怪物は、真面目な君に恋をした。   作:カブトムシの相棒

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怪物は、戦う事しか出来ない。

怪物は、家族が居ない。

怪物は、優しさを知らない。

怪物は……愛を、知らない。


そう、彼は……人の愛を、知らない。


────誰も教えてくれなかった。酷い目に遭っても、助けてくれる所か、目も当ててくれなかった。

全ての者が彼を忌み嫌う。服装はボロボロで、痩せ細っている、貧乏クサい子供。
キヴォトスでは彼しか観測されていない唯一の男子生徒。それが、彼への警戒心を煽ってしまって。

────味方が、寄り添ってくれる人間が、彼の傍には誰も居なかった。

誰も食べ物を恵んではくれなかった。盗みは身体が大きいし、何より、当時は今よりも身体能力はそこらの生徒よりも圧倒的に弱かった。

誰かに愛されたい。誰かを愛したい。

馬鹿みたいだ。なんで、こんな思いをしなきゃいけないんだ。


………辛い。苦しい、死にたいよ。


誰か、助けて欲しい。


味方なんか居ない。気付けば人殺し、殺らなきゃ殺られる、そんな世界。


そんなつまらない、ゴミみたいな話。


そんな人生、そんな……下らない昔話だ。










そんな、死にたい時だった────貴女に会った。


まるで光の様な女の子だ。

綺麗だ、美しい、見れば見る程、救われる。

話したい、一緒に居たい、でも、近づけば、逃げてしまう。

こんな顔だから、怖がられてしまう。どうすれば……そんな時、貴女は近づいてくれた。

怖い筈なのに、心の底から、心配してくれた。食べ物を与えてくれた、疑いの余地なんて無い程の、優しさをくれた。

涙が出た、嬉しくって嬉しくって、心が、温かくって……涙が止まらなかった。




貴女には、其れ()を教えて貰った。



好きを、教えて貰った。これが、この想いが、好きなんだって、教えて貰った。


好きって、こんなにも楽しくって、嬉しくって、喜ばしい事何だと、理解出来た。

貴女と、共に生きたい。共に歩んで行きたい。共に……幸せになりたい。

早く会いたい。会って、言いたい。俺も……俺もそうだと、伝えたい。



俺も……貴女の事が……ずっと、ずっとずっと────心の底から……。










上の文は次回のヤツなので、あまり気にしなくっても大丈夫です。


今回はベアトリーチェが酷い目に遭うだけなので、シリアスはないです。

久しぶりのギャグです。




では、本編です。


呆気ない決着。そして、最悪な勘違い。

 

 

■パシリカ至聖所、その近く。

 

 

 

 

 

────レンノスケside

 

 

 

 

”ジワァ………”

 

 

 

「ッ!!お、お前、それ……ッ」

「レ、レンノスケ……!」

「……此処まで全力で来たんだ、そりゃ、傷は開く」

 

 

 

先生とサオリを両肩に抱え、走り込むレンノスケの背を、サオリと先生は見た。

 

純白のヴァルキューレの制服が、じんわりと血で滲んできていた。

 

包帯の壁を越え、防弾防水性能を兼ね備えたヴァルキューレ製のYシャツと制服を超え、彼の血はその姿を現す。

 

故に、それは『致死量の出血量』であると、誰もが予想できた。

 

 

 

「うわっ、それ、ヤバいんじゃないの!?」

「ひっ……ず、ズボンまで流れて……!」

「……このままだと、死ぬよ」

「死なん。これ程の傷の出血なら、昔から死ぬほど流して来た。お前等はお前等の問題に集中しろ」

 

 

 

後方を走るアリスク、ミカもレンノスケを心から心配する。

 

だが、問題無用とそう告げるレンノスケ。

しかし、額や頬を辿る汗は、中々に多い。

 

無理をしている。正直、今の皆の考えはレンノスケを此処で待機させる事だった。

 

────レンノスケはもう十分よくやった。ベアトリーチェがアイラに下した奇想天外な暗殺に耐え、且つ、アイラと巻き込まれたキリノを無傷で救い、そしてアリウスの子供たちに希望と食料を与え、終いにはユスティナ聖徒会をたった一太刀の斬撃で壊滅にさせた。

 

求められる以上の仕事を彼はとっくにこなしている。だが、レンノスケはアリスクと先生が向かうバシリカまで休めと疲労困憊のサオリと生身の人間である先生を両肩に乗せ、直前まで休ませるという温情も見せている。

 

 

 

「先生、聖園、錠前、戒野に槌永……時間はマジでないんだろう?だったら、今は俺ではなく、秤って奴の救出に目を向けろッ」

「レンノスケ、お前…………」

 

 

 

厳しく、語句を強めてそう告げるレンノスケの瞳は、確かな熱を滲ませていた。

 

 

 

「……そろそろ、クソ野郎の場所だ。気合い入れろッ!」

 

 

 

そのまま、速度を上げ突っ走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ヴァルキューレ警察学校

 

 

 

 

 

 

 

「────という事も、ありましたね~」

「へぇ~……レンノスケ、けっこう、ヤバいひと、だったんだ」

「ふふっ!でも、それ以上に可愛い人でもありますけどね。あの時は本官が何とか場を収める事が出来たから良かったですが……あはは、当時のレンノスケさんは、まぁ、かなりのヤンチャ者でしたから…(今もですけど……)」

 

 

 

午前4時、少し外が明るくなり始める頃、休憩室にて、ベットでキリノとアイラは談笑をしていた。

 

 

重い空気に耐えかねたキリノが、アイラに向け会話を設け、気付けば二人してレンノスケの話をしていたのだ。

 

アイラは眠りから覚めて、もう眠くはなかった。キリノは当然眠いが、未だに戦っているであろうレンノスケや起きているアイラの為にも、コーヒーを飲みながら眠りを覚ましている。

 

すると、アイラがキリノに問う。

 

 

 

「────キ、キリノおねえちゃん!あの、すこし……きになったことが、あるの」

「ん?はい!なんでしょう?」

 

 

 

此処で、アイラが切り出す。

 

キリノはコーヒーを呑む。

 

そしてアイラは、ずっと気になっていた事をキリノに告げる。

 

 

 

 

「────キリノお姉ちゃんとレンノスケって、家族なの?」

「ぶぅぅぅぅぅぅっっ!!!」

 

 

 

思わず吹き出してしまう。勿論、アイラが居るベットには掛けず床に掛けて。

 

キリノは思う……この子は、一体、何を言っているのだろうか?

