すべてを喰らう、その日まで 作:アズライト
三話目です。
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ロキ・ファミリア所属、Lv.7、二つ名『
転生する前は地球と呼ばれる星の日本で生まれ育ったテンプレ人生を送った社会人であり、それなりに前世の記憶は覚えているが、自身がどう死んだのかは覚えていないし、転生時に所謂神様的な存在に遭遇してはいないので神様転生と呼ばれる物ではないと本人は考えている。
本人はこの世界が『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の世界であるというのは知らない、前世で『ダンまち』には触れてなかったので。
「まぁ、設定的にラノベかソシャゲかエロゲの世界なんじゃないかな?美少女多いし、モンスターとか神とかいるし」くらいの認識である。
仮に何か原作がある物語の世界であっても、原作を知らないし……仮に原作知ってたとしても自分という
そんなソラが自身が転生者であると明確に自覚し前世の記憶を取り戻したのは、5歳の時である。
物心がついた時から自分が生きているこの世界に違和感を覚えていた当時のソラであったが、多少ずれている部分はあれどごくごく普通の子供であった。
この世界で探せばそれなりにありそうな田舎の村、裕福でもなければ貧しくもないようなそんな場所で暮らしていたある日……母を亡くした。
自分が生まれてすぐに父親を亡くしたと聞いていたソラにとって唯一の肉親である母は、いつも優しい表情でソラが眠るまで頭を撫でてくれていたのに、ある朝ソラが目覚めると隣で眠る母は冷たくなっていた。
どれだけ声をかけても応えてくれない母に不安を覚え泣き叫んだソラの声を聞いた村の人々は慌ててソラの家を訪れ、母親を亡くしたことを知ると泣き続けるソラを慰めながら葬儀と埋葬を手伝った。
そして、埋葬を終え一人になった家で泣き疲れ眠ったソラはある夢を見た。
罅割れ、命の息吹が感じられない灰色の大地。
そんな大地に残った一本の枯れかけた大樹。
そして、その大樹を守護するかのように存在する漆黒の龍の夢を。
次の日も、その次の日も、ソラは同じ夢を見続けた。
母を失い沈むソラは、夢の話を村人に相談することも出来ず、村人の助言で何とか体を動かし母の遺品を整理したり、残った食料を食べては眠る生活をしていた。
そして、一週間ほど経っても夢を見続けていたソラは、意を決して夢のにいる漆黒の龍に話しかけることにした。
いま思えば「いや、いくら毎日おかしな夢を見るからって、龍なんかに話しかけるか普通」と自分の行動にドン引くのだが、当時のソラにとっては
そして、おっかなびっくり自分の夢の中だというのにびくびくしながら龍に話しかけたソラは…………翌日、高熱を出してぶっ倒れた。
幸い村人たちは、母を喪い気落ちもしていたから体調を崩したのだろうと勘違いをしてくれたが、真実は違う。
『あ?ようやく我の存在に気付いたのか。初めましてだな、もう一人の我』
尊大な言い方をするくせに、何故か自分にやたらフレンドリーな空気を出す漆黒の龍に前世の記憶なんてもんを脳にぶち込まれたせいで、脳の処理が追い付かず高熱を出してぶっ倒れるはめになったのだ。
3日程寝込むことになったが、村人が介抱に来てくれたことと前世の記憶の受容と整理が終わりソラは快調した。
それから、ソラは明確に変わった。
前世の膨大な記憶を思い出したのだから、性格や行動に違いが出るのも当たり前なのだが……村人たちは幼いながらも母の死を受け入れたのだろうと寂し気にソラを見ていた。
母の遺品を整理している時に出て来た母が昔に書いた日記の内容と、自分が母や村人聞いてきた知識に、前世のオタク知識、夢の中で漆黒の龍と話し合い、そこから自分の中にいる漆黒の龍がどういう存在であるかをおおよそ推測した。
そして、母を亡くしてから半年ほど経ったある日、世話になった村人たちの反対を押し切り、別れを告げ都市オラリオを目指して旅立った。
「全ては、
と、まぁ、意気込んで出発したはいいが6歳になったばかりの子供が一人旅するとか正直かなり無謀でしかなかった。
途中で色々あったが何とか無事にオラリオに到着したは良いものの、当時のオラリオは暗黒期真っ只中で治安は最悪。
入団するファミリアを探していたら冒険者崩れのゴロツキに誘拐されそうになり、たまたま通りかかったフィンに助けられ、その場に一緒にいたロキが「この子はうちの家族にするんやぁ!!」と半場無理矢理ホームに連れ去られた。
しかも、いざ
入団後に受けたリヴェリアの座学それなりにきつかったが、前世で教育を受け慣れていたソラにとってはきつい程度だった。
しかし、どれだけ鍛えようがダンジョンに潜りモンスターと戦ってみようがステイタスの伸びは極めて悪く、それを不憫に思ったリヴェリアがやたら過保護になったり。
