怪物は、真面目な君に恋をした。   作:カブトムシの相棒

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☆レンノスケが特定の人に対する好感度%。



■例


:0~20 (死ねから嫌いな奴)

:21~40 (苦手だけど嫌いじゃない奴)

:41~60 (ちょっと話す奴か友達)

:61~80 (ガチ友、信じている、実力を認めている)

81~100 (普通に好き、尊敬している)



▼ 計測した人。



・先生 :88%

・黒服 :27%

・ネル :63%

・ヒナ :40%

・ツルギ:40%

・カンナ:60%

・コノカ:55%

・マコト:60%

・ナギサ:15%

・ミカ :30%

・アヤネ:60%

・ホシノ:2%




特別枠・アル:76%








・キリノ: *測定不能*




現時点でレンノスケに関わった生徒達に対するレンノスケの好感度です。

低い人にはそれなりの理由があります。アルに対して何でこんなに評価高いのかは、いずれ出します。




では、本編です。



外伝:階段の上り方。

■1週間後……。

 

 

 

 

 

 

「────……はい、全てに於いて異常なし。おめでとうございます、城ヶ崎レンノスケさん。晴れて今日から退院です」

「あぁ、ありがとう、鷲見」

「良かったですね、レンノスケ!」

 

 

 

レンノスケが目覚め、キリノとキスをし、また気絶したあの日から1週間の時が流れた。

 

 

気絶後、レンノスケはもう一度己の病室のベットにて起きたが、その時に実は強くレンノスケはミネに叱られている。理由は勿論、点滴チューブを全てぶち抜いた事が原因だ。

 

これに関しては、レンノスケもその叱責を受け入れた。己の非を認めて。

 

……あと、病院で少し騒ぎを起こしてしまったと云う事もあったが、それは少しのお咎めで済んだらしい。

 

 

レンノスケの状態は非常に安定していた。

 

外面的な怪我……額、主に背中の傷は大分塞がった。しかし、レンノスケは他のヘイロー持ちの生徒とは少し違い、再生力がそこまで高くはない弱点がある。怪我を負えば、傷が残ってしまうと言えば分かり易いだろう。包帯も、確り完治するまで巻き続けるらしい。

 

現に、レンノスケの背中の傷は大きな跡を残してしまっている。彼自身、特に気にしている様子はないのが幸いか。

 

内面的な問題がある。彼がアリウス自治区にて血反吐を多量には居た原因が臓器の損傷だ。

 

やはり爆発の影響が大きく出たか、彼の臓器は傷を負い、彼を酷く追い込んでしまっていた。

しかし今はミネやセリナと云った実力派の医療従事者たちによって、臓器の修復も無事終え、大事には至らなかったという訳なのだ。

 

だが、それでも安静にしなければならない。

 

 

────故に、ここからレンノスケの1週間の入院生活が始まったのだ。

 

 

最初に言えるのは、キリノは特別にほぼずっと病室に居た事か。

 

レンノスケのコントロールや監視役として役割など、色々理由はある。

だが一番はキリノ自身がレンノスケの世話をすると名乗り出た事だろう。

 

 

こう言っては何だが、レンノスケは【男】である。

 

包帯を巻くとき、どうしても上半身裸になって誰かに巻いて貰う他ないのだ。

 

医療従事者がそんな事で狼狽してどうする、と云う話になるし、ミネやセリナ、ハナエ達は人の裸には慣れてはいる。

 

だが、キリノがやってくれると言うのなら是非も無かった。

 

レンノスケ自身、余り自分の『傷だらけの身体』を他人には見てほしくはない様子だったから、問題はないのである。

 

 

 

……レンノスケの元には多くの人が見舞いに来た。

 

毎日お見舞いに来た先生を始めとし、剣先や空崎、美甘と云った最強格3人組。

 

そして……アイラを始めとしたアリウスの幼い子供達とシキも来てくれた。勿論、正義実現委員会の生徒が見張りとして同伴はしていたが。

 