 

そんな疑問が生まれる。キリノは顔を真っ赤に染め、直ぐに否定の姿勢に入る。

 

 

 

「い、いいえ!?か、かぞ、家族じゃないですよ!?」

「え?ちがうの?」

「当たり前ですよ!そんな、えぇ!?か、かか、家族って……わ、私と彼は、まだ、そんな……」

「じゃあ、どういう、かんけい?なの?すごく、なかがいいから、きになる」

「え、えっと……」

「……もしかして、キリノおねえちゃん、レンノスケの、ともだち?」

「あ、あの、それは……っ」

 

 

 

言い淀む。

 

アイラは寝ていた故、あの光景を知らぬのは仕方がない。とはいえ、まだ二人は恋人の関係に至っては居ない。

 

キリノが告白し、レンノスケが帰ってくるまでそれは叶わない。

 

もうほぼ恋人の関係ではあるのだが、レンノスケがその言葉を返していない以上、そう断言はできない状況。

 

中々どうしてむず痒い事か、キリノは、アイラに何て言えば良いのか、少し思考を頑張っていた。

 

 

 

「……?」

「~~~~っっ!!………す、すき、です……はい」

「すき?」

「すっ!……そ、そうです、好き…です」

 

 

 

ストレートに言った。

 

元々、嘘は付けない女の子だ。キリノは、アイラに自分がレンノスケに対する想いを、そのまま告げた。

 

 

 

「すきって、だいすきって、こと?」

「は……はいぃ」

「男のひとと、女のひとが、すきって、なるやつ?」

「……そう、です……!」

「わー!そうなの!?じゃあ、レンノスケとキリノお姉ちゃんは【恋人】なんだ!」

「あ、あうぅぅ……そ、それは……まだ、で……」

「え?」

「そ、その……────」

 

 

 

キリノ、レンノスケとの関係を説明中……。

 

 

 

「……それで、その、私はレンノスケさんに……こ、ここ、こく、告白、を、して……」

「おー……なんか、すごい」

 

 

 

全てではないが、キリノはアイラに自分とレンノスケの関係を説明した。

 

所々、生々しい言い方もした故、アイラも顔を赤らめるが、未だ8才の子供には聊か早かったか、確りと内容を理解出来てはいない様だった。

 

 

 

「じゃあ、レンノスケが、かえってきたら、つきあうの?」

「そ……そうなれば、良いのですが………あ、あはは!レンノスケさん、私の想いに応えてくれるでしょうか……」

「っ!だいじょうぶ!レンノスケ、キリノお姉ちゃんのこと、すごくすきそうだった!」

「ア、アイラちゃん……?」

「だって、わたしに、キリノお姉ちゃんと、カンナさんと、コノカさんにじこしょーかい、してくれたとき、キリノお姉ちゃんだけ、すっごく!ほめてた!」

「そッ……そうでしたね…」

 

 

 

妙な感覚になった。

 

自分よりもかなり下の子供に、こうやって大丈夫と慰められるのは。

嬉しいが、ちょっと自分が情けなくなる。

 

 

 

「だ、だから………わぷっ」

「ふふっ……ありがとう御座います、アイラちゃん」

 

 

 

キリノはアイラの頭を撫で、御礼を言う。

 

少しだけ、レンノスケへの想いを落ち着かせる事が出来た。

 

早く帰ってきて返事を聞かせて欲しい気持ちと、無事に帰って来て来て欲しい気持ち。それが混同して、自分でも制御が出来ない感情を、アイラが落ち着かせてくれた。

 

日に日にレンノスケへの想いが強くなっている。恋愛に疎いキリノでも、そう自覚出来る程に。

 

 

 

「……まずは、彼が無事に帰ってくるのを祈るまで、ですね」

「キリノお姉ちゃん……」

「……時間はもう3時を当に過ぎていますが……眠くはないですか?」

「うぅん、だいじょうぶ。その……レンノスケが、かえってきたら、お礼いいたいから、おきてる」

「その時が来たら、本官が起こしますが………いえ、違いますね……では!本官と一緒に、彼の帰りを頑張って待ちましょうか!」

「うん!それまで、いっしょに、まってよ!」

 

 

 

すっかり元気になったアイラを見て、キリノは少し潤って来てしまう。

 

アイラは悲劇の子になる寸前だった。ベアトリーチェと云う子供の命を軽く見る外道に、この美しく可能性が無限大な子供の命を、もう一人の命と共に爆散されてしまう、その寸前だった。

 

レンノスケが強く、頑丈でなければ……レンノスケが他人を思い、行動できる戦士でなければ為し得なかった事だ。

 

 

正直、あの光景はキリノは非常に怖く感じた。これが第一で、後々思い返して……キリノはレンノスケの事がどうしようもなく『格好よく』見えたのだ。

 

致死量レベルの出血をして尚、立ち上がり、アイラの……自分なんかの心配をしてくれる、あの姿を、キリノはよく覚えている。

 

カッコよかった。心の底から心配して不安になったけど、カッコよくって仕方なかった。

 

泣きたくなる程、カッコよかった。その前から既に好きに成っていたのに、もっともっと、更に一杯好きに成ってしまった。

 

 

 

『俺は、必ず無事に帰ってくる』

 

『アイラの事、よく、見てやってくれ』

 

 

『じゃあ、行ってくるッ!』

 

 

 

 

思い出す。そう告げ、戦地に向かった【英雄】の姿を。

 

 

 

 

「……~~~っっ……えへへ……っ!(だめ、口が……にやけちゃいます……)」

 

 

 

だめだ、胸が苦しくなる。痛くない苦しみで、頭が真っ白に成る。

もういやだ……なんで、こんなに苦しいのに、嬉しいのか……理由なんて、分かり切っているのに。

 

 

レンノスケの事を想えば想う程、顔が赤くなって仕方がない。ニヤケ口を抑えれない。

 

あぁ、もう自分はこんなにも彼が好きなんだと、自覚する。完全に口説かれてしまったのだと、ほんの少しだけ、悔しい。

 

こんなにも、恋と云うのは人をおかしくさせてしまうのか……そう、そうだ。

 

 

一緒に歩こう。ゆっくり、何処か一緒に周ろう。そう約束したではないか。

 

色々やろう。彼と、彼にとっても、新しい事をたっくさんしよう。

 

 

 

「(まずは何処か……うん、何処でもいい……彼と一緒に食べ歩きをしたいですね……トリニティ?それとも定番の百鬼夜行?ふふっ……あぁ、だめです……大好きなんだ、大好きなんだぁー……恥ずかしいです……レンノスケさんのせいです(!?))」

「???」

 

 

 

急に顔を赤くして、くねくね動き出すキリノに、アイラは疑問の視線を送る。

 

そんな、レンノスケの帰りを待ち続ける女の子二人の話だった。

 

 

少し、深夜テンションも入っていたのだろう、キリノはちょっとだけ、上機嫌になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

■────バシリカ至聖所。

 

 

 

 

 

 

 

”ピキ―――ン……”

 

 

 

 

「ん!?今……俺にとって最高峰の幸せを感じた気が────ッ!そうか……ふっ、キリノさん……全く、俺も好きなんだがな」

「は?」

「え?」

「ん?」

「何言ってるの?」

「ごめん、私がこういうのもアレだけど、マジで何を言っているのレンノスケ?」

 

 

 

アリスク、ミカ、先生が唐突なレンノスケの奇言を聞き、確かな疑問を投げる。

 

理解不能が過ぎる言葉を息を吸う様に吐いたレンノスケに、あの先生までもが困惑する。

 

 

 

「………」

 

 

 

”ビキビキッ……”

 

 

 

因みに、ベアトリーチェの前である。

 

あの後、面々は【バシリカの至聖所】に到着し、磔にされているアツコを発見した。

 

直ぐに助けに行こうとサオリが動こうとした時、目の前にベアトリーチェが現れた。

 

