正義と悪の世界   作:ダークスキー

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この作品に特定の主人公はいません。


プロローグ

 

 俺は資金が集まる体質だ。何かすれば大抵利益に繋がる、正確にはそうなるように生まれ変わった。転生という前世を覚えている存在であり、認識できない上位存在によって何かされたようだ。だって何しても大抵金が手に入るんだもん、適当に宝くじを買って3位2位とか意識すれば手に入る。

 

 金儲け好きだからいいけどね。

 

「どうか…どうか!もうしばらくお待ちくださいッ返済は必ず!」

「あのさぁ、お金の貸し借りで必要なことわかってる?」

「ま、魔法少女から始まりヒーロー集団によって我社の秘密基地に襲撃を受け、化学部門の補充に資金がっ」

「理由は聞いてないよ…これは信用の問題。仕方ない、じゃあ金利上げるね。君たちが借りた1500億、5%でいいかな」

「そ、そんな!これまで我々は一生懸命に成果を上げて来たのですッ!これからも我々ダークストロは世界征服に向けて」

「信用できない相手の金利を上げるのは普通だよね?」

「と、とても返済できる額では」

「死ぬ気で返済して」

「…え」

 

 

 

 死ぬ気で返せ

 

 

 

 転生したこの世界はなんか変だった。魔法少女や戦隊モノといった正義と、経済界を牛耳る闇の勢力から始まり物理的に世界征服目指してる系が蔓延る世界。正義と悪が戦うなんか凄い世界だったのである。

 

 そんな世界に金持ちになる力を持った俺登場…あれ?場違い感が凄い。だって空飛んだり、魔法に凄い科学力、サイキックパワーその他諸々が普通な世界だぞ。テレビつけたら魔法少女が~的なニュースが普通に流れる世界観に笑っちゃいますよ。

 

 pipi

 

「もしもし~、レイラ?」

『あら、ゴールドじゃない。良い取引できたの?』

「まあまあだね」

『あらそう、うふふ…どれぐらい流せる?』

「今年は7%ぐらいだね。最近の悪が科学に重点気味だし、超人系が減ったからね」

『そうなるように削ったんだもん。疲れたわよ』

「お疲れ様です」

 

 今更だが、俺の名前はゴールド・ケーキ・・・馬鹿みたいな名前だろ?ついでに連絡してる女性の名はレイラ・ワールド。これ実名ね、この世界だと普通らしいよ。俺の知り合いの名前が大抵痛い連中しかいないし、テレビに出て来る輩もシャイニング・ブレイバーという実名の方がいるぐらいだし。

 

 レイラと俺は幼馴染だ。家がお隣さんで超美人の夫婦から生まれた彼女も超美人、俺?俺は普通…マジで普通な顔でそこらにいるモブ顔です…。彼女は白い髪に整った顔、体はスレンダー…なんで俺みたいな奴と一緒にいるんだろね?

 

 俺はこの世界で金貸しや、【株式会社ゴールドレイ】を起業。消費者金融以上の金額を借りれて、税金()課税も対応している大手である。勿論ちゃんと個人に対しても対応してるし、正義のヒーロー企業にも融資してるよ。まあ、正義側への融資は大抵レイラ経由なんだけどね。いい友達を持ったよ。

 

「闇の結社ダークストロ知ってる?あそこがジャリン銀行に襲撃かける計画を立ててるよ、一週間以内に実行予定だって」

『そこの製薬会社に襲撃したわね。DNAをいじって改造人間を作ってたとかタレコミがあって』

「ああ、確か対立してた暗黒ジェイルのところが情報を流してたらしいよ?」

『へ~…潰していい?新しい魔法少女たちの花場が欲しいのよ』

「返済日があと4日。場所は下北北沢11-4ー5の地下だよ」

『調整しとくわ。それと歌劇戦隊カブキスルンジャーが赤字出して装備更新ができないって嘆いてたわよ?』

「あー…人気ないところは推しも減るし残党としか言えん。やっぱり今は可愛い系、カッコイイ系勢力が強いからね」

『世知辛いわよね。十年ぐらい前は第一線で戦ってた花形が』

「市民にとってエンターテインメントを提供してくれないなら価値が無いってこと」

『命を救ってもらっておいてね』

「歴史は風化する」

『知ってる』

 

