き合わないといけない
そうじゃない?"
そんな私の心境を察してか、先生が声をかけてくる。
ホシノ「うん...わかってる...
ごめんね、ちょっと気持ちが沈んじゃってて...
でもそうだよね...うん...
全力で向き合う...そうするね...」
元々やることは変わらない。
しっかりするように自分を言い聞かせる。
"あっ...でも確信があるわけじゃないし、何が起こるか予想つかないから変なことはやめようね..."
ホシノ「わかってるよ」
一通り話し合いを終えると、食事も同時に終わっていた。
私達は就寝の準備をする。
"ホシノ、昨日みたいに寝ぼけて来るなら最初から一緒に寝る?"
ホシノ「うへっ....!?
昨日のはたまたまだってば!」
先生が私をからかうように声をかける。
ちょっとムッとしたので私は仕返しすることにする。
ホシノ「でも...先生がいいなら...いいよ...?」
"えっ"
私が乗ってくるのは予想外だったのか、先生は固まっていた。
変な空気が流れる。
"じゃあ、そうしようか"
微妙な空気の中、無言で就寝の準備を再開する。
準備も終え、狭い寝具の中で先生に抱かれて横になる。
ホシノ「.......おやすみ」
"おやすみ..."
そのまま夜の挨拶を済ませて私は目を閉じる。
寝れないと思いきや、先生の暖かさですぐに私の意識は夢の世界へと落ちていった。