ベアトリーチェは酷くレンノスケを睨みつけ、持つ扇子をへし折らんばかりの握力をみせながら荒々しくレンノスケや自分を諭すように言を投げる先生を睨み、怒声を浴びせる。

 

 

そんなやり取りをしている最中だったのだ……レンノスケが、この奇行を魅せたのは。

 

 

 

 

「あん?いや……感じたんだよ。俺に対する、キリノさんの”愛”を……くははッ、やばーい!」

「やばいのは君の頭だよ」

「先生……レンノスケは、どうしてしまったのだ?」

「ごめんね、彼、とある子の事に為ると知能指数が急激に下がっちゃう子なのよ」

「なにそれ……」

「色んな意味で怖いですぅ……」

 

 

 

全員がレンノスケの奇行に目を奪われるが、瞬間────ベアトリーチェが告げる。

 

 

 

「────ふざけるのも大概に……ッ!?」

 

 

 

しかし、その怒号が届く事はなく、何処からか現れた風がベアトリーチェの口を閉ざす。

 

 

 

 

”ドゴォォォォンッッ!!!……ヒュンッッ”

 

 

 

 

 

「あぁ、そうだ……()()()は返して貰う」

「────は……え」

 

 

 

サオリの素っ頓狂な声が漏れる。

 

それは────余りにも一瞬だった。

 

先生は言わずもなが……ヒヨリ、ミサキ、サオリに加えミカまでも、その光景に驚きを隠せない。

 

 

 

「ひ……姫?」

「あ?ひめ?コイツ、秤ナントカじゃなかったっか?」

 

 

 

何故か……レンノスケがアツコを『お姫様だっこ』している。

 

しかも、自分達の陣地で。

 

 

 

「な、な……なにが……!?」

 

 

 

ベアトリーチェが吐き出すようにそう告げる。

 

レンノスケはそんなベアトリーチェに心底気持ちが悪そうな顔を見せながら、発語する。

 

 

 

「なにって……最速で、且つ、コイツを本気で助けた。それだけだ」

 

 

 

本気で助けた。

 

それが答えだった。

 

レンノスケは誰の目にも止まらぬ速度を此処で初めて出し、磔にされているアツコに纏わり付いている茨の様な蔦を一瞬でナイフで斬り、蔦が斬られている事を自覚する前に、レンノスケは流れる様にアツコを抱き寄せ、そのままベアトリーチェの横を通り過ぎ、陣地に戻って来たのだ。

 

つまり────この一瞬でレンノスケは己の最重要の目的を達成して見せたのだ。

 

 

 

「ひ────姫!!」

「姫ちゃん!」

「ッ、姫……」

 

 

 

真っ白だった頭を無理やり動かし、目の前の現実を視認した瞬間、サオリが即座にレンノスケの方に駆け寄り、お姫様抱っこされているアツコの容態を見る。

 

脈を図る……鼓動が、微かだが、鳴っている。

 

アツコは、生きている……ッ。

 

 

 

「ッ!顔色が酷い……身体も傷が多くて……で、でも、生きてる……生きてるッ!」

「この様子なら、少しすれば目を覚ます。良かったな」

「れ、レンノスケ!あ、あり、ありが────」

「待て」

 

 

 

サオリが直ぐにお礼を言おうとした瞬間、レンノスケが制止させる。

 

何事かと思えば……後ろでベアトリーチェが怒りに震えているのが見えた。

 

 

 

「礼は受け取らん。俺は俺の仕事をしたまで、それに────」

 

 

 

そして、レンノスケは言する。

 

 

 

「────お前達は、まだやる事が残ってる」

 

 

 

そう告げた、瞬間だった。

 

 

 

「────怪物ぅぅぅぅぅッッッッ!!!!!!」

 

 

 

”メキメキベキィッッ!!!”

 

 

 

ベアトリーチェの身体が異様に大きくなり、そして、みるみる内に其れは…………異形の化け物と成った。

 

頭部が花弁のように開花し、天を仰ぐようにその紅い月へと手を伸ばし、其の者は誕生した。

 

 

ベアトリーチェの、完全体である。

 

 

 

「ひぇぇ!?こ、これは……っ」

「マダムの、真の姿……」

「そっか、私達、こんなのに今までずっと……」

「それが正体なんだね、ベアt────」

 

 

 

先生が告げようとした瞬間、レンノスケが語気を強めて発する。

 

 

 

「────え、いや、俺より全然”怪物”じゃねえか。めっちゃキモいな」

「ぷっふふww……でも断然あの人の方が”弱い”から、今まで通り君が怪物名乗って良いよ? あ!ちょっと弄ってみて”バカいぶつ(馬鹿と怪物を掛けた)”でもいいんじゃない?」

「そうだな。じゃあ、お前はあのパンチ力を見込んで俺が仇名をやる────よし、お前は今日から”アホピンクゴリラ”って名乗れ。それか”ボケクソ☆ゴミカス☆メスゴリラ☆”でも良いぞ。言ってみれば語呂も良くて良いもんな。死ね」

「は?」

「あ?」

「あの、君達?」

「なに、()る?強いからってあんまり人を舐めたら痛い目見るって事、教えてあげようか?ってか君の方が体格的にゴリラじゃん。君が死ね」

「あぁ?……いいぞ、掛かってこい。確かに見た目は俺の方がゴリラだが、戦法はお前の方がゴリラだボケ。クソが……その喧しいピンクの髪色を真っ赤に染めさせてやる……後悔しても遅ぇからな。羽毟ってやるぞボケトリごら」

「いや、あの……こんな時だから喧嘩は止めてねミカとレンノスケ」

 

 

 

ベアトリーチェの本当の姿に、自分達がこんな化け物に数年間も使えていた事に後悔を表すアリスクと、ベアトリーチェそっちの気で大喧嘩を始めるミカとレンノスケ。そして其れを咎める先生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”コォォォォォッッ!!!”

 

 

 

 

 

「────舐めるのも……大概になさいッッ!!!」

 

 

 

無論、ベアトリーチェはその光景を許さない。

 

余りにも己を舐め腐っている二人に、ベアトリーチェはキレ散らかす。

 

瞬間……ベアトリーチェが繰り出す、赤い極光。

 

太く、驚異的な威力を誇るその光は、真っすぐに先生達に向かう。

 

 

 

「わっ!?」

「くっ!まずいッ!」

「先生!伏せろッッ!!」

「っ……!」

 

 

 

サオリが先生を抱き寄せ、ベアトリーチェの射程範囲外まで逃げ、先生を覆い被さる様に守る。

 

ミサキ、ヒヨリ、ミカもその紅い極光を前に冷や汗を掻く。当たればタダでは済まないだろうその光を前に、只、回避しか頭に入らなかった。

 

 

しかし……アツコを抱えるレンノスケのみ、その場から動かない。

 

ジッと、ベアトリーチェの様子を見ている。その姿に、サオリを筆頭に先生が

声を上げる。

 

 

 

 

「レ、レンノスケッ!逃げろ!!ひめ、姫が!アツコがッ……!」

「レンノスケぇッッ!!」

「…………」

 

 

 

悲鳴に近い声も虚しく、レンノスケは微動だにしない。

 

その姿に、ベアトリーチェは嬉々として力を底上げし、紅い光を極める。

 

 

 

 

”ゴォォォォッッ!!!!”