レンノスケはそこで初めてシキと子供達がトリニティに保護されたのだと知った。その事にレンノスケは酷く、安心したとか。

 

アイラとシキは必死になって謝ったとか。レンノスケをこんな目に遭わせたのは紛れもない自分達。謝るのは必然だった。

 

しかし、レンノスケは二人の頭を撫で、一言────”無事でよかった”と、告げたのだ。

 

アイラとシキは、最早、レンノスケに頭が上がらなかった。

 

だが、見かねたレンノスケはアイラをベットまで持ち上げ、もう一度胸に抱き、己の鼓動を聞かせて”俺は生きている、お前のお陰で俺も前に進めたんだ。お互いに感謝しあおう”と、そう告げた。

 

アイラはそこで、レンノスケに抱き着き、とびっきりの笑顔を魅せた。レンノスケは、この笑顔が見たかったのだ。

 

レンノスケとアイラ、身長差は驚異の『85㎝差』、同じ黒髪と赤い瞳をしている。

 

何処か似ている二人、シキはその二人の様子を見て……まるで兄妹に見えたとか。

 

因みに、アイラはレンノスケ同様キリノにも非常に懐いている。

 

キリノを『キリノお姉ちゃん』

レンノスケを『レンにぃ』と呼ぶようになった。

 

レンノスケとキリノも、そんなアイラを愛おしく感じている。

 

 

入院している間も、レンノスケは見舞いに来てくれたアリウスの子供たちと楽しく会話をした。

 

キリノも紹介して、キリノが子供たちに色んな遊びを提供して、レンノスケ同様に好かれていた。その事に、キリノ自身も嬉しそうにしていた。

 

 

 

そして、なんと、意外な人も来てくれた。

 

それは……最初にお世話になったD.U.の病院の院長である”老犬の獣人”医者も見舞いに来てくれたのだ。

 

 

院長はレンノスケの事が気掛かりで、休日の日に態々足を運んでお見舞いに来てくれたのだ。

 

 

その事にレンノスケは開口一番に『おぉジジィ!来てくれたのか!嬉しいなぁ!』と、まるで生意気な孫の様に院長を出迎えたのだ。

 

 

キリノが直ぐに口の悪いレンノスケを咎めるが、院長は笑って『そのままで大丈夫ですよ、少し気に入ってますので』と、何とジジィ呼ばわりを承諾したのだ。懐が深すぎる。

 

 

院長とレンノスケ、キリノは直ぐに打ち解け、色々と話し合った。

 

 

ここで、院長に関する新事実が発覚した。

 

 

なんでも院長は子宝に恵まれず、息子や娘と呼ぶ子が居なかったらしい。

 

原因は現代の医療でも治療が難しい病気だったそうで、子を妊娠する事に成功しても、様々な要因でお腹の中で亡くなってしまうと云う類稀な病気に、院長の妻は患ってしまっていたらしい。

 

日常生活に全く支障がない分、その分のダメージは大きく、中々立ち直れない時期もあったそう。

 

少し悲しいが、それでも前に進まなければならない。

 

支え合い、助け合い、互いを尊重し合って生きていく。

 

そうすれば、巨大な壁も越えられるのだと、若い二人に教えてくれたのだ。

 

 

つい最近恋仲になった二人にとって、とても深い話だった。決して子には恵まれなくとも、隣に愛している人が居れば、それでいい。

 

 

院長には凄く良い話を聞いたと、レンノスケとキリノはそう思ったのだ。

 

 

 

 

カンナやコノカを始めとし、顔を合わせるのは初めてだったフブキと云ったヴァルキューレの生徒も来てくれた。

 

フブキはレンノスケとは話した事はない。だがキリノも居ると云う事もあり、フブキはレンノスケを一目見ようとドーナツを持ってお見舞いに行ったのだ。ドーナツは己も好物である為、何が好きなのか少し気に成ったりもしたとか。

 

意外と波長が合ったのか、レンノスケとフブキは直ぐに仲良くなった。

 