所属して3年くらい経ったら、金髪不愛想暴力系暴走美幼女アイズ・ヴァレンシュタインがファミリアに加入し、自分たちは闇派閥対策で忙しいから面倒を見ろとフィンからぶん投げられたり。
後の世で『死の七日間』と呼ばれるようになった
「晩飯、どうするか」
ダンジョンへの単騎遠征を終え、数日かけて取って来た素材などをようやく売り切ったのだが、売値交渉などで精神的に疲れたので、今日はあまり自炊する気にはならない。
ファミリアでの遠征なら自分以外の奴に交渉を投げられるが、ソロで潜っている以上は全部自分でやらなくてはならないのが辛い所である。
幸い、一番消費するポーションの類を購入する医療系ファミリアであるディアンケヒト・ファミリア団長のアミッドとは旧知の仲であり、金にがめつい主神とは違いアミッドは持ちつ持たれつでやってくれるので楽ではあるのだが。
「そういや、前に椿に頼んどいたサブの武器がそろそろ出来上がるはずだから、近いうちに取りに行くか」
でもなぁ……椿って会いに行く度に抱きついて来るんだよなぁ。
鍛冶場は熱いからって鍛錬してる時以外は上半身は胸にサラシ巻いてるだけだし、ハーフドワーフで高レベル冒険者だからか年齢の割に若々しいし、さらには胸がくそデカいから抱きしめられるとすげぇムラムラする。
しかも、椿と酒飲んでてその場の勢いで何回かやっちまったことがあるからか、椿はやたら俺にウェルカムな雰囲気を出して来るし。
性欲を娼婦を買って処理しようとしても、なまじ有名になっちまったせいで歓楽街には行き辛いってのと、Lv.7にもなると恩恵がない娼婦だったり、恩恵持ちでもレベル差が大きくある相手だと文字通り
アミッドは「明日の業務に差し支えるので嫌です」とか言われてほぼ拒否されるし、他は……知り合いだとそういう雰囲気にはなり辛い相手ばかりなので駄目である。
アマゾネス連中は「強い雄!ばっちこい!!」だが、あいつらはヤッてしまえば後々面倒になるのがフィンとティオネの様子を見ていれば十二分に理解できるので、娼婦であってもアマゾネスには手を出したくない。
だから……結局、椿とする回数ばかりが増えていくんだよなぁ。
ほんと、男女問わずレベルの高い冒険者の性事情ってのはかなり面倒くさいよな。
オッタルたちは主神以外興味ないし、フィンは色々とダメでガレスは性より酒だし、ベートはまだ昔の女引きずってヘタレてる部分があるし、ほぃほぃ歓楽街に行けるラウルが本当に羨ましい。
「はぁ…………久しぶりにミアさんの所に飯食いに行くか」
性欲の解消はまた考えよう、それより今日は食欲を満たそう。
財布と短刀だけ身に着け、家の戸締りを確認してから家を出る。
ミアさんの所で飯を食うのは結構久しぶりなので、何にしようかちょっと悩む。
ミアさんの店である『豊穣の女主人』は値段が他の店と比べると少し高いとはいえ料理の味は抜群にいい。
都市最高峰の冒険者である俺はそれなりに金に余裕はあるから、行こうと思えば毎日のようにミアさん所で飯を食ってもいいんだが……何人か苦手な店員がいるんだよね。
「ん?」
そんなこんなで店に着いたが、店から扉をぶち破らんばかりの勢いで真っ白い頭をした少年が飛び出して来た。
同時に騒がしい雰囲気の店内からは
飛び出してきた少年は前を見てないのか、このままだと俺と衝突コースだったので避けてから服の襟を掴み確保。
何やら少年のうめき声が聞こえた気がするが無視する。
ミアさんの店で食い逃げとかだったらすげぇ度胸だなと感心しながら、じたばた抵抗をする少年を引きずり店内へと入る。
結果的に。
―――その日、ソラは運命と出会うこととなった。
ちなみに、ソラくんの初めての相手はアミッドです。
なんだかんだあったりしたので、この世界のアミッドはLv.4だったりします。
あと、原作の空と違い抱いた相手の魂を吸い取るっぽいスキルはありません……逆はありますが。
以下、ソラくんが初めて恩恵を刻んだ時のステイタス↓
『Lv.1』 ソラ・ハザマ
【力】 :I 0
【耐久】:I 0
【器用】:I 0
【敏捷】:I 0
【魔力】:I 0
【魔法】
【■■■■】
召喚魔法
詠唱式:『■■■■■■、■■■■■■』
【】
【】
【スキル】
『
―――我■、■源■■て■■■り
『
・魔法を封印する
・基本アビリティの成長を抑制する
・累積経験値が一定値に達するまで継続する
こんなスキルが生えてきたらロキはぶっ倒れるし、リヴェリアは過保護にもなる。
あと、この世界だとリヴェリアの座学は原作より厳しいです。
全ては6歳でリヴェリアの座学についていけてしまったソラバカのせいであり、「農村出身のソラが6歳で受けた物だ、それよりも年上なお前らなら余裕だろう?」と難易度が上がっています。
前世で現代日本の教育を16年間ほど受け勉強する事に慣れてる男を基準にしたら普通に難易度は上がる。
ちなみに、文字は共通語を母親から教わってました。