 

 

 

 

そして……両手を振り下ろし、レンノスケに向け────射出する。

 

 

 

 

 

 

 

「────城ヶ崎レンノスケッ!そして、スクワットと先生ッ!!これで、塵と化しなさッ……」

「────それは、反則だ」

 

 

 

”ドォォンッッ!!!────バヒュンッッ……”

 

 

 

────瞬間………ベアトリーチェが作り出した紅い光が()()()()

 

 

 

「……は?」

 

 

 

その光景は、ベアトリーチェにとって……信じられないモノだった。

 

レンノスケを見る。彼はアツコを左腕で上半身に預け、右の手で己の愛銃〈ベレッタM92〉をその紅い極光に向け早撃ちし、射撃で塵と化させたのだ。

 

 

 

「な、何が……」

「あ、あの人が、マダムのビームを……壊した……?」

「……理解が追い付かないんだけど」

「……それだけじゃないッ」

 

 

 

アリスクが現状を理解するのに数秒掛かっている間、ミカが告げる。

 

 

 

 

 

 

”────ブシャァァァッッッ!!!”

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ギッ!?ギ、がぁぁぁアアァァぁアアッッッっっ!!??!?」

「なぁッ!?」

「ひっっ!!」

「ッ……惨いっ」

 

 

 

瞬間、バシリカに絶叫が木霊する。

 

その正体は……かの光を繰り出した存在、ベアトリーチェ。

なぜ、叫んだのか……其れは────

 

 

 

「うで、がッ……私の、腕がぁあぁあああぁッッッ!??」

「脆いな、其れで崇高?だとはな……人に頼って手に入れたとは思えん程に下らん力だ」

 

 

 

そう……二の腕から先の両腕が弾け飛んで、その両の腕からドロドロと血が流れているからだ。

 

激しい、燃える様な痛みがベアトリーチェに襲う。痛みを抑えきれず、喉が潰れんばかりの絶叫を行う。

 

 

 

「悪いな、お前等……赤バァが余りにもウザかったから、ちょっと痛めつけた。もう、手は出さん」

 

 

 

そう言いながら床に座り、アツコを寝かせるレンノスケ。

 

 

元々レンノスケはアツコを助ける為に此処まで来た。ベアトリーチェを殺すと言っていたが、ぶっちゃけた話、ベアトリーチェがレンノスケにとって余りにも弱かった故、拍子抜けで殺す価値も無いと判断したから、ベアトリーチェはこうして今も殺されずに済んでいる。

 

だから、レンノスケはアリスクとミカに任せようとしたのだ。

 

しかし……ベアトリーチェに何かしてやろうとは考えていた為、タイミング的にもレンノスケはあの紅い極光を消すついでに、ベアトリーチェの両腕を2発ぶち込んだのだ。スッキリしたみたいだ。

 

 

そのまま流れる様に懐から包帯を出して、アツコの傷が付いている箇所を巻いて行く。

 

 

 

「レ、レンノスケ……」

「……どんだけ規格外なのさ、君」

 

 

 

最早、サオリとミカはそんな言葉しか出てはこない。

 

余りにも、無茶苦茶な男だった……アリウスの地にもその名を轟かせる者の実力は、此処に集う者達の予想の数百倍は狂っていた。

 

 

 

「隙は作った……おい」

 

 

 

瞬間────レンノスケが全員に向け、告げる。

 

 

 

「錠前、戒野、槌永、聖園────ぶちかましてやれ」

 

 

 

最後に、そう告げる。

 

今のベアトリーチェは両腕から煙を出して、必死に回復に努めている。

 

 

 

「ッ────皆ッ!」

 

 

 

今が……絶好のチャンス。

 

先生が声を上げる。

 

これを……逃す手はないっ!

 

 

 

 

「────総員ッ!ベアトリーチェに一斉射撃ッ!」

 

 

 

先生の声が、響く。

 

シッテムの箱が起動する。

 

アリウス・スクワッド、ミカのヘイローが……光る。

 

 

アリウス・スクワッド、聖園ミカの力が────格段に上がる。

 

 

 

 

「あぁッ!!」

「あは☆!!」

「や、やりますっ!」

「……顔面は私のセイントプレデタ―で燃やしていい?」

 

 

 

そして……無慈悲にも始まるベアトリーチェへの集中射撃。

 

 

 

「やっ、やめっっ────ぎゃぁぁぁぁああああっっっっっ!!!!!!」

 

 

 

情けない叫びと共に……ベアトリーチェは本領を発揮できず、そのまま元に戻る。

 

レンノスケの介入が、このベアトリーチェにとって超屈辱的とも取れる結果を招いた。

 

……レンノスケに恐れを為し、幼い子供を使って殺そうと計画した、ベアトリーチェの完全なる失態である。

 

 

 

結末は……先生側の圧勝で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「が、あ……」

 

 

 

仰向けに倒れるベアトリーチェ。両腕のない彼女は、腕を痛む間に息を荒げ、顔面、腹部といったほぼ身体全体に大きなダメージを負っている。容赦のないアリスクとミカの攻撃、先生の人間の弱点を突いた箇所への誘導指揮がベアトリーチェに喰らい、最早、自力で立つ事は不可能な程にダメージを受けていた。

 

未だ意識があるのが、凄い所である。

 

 

 

「あ、アツ、アツコッ!」

「姫ちゃん!」

「姫……」

 

 

 

アリスクがアツコが眠るレンノスケの元へと駆ける。

 

身体、主に首元に包帯を巻かれ、止血をされたアツコは未だその眠りから覚めない。

 

レンノスケはアツコをサオリに預け、あおむけに倒れるベアトリーチェを注視する。また、何か起こさないか見張る為だ。

 

 

 

「出来る限りの処置をし、首に流れる出血は抑えた。脈は鼓動しているが、中々に弱い。直ぐに覚めると思っていたが………後は秤、コイツ次第だな」

「っ、血を流しすぎたんだ。此処に来るまで、かなり時間を食ったから……」

「くぅっ……!!」

 

 

 

レンノスケとミサキの言葉に、サオリは苦渋の表情を浮かべる。

 

もしかしたら、このまま起きないんじゃないかと、そう思ってしまって………だが、そんな事認められないサオリは何度も、何度もアツコの肩を持ち、揺さぶってアツコの名を応呼する。

 

 

 

「アツコ、アツコッ!頼む、アツコ……目を、目を冷ましてくれ!アツコっ!」

「────……ん、ん……あ」

 

 

 

唸り声を上げながら、閉じていた瞳が、弱々しく開かれる。

 

サオリの、ヒヨリの、ミサキの想いが届いた瞬間だった。

 

 

 

「あ、れ……みんな?」

「アツコっ!!」

「姫……」

「姫ちゃん!気が付きましたか?!」

 

 

 

アツコは見る。仰向けに眠る己の家族の姿を。

 

全員に傷は見受けられ、確かな疲労感を漂わせている事に気付く……が、アツコは、先ずはこう言わなければと思い、告げる。

 

 

 