ドーナツの話、キリノの話、効率のいいサボり方の話など……レンノスケから話の輪を広げ、フブキがそれに答え、キリノも同調して話の枠をさらに広げて、3人で会話する。

非常に楽し気に談笑が出来たのだ。フブキのレンノスケを見る目が変わり、キリノが惚れた理由も知れたとの事。

 

フブキの話では、ヴァルキューレ内部でも、レンノスケの評価は右肩上がりらしい。

 

一番はやはり、その異常性を秘めた最強の戦闘力、そして……キヴォトス全土に知らしめる膨大な影響力が呼んだ『悪化していた治安を一定まで治めた』と云う前代未聞の偉業を成し遂げた事が理由だ。

 

そのお陰で、各自治区の警察組織は非常に落ち着いているだとか。特に犯罪が昼夜問わず巻き起こっていた【ゲヘナ】では、レンノスケの影響でヒナが動員するまでもない犯罪しか起こらなくなったとか。稀に【美食研究会】や【温泉開発部】、【その他ヘルメット団やスケバン集団】が犯罪行動を行うが、今迄と比べ、頻度は非常に減っている。

 

 

レンノスケは、ただ居るだけで助かっているのなら、良かったと、フブキに頭を下げ礼を言った。

 

フブキは少し焦った表情を作り、直ぐにその行動を止めさせたが、ここでレンノスケの人物はこういう人間なのだと改めて確認できたから、少し安堵したとか。

 

 

 

まぁなんやかんやで、問題はなくレンノスケは1週間の入院生活を終え、そして今日……退院する。

 

レンノスケは現在、病室で最後に検査され、内部外部共に問題ないと診断されている最中だ。

 

 

 

 

「入院なんて、初めてだったから……何か、迷惑を掛けていないか心配だ。大丈夫だったか?」

「い、いえ!そんな、迷惑なんて掛かっておりませんよ。寧ろ、模範的な患者様でしたので此方としては非常にありがたかったですよ」

「そうか……礼を言わしてくれ。ありがとう鷲見。あんたたち救護騎士団が俺を介抱してくれたお陰だ、本当に助かった。感謝する」

「っ!はい!ありがとう御座います。これも我々の仕事ですから」

「……キリノも、改めてありがとう。貴女が傍に居てくれたから、動けない日でも俺は毎日が楽しかった。好き」

「ッ……セリナさんが居る前では控えて下さい」

「あ、そっか。すまない、鷲見」

「あ、あはは……お気に為さらず」

 

 

 

そう言って、レンノスケは椅子から立ち上がり、セリナに告げる。

 

 

 

「じゃあ、またヤバい怪我したら此処に来るからな、そん時は宜しく頼む」

「ん!?レンノスケ!?」

「い、いや!出来ればお怪我はしない方向でお願いしますね!?」

「む?まぁ、そうだな。まいいや。じゃあな」

 

 

 

最後にトンデモ発言を残し、レンノスケとキリノは病室を後にする。

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……この服を着てると、俺もヴァルキューレに成れたんだと実感が湧くな」

「ふふっ、ずっと患者衣でしたからね。とてもお似合いですよ、レンノスケ」

「ッ!ふっ……惚れた?」

「……ずっと惚れてますよ」

「あ、あふぅうん!!キリノぉ!!」

「病院の廊下では静かにお願いしますね、レンノスケ」

 

 

 

トリニティ総合学園が管轄している病院、主に救護騎士団が重鎮している廊下に、レンノスケとキリノは歩いている。

 

今は、少し静かだ。平日な事もあるのだろう、トリニティの皆は学園に登校している。

 

患者の数も、かなり少ない。調印式の日とは比べ物にならない程、平和だ。

 

 

エデン条約調印式のあの日……大規模な爆破テロが起き、少し前まで此処は怪我を負った患者で溢れかえっていた。

 

死亡者は居なかったが、決して浅くない怪我を負っていた患者で一杯だったのは確かだった。

 

しかし、その数週間後……レンノスケはその爆破テロの被害者たちよりも数段上の怪我を負ってトリニティに運ばれてきたのだ。

 

