怪物は、真面目な君に恋をした。   作:カブトムシの相棒

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☆訂正

▼前回記した”レンノスケの好感度%”に誤りが御座いました。ヒナとツルギが間違っていたので、此処で訂正いたします。



・ヒナ :61%

・ツルギ:61&



になります。他のメンバーは同じなので、大丈夫です。

なぜネルの方が高いのか、それはモモトークを交換して友達としてやり取りをしているからですね。ヒナとツルギもレンノスケと交換すれば、同じ%になります。レンノスケは基本的にヒナとツルギとネルに対して好感度が高いです。

実力、影響力、人柄を認め、尊重しているからですね。




では、本編です。




外伝:各方面へと、お礼を。

 

────キリノとレンノスケのチョメチョメから、3日後……。

 

 

 

 

▼レンノスケの自室

 

 

 

「……暇だ」

 

 

 

レンノスケは暇していた。

 

退院して3日が経った。もう身体は万全、昨日もキリノとはセックスした。

 

だが、それでも病み上がりには変わりない。本来ならもう己はヴァルキューレとして学校に身を置いている筈だが、カンナから2週間の休養を頂いてしまい、こうして暇しているのだ。

 

キリノは1週間レンノスケに付きっきりだったから少しでも貢献しようと今日も出勤している。もう己の監視は必要ないとの判断だった。

 

つまり、今己は一人でゴロゴロしていると云う事。

 

 

 

「こんなに暇な事なかったから、なんか新鮮だ……ムズムズする」

 

 

 

昼夜問わずブラックマーケットで戦闘に戦争の日々だったから、暇な時間が全くなかったレンノスケは、この時間が少しだけ苦だった。

 

 

 

「うーん、何かしたいが、なにもない………………………………………………あ」

 

 

 

長い思考の末、思い立ったある出来事、それは……入院の時のお見舞い品だ。

 

バナナ、和菓子、お花……色々貰ったのを思い出す。

 

 

 

「(そういえば入院している時にスマホで見たが……確か、見舞いの返しって云うモンあったよな?)」

 

 

 

そう、レンノスケはスマホで入院のアレコレを模索していた時、ふと、お見舞いのお返しが目に映った。

 

そこにはお菓子やお金でのお返しが良いと、そう書かれていたのを思い出す。

 

 

 

「……先生や美甘、空崎に剣先、カンナ局長達やガキ共……色んな奴らに何か返して礼をする、か……うん、アリだな」

 

 

 

レンノスケは先生から頂いた財布を見る。

 

その中には何と、3万クレジットも入っている。これは、先生が支給(お小遣い)としてくれたモノだった。

 

それを頂いた時のレンノスケの顔芸は記憶に新しいと、現場にいた先生とキリノは語っているという……。

 

 

 

「超究極的に高額過ぎてどうやって使えばいいか分かんなかったが、そうだ、こういう使い道があるじゃないか」

 

 

 

レンノスケはスマホでお菓子売り場を調べる。

 

箱詰めにされたヤツが良いと書かれていた為、近場にある専門のお店が良いと判断。

 

直ぐに見つけ、調べる。値段も手頃でいい感じだったので、此処にしようと決めた。

 

 

 

「ふむ……距離は此処から4㎞先か、よし、今から行けば2分で着きそうだ」

 

 

 

そう言って、レンノスケはヴァルキューレの制服に着替え、支度をする。

 

実は、少しワクワクもしている。一人で行動するのは何気に久しぶりだったし、ゲヘナやトリニティ、ミレニアムと云った大きな自治区を回るのは楽しみだったから。

 

本当はキリノと周りたかった思いがあるが、致し方なし。またの機会に留めようと決める。

 

 

 

「先生……には、言わなくていっか。忙しそうだし」

 

 

 

それを最後に、レンノスケは窓(オフィスビル10階)から飛び降り、そのまま着地する。

 

 

 

「よーし、んじゃ、出発だ」

 

 

 

レンノスケの旅が、始まった。

 

 

 

 

 

 

▼────2分後

 

 

 

 

 

”カランカラン……”

 

 

 

「いらっしゃ……あ────いぃ!?」

「おぉ、凄いな。色んな菓子が一杯だ」

 

 

 

D.U.シラトリ区のとある製菓店。

 

此処はキヴォトス各地の名物を扱うお店。お菓子類だけでなく、キーホルダーやお供え物など、幅広い物が販売されている。

 

 

出迎えてくれたのはエプロンを着用した猫型の獣人だった。しかし、レンノスケの姿を見るなり、少し狼狽えてしまう。理由は、怖いからだ。

 

今でも嵐の目であるレンノスケの突然の来訪、ビビるのも仕方ない。

 

だがレンノスケは店のお菓子の多さに圧巻され、店員の反応には気付かなかった。

 

少し経ち、レンノスケが辺りを見渡した後、何が良いか悩んでいると店員を見つけ、直ぐに話しかける。

 

 

 

「む………店員さん、少し良いだろうか」

「ひぇ……あ、は、はぁい!」

「む?」

 

 

 

汗をダラダラ流し、緊張している店員に不思議そうな視線を送るが、取り合えず聞きたい事を問う。

 

 

 

「(えっと……美甘、空崎、剣先、カンナ局長とコノカ副局長、フーたん(フブキ)に、シキとアリウスの子供達、ジジィに救護騎士団の人達にも……ヤバい、足りるかな)」

「え、えっとぉ……?」

「あ、すまん。あぁー……ちょっと安くて美味いもんを見繕ってくれないか?予算は3万円なんだが」

「わ、分かりました!お土産、でしょうか?」

「まぁ、そうだな。一人ずつに7箱と、10人以上の団体が2組あるから、その分も。足りそうか?」

「え、えぇ、その人数のお土産ならおすすめの品が御座います。3万円をお持ちでしたら、お釣りがくる程ですね」

「本当か!?助かる!じゃあ、これ3万!頼むわ」

「へ?あ、あの……私が決めて良いので?」

「おう、俺はこういうのサッパリだから、専門のあんたに任せる」

 

 

 

レンノスケに3万を渡され、店員は直ぐに作業に取り掛かる。

 

レンノスケは隅に立ち、店員がカゴに入れていくお菓子箱をみながら待つ。

 

そして、3分ほど……。

 

 

 

「大変お待たせいたしました、合計で2万2千クレジットになります。此方がお釣りで御座います」

「あぁ、助かる。ありがとう店員さん」

 

 

 

救護騎士団用のお菓子3箱、アリウスの子供達用のお菓子4箱、そして各面々様に1箱ずつ入った袋を渡されたレンノスケは歓喜の表情になる。

 

そんな想像とは全く違うレンノスケの雰囲気に、店員は少し狼狽えるが、何とか平静を保って告げる。

 

 

 

「え、えぇ、またの来店をお待ちしております」

「絶対来るわ!じゃあな!」

 

 

 

そう言って、レンノスケは御機嫌に店を出ていく。

 

店員はどっと疲れが襲ってくるが、何とも、面白い人間なのだなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、先ずは……此処からだとゲヘナとトリニティは遠いんだな、じゃあ、先にゲヘナへ行くとしよう」

 

 

 

スマホを開き、ゲヘナ学園の行き先を調べる。

 

通常、歩いて行けば何十時間もかかるみたいだが、レンノスケとなると話は変わる。

 

 

 

「此処を20㎞真っすぐ行って、そんで……────うし、んじゃぁ走れば1時間には着いてる感じだな」

 

 

 

”ドンッ!!”