「うん……サオリ、ヒヨリ、ミサキ……みんな、おはよう」

「お、おはようって……」

「はぁ……ま、姫らしいね」

 

 

 

相変わらず能天気なアツコ、でも、これでいい。

 

アツコは周りを見渡し、ミカと先生を見つけた。どうしてミカが居るのかは分からないが、先生の存在は、予想が出来た。

 

 

 

”ガバッ”

 

 

 

「わ……サオリ?」

「アツコ!!」

 

 

 

サオリはアツコを抱きしめる。

 

嬉しかった。生きていてくれて、心から、嬉しかった。

 

 

 

「よかった……本当に、本当によかった…ッ!」

「……うん」

「アツコ、生きていてくれて、ありがとう……本当に、ありがとう……ッ!!」

「うん、うん……うん」

「くっ、う、うぅ……うぅぅっ!」

 

 

 

サオリの瞳から涙が溢れる。

 

此処まで、苦しい、苦しい道のりだった。仲間が、先生が、レンノスケが居なければ、きっと辿り着けなかったこの結末に、サオリは溢れる気持ちを抑える事が出来ない。

 

嬉しくって、アツコがこうして生きている事が、嬉しくって……抱きしめる力が強くなる。

 

 

 

「サオリ、泣かないで……私は大丈夫だから。先生が、手伝ってくれたんだね?」

「ッ!あぁ、そうだ!先生が手伝ってくれたんだ!先生だけじゃない!彼が……城ヶ崎レンノスケも手伝ってくれたんだッ!」

「そっか、先生とレンノスケが……………え?レンノスケ?」

 

 

 

先生だけじゃ、なく?そう告げるアツコに、サオリは「あぁ!」と、頷く。

 

 

サオリが指さす場所に目を向ける、其処には……倒れるベアトリーチェを見下ろすレンノスケの姿があった。

 

アツコは少し身を見開き、サオリに聞く。

 

 

 

「え……なんで?」

「────アイラの願いで来たんだ」

「え?────っ!わあっ……はやい────え……ア、アイラ?」

 

 

 

音もなくサオリとアツコの目の前に接近したレンノスケ。

 

さっきまで少し離れに居たのに、唐突に高速で接近してきたレンノスケに困惑するが、レンノスケが発した名前に、アツコは更に驚愕する。

 

 

 

「今、アイラって……」

「あぁ、アイラは俺を────……まぁ、赤バァに命令されて、この俺を倒そうとD.U.まで来たんだよ。で、色々あってお前を────アイラの『お姉ちゃん』を助けて欲しいって頼まれたんだ」

「ぁ………アイ、ラ‥…が」

 

 

 

そういう事か、と……アツコは思った。

 

ベアトリーチェの事だから、きっと、レンノスケが恐ろしく感じたのだろうとも予想できた。

 

だからサオリよりも隠密が長けているアイラを使って、葬ろうと企んだ……だけど、失敗に終わった。故に彼は此処に居る。

 

アツコは、そう完結させた。だから……お礼を言った。

 

 

 

「色々、分からない事が多いけれど……ありがとう、レンノスケさん」

「……ふん」

「先生も、ありがとう……本当に、ありがとう」

「いいよ。アツコ、君が無事でよかった」

 

 

 

それぞれ助けてくれた者に、御礼を言う。

 

すると、ベアトリーチェが行動を起こす。

 

 

 

「ぐぐ、が……ゆる、さない……ゆるさ、ないッ!」

「ッ!」

「私は、崇高に、至った、のに……許さないッ!先生、貴女を、許さなッ……おのれッ……おのれッ!!!怪物っっ……怪物ゥゥッッ!!」

 

 

 

仰向けのまま、顔を向けてそう発語するベアトリーチェの目には、ドス黒い殺意が纏われていた。

 

 

 

「なぁ、先生」

「……なんだい?」

「────殺すか、アイツ」

 

 

 

”ゾゾゾゾゾゾゾッッッ!!!”

 

 

 

瞬間、ベアトリーチェを襲う、己が剥き出す以上の殺意。

 

見る、レンノスケを見る。

左手にナイフ、右腕にハンドガンを握り、己に向け歩んでくる怪物の姿を。

 

その瞳は燃える様に赤く、だが何処までも濁っている。

見下ろす瞳は絶対零度が如く冷淡で、慈悲はない。

 

殺せと言われたら、直ぐに殺せる────そんな人間の瞳だった。

 

 

 

「────駄目よ」

「……なに?」

 

 

 

しかし、レンノスケの歩みを止める者が居た。

 

それは……先生だ。先生はレンノスケの右腕を両腕で掴み、その行為を制止させる。

 

 

 

「レンノスケ、其れはダメ。もう……君は手を汚しては、駄目ッ」

「先生、何を言っているんだ。コイツは……」

「レンノスケッ」

「………」

 

 

 

先生が少し語気を強めて、レンノスケの発言を遮る。

 

 

 

「────これ以上……その手を、汚しちゃ駄目だよ……」

「っ……先生」

 

 

 

願いだった。もう、自分の生徒が、その手を赤く染めないで欲しいと云う、願い。

 

先生は決めたのだ。自分の目が届く範囲の生徒が、人道を踏み外さない様に……人間の道を真っ直ぐ進ませる為に、絶対にそうはさせないと。

 

先生は、レンノスケの過去の件で決めたのだ。後悔をしない為に。

もう、己の生徒を苦しませないために。

 

 

 

「君にはもう、大切な存在が居る。君が今しようとしている事は、その子は……キリノは、決して望まないよ。だから……っ」

「え?じゃあ辞める」

「だからっ!君は────え?」

 

 

 

レンノスケの行おうとしている行為を何とか止めようと言を並べて、ふっとキリノの名を発したら即座にハンドガンを懐に仕舞った。

 

 

瞬間、殺意も消え失せた。さっきまでの重い空気が、一気に失せたのだ。

 

 

そして、先生は気付いた────キリノは、レンノスケを止める最強すぎる抑止力であると。

 

 

 

「キリノさんが望まないなら、止める」

「あ、うん、そう………そう!そうだよ!キリノはそういうの嫌いだからね!……何なら、悪い人を逮捕すれば沢山褒めてくれる子だよ!彼女は!」

「え、褒める?…キリノさんが?俺を………なななッ、なにぃ!?─────うし、そうと決まればベアトリーチェ、お前を【ガキ空腹させて道具に使った罪】と【女を何か贄って奴に使った罪】と【単純に気持ち悪い罪】で逮捕するぜ」

 

 

 

思わずズッコケそうになる面々。そんな罪状聞いた事がない。

 

先生とミカが即座にツッコミを入れる。

 

 

 

「いや、そんな罪ないよ。ってか最後に関しては普通に悪口だし」

「うんうん!教養の無さが顕著に表れているね☆」

「あ?しょうがねぇだろ。俺は義務教育を受けた事がねぇんだから」

「あ、ごめん………え?これツッコんでいいヤツ???……ねぇ、100×100は?」

「20000!ふっ、チョロすぎ」

「え……(恐怖)」

「レンノスケ、帰ったら一緒に勉強しよっか。うん、マジで」

 

 

 

意味不明な罪状を並べてベアトリーチェを捕まえようとするレンノスケと、その罪状に思わずツッコんでしまった先生と、そんなレンノスケを煽ったら思っていたよりも自虐が凄まじい返しをされて少し困惑してしまうミカ。

 

終いにはとんでもない計算力を披露し、この場に集う者達を混乱させてしまう始末。

 

 

 

「えぇ……」

「はぁ……何やってんだか」

「……ふふっ、愉快な人なんだね」

「あぁ………最後の冗談も、中々に面白い」

 

 

 

そんな様子を見ていたアリウス・スクワッドも、自然と笑みが零れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────その時だった。

 

 

 

 

 

 

”ブゥゥゥン………”

 

 

 

 

 

 

 

「────ッ!」

「────!?」

 

 

 

””カチャッ!””

