ホシノが先生と過去のアビドスに行く話   作:ツキ0912

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第8話 教室清掃と...

耳障りな目覚まし時計の音が聞こえる。

その音は強制的に私の意識を目覚めさせる。

前を向くとすでに目覚めていた先生と目が合った。

 

"おはよう、ホシノ"

 

ホシノ「おお、おはよう先生!

なんでそんな早く起きておじさんの顔ずっと見てるの!?」

 

"実は...あまり寝れなくてね...んで、早く起きたからホシノの寝顔見ていたんだ"

 

ホシノ「うへっ...なんでそんなつまらなそうなこと...まあ一緒に寝てたら寝苦しいよね...

ごめんね、先生...」

 

"いや、別に寝苦しい訳じゃないよ

ただ、ホシノがすぐそばにいるからドキドキしてさ..."

 

ホシノ「...それって」

 

"まあ、そういうこと...

あと、ホシノの寝顔見てるだけで普通に面白かったよ"

 

ホシノ「.......そっか」

 

昨日と同じく、また微妙な空気がながれ...私と先生は危うく遅刻しそうになった。

 

ホシノ(過去)「遅い!

昨日言ったのにまた遅刻ですか!」

 

ユメ「ま、まあまあ...もしかして寝不足かも...私を助けるために頑張ってくれたし...」

 

ホシノ(過去)「それは私も同じです!

私だって頑張りましたし、それでも早くには来てます!

絶対何かしらの要因があるはずです!」

 

昔の私の言葉に私も先生も固まる。

言えない、甘い雰囲気が朝流れて遅れたなんて言ったら絶対爆発する。

昔の私は1度大きなため息をつきながらこちらを見る。

 

ホシノ(過去)「......えっと、とりあえず昨日のお礼を言わせてください

ユメ先輩を助けるのに手を貸してくださり、ありがとうございます

お陰で、想定より早くユメ先輩を救えました...」

 

私と先生は急な昔の私の変化に驚いた。

信頼は...得たということだろうか?

 

"昨日も言ったけど、ユメは私の生徒だからね

当然だよ"

 

ホシノ(過去)「........ありがとうございます、先生」

 

少しだけ微笑みながら改めてお礼を言う昔の私。

何故かその顔に少し恐怖を覚えた。

...いくら何でもそんなちょろくないよね、私?

 

ホシノ「それから...ソラノ.......先輩...

ありがとうございました...」

 

.......まあいいや。

 

昨日についての話も終わり、私達は校舎に入る。

なるべく砂漠に埋もれてない教室を選ぶ。

 

"じゃあ、これよりこの教室の掃除を開始するよ!"

 

ユメ「おー!」

 

私達は昨日の話にあった、勉強用の教室を掃除することになった。

教室自体はそこまで広くはないが、かなり砂があったり、そもそも汚れていたりとかなりの労力が必要なことが見てわかった。

とりあえず大まかに2組に別れて作業をすることになった。

私とユメ先輩、昔の私と先生という組み合わせだ。

ユメ先輩がこの組み合わせを提案してきた。

おそらく、親睦を深めるのも目的だろう。

 

"ホシノ、これどこにしまえばいい?"

 

ホシノ(過去)「ああ、それはですね...えっと...そっちに...」

 

"ここだね...

うわー中から砂がー!?"

 

ホシノ(過去)「何やってるんですか先生!?

片付けるのが目的なのになんで汚すんですか!?」

 

"今のはホシノの指示なんですが..."

 

.......まあ、先生と昔の私はあんな感じだ。

多少は信頼するようになったが、元々この時の私は気難しい性格なので先生も手を焼いてる。

一応は掃除は進んでるので大丈夫だろう.......多分。

 

ユメ「あっちはあっちで楽しそうだね、ソラノちゃん」

 

ホシノ「傍から見たらユメさんとホシノちゃんもあんな感じなやり取り多いですよ」

 

ユメ「えっ...そうなの?」

 

一方、こちらは雑談混じりではあるが...順調に進んでいる。

 

ユメ「じゃあソラノちゃん、これ移動するね」

 

ホシノ「えっ...そんなに持って大丈夫ですか?」

 

ユメ「大丈夫大丈夫、これくら....ひいいいん!」

 

........順調に進んでいると言ったがそうでも無いらしい。

 

ホシノ「まったく...なにやってるんですか?」

 

ユメ「あはは...

......あれ、ソラノちゃん笑ってるね」

 

ホシノ「えっ...?」

 

唐突な私的に素っ頓狂な声を上げた。

 

ホシノ「えっと...結構笑っているとは思いますけど...」

 

ユメ「んー...なんて言うか...いつものはどこか追い詰められてるっていうか...悩んでるってか...何かが引っかかってる感じがするの」

 

ドキリとした。

まさかバレてるとは...

ユメ先輩のことや、未来への帰還方法...その他もろもろ考えて、結構煮詰まっていたのは事実だ。

ユメ先輩が気づいてるならおそらく先生も気づいているな...これ...

何も言われないけどとりあえず経過を見る予定だったのだろうか...

