すべてを喰らう、その日まで   作:アズライト

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思いついたので投稿。

ソウルイーターの新刊も更新も止まってんだけど……続いて欲しいなぁ。





はじまり

 

 

――自分という存在の始まりは、何処からだったのだろう

 

 

――幼きあの日に、母から嘆きと望みを託された時だろうか?

 

 

――12年前、薄汚い路地裏で拾われた時だろうか?

 

 

――7年前のあの日に彼女に拒絶された時だろうか?

 

 

――5年前に彼女たちを救いきれなかった時だろうか?

 

 

――それとも

 

 

――自分が異端であり、孤独であると知ったあの時からだろうか?

 

 

 

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いつからあったのかは知らないが、この大地には数多の怪物を産み出すダンジョンと呼ばれる巨大な大穴が存在する。

 

その大穴から地上に這いずり出て来た3体の強大な怪物が、いつの日か世界を滅ぼすらしい。

 

怪物が地上に出て来たのは1000年以上前らしいのに、世界が未だに滅んでいないのは何故なのか?怪物たちの気が長かったのだろうか。

 

まぁ、1000年くらい前に暇つぶしと娯楽を目的に天から降りて来た神々と契約してファミリアを形成、それにより怪物たちに抗う力を得た当時の人々が何とかしたのだろう。

 

なんせ、大穴の上にくっそ高い塔とその周辺に街を建造して怪物たちが大穴から地上に出てこれないよう蓋をしちゃうくらいだし。

 

ただ、3体の怪物……『陸の王者・ベヒーモス』、『海の覇王・リヴァイアサン』、『隻眼の黒竜』の脅威が世界から消えたわけじゃないので、世界を滅ぼされる前に討伐する『三大冒険者依頼(クエスト)』を制定、人と神がわちゃわちゃしながら力を蓄えること幾星霜。

 

歴代最強の眷属達を育てることが出来たと、『陸の王者・ベヒーモス』を最強たるゼウスの眷属が、『海の覇王・リヴァイアサン』を最恐たるヘラの眷属が討伐するという偉業が達成された。

 

そのままの勢いで残る『隻眼の黒竜』をゼウス、ヘラの両眷属が挑んだが……敗北した。

 

ゼウスとヘラが誇った現代の英雄たちは、わずかな生き残りこそいたが等しく『隻眼の黒竜』にひき潰され壊滅。

 

これが大体15年くらい前の話らしい。

 

世界はそれから、荒れに荒れた。

 

大穴であるダンジョンの上に建造された都市オラリオでは、『隻眼の黒竜』の討伐失敗を受け、その責任を負わされる形でゼウス・ヘラの両ファミリアが都市から追放され、最強と最恐に抑えられていた悪神・邪神の眷属達である『闇派閥(イヴィルス)』が今までの鬱憤を晴らすかのように暴れまわり、後の世で『暗黒期』と呼ばれる時代が訪れた。

 

次代の最強であるロキ、フレイヤの眷属達では悪神・邪神の抑止力になり切れず、打開策もないまま8年程経過したある日。

 

絶望が始まった。

 

ゼウス・ファミリアのLv.7である『暴食』のザルド、ヘラ・ファミリアの同じくLv.7の『静寂』のアルフィアが『絶対悪』を名乗る邪神・エレボスと共に都市を強襲した。

 

『陸の王者・ベヒーモス』と『海の覇王・リヴァイアサン』を討伐したかつての英雄が『闇派閥(イヴィルス)』として都市に戻り、オラリオの神々を次々に天に還し、主神の恩恵を失った眷属達と民間人を虐殺する計画に加担したことは、都市に大きな衝撃を与えた。

 

後の世で『死の七日間』と呼ばれた都市を滅ぼそうとする悪とそれに抗う正義の大抗争は、最終的に多くを喪いながらも正義を名乗る者達が勝利した。

 

この大抗争で『闇派閥(イヴィルス)』は力を失い、ロキやフレイヤだけでなく多くの神の眷属が力を得たことで、少しずつではあるが『暗黒期』の終わりが見えて来たのであった。

 

あれから7年、『闇派閥(イヴィルス)』の生き残りが事件を起こしたこともあったが、大規模な祭りが開けるほどに都市の治安は回復をした。

 

が、『隻眼の黒竜』という世界を滅ぼせる明確な脅威が残っているにも関わらず……都市の冒険者たちはかつての最強と最恐に未だ追いついていない。

 

「世界は英雄を求めている」とは何処かの神が吐いた言葉であったが、間違ってはいない。

 

世界を救う、世界に求められる英雄(犠牲者)が現れることはなく、今日も世界は続いていく。

 

世界が滅ぼされるのが先か、世界が救われるのが先か。

 

その答えは、神にすらわからない。

 

 

 

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「アイズ、あのモンスターは君が討て」

 