 

 

 

瞬間、ベアトリーチェの少し後ろから黒い靄が掛かり、そこから一人の大人が姿を現した。

 

 

突然過ぎたが、レンノスケとミカが即座に先生の前に立ち、その黒い大人に向け愛銃を向ける。

 

 

 

「おやおや……少し、来るタイミングを失敗してしまった様ですね」

「黒服……」

「……仲間?」

 

 

 

先生がそう呼ぶ。

 

正体は────黒服だった。

 

ミカはベアトリーチェを一見し、黒服を見て【仲間】であると判断した。故に、愛銃に力を籠める。

 

先生は黒服を見つめ、告げる。

 

 

 

「黒服。なんで、貴方が此処に────」

 

 

そう言おうとした……瞬間だった。

 

 

 

「はぁぁ!!?え、お前ッ!!?」

「おや?その反応、どうやら私の事を覚えて頂けていた様ですね……クックックッ」

「あ、ぐ……っっ…!」

 

 

 

黒服を一望したレンノスケが、わなわなとその身を震わせ、怒りと焦りと恐怖に満ちた、そんな表情を作る。

 

 

 

「レ、レンノスケの奴、どうしたんだ……?」

「……マズイ相手なのかも知れない、ヒヨリ、リーダー、姫を」

「は、はいっ!」

 

 

 

そんなレンノスケの様子を即座に感じ取り、只ならぬ雰囲気を晒す黒服を厳戒態勢で迎える準備を取る。

 

ベアトリーチェと、何処か雰囲気や造形が似ている。これらが起因しているからか、アリスクの警戒心は非常に強い。

 

レンノスケがベアトリーチェに見せた怒り、そして、そこから溢れていた余裕は一切ない。

 

先生、ミカも……レンノスケの様子に確かな疑問を見せるが、直ぐに黒服を睨み、そのまま先生が告げる。

 

 

 

「ふっ、ふぅっ……くッ!!」

「……黒服、君が何故ここに居るのかは大体予想が付く。どうせベアトリーチェの回収なんだろうね……でも、レンノスケとは何?どういう関係なの?」

「クックックッ……お久しぶりです、先生。えぇ、城ヶ崎レンノスケさんとは、以前ブラックマーケットにて少しお話を差せて頂いただけです。特別、契約を結ぶような関係ではないので、悪しからず」

「────っ!……じゃあ、何故、この子はこんなに怯えているのッ!この子に何をした!」

「ふむ、私は彼に危害を与えた記憶はないのですが……」

 

 

 

先生の確かな怒号。

 

レンノスケが黒服に向けるベレッタが、身体が、震えている。

 

表情が、心から苦しそうに、何か気持ち悪いモノを見るような目で黒服を見ている。

 

それが、先生の怒りを買った。

 

 

しかし、レンノスケが行動に出る。

 

 

 

 

 

「────黒服、そうだ、黒服ッ……!ちょ、ちょっと、いいか?」

「おや?……クックッ、えぇ、どうなさいましたか?城ヶ崎レンノスケさん」

 

 

 

レンノスケが前へと歩き、そして────

 

 

 

”ガシッっ!!!……ぐりぐり、ぐりぐり”

 

 

 

「おや?」

「……ん?」

「……え?」

「……は?」

「……へ?」

「……なに?」

 

 

 

レンノスケが黒服の肩を組む。

 

そして、そのまま額から汗を掻いてエグイ笑みを浮かべながら、黒服の頬にハンドガンを擦り付ける。

 

上から黒服、先生、ミカ、サオリ、ヒヨリ、ミサキが素っ頓狂な声を上げ、困惑の顔を作る。

 

それ程までに、レンノスケの行動が理解できないでいた……が、そのままレンノスケが黒服にしか聴こえぬ声量で告げる。

 

 

 

「え、なに?何でお前此処に居んの?ちょっ、マジ、勘弁してくれよ……キツイって」

「ククッ、何やら勘違いの波動を感じますが、貴方と私は未だ一度の邂逅しか果たしておりません。加え、貴方は私の話を完全に無視し、全治2ヶ月の重傷を私に負わせたではありませんか」

「んな事ぁどうでもいいんだよ。おい、俺はな、テメェのせいであの後の依頼でテメェのお陰で助かったり死に掛けたりしてマジで大変だったんだぞッ……」

「中々に会話が噛み合いませんねぇ……一度、お互い冷静に成って、落ち着いて話し合いをしませんか?」

「あ?……っ、確かに、そうだな」

 

 

 

レンノスケの支離滅裂な話を何とか理解しようとする黒服。

 

黒服のその提案にレンノスケは数秒の間を開け、溜息を一つ行うと、”あぁ”と一言入れた。

 

 

 

「ふぅぅ…………すまん、少しお前のせいでパ二くった。まぁ、アレだ────お陰で大分落ち着いたが、先ずはコイツの件を片付けよう」

「っっ……!!」

「ふむ……えぇ、そう致しましょう。レンノスケさん、もうこの際ですから、貴方に関する用事を此処で伝えさせて頂きましょう。宜しいですか?」

「あ?……はぁ、あぁ、なんだ?」

 

 

 

黒服がレンノスケの耳に近付き、発語する。

 

 

 

 

「────────」

「────は?」

「────……以上になります」

「……………………分かった」

「クックックッ……では、そういう方針で宜しくお願いします」

 

 

 

黒服が発した発言は、レンノスケを動揺させるも、直ぐにレンノスケは意を決した表情を作り、黒服の言葉に頷く。

 

 

 

「しかし、直ぐに了承の意を頂けるとは思いませんでした。何か、理由が?」

「……嘘は、言っていないだろ。お前の雰囲気、その言動は胡散臭すぎるが、本気で俺に何かを伝えようとしているのは、分かる」

「………クックッ、ご理解頂けて何よりです」

「あぁ……」

 

 

 

 

 

緊迫する空間に、レンノスケがベアトリーチェの方を向いてそう告げる。

 

 

 

「なぁ、お前、黒服……で良いのか?」

「えぇ、そうお呼び頂ければと存じます」

「分かった。じゃあ黒服、お前は、コイツの何だ?」

「仲間……とでも云いましょうか。我々は【ゲマトリア】と云う組織で形成されている者達でして、まぁ所謂、研究者の集まりと認識して頂ければと」

「ふむ……って事はやっぱり、コイツを助けに来たって事か」

「そう捉えて構いません」

「……お前は悪い側の人間だ、だが……この赤バァ程、人道を外れてはいない。赤バァと違って信用はして良いとも、俺は思う」

「ふむ、それは、直感ですか?」

「いや、俺がこの数年で得た【判別する力】だ。だから信用はするが信頼はしない、約束は守るが味方ではない、こういう事だろう?お前の立場は」

「……クックックッ、えぇ、()()()()()()()()()()()、その異常すぎる強さだけでなく私の人間性を一目で見抜くとは……クックッ、益々、貴方には興味が尽きません」