 

 

 

袋を制服に包んで抱え、大事に持って走る。

 

お菓子が崩れないように、適度に速く、適度な強度で向かう。

 

 

 

 

 

 

▼1時間後………

 

 

 

 

 

 

「────着いた、けど……でっけぇなぁ~」

 

 

 

時刻は11時、お昼前にゲヘナ学園に到着したレンノスケは、その規格外の校舎の大きさに圧巻されていた。

 

ヴァルキューレの数段上の規模だと、失礼ながらそう思える程に。

 

 

 

「……よし、入ろう」

「待て待て待て待てぇぇぇぇ!!!」

「あ?」

 

 

 

目の前に急に入り込む、一つの影。

 

大きな声で静止を促されたので、一応止まる。

 

見る。髪は銀色で、尖った耳をして、瞳は俺と同じ赤く……おぉ、褐色だ。

 

 

 

不思議と目で追ってしまう……が、その生徒は自分に掌を向け、告げる。

 

 

 

「え、ちょっ!なに普通に入ろうとしているんだ!?」

「いや、誰もいなかったし、いっかなーって思ったんだが。ダメだったか?」

「駄目に決まってんだろ!ってか、なんで城ヶ崎レンノスケがゲヘナに居るんだ!?よ、用件はなんだ!」

「少し空崎に用事があるんだ」

「委員長は今居ないぞ!今日はシャーレの当番の日だからな」

「あ、マジか。シクじった、入違ったな………ん?あ、お前、よく見れば【風紀委員会】の”腕輪”付けてんじゃねーか」

「そ、そうだけど……」

「丁度いい、これ、空崎に渡してほしい」

 

 

 

レンノスケは袋からお菓子箱を取り出す。

 

その動作に銀髪の少女は狼狽えるが、お菓子を見て警戒が下がる。

 

 

 

「な、なんだコレ…?」

「返し品だ。一応、空崎には件の事で礼をしたくてな、居ないなら仕方ない。これ、渡してくれ」

「な、なんの事か分からないけど……分かった。一応、渡しとく」

「すまないな、助かるよ。お前…………ふむ、ほぉ」

「な、なんだよ…?」

 

 

 

レンノスケは銀髪の少女をマジマジと見つめ、顎に手を乗っけて考え込む。

 

そして、数秒後……レンノスケは問う。

 

 

 

「お前、名は?」

「え?」

「名前、教えてくれ。お前呼びはなんかアレだろ?」

「あ、あぁ……私は『銀鏡イオリ』だ。ヒナ委員長と同じ風紀委員会に属している。学年は2年だ」

「ふむ、銀鏡……いや、イオリ。これも何かのよしみだ。これから、仲良くしよう」

「う……うん?どうぞ宜しくお願い、します?」

 

 

 

何故か一礼して、仲良くしようというレンノスケ。初対面なのにこの奇行、イオリは若干引いている。

 

無論、これはナンパ目的ではない。レンノスケは半分単純に友達に成りたくて、半分……イオリに()()を感じたから、こうして近付いている。

 

 

 

「んじゃ、16歳同士、これから宜しくな、イオリ」

「あ、あぁ、うん。宜しく、レンノスケ」

「モモトークやってるか?」

「もちろん」

「よし………これ、俺、登録してくれ」

「あ、うん……はい」

 

 

 

レンノスケ、イオリとモモトークを繋げる。

 

先生、キリノ、カンナ、コノカ、フブキ、ネルに引き続き、イオリを登録できた。

後もう少しで二桁だ。自分のモモトークが段々と増えていくことに、レンノスケは嬉しくなる。

 

 

 

「ふっ、ありがとうな、イオリ。んじゃ、また会おう」

「……いや、いやいやいや!なに!?なにこれ!?なんか流れで私あの怪物とモモトーク交換しちゃったんだけど!?」

「む?おっ、そうだな」

「いや『おっ、そうだな』じゃなくてだな!?」

 

 

 

少し冷静に成れば、色々と可笑しいのだ。

 

・なんの連絡も無しに急に”怪物”レンノスケがゲヘナ学園が来る。

・しかも何の躊躇もなく門を潜り抜く様とする。

・ヒナが居ないと分かれば、何故か急にイオリと連絡先を交換して、友達になる。

 

 

スピード感が異次元だ。イオリのツッコミは妥当だと云える。

 

 

 

「くっ……ははは!イオリ、お前中々面白いな」

「は、はぁ!?お前ッ!なに笑ってんだ!」

「いや、悪い。俺のボケを拾ってくれる奴は居るには居るが、此処まで好感を持てるツッコミは久しぶりだ」

「あ、あぁ……やっぱ今までのはボケだったのか」

「いや、素」

「なんなんだよ!お前なんなんだよ!!」

「うっきーーーー!ウホウホ」

「鳴くなサル!!いや、サルなのか!?」

「ワン!!ゴルルルルッ」

「今度は狗かッ!!いやっ!生物の違いじゃないッ!」

「じゃあ、どうすればいい?」

「急に冷静に成るなッ!ってか本当だよ!この状況どうすればいいよ!私もちょっとよく分からなくなってるよ!」

「まぁ落ち着けイオリ」

「は!?誰のせいでこうなってると!?クソっ!お前の所為なのにぃぃ………ふぅ、ったく」

 

 

 

レンノスケは溜息を吐くイオリを見て、告げる。

 

 

 

「先生から聞いていた通りだ。いい女だな、お前」

「いや、急になに!?ってか……せ、先生?先生が、私の事を言っていたのか?」

「あぁ、イオリってどっかでって思ってたんだが、今のやり取りが先生から聞いた人と酷似しててな。今、確信した」

「そ、そうなのか?その……せ、先生は私の事……何て言ってたか、覚えてるか?」

 

 

 

イオリの反応は正に恋する乙女。

 

既にキリノとそういう事の勉強と実践をしているレンノスケはイオリの様子に”ピーン”とひらめきが走り、察する。

 