 

一時、場は騒然と化した。あのミネが焦燥を滲ませて手術を施そうとしていたのだから。

 

問題なのは、あの”怪物”レンノスケが……あそこまでの怪我を負わされていると云う事。

 

本来なら有り得ない、だが、使用された武器の正体を……駆けつけた先生が一部の生徒に伝え、その異様さ、それを聞いた生徒達は悲痛の表情を浮かばせた。

 

 

因みに一部の生徒は『ティーパーティー』の”桐藤ナギサ”、”聖園ミカ”、”百合園セイア”、『救護騎士団』の”蒼森ミネ”……『万魔殿』の”マコト”、『風紀委員会』の”空崎ヒナ”、そして『C&C』の”美甘ネル”だ。

 

 

ヘイロー破壊爆弾……それの大幅な強化、改良版を至近距離で喰らった。

 

一撃が即死級の爆破、しかし、レンノスケは生きて立ち上がり、そのまま実行犯のアイラの願いを聞き、アリウス自治区まで単独で乗り込んだとその生徒達は先生から聞いたのだ。

 

 

 

 

 

「しかし、美甘たちがまさか、見舞いにきてくれるとはなー……少し意外だった」

「皆さん、レンノスケが大怪我を負ったと聞き心配為さったのでしょうね」

「……意外といい奴なんだな、あいつ等は」

 

 

 

そんな談笑をして、気付けば出入口まで着いた。

 

ドアを開け、外に出る……1週間ぶりの外出だ。

 

 

息を、吸う……。

 

 

 

「すぅ……ふぅ……いや、やっぱキリノさんは良い匂いだな」

「お、おばかっ!本官じゃなくて外を吸うでしょ普通は!もう!」

「あ、いっけね!」

「いっけね!じゃありませんよ!」

 

 

 

キリノの匂いを、吸う……。

 

キリノが、怒る……。

 

レンノスケは、喜んだ……。

 

 

 

「はぁ、もう……此処は外ですから、過激なスキンシップは後で自室で!お願いします…」

「(自室なら良いんだ……)あぁ、分かったよキリノ」

「本当に分かってますか……?」

「勿論、俺のキリノに対する想いを賭けて良い」

「……じゃあ、大丈夫ですね」

 

 

 

そんな、人が見たら砂糖をそのままリアルに嘔吐しそうな会話を一目も憚らずしている二人組。

 

幸せの形……と云えば聞こえは良いが、普通に目も当たられないバカップルだ。

 

 

 

「────さて、じゃあ……少し身体を動かすとしよう」

「へ?……きゃっ!?」

 

 

 

”ガシッ!”

 

 

 

レンノスケが唐突にキリノの事をお姫様抱っこする。

 

急な展開、しかし、レンノスケに鍛え上げられたキリノは其処から生徒とは一味違う。

 

 

 

「こ、こらっ!レンノスケ!外では駄目だとあれ程……」

「キリノ、シャーレって此処からあっち方面を真っ直ぐ、だったよな?」

「へ、え?えっと……はい、このまま真っ直ぐ行けば確かに着きますが……」

「ふむ、よし……」

「……ん!?(何か考えてる……まずいです!)レ、レンノスケ!だめですy」

 

 

 

直ぐにレンノスケの頬を摘まみ、降ろすよう促す……が。

 

忘れてはいけない……彼は、怪物である。

 

 

 

「────キリノ、絶叫系のアトラクションって乗った事あるか?」

「────へ?」

 

 

 

”ドヒュンッッ!!”

 

 

 

レンノスケが……天高く、舞い上がる。

 

上空100mは上がったか……レンノスケはそのままキリノに話しかける。

 

 

 

「俺は……ないな────舌、噛まない様に……なぁッ!!」

「ちょっ、や……きゃあぁぁぁ!?」

 

 

 

”ドンっ……ドヒュンっ!!”

