すべてを喰らう、その日まで   作:アズライト

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しっかし、イチャコラって難しいですね。

あぁいうのが書ける人を本当に尊敬しますわ。

ちょっと短めの繋ぎ回。







何事もない日だってある

 

「『怪物祭』ですか、師匠?」

 

朝の鍛錬が終わり、クールダウンで柔軟体操をしながら師匠であるソラさんに先日ダンジョンから帰る際に大きなコンテナを運んでいるのを見かけたので、それについて質問したところ『怪物祭』という答えが返って来た。

 

冒険者の基礎だけで弟子と呼べるほど教えてないから師匠呼びは止めて欲しいと言われたけど、自分にとっては大事なことを教えてくれるので師匠ですと言ったら渋々納得してくれたので、ソラさんを師匠と呼んでいる。

 

「あぁ。ガネーシャ・ファミリアが迷宮からモンスターを連れてきて闘技場でテイムの実演をする。オラリオの一般市民はモンスターを見る機会がないから、モンスターがどういうものか知ってもらう……そんな意図で始まった祭りだ」

 

怪物祭の()()()()()をソラは知っているが、ベルに教えることではないので表向きの理由を告げる。

 

「そういえば、神ヘスティアはまだ戻らないのか?」

 

「神様ですか?そうですね、数日は留守にするとは言っていたのですけど……まだ帰って来てないです」

 

ベルの主神であるヘスティアは豊穣の女神での一件が起きた次の日から何処かに出かけたらしく、何処に行ったのかはベルも知らないらしい。

 

「ステイタスの更新は出来ないか。まぁ、冒険者に必要なのはステイタス以前に本人の技量を磨くことだからな……今後の事を考えるならそちらを重点的にやっていくか」

 

「そうなんですか?」

 

今までそんな話は聞いた事がなかった。

 

神の眷属となったからにはステイタスを少しでも向上させていく事が大切だと思っていた。

 

「確かに、ステイタスの数値を1つでも上げる事は間違いではない。が、ステイタス頼りの戦い方では直ぐに限界が来る」

 

「自分より力が強く、守りは硬く、精密に、速く動ける。そんな奴らはヒトでもモンスターでも幾らでもいる」

 

「そんな奴らと出会い、逃げることが出来ず、戦うしかなくなった時にどうするか」

 

「最後に自分を生かすのは積み重ねてきた技と知識だけだ」

 

師匠は僕の頭に手を置き、くしゃりと撫でながら言葉を続ける。

 

「どんな強大な相手であろうとも、弱みというのは必ず存在する。見極めろ、思考を止めるな。例えわずかであっても勝利し生き残れる可能性があるなら、もがきあがいて可能性を手繰り寄せろ」

 

くすぐったい感触があるけど不快ではない。むしろ、すごく落ち着く。

 

「まぁ、簡単に言えば「諦めるな。自分に出来ることを全部やれ」って事だ」

 

もし、自分に兄がいたらこんな感じなのだろうか?

 

師匠に頭を撫でられながら、ふとそんなことをベルは思った。

 

 

 

⬜︎ ⬛︎ ⬜︎ ⬛︎ ⬜︎ ⬛︎ ⬜︎ ⬛︎ ⬜︎ ⬛︎ ⬜︎ ⬛︎

 

 

 

ここ数日で恒例となったベルくんとの朝の鍛錬を終え、明日は『怪物祭』なので鍛錬もなしにするからダンジョン探索も休みにして遊びに行って来たら?と提案をして家に帰る。

 

ベルくんはオラリオに来てまだ日が浅いし、最近は鍛錬にダンジョン探索と休みを取ってなかったみたいなので、気分転換に丁度いい機会だったと思う。

 

年齢的にもまだ身体が出来上がってないし、適度な休暇は必要だろう。

 

出来ることなら栄養バランスを考えた食事を摂って欲しいが、零細ファミリアの駆け出し冒険者では難しいし、流石に他のファミリアの人間であるベルくんに俺がそこにまで手を出してしまえばヘスティア・ファミリアをロキ・ファミリアが傘下に置いたようにも見えてしまう。

 

どれくらいの期間ベルくんの鍛錬を見るかはまだ決めていないが、まぁ1か月程度が無難な所か。

 

朝食を準備しながら今後のベルくんの育成方針についてまとめていく。

 

ダンジョン探索についてはフィンから次回の遠征について来て欲しいと打診されているので、遠征までは深くは潜らず日帰りで行ける範囲にする予定だ。

 

俺を遠征に参加させるのは、前回の遠征が新種の溶解液芋虫のせいで失敗に近い終わり方をしたから次こそは成功させたいということなのだろう。

 

不壊属性(デュランダル)の武器を多めに用意するとか言ってたけど、団の資金は大丈夫なのだろうか?そこは少し不安であるが、フィンならなんとかするだろう。

 

『ソラ、いま大丈夫か?』

 

準備した朝食を食べながら今日の予定を考えていると、ポーチに入れていた通信球から声が聞こえた。

 

「フェルズか、何かあったのか?」

 

『明日、隠れ里に向かうと言っていたのでな。彼女たちから君に伝言だ』

 

どこか疲れたような声の主はギルドの主神であるウラヌスの私兵で愚者(フェルズ)と名乗る動く骸骨。

 

本人曰く、元人間で『賢者の石』なる物を作って使ってみたら不完全な不死を会得して骸骨になったんだと。

 

初めて会った時はそれなりに驚いたが、白骨標本が動き回るくらいのことは異世界なんだからありそうだと納得した。

 

やけに疲れた声をしているが、またあの人たちが無茶でも言ったのか?

 

『「怪物祭のお土産よろしく!服と下着と砥石とか剣の整備の道具も!!」だ、そうだ』

 

「…………善処しよう。リドたちは何か欲しがっていたか?」

 

頭が痛い。あの人たち本当に自由過ぎるだろう。

 

服はまだしも下着とか言われてもサイズ知らねぇし、俺に買って来いとでも?Lv.7に女性物の下着を買いに行けと??

 

もう道具渡すからラーニェに織って貰えよ、あいつアラクネだから出来るだろそれくらい。

 

『酒でも持っていくといい、あとはフィアが新しい装飾品を欲しがっていたな』

 

「この間もイヤリングを欲しがってなかったか?貴金属を好むとかハーピィじゃなくて烏かよ」

 

通信先でフェルズが苦笑いしてる雰囲気を感じるけど、ここ最近あいつらますます人間に行動が寄って来てないか?

 

フェルズやウラヌスはあいつらが異端(イレギュラー)な存在だからって考えてるみたいだけど、絶対違うと思うんだよな。

 

いや、異端は異端で間違ってないんだけど……あいつらって本当に魂までまるっと全部違うのかは誰も検証してないからなぁ。

 

まぁ、いいや。

 

これ、検証するならフレイヤにでも診せないと判断出来ん内容だし、考えても仕方ない。

 

その後、幾つかやり取りをしてフェルズとの通信を終える。

 

毎度思うけど、フェルズが作ったこの通信球って便利やな。

 

ビー玉くらいのサイズなのに、結構な距離があっても通信が出来るし。

 

「…………………買い物、行くか」

 

下着は買わないけど、反物とか布と裁縫道具を持っていけば本人たちで何とかするでしょ。

 

酒も、久しぶりにいい物を持って行ってやるとしよう。

 

 

 





すぐに回収される系の伏線を張っていく。

基本、原作と同じような展開になる所はカットしてくかも。

どうなるかは不明、わいの筆の乗り方しだい。


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