成程、イオリは先生に事が好きなのか……と、変に察しが良いレンノスケは告げる。

 

 

 

「あぁ、先生は……んんっ!『イオリって子は可愛くってね~、ホラ、この(卒業)アルバム!凄く笑顔で可愛く取れてない?あの子のツッコミは身体に効くんだよねー……久しぶりに会いたいな』(裏声)……って感じに言っていたな。お前の事、相当大事に思っているらしい」

「そ、そうなのかっ!そうか……え、えへへ…ッ!い、いや!別に先生がどう思おうが何でもいいけど!?」

「そ、そうか」

「まぁでも……教えてくれてありがとうな、ちょっと良いこと聞けた、かも」

 

 

 

照れながらレンノスケにお礼を言うイオリに、レンノスケは微笑んで。

 

 

 

「お前程の『才能の持ち主』にそう言われるとは有り難いな。まぁ、モモトークを交換したんだ。先生の事を聞きたければまた聞けばいい」

「ん?(才能の持ち主?)」

「じゃあ、俺はもう行く。また用が出来たら向かうとする」

 

 

 

”ドヒュン………”

 

 

 

最後にそう伝え、レンノスケは走り去っていく。

 

 

 

「あ、お、おい!今度はちゃんと連絡しろぉー……って、はっや!」

 

 

 

最後に自分に気になる事を告げて、走り去っていってしまったレンノスケの背を見えなくなるまで

見つめ、イオリは風紀委員会の一室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼2時間後、トリニティ街道……

 

 

 

 

「────いや遠い」

 

 

 

ゲヘナの反対側、トリニティ。

 

 

 

犬猿の仲ともあれば距離も遠いか、速度を緩めて走っていたとはいえ、流石に距離があって2時間も時間を食ってしまった。

 

レンノスケは少し歩き、本校まで向かおうとするが……進む度に視線とカメラを向けられている感覚に陥る。

 

 

 

「(む……なんだ、嫌に視線が痛いな。ゲヘナは俺を見た瞬間ほぼ全員消えたのに……)」

 

 

 

ゲヘナと違う所はその治安の良さか、ゲヘナではレンノスケの出現でゲヘナの治安が著しく低下。

 

しかしトリニティでは大きな犯罪は少なく、治安は安定している。

お嬢様系の生徒が多いのが大きな理由だろう。

 

 

 

「(仕方ないか、俺は、そういう人間だ。向けられる視線は苦手だが……耐えるしかないもんな)」

 

 

 

ブラックマーケット時代、レンノスケはちょくちょく己を見つけてくるドローンが嫌いだった。

 

体中がムズムズして敵わない。それが、今ではスマホで撮影されている。正直苦痛なのだ。

 

しかし、己の立場はもう既にそういう事なのだ。民衆に認知されてしまっている身、激レアの生物を見る目はもう仕方ない。

 

直に民衆も慣れ、風化していくだろう。レンノスケはそう完結させた。

 

 

 

「見て、あれ城ヶ崎レンノスケだよね?」

「え、うそ!?生で初めて見た!」

「わ、結構かっこいいね」

「凄まじい肉体……そして、あの頬の傷跡……中々に危険な香り、これは紅茶も進みますね」

「大きいですね~……何㎝あるのでしょうか?」

「もしかしたら2mはあったり?」

「なんで此処に居るんだろ?トリニティになんか用事でもあるのかな?」

「なんかシャーレで監視するとか言ってなかったっけ?一人なのはもう単独で行動させても言いって事なのかな?」

「イケメンだね……あの目付き、ちょっと怖いけど」

「ね……でも私、ちょっと好きかも」

「えぇ?うっそー!」

「いや、だってカッコよくない?ほら、足だって長いし、筋肉が凄いけどスタイルも結構……」

「わっ!こっち見た!」

 

「……(なんの話してんだろう)」

 

 

 

己を凝視しながらこそこそ話をするトリニティの生徒達。

 

レンノスケは聞き取れていないが、やはり話の中心はレンノスケの容姿だ。

 

異性ともあって、内容は乙女そのもの。年頃の女子の会話っていう感じだった。

 

そして、少し歩いていると……。

 

 

 

「ん?あれ……もしかしなくても、城ヶ崎レンノスケさんっすか?」

「む?」

 

 

 

突如、後ろから声を掛けられた。

 

何処か聞いた事のある声だ。そう思いながら振り向けば、其処には……魅した顔が一人。

 

 

 

「お!やっぱ貴方でしたか、お久しぶりっすね。トリニティに何か用事が?」

「む、その綺麗な顔に似合わず中々な圧力………剣先の妹か」

「あ、まだ勘違いしてたんすね?違うっすよー。私はツルギ委員長の」妹じゃないっす」

「あれ?そうだったのか?それはすまないな。あー、確か名前は……イチズだっけ?」

「惜しい!イチカっす!”仲正イチカ”、ツルギ委員長と同じ正義実現委員会に入ってる者っす」

 

 

 

そう、イチカだ。イチカが話しかけてきたのだ。

 

一度、ヴァルキューレ警察学校で会った事はあった。一瞬の会話だったが、その顔は覚えていた。ツルギの妹かなと想像してたが、どうやら違っていたらしい。

 

レンノスケは続ける。

 

 

 

「そうか、じゃあ仲正、実は…」

「あ、イチカでいっすよー。同い年ですしね」

「む?そうなのか。じゃあイチカと呼ばせてもらおう」

 

 

 

街道の端、レンノスケとイチカは会話する。

 

民衆の目は更にその二人に注目する。

 

 

 

「実は剣先に用事があるんだ」

「ツルギ委員長に?」

「あぁ、実は俺入院してたんだが、そん時に剣先には見舞いとしてバナナを貰ってな。その礼としてこの……ちょっと待ってな……このお菓子箱を渡したくて」

「ふむふむ」

「それとアリウスのシキとガキ共と、世話になった救護騎士団用に、袋に入ったこの3箱も渡したくってな」

「なるほど、だからそんなに袋を持っていたんすね~」

 

 

 

レンノスケは現在両手で袋を持ち、その姿は後ろからでも分かる程に多量だった。

 

ゲヘナで一袋渡したとはいえ、本番はトリニティだ。ここでかなり多く減るだろう。

 

 

 

「因みに今日ツルギ委員長は遠方に出張に行っているので居ないんですよ」

「え!?剣先もか!?」

「剣先も、とは?」

「いや、さっきゲヘナ学園にも行ったんだが空崎もシャーレの当番で居なくってな。丁度入違って……イオリって生徒に渡したから何とかなったが、まさか剣先も居ないとはって、少し吃驚してしまった」