 

 

 

レンノスケはそのまま連なっているビルの屋上を飛び乗って、トリニティを飛び渡る。

 

凄まじい跳躍力だと、思わずキリノは感心してしまう……いや、感心している場合ではない。

 

しかし……恐怖でキリノはレンノスケに抱き着き、絶叫する。

 

 

 

「いやぁぁぁ!ま、まって、きゃああああぁあぁぁ!!」

「くっ、はははは!!やっぱ楽しいなぁ!どうだ、キリノ!」

「わあああぁぁあぁ!!」

「はははは!そうか!楽しいか!(!?)」

「ちがっ……あ、下、見えッ……っっっ!いやぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

どんどんと、レンノスケはトリニティ自治区内のビルを飛び乗り、高々と楽しそうにする。

 

実は、レンノスケのちょっとした趣味なのだ。高い所を飛び回るのは。

 

 

 

「よしっ!このまま……大ジャンプだッ!」

「は?……────あ」

 

 

 

”ドヒュンッッッッッ!!!”

 

 

 

瞬間────斜め方向に、レンノスケが超特大のジャンプを魅せる。

 

弧を描くように、風がレンノスケとキリノを襲う。

 

 

 

「はっははは!気持ちいいな!」

「あ、あふん……」

 

 

 

その後、レンノスケは勢いそのまま、ビルや建物の上を飛び回り、1時間もしない内にシャーレへと着いた。

 

キリノは……気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この!!貴方と!!言う!!!人はァ!!!!」

「お、お許しを……」

 

 

 

”ガミガミガミガミガミっっ!!!!!”

 

 

 

シャーレに到着し、数十分後……レンノスケにベットに寝かされたキリノは目覚め、その瞬間にレンノスケを見つけては叱責している。

 

着いた瞬間、レンノスケはキリノが寝ている(気絶)している事に到着してから気付き、そのままシャーレに入り出迎えてくれた先生に一度叱られ、そのままキリノの部屋まで寝かせに行けと言われ、オフィスビル内にある、キリノの部屋のベットに寝かせ、少し経った時……キリノが目覚め、そのままブチギレられている訳だ。

 

残当である。

レンノスケは床に正座し、キリノも床で正座してレンノスケを叱っている。

 

 

 

 

────────。

 

 

 

 

「………です!!もう私の許可なく、あんな事しないで下さいッ!分かりましたか!?」

「は、はい!分かりました!」

「宜しいです!」

 

 

 

お説教終了。

 

実に、20分はあったか、段々とレンノスケを叱る回数が減って良いなと思った矢先に問題を起こすから、キリノの心労は色々と絶えない。

 

 

 

「はぁ、もう……」

「いやぁ、まさか退院早々、叱られるなんてなぁ~」

「一応言いますけど私も叱りたくて叱っている訳じゃないですからね!??」

「へへっ!」

「ッ!せいっ!……っつぅーー…!か、カッタぁ…ッ」

「うおっ、どうしたキリノ?俺の腹なんかに指なんか突き刺して」

 

 

 

少し腹が立ち、レンノスケの腹筋目掛け人差し指を硬め、突き刺す……が、滅茶苦茶に固いレンノスケの腹筋に、逆にやり返される。

 

 

 

「な、なんでもないですよ、もう────いえ……それにしても、レンノスケさんっていつ見ても凄い筋肉ですよね~」

「む?あぁ、一応鍛えてはいたからな……なんか、前にもこんな話した気がする様な……」

「ふふっ、それ、私も思いました。2週間前くらいですかね?」

「俺とキリノが一緒に寝た日だったな。忘れもしない」

「……そうでしたね、忘れたりしたら許さなかったですよ」

 

 

 

あの日の事を、キリノは絶対に忘れない。

 

だって……一緒に寝た理由は、レンノスケの勃〇したちん〇んを布越しでほぼ無理矢理見せられたからだ。

 

 

 

「キリノ」

「ん……なんでs」

「隙アリ!」

「へ?はわっ!?」

 

 

 

”ぎゅっ……ドサッ…”

 

 

 