少なくとも心配させてしまった。

 

ユメ「少し休憩しようか、私疲れちゃった」

 

ホシノ「......ホシノちゃんに怒られそうな気はしますけど...いいですよ」

 

私達は椅子に座って騒いでいる昔の私とそれに振り回されている先生を見ている。

 

ユメ「ねえ、ホシノちゃんのことどう思う?」

 

ホシノ「えっ...?」

 

唐突な質問に困惑するが、昔の私を見ながら答える。

 

ホシノ「......強さに関して言えば...まあすごいですね

一年であの強さですからね

......でも、それ以外のところが...

現実をわかったふりをしている子供です...」

 

ユメ「け、結構強いこと言うんだね」

 

しまった...つい自分のことだと思うと後悔が止められなかった。

 

ユメ「......そっか...でもそう思うんだ

じゃあ、どうすれば改善できるかな」

 

ホシノ「他力本願になるかもしれないですが、誰かが教えてくれる人がいてくれれば...変わると思います」

 

ユメ「...改善できると思う?」

 

ホシノ「......本人次第かと...

あの、さっきからこれ何の質問を......」

 

横を向いて、ユメ先輩の顔を見る。

一緒に先生と昔の私を見ていたはずなのにいつの間にか私を見ていた。

その顔は泣きたくなるほど優しくて、私は言葉に詰まった。

 

ユメ「質問の意味は...内緒だよ」

 

ホシノ(過去)「2人とも、何をさぼっているんですか!」

 

昔の私がこちらに気づいて声を掛ける。

やばい、先生が死にそうだ。

 

ホシノ「すみません、ユメさん

先生やばいので手伝ってきます

もうこっちの作業はユメさん1人でも問題ないのでよろしくお願いします」

 

ユメ「わ、わかった...先生...たしかにすごい顔してるね

...あっソラノちゃん」

 

ホシノ「なんでしょうか...?」

 

ユメ「...アビドス、楽しんでね」

 

再び泣きたくなるような優しい顔でユメ先輩は笑いながらそう言う。

私は、それに返事をするのが精一杯だった。

その後、日が赤くなり始めた頃に教室は奇麗になった。

 

ホシノ(過去)「皆さん、お疲れ様です

お陰様で教室は奇麗になりました

これからは掃除を欠かさないで使わせて頂きます」

 

ユメ「疲れたー...」

 

ホシノ(過去)「とは言いますが、私...ソラノ先輩の足を引っ張りまくってたの知ってますよ」

 

ユメ「私だって頑張ったんだけど...!?」

 

いつものようにユメ先輩に昔の私が小言を言っている。

 

"それじゃあ、そろそろ解散しようか

明日はせっかく教室がキレイになったわけだし、授業をしよう

とりあえず軽くの予定だけど、三人とも、そのつもりでね"

 

ユメ「わかりました!」

 

ユメ先輩が元気よく返事をする。

それを機に、私たちは帰り路を歩きだす。

軽く雑談をしながら歩き、分かれ道に差し掛かる。

 

ユメ「それじゃあ、ここらへんで私たちは...

ソラノちゃん」

 

ホシノ「は、はい...?」

 

ユメ「また明日ね」

 

ホシノ「......はい、また明日」

 

くったくのない笑顔を私は直視できず、背を向けて返事をしながら歩き出す。

先生は私の気持ちを察してか、何も言わないでついてくる。

 

ホシノ「たっだいまー!

いやー...今日も疲れたねー」

 

"ホシノ..."

 

無理やりにでも元気を出そうとした声はすぐに看破され、先生は心配そうな声を私にかける。

 

ホシノ「......ごめん、情けないね

さっきね、ユメ先輩にも言われたんだ...無理してないかって

うん...やっぱ気持ちが落ち着かないんだよね...

生きてる先輩に会えてのになにも言えないし...見てるだけで私泣きそうになっちゃうんだ...」

 

"......"

 

ホシノ「先生も気づいてるんでしょ?

私が揺れてるの

先生が気づかないはずないもんね...

何も言わんかったのは私が自分で乗り越えるってことを信じて?」

 

"それもあるんだけど...どうすればいいのか分からなかった...

不思議と...最近はホシノの事だけ...どうすればいいのかわからなくなってるんだ..."

 

ホシノ「うへっ...なにそれ...

...でもごめん...ちょっときついや」

 

私は先生の傍に近寄って服の裾を掴む。

 

ホシノ「...少しだけ..弱い姿晒していい?」

 

"いいよ..."

 

先生の許可をもらうと私は先生にだきついて声を殺して泣き始めた。

ユメ先輩と話したい。

小鳥遊ソラノではなく、小鳥遊ホシノとして。

あの時の事を謝りたい、ちゃんと謝りたい。

でもそれはできない。

小鳥遊ホシノと名乗れば困惑させるし、謝ってもなんのことかわからない。

確かに私は前に進むと決めた。

それでも、辛いものは辛い。

ユメ先輩の優しさに触れるたび、際限を知らない後悔があふれ出す。

私は一体、何度泣けば気が済むのだろうか。

自分で言ったことも実行できないのは情けないと思いつつも、私は先生の抱き着いてまま...泣いていた。

 

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