「(え?此処からゲヘナって新幹線でも結構かかるっすよね?今1時っすよ?)」

 

 

 

レンノスケの異質さに少し頭が混乱するが、レンノスケだもんな……と、イチカは無理にでも頭を納得させる。

 

 

 

「ふむ、困った……その、イチカ」

「あはは!いいっすよ、それくらい」

「え、俺まだ何も……ッッ!イチカ、まさかお前………俺の言いたい事が分かるのか!?」

「この流れで分からなかったらちょっと嫌っすよ……ツルギ委員長にそのお菓子袋を渡してほしい、でしょ?それくらいなんの問題もないっすよー」

「お前……顔だけでなく心もイケメンかよ」

「へ!?きゅ、急に何すか…(満更でもない)」

 

 

 

イオリと同じ流れ、しかし、トリニティにはまだ用が有るのだ。

 

 

 

「剣先の件は助かる。だが、救護騎士団の人達と、子供達には自分で上げたいんだ。退院して直ぐに帰ってしまったから、まだ元気な俺を見せてないからな………ガキ共は、元気か?」

「救護騎士団は誰かしら居ると思いますよ。それに、アリウスの子供たちは13人全員元気っすよー」

「む!そうか!それは、良かった」

 

 

 

子供達の様子を聞いたレンノスケは、かなり安堵した表情を浮かべていた。

 

そんなレンノスケに、初対面の日とは比べ物にならない程、レンノスケが良い意味で変わったと、イチカはそう思った。

 

 

 

「なぁイチカ。もう一つ頼みがあるんだが……俺を救護騎士団の棟に連れてってくれないか?その後に、ガキ共の所にも」

「勿論!私も丁度学園に戻る所だったので、それ位お安い御用っす!」

「ま、マジか!いやー助かる!ありがとな、イチカ」

 

 

 

レンノスケはイチカに感謝を伝え、一礼する。

 

 

 

「あはは、そう固くならないで下さい。正義実現委員会の一員として、これくらいお茶の子歳々っすから」

「イチカ……俺と友達に成ろう」

「お、いっすねー。モモトーク交換します?」

「あぁ、えっと……これ、俺のきゅーぴーコードだ」

「QRコードっすね。それだとマヨネーズっすよ~……っと、交換出来ましたね」

 

 

 

レンノスケのモモトーク欄にまた一人、増える。

 

あと一人で二桁まで来た。考え深いものである。友達0だった俺が……と、少し泣きそうだ。

 

 

 

「同じ16歳同士、よろしくっすー!」

「あぁ、よろしくな」

 

 

 

しかも、同じ16歳。余り居なかったが、今日だけで二人も増えた。同年代というモノは、中々どうして親近感が湧く。

 

 

 

「そんじゃ、此処で話すのもあれなんで、早速出発しましょっか。私に着いてきてくださいね」

「おう、道案内頼む」

 

 

 

そうして、レンノスケとイチカは学園へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

「……撮った?」

「撮った撮った!ヤッッッバ!あの空間だけ顔面偏差値のステータスがバクってた!」

「あのイチカさんとレンノスケが、なんであんな仲良さ気なの!?ま、まさか……」

「ちょっ!うっそー!?」

「認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めなぁい…認めないッッッ………イチカ先輩は、渡さない」

「……幾ら直属の後輩だからって、お前……怖いよ」

 

 

 

あらぬ方向へ勘違いされてしまっているが………それは、二人には入らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼救護騎士団、病院内。

 

 

 

 

 

「────あ、鷲見!」

「ん?あら?貴方は……」

 

 

 

イチカの案内の元、先に向かったのは救護騎士団の病院だった。

 

入って受付に向かい、ミネかセリナが居ないかイチカが問うていた時、とことこと歩いてきたのがセリナだった。

 

レンノスケは袋を持って、セリナに近付き、告げる。

 

 

 

「よぅ、3日ぶりだな」

「あはは、思ってたよりも早い邂逅ですね」

「だな………あんた達のお陰で、こうして元気に歩けてる・だから、もう一度礼を言わせてくれ……ありがとう」

「いえいえ、私達は医者として当然の事を為したまでです。でも、御礼は有難く頂きます、どう致しまして!」

 

 

 

まるで天使が如く、セリナはレンノスケの感謝を謙遜するが、決して無下にはせずに有難く頂戴し、一礼する。

 

レンノスケはセリナに袋を渡す。

 

 

 

「ん?これは?」

「お世話になったお礼だ。皆で、食べてほしい」

「え!宜しいのですか?」

「あぁ、助けられたお礼として、俺なりの礼だ。受け取ってほしい」

 

 

 

セリナはレンノスケの袋を受け取り、告げる。

 

 

 

「ありがとう御座います!レンノスケさん!」

「此方こそ、だ。蒼森や朝顔、それ以外にも分けてやってくれ。ちゃんとお前も食えよ?」

「ふふっ、勿論です。このお菓子も有難く、味わって頂きますね」

「あぁ」

 

 

 

それを機に、レンノスケは出口で待つイチカの方へと向き、歩く。

 

 

 

「んじゃ、またな。鷲見……いや、セリナ」

「はい!またお会いしましょう。レンノスケさん」

 

 

 

手を振り、レンノスケを送るセリナ。

 

白衣の天使とはよく言ったものか、今まであったトリニティの生徒の中で一番の天使かもと、レンノスケはそう思った。

 

 

 

 

────歩き中……

 

 

 

 

今度はアリウスの子供達が居る保護施設に向かう。

 

その道中、イチカがニヤニヤとしながら、レンノスケに話しかける。

 

 

 

「随分と仲良く話してたっすね?入院生活であの子とイイ感じっすか~?抜け目ないっすねぇ~」

 

 

 

イチカが言うには、どうやらレンノスケとセリナの距離がかなり近かったとの事。

 

確かに傍から見たらそういう感じに見られても仕方ないだろう……が、レンノスケは当然否定する。

 

 

 

「ん?いや、鷲見……セリナとは只の友達だ。偶に相談乗ってた程度の。それにアイツは先生が好きだし、俺はキリノと恋人だ、し………あ」

「……え?」

 

 

 

しまった……そう悟って、それはもう遅いと気付く。

 

ついバラシてしまった。セリナの事も、己の恋人の存在も。

 

 

 

「っっ!口が滑った!」

「あ、あー……聞かない方が良かった感じっすか?」

「ま、まぁ……うーん……ま、いっか。イチカになら」

「え、えぇ!?」

 

 

 

急に開き直る。

思えば、イチカにならバレても良いのでは?だってツルギと同じ警察組織、察するに、イチカはそれなりの地位を持っている。

 

レンノスケの”弱点”を晒してもいずれ困るのは自分達だ。それを分からないイチカではない筈。

 