レンノスケは目にも止まらぬ速度で立ち上がり、正座しているキリノを抱き、そのままベットに飛び込む。

 

レンノスケが下、キリノが上になる形で身体が重なる。

 

 

 

「は、わっ……び、びっくりした……」

「ふ、ははっ! 説教の終わりは、キリノを抱くに限る」

「その言い方やめて下さいっ!もう、貴方はいっつも唐突なんですから……」

 

 

 

そう言いつつ、嫌がるそぶりは見せないキリノ。どっちかといえば寧ろ嬉しそうである。

レンノスケは続ける。

 

 

 

「キリノ」

「……はい」

「────キス、したい」

「っ……はい」

 

 

 

”────ちゅっ……”

 

 

 

甘いキスをする。

 

未成熟で、拙い、若者の接吻をする。

 

どこかの熟年夫婦が見たら微笑んで、あの頃の自分達を懐かしむであろう………そんな、深くなく浅い、初々しい甘いキス。

 

最初はレンノスケが目が覚めたあの日。

 

つまり……これは二度目のキス。

 

レンノスケも、キリノも、顔全体が真っ赤に染まる。

 

恥ずかしい、でも嬉しい。

直接の愛を、こうして確かめ合えるのは、気分が高揚して何処か楽しいのだ。

 

 

 

”────ん……っは……”

 

 

 

唇と唇が離れ、互いの吐息が口元に当たる。

 

互いに目を合わせる。惚けて、蕩けた表情になっていると、二人して想う。

 

甘いキスに、匂う蕩けそうな互いの体臭……イケない雰囲気だ。

 

キリノは耐えかねたか、涙目になる。決してイヤじゃなく、嬉しくて、そして何よりも恥ずかしくって。それをレンノスケは理解している。キスの意味を、レンノスケは知らない訳ではない。

 

レンノスケが、告げる。

 

 

 

「……温かい、柔らかくて……ずっとこうして居たい」

「……私もです」

 

 

 

そうして、レンノスケはキリノを抱きしめる。

 

キリノも、抱きしめ返す。

 

胸元に耳を当てる。そうすれば、確かな鼓動を感じる……ドクッ、ドクッ、ドクッって、かなり早いペースで高鳴りをあげて。

 

レンノスケも緊張している。当然だ、愛している人とキスをして、抱きしめている。緊張しない筈がないのだ。

 

 

 

「……愛してる」

「っっ………ん……はい」

「大好きだ、ずっと……貴女を愛し続ける」

「……っ……私も、大好き。愛しています……っ」

 

 

 

ダメだ。今……レンノスケの顔を見れない。

 

キリノは彼の胸元に顔を埋めて、悶絶しながらも、レンノスケへの愛情を言葉と行動で返す。

 

想いが爆発している。好きが溢れて止まらない。

彼の想いが……止めどなく溢れて、心が苦しくなる。

 

 

────レンノスケは……一人だった。ひとりぼっちの子供だった。

 

 

彼の今迄を、全てを……キリノは未だ把握していない。

取調べで発覚した事が全てではない事は、分かり切っている。

 

闇がある。そんなこと、分かっている。

 

危険な男だ。あぁ、そうかもしれない。でも、それ以上に優しい人だ。

 

 

その全てを、好きに成ってしまったんだ……どうしようもなく、大好きに成ってしまったんだ。

 

 

偶に悪い子になって、イタズラも多くて、子供っぽい男の子だ。

それも好きだ。大好きなんだ……可愛くって仕方ないんだ。

 

聞くに堪えない、泣いてしまう程に苦しく辛い過去を持っている子だ。

辛いなら、苦しいなら、支えなきゃ。傍に居て、励まして、共にその記憶を背負わなきゃ。

 

それが、彼女なのではないのか?

 

一緒に歩むと決め、幸せになろうと決めた者の、在り方ではないのか?