迷宮都市オラリオが誇る二大派閥の一つ、ロキ・ファミリアは派閥の最高到達階層更新の為に大規模ダンジョン遠征を行っていた。

 

安全地帯である50階層にキャンプを張り、多くの団員に休息を取らせつつディアンケヒト・ファミリアから受けた依頼である『カドモスの泉』の水を採取する為に幹部級の少数の実力者で51階層の探索をしていたが、そこで異常事態(イレギュラー)に遭遇した。

 

不壊属性(デュランダル)が施されていない武器を溶かし、絶命時に上級冒険者の肌すら焼く腐食液をたらふく蓄えた巨大な芋虫型のモンスターの群れ。

 

長年ダンジョンに潜っているロキ・ファミリアですら初めて遭遇するモンスターであり、何とかその場を切り抜け仲間の待つキャンプへ戻ったが……キャンプもまた芋虫型のモンスターに襲われていた。

 

合流したキャンプの仲間と何とかモンスターを全滅させるが、一息つく暇もなく轟音と共に下の階層より巨大な人の上半身が生えた芋虫型のモンスターが姿を現す。

 

嫌悪感を強く覚えるモンスターの姿を見たロキ・ファミリアの団長である小人族のフィン・ディムナは強い親指の疼きを感じすぐさま撤退を指示、殿をアイズ・ヴァレンシュタインに命じた。

 

これまで何度も自分を救ってきた危機に応じて疼きや痛みを発する親指が、あのモンスターの危険性を示していた。

 

無論、これはアイズ一人を犠牲にして多くの団員を助ける為に命令をしたのではない。

 

おそらく、あのモンスターも今まで相手にしていた芋虫型と同じで腐食液を持っていると思われる。

 

であれば、不壊属性(デュランダル)の武器を持ち、モンスターに有利な魔法も使えるアイズ以外であのモンスターに対応できる団員がいないこともあり、アイズに命じるしかなかったのだ。

 

アイズがモンスターを単独で討てるなら最良、次作としてアイズが稼いだ時間でロキ・ファミリアの副団長であり都市最高峰の魔導師でもあるハイエルフのリヴェリア・リヨス・アールヴの魔法による討伐。

 

騒ぐ団員を説き伏せ、撤退準備を急いで進めさせる。

 

モンスターを睨みつけ、飛び出そうとしているアイズと撤退準備を進めている団員を交互に確認していると……小さく、しかしはっきりと声が聞こえた。

 

「――心装励起(しんそうれいき)

 

異形のモンスターが現れてからずっと疼いていた親指にはっきりとした痛みが走る。

 

その理由を確かめるより先に、フィンは声を上げる。

 

「アイズ!下がれっ!!」

 

フィンの声が届くか否か、アイズ自身も何かを感じていたのか直ぐさまフィンたちの付近まで移動する。

 

 

 

喰らい尽くせ、ソウルイーター

 

 

 

黒い弧を描く光が走った。そうとしか見えなかった。

 

だが、フィンは知っている。

 

あれは、あの黒い光が()()であると。

 

「あああああああAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

 

背後からの斬撃を受け絶叫を上げるモンスターに2度目の斬撃が走り、体内の魔石を切り裂いたのかモンスターは絶命し、大量の灰が階層内に舞い上がった。

 

「この程度のモンスター相手に何を遊んでいる、フィン」

 

息絶えたモンスターより舞い上がった大量の灰の中から一人の青年が姿を見せる。

 

黒い髪に黒い瞳。黒い戦闘衣に黒いブーツ。

 

全身黒色で染められた青年をフィンは、ロキ・ファミリアは良く知っている。

 

「…………………ソラ、か」

 

「俺以外の誰かに見えるならアミッドに診てもらえ。それか老眼鏡でも着けろ」

 

刃の部分のみ血のように赤い真っ黒な刀を肩に乗せ、何処か呆れたような表情を浮かべる青年。

 

ロキ・ファミリア所属、Lv.7。

 

ソラ・ハザマ。二つ名は『妖刀(ベルヴェルク)

 

それが、ロキ・ファミリアの面々が久しぶりに再会した青年の名前である。

 

 

 

 

 





ソラ・ハザマ 18歳

ロキ・ファミリア所属の冒険者。

Lv.7 二つ名は『妖刀(ベルヴェルク)

ロキ・ファミリアに所属したのは原作12年前なので、アイズより古参。

暗黒期時代に色々あって、ホームでは暮らしていない。

とあるレアスキルにより更新を頻繁に受けなくてもよいので、マジでホームに寄り付かない。

前回ホームに行ったのは半年ほど前、ランクアップの更新だけして騒いでるロキの口に酒瓶突っ込んで家に帰った。

二つ名を付けたのはフレイヤ。ロキが二日酔いで吐いてる隙に付けた。

神会が終わった後、ロキはフレイヤにキレたがソラが「別に間違ってなくね?」と言ったので渋々許した。

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