 さて、レイラの事だが…レイラは正義連合統一団体【ジャスティス】のCEO、正確には代表取締役兼リーダー兼魔法少女(少女?)マジカル・グレートなのだ!。この世界は正義側も悪側も株式会社とか企業したりして資金集めをしている世知辛い世界なのだった…アニメの裏側を見たみたいだけど、現実になったらそりゃーね?資金無いと何もできない。そこで支援に乗り出したのがレイラだった、悪を倒す為に正義を育てる組織を作って支援する!と乗り出して大成功である。

 

 彼女が教えた場所に悪の組織が!敵の計画をリーク!いいタイミングで支援に物資!資金が無ければ支援金からの花場の準備まで!・・・まあ、人気出るよね。正義側って基本善人の集まりだし、こんな悪が桁違いに蔓延る社会で起業しても食い物になるしかないし、レイラがジャスティスを設立するまでマジで正義側の資金問題がヤバかった。2:8ぐらいだったかな、勿論2が正義側ね…一部の激強ヒーロー達が第一線で頑張ってた。最近はほぼ5:5ぐらいまで相場をゴホン!…戦力差を整えたのだ、そりゃあ発言力凄いよ。

 

 …電話越しにドアを叩く音が聞こえた。

 

『じゃあこれからもよろしくね?ジャスティス・スターチ』

「…了解」

 

 ジャスティス・スターチ…俺です。表の顔と言うべきか、レイラが用意してくれた顔なんですよ。資金管理担当ヒーロージャスティス・スターチとは俺の事よ!これはヒーローですか?といつも思うが、ヒーローなんだよ。彼女がヒーローと言えばヒーローなんだよ。俺にスーパーパワーとかないけど。あ、俺のデータはレイラ管理のデータベースにしかないから、世間的には闇金会社です。レイラも表に出さないので俺は悪側です、まあいいけど。正義側に物理的に攻め込まれる理由は作らないからね。

 

「対処できる連中を集めなきゃ駄目か」

 

 俺とレイラの関係は簡単に言えば正義と悪のバランス役。悪く言えば八百長試合スタジオジャスティスである。

 

「…あ、そうだ。死教団ザムエがいたわ」

 

 あそこ死体なら何でも贄にするから処理が楽なんだよね。宗教団体は面倒だけど、金が集まるんだ。ヘイトも集まって、あいつらも贄が手に入っていい取引相手だ。

 

 魔法少女の花場役には丁度いいだろ。たぶん追加で援護部隊送って来るし、犠牲が出た方が覚えも良いだろ。魔法少女も多すぎだし、もう俺最近の魔法少女の名前覚えてないんだよね。魔法少女のパートナー魔獣?珍獣?の奴らも多すぎて、奴らこそ侵略者の類じゃないと思うんだ。そう思うのは俺だけか?

 

「もしもし~」

『おやおや我が友「ギャー――」おっと失礼。駄目でしょう!友と話すときは黙ってください』

「あー、儀式の最中だった?」

『いいえ、腕を取っていただけですので大丈夫ですよ。どうしましたか?』

「あ、そう。ジャリン銀行で正義と悪の戦いが近日中に起こるよ」

『おお!教えて頂きありがとうございます。やはり我が友はザムエ様の加護が』

「ああうん。悪いけど、別な要があってね」

『おやそうですか。でしたら時間があった時にでも飲みに行きませんか?」

「いいね~。いいとこ知ってるよ~」

 

 まあ、俺は楽しく過ごすだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 私は電話を切り入室を許可する。中に入って来たのは見慣れた眼鏡をかけた秘書の女性。魔法少女現役時代からチームを組んでいた生き残りマジカル・カナン。左腕の義手はまるで本物の腕のように動かし資料を読み始める。

 