 

 

 

「────ねぇ、レンノスケ」

「うん、どうした?」

「……私、貴方の事が……どうしようもなく、好きなんです」

「……うん」

「愛おしくって、仕方ないんです。アイラちゃんを……幼い子供の想いを背負い、死地へと向かった、貴方の背中が、在り方が、カッコよくって……私、レンノスケの事が、心からカッコよく見えて、それで……どうしようもなく、好きが溢れて、大好きで……」

「………俺も、同じ気持ちだ」

「っっっ………んっ……でも、命が危険に晒される程の怪我をしてまで、無茶な真似はもう……しないでっ……」

「おっ……はは、あぁ……もう、あんな無茶はしない。自分を、大事に生きるよ」

「お願いしますよ……本当に、生きた心地、しなかったんですからっ……」

 

 

 

堪える。1週間も経って、未だにあの光景が頭から離れない。

 

”レンノスケが深刻な状態でトリニティに運ばれ、緊急手術を受けている”

 

急いで駆けつけてみれば、峠は越えたが、予断を許さない状況にある……そんな事を告げられた時、頭が真っ白に染まったのを、覚えている。

 

怖かった。ただ、一言……其れに尽きる。

 

 

 

「キリノ」

「っ……はい」

「……もう一回、しないか?」

「……ふふっ、えぇ……んっ」

「む、んっっ……っ」

 

 

 

”ちゅっ……ちゅるっ……”

 

 

 

次は、少し先へ。

 

この雰囲気のまま、少し大人のステージに上がりたい。

 

キスは先程のよりも濃厚に、キリノが舌を絡めようとレンノスケの唇に訴える。

 

レンノスケは直ぐにそれを察する。本能だろうか、レンノスケは口を少し開け、キリノの舌の侵入を許した。

 

唾交じりの舌が絡まる。”くちゅくちゃ♡”と、卑猥な音を鳴らして、レンノスケとキリノはまるで獣のように濃厚なキスをする。

 

 

 

「んっ、んぅっ……は、ふっ……ん、んぅ……」

「ん、ん……ふ、ぅ……」

 

 

 

意外にも、積極的なのはキリノだ。

 

レンノスケはキリノのしたい様に、受け身で好きなようにさせている。

 

今迄の二人を見れば忘れてしまうかもしれないが、レンノスケはキリノより一つ上の年齢なのだ。

 

教養の差はキリノに分配が上がるが、人生経験は環境もあってレンノスケの方が上だ。

本来ならキリノの事に為れば自制が効かなくなり、狂うのが何時ものレンノスケだ……しかし、この数週間で、レンノスケも成長した。

 

え?退院した時のアレ?さぁ……。

 

だが、兎にも角にも、精神的にレンノスケは成長している。特に、キリノの事に為ると、それが一層強くなる。大切に、ましてや怪我なんか終わせるなんて事は死んでも御免だから。

 

 

 

”────ぷはっ!”

 

 

 

2回目よりも、長く、濃厚に、キスをしていた。

 

だからだろうか、二人は先程よりも……顔も赤く、蕩け切っている。

 

 

 

「はぁ、はぁっ……ん、はっ……」

「は、はぁ、はっ………大丈夫、か?キリノ」

「はっ、はっ、はっ……れん、のすけ……レンノスケッ……!」

「おっ、と……」

 

 

 

キリノがレンノスケに強く抱き着く。

 

豊満な胸がレンノスケの強靭な胸筋と押し合い、キリノの胸は潰れる。

 

その感触が、制服を脱ぎ、パツパツのインナーを着用しているレンノスケに、ほぼダイレクトに伝わって……レンノスケは興奮してしまう。

 

 

 

”────ゴリッ……”

 

 

 

「ぇ、あ………っっ…!」

「……~~っ、ごめん、キリノ……ッ」

 

 

 

故に、この反応も………。

 

 

 

「……よく、ないんだよ、な……?ご、ごめん……」

「…………」

 

 

 

仕方ないと、言える。

 

レンノスケの下腹部……男性器が、キリノのお腹をグイッ!と、突き刺す。

 

 

 

「ご、めん……我慢、しようと、思ってたんだけど……キリノが、可愛くて、素敵でッ……無理、だった……」

「……………」

「お、怒ってる、よな?ごめ、ん……貴女から、こういうの、よくないって教わったのに………俺、情けな────」

 