 

 

 

レンノスケが黒服との門答に数秒の間を空ける。

 

そして、大きな溜め息を付き、黒服に向けて告げる。

 

 

 

「じゃあ結局────赤バァの始末は、お前に任せて良いって事か?」

「!……えぇ、お任せください。その為に来訪したのですから」

「……じゃあ、もう行け。そいつを視野に入れると、いま直ぐにでも殺したくなる」

「これは失礼……では」

 

 

 

そう言い終えると同時、黒服がレンノスケの肩組を解いて、ベアトリーチェの方へと歩む。

 

 

 

「黒、服……ッ」

「酷い有様ですね、ベアトリーチェ。こうは成りたくはないと思う程に」

「はっ……それは、皮肉ですか?」

「本心です。それに近しい行為を、私は既に彼から味わっておりますので……どうです?中々にキツイでしょう」

「ぐっ……もう、黙りなさい……ッ」

 

 

 

黒服は続ける。

 

 

 

「貴女の活躍は影から見ておりました。えぇ、中々に目を張るモノだった事は確かです。貴女と私は求める神秘の形に違いこそあれど、正直、胸を打たれる何かがあったのも、また確かです」

「…………」

「ククッ、では、そろそろ戻りましょうか」

 

 

 

そう言い、黒服はワープゲートを展開させ、ベアトリーチェの肩を持つ。

 

その行為に、先生は真っ白だった頭を回転させ、直ぐに黒服に静止の声を掛ける。

 

 

 

「黒服ッ!」

「先生、レンノスケさん、今回はお会い出来て光栄でした。次は、もっと見晴らしのいい場所でお会い致しま────」

 

 

 

そう言い終えると同時。

 

 

 

「待ちな……さいっ!」

 

 

 

”ガシッ!”

 

 

 

先生が黒服の元へと走り、ベアトリーチェを持つ左側とは違う右側の腕を先生は両腕でホールドして掴む。

 

先生の唐突な行動に、シャーレの先生ファンクラブ会長の黒服は、逆に頭が真っ白に染まる。

 

 

 

 

 

「おや?おやおやおやおやおや?(大混乱)」

「ま、まだ!貴女にはまだ、聞きたい事がある!レンノスケとは、どういう関係なの!?なんdそんなに親しいのっ!このっ、黒こげ!答えなさい!この!」

「クッ……せ、先生、足を蹴るのはお止めください。あと私は黒こげではなく黒服で……」

「うるさい!!先生であるこの私の前で、生徒であるレンノスケと何か密語してっ!このっ!動けなかった私も私だけど、黒服ッ!貴方の事だから、どうせ何かレンノスケを使って何か企んでいるの決まってる!このっ!さっきレンノスケと話した事、全部ここで言いなさいッ!」

 

 

 

”むにゅんっ”

 

 

 

「おや???おぉ……」

 

 

 

黒服の腕に先生の豊満な胸が当たる。

 

先生は怒りを露にし、最早気にも留めていないが、黒服は少しテンパる。

 

 

 

「おぉぉ////(興奮)……んんっ!ふぅ、あの、先生、どうか落ち着いて下さ………すみません、マダム。少し落とします」

「なに────おぶっ!!」

 

 

 

先生は黒服の右腕を胸まで押し寄せてガッチリ掴み、離さない。

黒服はそんな先生にたじたじに成りながらも、何とか平静を保ち落ち着いて下さいと云いながら宥める。効果はない。

 

ベアトリーチェは黒服に適当に落とされ、顔面から落下する。両腕も無ければ、足で立つ気力もないベアトリーチェは激情をその身に宿すも、何も出来ない為黙り込む。

 

 

 

「ま、待て、先生。さっき黒服と話した事なら俺から……少しだけ話すぞ?」

「ッ!そうです、先生。先程のレンノスケさんと私の会話なら彼から聞き────」

「黒服!!貴方の口からじゃなきゃダメ!」

「な、なぜ??」

「レンノスケはその意味を理解しているか判断しているか分からないからよッ!それに……黒服、貴方の口から確りとレンノスケに言った事を聞き出して、それが危険かどうか判断する義務が私にはある。だから、だからっ!言いなさい!レンノスケに何を吹き込んだの!?このっ!蹴るわよ!」

「クッ、もう蹴っております、先生」

「うるさい!!」

「せ、先生……どうしてこんなに怒っているんだ……?」

 

 

 

理不尽の極みであるが、先生は黒服が嫌いである為、一切の容赦なく黒服の脹脛を蹴る。

 

正直そんなに痛くはない攻撃だと黒服は感じている。同じ生身の人間(?)であるが、女性と男性では肉体の造りが違うので、女性である先生と男性である黒服では喧嘩になれば勝負にすらならない。

 

しかし紳士である黒服は先生の足蹴りを全て受け止めている。なんなら気持ち良さそうにもしている。

 

 

 

「(妙だ、先生が珍しく感情を表に出している……あの冷静な先生が………生徒でもなく、俺のデカくなったちん〇んを抑える時に想像して使って落ち着かせていた『黒服』を相手に────ん?)」

 

 

 

 

 

”ピシャ―――ン……”

 

 

 

「はっ!────……ははっ、なんだ、そういう事か……」

 

 

 

此処で、レンノスケに電流走る。

 

 

 

「このっ!レンノスケに何を吹き込んだか、私に全て教えなさい!じゃないと行かせないわよ!」

「御勘弁を、先生ッ……その事は少々、全ては言えません……この話は中々に云い辛いモノなので……」

「おい、黒服」

「は、はい、なんでs……」

「いいぞ、言ってやれ」

「はい???」

 

 

 

何故か腕を組んで楽しそうな笑みで先生と黒服を見つめて、そう告げるレンノスケ。

 

その様子に先生も黒服も、少々、不気味な予感を感じ、レンノスケに注目する。

 

 

 

「な、何故?これは……貴方にとって知られたくはない情報にも成り得る事ですが」

「確かにそうだが、先生になら良い。寧ろ、適任だろう……それに────ふっ、なんか、アレだしな」

「ちょっ、なに、その目……レンノスケ、君はまた何かとんでもない事を言うんじゃないでしょうね?」

 

 

 

先生の震えた問いも虚しく、レンノスケは────とんっでもない事を言う。

 

 

 

「────先生、後で、黒服と【恋】に発展した理由……俺に聞かせてくれな?」

 

 

 

 

 

「────ん?………っっっ!!!???はぁあぶぶあぶあぶあぶ!?!?!?!?!?」

「────はい???????????????」

 

 

 

────また、時が止まる。

 

アリスクも、ミカも、先生も黒服も、ベアトリーチェも……レンノスケの発言に言葉を失う。

 

先生は絶叫する。

黒服は言葉を失う。

 

 

 