レンノスケはこの一瞬でイチカになら大丈夫と判断した。

 

 

 

「セリナの件は、すまん、これはマジで忘れてほしいが……俺の話題は誰かに話さない限り大丈夫だぞ」

「あ、はい。誰にも言うつもりはないので、其処は安心してほしいっすけど~~…………え、ちょっ、本当に?」

「本当って……俺に恋人が居る事か?」

「そ、そうっす!えーっ!信じられないっす!そんな話ツルギ委員長から何も聞いてなかったので、超びっくりなんですけど!」

 

 

 

イチカは興味津々な様子で、レンノスケを見つめる。

 

まぁ確かに。気にはするだろう。イチカも女の子だ。そういう恋愛話が嫌いな訳が無いのだ。

 

加え、最悪最強の怪物と恐れられた男の彼女など、想像が付かない。出来てもレンノスケと並んでもも違和感ない七囚人の”栗浜アケミ”程の女性しかイチカには思いつかなかった。

 

 

それも含め、イチカは珍しく物事に興味が湧いた瞬間だった。

 

 

 

「気になるんなら、話そうか?」

「いいんすか!?やったー!是非聞かせてほしいっす!」

 

 

 

イチカは興味深々、レンノスケはイチカを見て、微笑みながら話す。

 

 

 

「まぁ大した話なんだが、話せば長くなる……本当に、俺には勿体ない位の女性でな。可愛いんだ、これが」

「へー……(どんな筋骨隆々な女の子なんだろう……)その『キリノさん?』って方の写真とかないんすか?」

「勿論あるぞ。ちょっと待ってくれな……っと……あった、俺のベストショット」

「お!どれどれ………────えぇ!?ちょっ、マジで可愛いっすね!?」

 

 

 

スマホに映ってるのは”ドーナツを心から美味しそうに食べて頬をリスの様に膨らませながら此方をピースしている少女”の写真だった。

 

イチカから見ても可愛いと思える程、その写真に写っている少女はレンノスケとは正反対だった。

 

 

 

「ま、そういう反応になるよな」

「え、あ……す、すみません!余りにも意外だったもので……にしても、本当に可愛い彼女さんっすね?」

「だろう?俺の全てだからな」

「おぉ………馴れ初めとかって、聞いても?」

「あぁ、構わないぞ。えっと、俺とキリノは一度────…」

 

 

 

その後、レンノスケはキリノとの馴れ初め、そして恋人に至るまでの経過を具体的に纏めて全て話した。

 

反応は様々だ。喜ばしい事もあり、痛ましい事もあり、エモい展開もあった。聞くだけで此方が恥ずかしい話題も伝えられ、困惑する場面も多くあった。

 

だが正直聞いていて、非常に面白い話を聞いてたイチカは心底楽しかった。

 

 

 

イチカはその壮絶な1週間を聞き、色々思う事もあるが、取り合えず一番言いたかったのは……────。

 

 

 

「────そんでな、俺が『キリノ、俺……もうっ!』って言って、そしたらキリノは『ふふ♡えぇ、大丈夫です♡♡ぜーんぶ出しty』」

「はいダメぇぇ!!アウト!アウトっすーーー!!」

 

 

 

何故かレンノスケはキリノとのセックスの内容も話したのだ。

 

イチカにとってもキリノにとっても最悪をレンノスケは軽々と話す。イカれているのだ、彼は。

 

愛銃と手錠を取り出し、レンノスケに対し臨戦態勢に入るイチカ。急な展開にレンノスケは頭に?マークを浮かべ、困惑する。

 

 

 

「え、なんで!?さっきまであんな初々しい恋人の馴れ初めを聞いてたのに、急にディープでアダルトな内容になったんすけど!?」

「む?ふっ……ドキドキしたろ?」

「えぇ!!そうっすね!違う意味でしたっすよ!バカ!!」

 

 

 

顔を真っ赤に染め、怒るイチカ。

 

そんなイチカに、レンノスケは不思議がる。イチカの方から話を振ったのに、なぜ起こるのだろうか?と。

 

 

 

「因みに俺はキリノにクッソ長い射〇してたら、キリノはめっちゃ”イクイク”いってt」

「それ以上喋ったら幾ら貴女でも公然わいせつ罪で逮捕するっすよ!?!?」

「えー!?なんで!?酷いぜイチカ!」

「酷いのはあんたっすよ!言わなきゃ分かんないっすか!?」

「うん」

「う、うんって、そんな淡白な……い、いや!普通にセクハラっすから!主に私に対する!」

「む?だって、お前から話せって言ったじゃんか」

「いや、そうっすけど!流石にそこまで聞きたい訳じゃないっすから!」

「そこまで?もしかして俺とキリノのセックs」

「あー!あーー!!聞こえなーい聞こえな―い!!マジで黙ってー!!」

 

 

 

これ以上レンノスケに好き勝手させる訳にはいかない。

 

イチカはレンノスケの口を全力で抑え、黙らせる。

 

 

 

「んむ?」

「はぁ、はぁ……良いっすかレンノスケさん。只の恋バナなら良いんすよ、平和だし。でもね?流石にせ、せ……行為系の話はマズいっす。マジで!」

「む?ふぉうなのは(そうなのか?)?」

「えぇ、そうっす!色々と倫理的にアウト過ぎるので、今回を機に話す人は選んでください。分かったっすか!?」

「うむ」

 

 

 

一礼し、肯定。

 

イチカは酷く大きな溜め息を漏らし、レンノスケの口から手を離す。

 

 

 

「イチカの言う通り、確かに今のは反省だな」

「そう!反省っすよ!」

「これからはイチカにだけ話すよ」

「あ、もっかい説教入れといた方がいいっすか?いいっすか!?キレていいっすか!?ん!??」

「そ、そんな睨むなよ……半分冗談だって」

「半分はマジだったんすか!?」

 

 

 

そんなこんなで、レンノスケとイチカは保護施設へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

▼保護施設……。

 

 

 

 

「────あー!レンにぃ!!」

「え!うそ!」

「ほんとだ!レンノスケだ!」

「おにいちゃんだー!」

 

 

 

”きゃー!きゃっきゃっ!!”