 

 

レンノスケが涙目を浮かべて、この行動に対し、キリノに謝っている。

 

196㎝の大男が、初心な反応をして、華奢な身体のキリノに許しを乞うている。

 

愛しい人が、情けなく、謝っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”プツンッ────……”

 

 

 

 

 

キリノは……そんなレンノスケに、理性が切れる。

 

 

 

 

 

「────んぶっ!?……んっ、んぅ……!」

 

 

 

”じゅっ、ちゅるっ、ぬちゅっ……ぬろっ……♡♡”

 

 

 

キリノが、レンノスケの謝罪を掻き消すが如く、3回目よりも、更に濃厚なキスをする。

 

レンノスケは抵抗が出来ない。すれば簡単に振り払えるのに、身体が言う事を聞かず、キリノにされるがままでいる。

 

 

 

”────ん、はっ!!”

 

 

 

「はっ、はっ!んっ……はぁ、はっ……き、りの……?」

「────……レンノスケ」

「ん、うっ……」

 

 

 

キリノはディープキスの後、レンノスケの頬に触れる。

 

顔を赤くして、涙目でキリノを見ている。あぁ……可愛い。そんな思考が脳を支配する。

 

 

 

「ねぇ、レンノスケ」

「あ、はっ……なん、だ?」

 

 

 

キリノは、問う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────子供の作り方、知っていますか?」

 

 

 

 

 

レンンスケが、答える。

 

 

 

 

 

「こ、ども?……わか、んない、けど……でも………キリノが、おしえて、くれる、のか……?」

 

 

 

 

そう、答えた。

 

 

キリノは其の問いに、非常に満足げな顔をして……微笑む。

 

 

 

 

 

 

「────はい。勿論です……レンノスケ、もう一度」

「え、あっ……ん、んぶっ……んぁ…!」

 

 

 

もう一度、キリノがレンノスケにキスをする。

 

獣が如く、貪るように、キリノはレンノスケの口内を犯す。

 

 

 

「────今から、教えてあげますからね?」

「キリノ……ん、んぅ……っ…!」

 

 

 

────シャーレの居住区の一室……そのキリノの部屋にて、二匹の獣が……交わった。

 

 

 

 

時刻は朝の10時。

 

夜にはまだまだ先。

 

場所だって、シャーレの居住区の借りている一室だ。

 

でも、止められなかった。

 

立派な警察を志す少女は、己の欲望を止められなかった。

 

最強の怪物は、自分よりも脆弱な少女に組み伏せられて、情けなく意のままにされている。

 

 

 

 

 

 

────その場の雰囲気に任せて、熱を持った二人は……本当の意味で、身体を重ねた。

 





ガチのエッチはもう少し先だと思いました?残念、この二人にデートとか互いを更に知ってからとか、そんな甘い現実はありません。


アンケートありがとう御座います。”書け”との要望が多かったので、張り切って書いてみようと思います。


本当はレンノスケが無智なまま欲情して情けなくキリノに腰をヘコヘコして、そのままキリノが更に欲情して獣のようなセ〇クスを執筆しようとしたのですが、やめました。なんか余りにもレンノスケを情けなくするのも、違う気がしたので。


明後日には多分【R18版:怪物は、真面目な君と交尾した】を投稿します。タイトルは超テキトーです。流石に変えます。


キリノの解像度は、ちょーーっとずれたかなー…とは思っていますが……正義感が強く、ヴァルキューレで一番の純粋な女の子であるキリノが、蓋を開ければ卑しい女の子だったらいいなぁ……と思っていたので、勢いそのまま執筆しちゃいました。

では、次回までお待ちを。



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  • レンノスケ、配信者に成る。
  • 16歳組によるバレーボール同盟
  • キリノと二人旅
  • 提示版(レンノスケだけど、質問ある?)
  • レンノスケの過去編
  • 本編:カルバノグの兎編
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