「いや、流石に俺も理解するのに時間が掛かったぞ?まさか……俺を(黒服に非はない)滅茶苦茶苦しめていた黒服と、あの先生が【恋愛してた】なんてな」

 

 

「は……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!????」

「あぁ、そういう……ククッ、クッ、ククッ……はい??????」

 

 

もう一度大きく発狂する先生と、どうにか理解しようとしてショートしかける黒服。

 

それはアリスク、ミカも同様で、レンノスケの発した言葉に頭が追い付かない。

 

だが、そんな事つゆ知らず、レンノスケは言を並べる。

 

 

 

「全く、先生に黒服、お前ら喧嘩も程々にしろよ?幾ら【恋仲】だからって、そんな声を荒げて言い合いするなんて、ちょっとみっともないぞ」

「はぁぁ!??ま、まち、まっっっぅて?!?!?レンノスケ君、ききっっき君は今すっごく最悪な勘違いをしているなぁぁ!?!?」

「く、ククッ……その通りです、レンノスケさん……貴方は今────」

「ふっ、いいよ今更、照れ隠しなんかしなくっても、俺は確り、理解しているからな」

「────………なぜ??????」

「レンノスケーーーーーッッ!お願い聞いてーーーーっっっ!!!」

 

 

 

カオスである。

 

黒服と先生は必死にレンノスケに弁明するが、レンノスケは両名の照れ隠しだと完全に思い込んでいる。

 

「はははっ」と、笑いながら受け流していると、ふと、レンノスケが思い出す。

 

 

 

「(……あれ、確か……っ!!ガキ共!)」

 

 

 

そう、アリウスの子供たちの事である。

 

今はシキが守っているが、もしかしたらアリウスの残党が感ずいて攻め込んでいるかもしれない。

 

早く戻って、ヴァルキューレまで連れて行かなくってはいけない。そう思い、レンノスケは焦って告げる。

 

 

 

「あー、すまんお前等ッ!俺ちょっとガキ共の所行かなきゃ行けねぇ!おい黒服!その赤バァの事、ちゃんと殺せよ!それとスクワッド!お前ら、先生に確りと感謝しろよ!あと聖園!あ、間違えた。メスゴリラ!お前も先生に感謝しろよ!じゃあな!」

「ちょっ、まっ……レンノスケェぇぇ!!!!」

 

 

 

そのまま、レンノスケはバシリカを後にしようと入り口まで俊足で向かう。

 

先生のブチギレの声が響く。……と同時、レンノスケが「あっ」と、何かを思い出したかのように止まり、くるりと振り返って……告げる。

 

 

 

「先生、黒服────おめでとう。俺は応援してるぞ」

 

 

 

とびきりの笑顔(悪人顔)で、右手の親指をグッと上げ、それを最後にレンノスケはバシリカを後にし、アリウスの子供たちが居る場所へと走り去っていった。

 

 

 

”「………………」”

 

 

 

全員、沈黙である。

 

嵐よりも嵐、そんな男が去って行った。

 

黒服は「はっ!」と、真っ白に成った頭を起こし、そして直ぐにベアトリーチェの肩を持って、展開されているワープゲートまで速足で向かい、告げる。

 

 

 

「でっ……では、私はこれにて失礼します────先生、ま、また、お会いましょう」

 

 

 

”ブゥゥン…………”

 

 

 

逃げる様に、黒服はワープゲートで姿を消す。

 

 

 

「お、終わった……のか?」

「う、うん……多分?」

「なんだったの、ほんとに……」

「あ、あぅぅ……頭が痛いです……」

「色々ありすぎじゃんね……」

 

 

 

アリスク、ミカは既に疲労で疲れ果てている。特に、レンノスケのせいで。

 

だが、先生が……何も言わずに空を見上げている。

そん雰囲気は、何処か儚げで……美しかった。

 

 

 

「……せ、せん……先生?」

「大丈夫か?」

「…………………」

 

 

 

俯いて、何も喋らない先生に、アリスクとミカが心配する。

 

数秒の間、くるりと振り返る。

 

 

 

”ツゥ――――ー……”

 

 

 

「………うん……だいじょうぶ、よ?」

「す……凄く、泣いてるが」

 

 

 

うん、凄く泣いていた。

 

それもそうだろう、己の生徒から己の天敵であり大嫌いな人間と、まさか【恋仲】だと本気で勘違いされたのだから……幾ら精神最強の先生でも泣きたくもなる。

 

あの時、先生は初めて己の生徒を殴ろうとした。それ程までに噴火寸前だったのを、レンノスケは更に追い込み、終いには『────おめでとう』なんて、まるで結婚でもするかのようなレベルまで発展させられたのだから。

 

先生は、限界だった。哀れである。

 

 

 

「……先生」

「んっ……あぁ、ありがとうアツコ……もう、立てるのかい?」

「う、うん……もう大丈夫」

「そっか、よかったね……ぐすん」

「あの、先生?その……私は分かってるからね!?その、あの黒い人とはそういう関係じゃないぃ…事ぉ……」

「うん、ありがとう、ミカ……」

「あ、あぅぅ……複雑ですぅ」

「……あの人、先生を地獄の底に落としてどっか行っちゃったんだけど……とんでもない人、だったね」

「いや、うん……少しの間の絡みだったけど……あの怪物くん、マジでヤバい奴じゃんね……」

 

 

 

その後、黒服と恋仲だとガチで勘違いされてガチ泣きする先生。

 

アリスク、ミカはそんな先生を何とか宥める。最早、ついさっきまで完全な敵同士だったのに、あのレンノスケと云う男のイカレっぷりを目の当たりにして、もうそういう雰囲気にはなれやしなかった。

 

全員が先生の背中を摩ったり、ハンカチを目元に当てたりと、精一杯の施しをして先生を元気づけた。

先生は泣いた。

 

 

 

先生が泣き止むのに、数分は掛かったとか……………。

 

 

 

 

 

次回

 

 

 

─────これから先、ずっと……愛してる。

 

 

 

 

 





先生はその後しっかりとアリスクとサオリに教えを施し、アリウス・スクワッドを見送りました。原作ストーリーと同じ結末を迎えたと思って頂ければと思います。

そして、そのままミカと共に自治区を出ようとします。


先生×黒服、意外と人気ですよね。

僕はずっと先生には黒服を嫌っていて欲しい気持ちと、偶に居酒屋とかで飲み明かしてほしい気持ちがあります。複雑ですわ。





次回は見ての通り、やっとキリノとレンノスケの絡みを書けます。長かった……いや、マジで。

次回予告は飽く迄予告なので、タイトルが変わるかもしれないのでご了承くださいませ。


エデン条約はレンノスケの神秘の秘密の追求と、その異常な強さを描くために執筆したかった章でしたので、少し長くなってしまいました。

次回でエデン条約編は終了します。キリノとの絡みを全面的に執筆するので、少しまた期間が空いてしまうかもです。この拙い小説を見て下さっているお兄さんお姉さん許して……。


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  • レンノスケ、配信者に成る。
  • 16歳組によるバレーボール同盟
  • キリノと二人旅
  • 提示版(レンノスケだけど、質問ある?)
  • レンノスケの過去編
  • 本編:カルバノグの兎編
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