 

 

 

「うおっと!っと……ははっ、元気そうだな、お前達」

 

 

 

学園から少し離れの保護施設、その初等部の大部屋にて、レンノスケは顔を出した瞬間にもみくちゃにされる。

 

 

トリニティらしく、アリウスが保護されている施設でも広さや空調は確りと整えられており、全体的に綺麗だ。

 

 

アイラを筆頭に、レンノスケを視認した瞬間一斉に胸や腹に飛び込み、レンノスケの上に乗ったのだ。

 

レンノスケ自身、こうして元気な子供達を一見し、安心していた。

 

 

 

「おー……凄い人気ぶりっすね~」

「有難い事にな。お前達、この人は”仲正イチカ”って人だ。ちゃんと挨拶するんだぞ、出来るか?」

「うん!できるよ!レンにぃ!」

「みててー!」

「ほう?よし、やってみろ」

 

 

 

レンノスケの問いに対し、子供たちは……。

 

 

 

”「イチカさん!こんにちわー!!」”

 

 

 

元気よく一礼して、挨拶をした。

 

 

 

「か……可愛いっすね~~!はい、こんにちわ~!」

 

 

 

一瞬挨拶をし返すのを忘れてしまう程に、アリウスの子供達の可愛さにイチカは慄いた。

 

 

 

「おー良く出来たな。偉いぞ、お前達」

「えへへへー!」

「ほめてほめて!」

「あたまなでてー!」

「あぁ、勿論だ。全員、確り撫でてやる」

 

 

 

レンノスケが両手を使って、一人に対し確りと愛情をもって頭を撫でる。

 

その愛を感じたか、アリウスの子供たちは全員幸せそうな笑みを浮かべる。

 

 

 

「レンにぃ!もう、おからだはだいじょうぶ、なの?」

「あぁ、もうすっかり元気だ。アイラやお前達が俺の見舞いに来てくれたお陰だな」

「ほんと!?」

「レンノスケ、それほんとー!?」

「本当だ。ほれ、見ろ俺の筋肉。前よりもムッキムキだろう?」

 

 

 

”ムキムキムキィ!!!”

 

 

レンノスケは右腕の制服を脱ぎ、その腕の筋肉を魅せる。

 

すると、子供達が非常に興味津々とした目でレンノスケの筋肉を見て、群がる。

 

 

 

「おわーーっ!すっごーい!」

「マッスルだ―!」

「ねぇねぇ!さわっていい?」

「いいぞ。存分に触るのだ」ピクピク(胸筋を動かしながら)

「ぶふっ!!ふっ…www」(それに少しツボるイチカ)

”「やったー!」”

 

 

 

そうして、お菓子を渡す筈がいつの間にかレンノスケと子供達のふれあいに成っていた。

 

レンノスケ自身こうなるだろうなと、変な自信を持っていたので想定はしていたが、まさか此処まで出迎えてくれるとは思わず、少し張り切ってしまう。

 

お菓子を持たされたイチカは、この空間に物申すのもアレなので、少しの離れで見守る事にした。

 

 

 

 

 

▼数十分後……

 

 

 

 

「……何だか騒がしいと思ったら……やっぱあいつだったか」

「え?あ、貴方は……確か、レンノスケさんをミネさんと共に運んでくれた方、っすか?」

 

 

 

イチカの元に現れ、一言告げながら現れたのは”姫乃シキ”だった。

 

隣の棟、別のアリウスの残党が保護されている部屋から出て来て、この子供達が居る部屋まで来たのだ。

 

 

 

「はい、そうです。貴女は仲正イチカさんですよね?私は”姫乃シキ”と申します」

「あぁ、これはどうも御丁寧に………やっぱ、とは、レンノスケさんの来訪を予想していたのですか?」

「えぇ、レンノスケのアホは子供達に人気ですから。あんなに元気で笑顔なあいつ等を作れるのはレンノスケのゴリラしか居ないなーと、そう思いまして」

「そう予想して見に行ったら、案の定、と………少し気になったのですが、どうして彼はあんなにも子供達に人気なので?」

「うーん……手短に話すと、レンノスケが子供達に対して『生きる希望』を見出させたから、ですかね」

「生きる、希望……?」

 

 

 

何やら不穏な単語にイチカは身が震えるが、平静を保ち静かにシキの言葉を聞く。

 

 

 

「私達アリウスが今迄どんな教育を受けて来たか、貴女は知っていますね?」

「……えぇ」

「酷い物で、何を希望に生きれば良いのか分からない。何をやっても虚しさしか残らない、世界とは、人生とはそういうモノなんだと、クソ……アリウスを統治していた大人に唆されてしまいまして……情けない話です」

「いえ、そんな……っ」

「大丈夫です。同情されてしまえば、どう反応すれば良いのか互いにわからなくなってしまうので、此処は聞いて下されば有難いです」

 

 

 

イチカはシキの言葉には、何も云えなかった。

 

アリウスの今迄を知らない程、自分は意識を持たず正義実現委員会に身を置いてはいない。

 

捕らえられたアリウスの生徒達の証言、今のシキの様な話もよく知っている。でも、自分には何も言えない。慰めなど、以ての外だから。

 

 

 

「……私はそれでも、子供達には生きてほしかったんです」

「子供達……あの子達の事ですね」

「はい。今ああしてレンノスケと元気よく笑顔で遊んでいますが、前はそうはいかなかった」

 

 

 

シキは続ける。

 

 

 

「あの子達も、そういう拷問の訓練を受けていた一人なんです」

「ッッ……」

「加え、英才教育と云う名の人殺しの技術のトレーニング……今思い返しても、最悪です」

「シキさん……」

「その全てを教え、泣いても終わるまでやらせ続けていた自分が、一番……最悪のクズです」

 

 

 

イチカは絶句する。最早、何を言えば良い?言葉にするだけで地獄だ。

 

そう、シキは子供達の共感的立ち位置だった。サオリ級とはいかなくとも、アリウスの中ではそれなりの戦闘者だった。

 

特に教えるのが上手く、面倒見も良かったシキはベアトリーチェの令によって幼い子供達の教官まで上り詰めた存在である。

 

 

 

「本来なら私は、あの子達に会う資格も、何なら生きる資格すらない愚か者です」

「シキさん、それは違うっすよ」

「分かっています。今の発言は以前の私が宿していた心の叫び……でも、それはアイツが全て否定しやがったんです」

 

 

 

シキが見つめる先には、子供達に一人ずつ肩車している大男が映っている。

 

 

 

「───レンノスケ……アイツは、私だけでなく子供達の心に潜んでいた闇の部分を、全て斬り伏せ、希望を……”生きる意味”を教えてくれた、男なんです」

「レンノスケさんが……」

「アイツ、自分だって【ヘイロー破壊爆弾】で大怪我負っている癖に、無理して私と子供達の想いや願いを馬鹿正直に応え、そして叶えた……ばか、馬鹿野郎ですよ、アイツ」

「シキさん……」

 

 

 

想いが溢れたか、シキは少しだけ涙ぐむ。

 

思えば17年、あの地獄に居た。

そしてその5年は子供達の面倒を見た。

最初こそ愛なんて無く厳しいだけの鬼に見えただろう。

でも、いつの間にか絆されて己の何百倍も優先してしまう程に、愛してしまった。

 