「失礼いたします。グレート社長、お電話の最中でしたか…?」

「いいえ大丈夫よ、カナン。それで?」

「は!戦隊ヒーロー連盟からの資金流出の原因がわかりました…残念ながら裏切り者がいたようです」

「またですか」

「…戦隊ヒーロー連盟は個人間の問題と」

「半年前も個人間、友人関係の問題で悪の勢力側に行った者達がいましたね」

「まったく!魔法少女連盟はそんなの滅多にないのに!」

「仕方ない部分もあるわ。戦隊ヒーローの募集は一般市民からの募集だもの、魔法少女と違って選ばれた者達ではないわ」

「でもこんな事を続けていれば市民達からの信用が!」

「ええそうね…少し抜き打ち調査を仕掛けましょうか?」

「準備いたします。それとは別件ですが新たな魔法少女チーム、ブルボンローズから志願書が来ています。訓練期間も終えやる気に溢れているようです」

「うふふ、私達の頃と違って若いわね…」

「ならば夢を支えるのが先輩の役目かと」

「相変わらず割り切ってるわねカナン?」

「…貴方がいるからよ」

「そう、ありがとう」

 

 だから…私は世界を調整する。

 

 この世界は不安定だ。正義を掲げる者が虐げられ、悪を掲げる者が勝ち誇る。おかしい、正しい事をして何で損をするんだ?私が前線に出ていた時は感じなかった違和感…でも今は違う。

 

「闇の結社ダークストロがジャリン銀行に襲撃する計画を立てているらしいわ」

「ッあれだけ叩いたのにまだ…また謎の情報提供者からですか?」

「ええ、ブルボンローズに頼みましょうか」

「…弱っているとは思いますが」

「歌劇戦隊の方にも教えてあげて」

「戦隊ですか…わかりました調整します」

「もっと聞いてくれていいのよ?」

「貴方を信じると決めているので。それでは」

 

 カナンはそのまま部屋を出て行った。彼女は私がジャスティスを設立してから…いいえ、私と一緒に歩むと決めた時から変わってしまった。

 

「…ありがとう」

 

 世界の秩序は崩壊している。それを理解しているのは私と彼だけだった。説明しても世界は理解できない…だから私は自ら動くことにした。

 

 

 

 

 

『私が必ず世界の平和を守るから!だからッっ死なないでよ…みんな…』

 

 冷たくなっていく仲間の手。いつも温かく迎え入れてくれた優しい手…でも、もう熱はない。

 

 その時から私も熱を失った。

 

 

 


 

 

 

 甲高い声を上げ泣き叫ぶ者がいる。その姿は人の姿とは言えず、まるで虫と豚を合わせ二足歩行させているかのような歪な怪物だった。

 

「マッてッマってくれェェぇぇ!!オレはカイゾウされてっ!?」

「気持ち悪いですわ」

「ギャアアアアアー…」

「ドウシテ!ワタシタチをたスケてクレるって!?」

「お姉様、魔力の無駄です」

 

 水色髪の少女が怪物の頭を巨大な黄色のハンマーで叩き潰す。頭を潰された怪物はもう何も喋らない。

 

「怪物の捕虜なんていりませんわ」

 

 緑色のドレスが光を放ち、暗闇をダンスをするかのように舞踊る。

 

「怪物が人を語るなんて世の末です」

「フランソワ!汚物で武器が汚れてますわ!」

「あ、ごめんなさいです」

「・・・まったく、またかい二人とも」

 

 黄色のハンマーを消した直後、空からピンクの耳に兎のような体形の謎の生物が話しかけてきた。その顔は歪み、二人を責めるように語りかけていた。

 

「戦隊ヒーローの方々が逃がした怪物を倒しただけですわ?」

「です」

「…さっきの者達はもう洗脳状態じゃなかったでしょ」

「騙しているかもしれませんわ」

「ですです」

「ハァー…いいかい?魔法少女は人々の平和を守るのを目的と使命があって」

「もう、シャルマット!知ってますわ、希望の光が私達であるでしょう?ジャスティスの方でも散々聞かされて耳にタコができそうでしたもの!」

「怪物は人々の悪です。だから潰すです」

「でも今みたいな行為を他の人達が見たら人気を失うよ?」

「シャルマットが結界を出してくれてますわ」

「君たちが失墜したら僕のノルマ達成に響くからだよ。魔法少女ブルームーンのね」

 

 

 

 この世界は正義と悪が入り乱れる世界

 

 

 

 オとうサンッオかアサンっっーーー

 

 

「あら、まだ怪物が」

「潰すます」

 

 

 ッアァァァァァぁぁぁぁーーー!

 

「逃げたです。追います」

「…はぁ、しょうがない。絶対逃がさないでよ」

 

 

 

 正義も悪も存在する世界である

 

 

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