暑い日は水分を自分よりも子供達に渡し、寒い日は自分よりも子供達に毛布を与えて耐え凌いでいた。

 

こう言っては何だが、結構頑張って方だと思っている。

 

 

 

「……あそこに居る、今レンノスケに肩車して貰ってる子が居るじゃないですか」

「あぁ、はい。あの子は何だか特にレンノスケさんに懐いてるイメージがありますね」

「あの子の名は『アイラ』……レンノスケに【ヘイロー破壊爆弾】を喰らわせた子です」

「えっ……ッ!?」

「そして……その爆弾からアイラを救ったのは、他でもないレンノスケなんですよ」

 

 

 

驚愕の更に上の何かがイチカを襲う。

 

その【ヘイロー破壊爆弾】と云う単語は、実はイチカは知っている。幾度とアリウスの生徒の事情聴取で聞き慣れた単語だ、ツルギが特別に教えてくれた事もあり、その恐ろしさも知っている。

 

 

 

「アイツが大怪我して入院した理由、一部の人しか知らないのですが、実はその【ヘイロー破壊爆弾】をレンノスケは直で喰らってしまったからなんですよ」

「ッッ!!(理が適った……ずっと不思議で、聞こうか迷っていたけど、そんな理由が……)」

「だけど、あいつは……アイラともう一人『キリノ』と云う恋人さんを巻き込ませない為に、一人で全て処理し、爆破による被害を最小限に収めたんです」

 

 

 

聞けば聞く程凄まじいの一言だった。

最悪アイラとキリノの2人が死んでいたかもしれないのを、レンノスケは身を削って誰も傷付けずに終わらせたのだ。

 

それだけで勲章を頂くレベルだが、レンノスケは違った。

 

 

 

「そこからは貴女も知る様な展開です。レンノスケはアイラから始まり、ウチ、そして子供達の想いを背負って、ベアトリーチェをぶっ飛ばしてくれた。そして倒れた。そんな感じで、レンノスケは見事にウチとこd……子供達にあんな感じで好かれまくってる訳ですね」

「……すごい、っすね」

「はい、もう、そんな言葉しか出ません」

 

 

 

言い終え、二人はもう一度レンノスケ達を見る。

 

気付けば今度はレンノスケが四つん這いになって背中に子供達を乗せて馬になっている。

 

四つん這いなのに絶妙に速く動き回るレンノスケに若干引くが、子供達は”きゃっきゃっ!”と、非常に楽しそうなので良しとした。

 

 

 

「ヒヒーーーンッ!俺は馬男。お前らを食ってやるぜぇぇ!!」

「きゃー!あはははー!」

「ざっしょくなタイプのおウマさんだーっ!」

「にげろー!」

 

 

 

そして、突如として始まる鬼ごっこ。

 

レンノスケが長い手足で四つん這いになってチョコチュコと指先とつま先で体重を支えて子供達を追いかける。傍から見たら滅茶苦茶に怖いが、これも子供達には大好評。

 

絶妙な加減で追い掛けるレンノスケは、ギリギリのラインで子供達を捕まえず、そして「うおぁぁ、はえぇぇー!」と言いながら倒れて、その隙に子供達が一斉に「わーっ!」と、レンノスケに群がり上半身に抱き着く。微笑ましい光景だ。

 

 

 

「ぷっ、くひひ……何だか、キヴォトス全土で恐れられていた人間とは、到底思えないっすね~」

「ふふっ、えぇ、ご尤もです」

 

 

 

そんな、無条件に笑みが零れてしまう空間に、シキとイチカは並んで微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────この馬鹿、変態!信じられない!」

「むぅ……すまん」

 

 

 

レンノスケは今、シキとイチカによって正座させられている。

 

何があったかと言うと、レンノスケは子供達と遊んでいる最中、シキを見つけた。

 

そして、レンノスケはシキの存在に気付くと一度子供達を待たせて、シキの方に歩んで行ったのだ。

 

シキは少し顔を赤くさせ「や、やぁ、レンノスケ……もう元気なの?」と告げた……瞬間だった。

 

 

レンノスケはシキのお腹を急に摩ったのだ。

 

 

その行動にシキは当然、イチカも目を点とさせ、頭が真っ白に成る。

 

 

『ふむ、特に問題はなさそう……いやーあん時はお前の腹ぁ殴って脅して悪かったな!』と、言ったのだ。

 

 

 

そして、ブチギレたシキと同調してキレたイチカによって、レンノスケは気圧されて正座をしているのだ。

 

 

 

「なぁ、謝っただろシキぃ、許してくれよー」

「そうだよシキねぇ」

「レンにぃあやまったよ?」

「ゆるしてあげるのが、いいオンナー」

「お黙り!!」

「わぁ!おこった!」

「シキねぇがおこった」

「(や、ヤベェ、シキの奴くっそキレてるぞ……あ、そうだ)」

 

 

 

レンノスケは有ろう事か子供を味方に付け許してと煽ってくる。

 

イチカは溜息を洩らし、シキは……ワナワナと拳を広げ怒り心頭な様子。

 

そんなシキに流石にビビったレンノスケは直ぐにイチカの元へと駆け、そして持たせて頂いていた目的の品を子供達とシキに紹介した。

 

 

 

「じゃ、じゃーん!見ろお前達!お菓子だぞー!」

「わぁ!なになに!?」

「おかしだー!」

 

 

 

レンノスケは気前よく菓子袋をシキに渡す。

 

そして、まだ怒っているシキに耳元で囁く。

 

 

 

悪かったな、シキ……お前のお陰で俺は元気だ、子供達と一緒に食って欲しくって買って来たんだ、これ。良かったら食べてほしい

「ふぁ!?あっ…ば、ばか、耳元で、そんな声で、囁くなぁ……っ」

「ん?どうした?顔が赤いが……もしかして熱でもあるんじゃねぇか?」

 

 

 

そう言って、レンノスケはシキのおでこに手を置く。

 

 

 

「ほぎゃっ!?……は、へ」

「うーむ。熱は無いっぽいが……ぶっちゃけ俺って風邪とか引いた事ねぇから分かんねぇんだよな。ふはっ!まぁ、体調が悪かったら無理すんなよ?シキ」

「っっ!!?」

「……うわぁー、やってる事エグイっすわー」

 

 

 

レンノスケは微笑んで、本気でシキを気遣っているが、シキはそれ処ではない。

顔を真っ赤に染め、必死に顔を逸らしてバレない様にする。

 

イチカはそんなレンノスケに、まるで『女の敵』を見る様な眼付きで見る。

 

 

 

 

「シキねぇお顔がまっかだ!」

「だいじょうぶ?」

「い、あ……あぁ、うん。大丈夫だ。ありがとうな、お前達……クソっ…!もう、もうっ!

 

 

 

子供達はシキの様子に純粋な心配の声を掛けるが、シキは何とか平静を保ち大丈夫と告げる。

 

 

 

「ふむ、何だか様子が妙だが……大丈夫なら、いい」

「……ばか」

「ん?」

「なんでもない!」

「お、おう……」

 

 

 

余りよく分かっていないレンノスケなのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、俺はもう行くなー」

”「えーーー!!」”

「いや、えーって言われてもだな……」

 

 

 

レンノスケはシキにお菓子袋を渡し、子供達に礼も伝えたのでこれでお役御免。

 

次はミレニアムに向かわなくてはいけないので、此処でお別れしなくてはいけない。

 

子供達の反応は、やはり嫌だと駄々をこねる子供が多い。嬉しくもあり、少し困りものだった。

 

 

 

「もっとあそびたい!」

「気持ちは嬉しいが、そういう訳にはいかないんだ……」

「えー!」

「そんなーー!」

「……レンにぃ」

「ん?どうし…っと!」

 

 

 

”ぎゅぅぅぅ!”

 

 

 

アイラがレンノスケの胸に抱き着き、告げる。

 

 

 

「また……きてくれる?」

「ん?あぁ、勿論だ。アイラ……寂しいか?」

「……うん。でも、だいじょうぶ!みんなが、いるから」

「ッ!そうか!強くなったなーアイラ!ははっ!」

「んぶっ!にへへ!もっと、なでてほひぃ」

 

 

 

アイラの精神的な成長に、レンノスケは心から嬉しくなり、アイラの頬っぺたと頭を撫でる。

 

それにヤキモチしたか、他の子供達も声を上げ、レンノスケに群がる。

 

 

 

「アイラちゃんだけずるい!あたしもー!」

「わ、わたしも!」

「わたしもー」

「お、とっ、と……あぁ、分かってるよ」

 

 

 

レンノスケは確りと全員の頭を撫で、数分後……立ち上がり、告げる。

 

 

 

「今日は短くてごめんな。また時間が有ったら遊びに来るから、良い子にしているんだぞ?お前達」

「わかった!」

「ぜったいぜーったい!あそびにきて!」

「つぎはおままごとしたい!」

 

 

 

子供達の声を聞き届け、レンノスケは「あぁ!」と、頷く。

 

 

 

「シキも、近い内にまた会おう。何かあったら直ぐに俺に言え」

「分かってるよ、そう何度も言わなくっても……」

「分からないぞ。俺はトリニティは陰湿とよく聞く。お前や子供達が変に絡まれて怪我でも負わされても見ろ、直ぐに飛んできてやる」

「っっ……うん、ありがと」

「当然の行為だ。分かったな?」

「分かった!年下扱いすんなし!ウチの方が年上なのー!」

「ん?あぁ、そうだな」

 

 

 

シキはレンノスケにムカつくが、この空気感は嫌いじゃなかった。

 

何なら……好きだ。

 

 

 

「まぁ何でもいい。取り合えず、子供達やお前に何か危害を加える奴が居たらイチカでも良いし、俺に連絡しろって事だ。お前達もだぞ?俺はお前達の味方だ、今は変な目で見られてるかも知れねぇが、キツく成ったら直ぐに俺に頼れ、いいな?」

「れ、レンにぃ!ありがとう!」

「れんのすけ、かっこいー!」

「ムキムキはだてじゃない!」

 

 

 

そんなこんなで、レンノスケは己に頼る事を強調させ、出入り口へ。

 

 

 

「そんじゃ、またな!」

”「ばいばーい!!」”

「またね、レンにぃ!」

「……またな」

 

 

 

別れを告げ、レンノスケとイチカは施設を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーすまんなイチカ。今日は本当に助かった」

「別に大丈夫っすよー、私も何だかんだ、楽しめたので!」

 

 

 

トリニティ総合学校、その校門。

 

そこでレンノスケはイチカに今日の案内のお礼を伝えた。

 

 

 

「そう言って貰えると助かる。お前とは友達になれて良かった」

「あはは!私も貴方ほどの大物とまさか友達になれるとは思わなかったっすけど、今思えば良かったって思っています」

「そうか。イオリと云いイチカと云い、2年生は面白くて良い奴ばかりだな」

「あ、あはは!そう言って貰えると、何だか照れるっすね……」

 

 

 

実際、イチカ本人は自分のすべき仕事をしたまでと思っている。

 

思えば、自分はあの”怪物”レンノスケをトリニティに案内していたという、かなりハードな仕事をこなしたのだ。

 

不思議とレンノスケと話すと気が緩み、一切の躊躇がなくなる。それもあってか、今こうして思い返せば全く苦じゃなかったし、何なら凄く楽しかったと思った。

 

それなのに、レンノスケは有難い感じで自分に礼を云うモノだから、少し照れてしまう。

 

後輩に礼を言われる時とは違い、同年代の存在から頂くお礼は結構嬉しかった。

 

 

 

「お前、やっぱ凄いな。お陰でこんなスムーズに事を運べた。イチカが居なかったら、俺はどうなっていたか」

「い、いやいや!私はそんな、別に……」

「そう謙遜するな。本当に助かったんだ、礼を言い足りない位だ」

「ッ、あ、あははー!じゃあ遠慮なく、ありがとうっす」

「おう、今度、御礼をさせてくれ」

「え、いやそんな!いいっすよ別に!」

「そういう訳にはいかない。キリノとの約束で『借りが出来たら倍にして返す!』ってのがあるんだ。だから、御礼をさせてほしい」

「うッ……じゃあ、いつの日か、お願いしようっすかね?」

「そうしてくれると、助かる」

 

 

 

イチカは思った。

 

あぁ、この人……生粋の人誑しだ、と……。

 

 

 

「ははっ……キリノちゃんには、同情っすね

「む?なんか言ったか?」

「いーえ、なんでも。ってか、早くミレニアム行かなくっていいんすか?」

「ん?……あっ!やっべ!もう3時過ぎてる!んじゃ、またな!イチカ」

 

 

 

それを最後に、レンノスケは風切り音を残して去って行った。

 

 

 

 

「……()()()さんもシキさんにも、心底同情っすわー……罪な男、っすね」

 

 

 

 

 

 

▼2時間後、ミレニアム校門前……。

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……流石に疲れるな……」

「おう、来やがったな馬鹿野郎」

「む…?」

 

 

 

トリニティから2時間かけ、レンノスケは残り少なくなってきた袋を抱えてそれなりのスピードで駆けるも、流石疲れたか汗が額に滲んでいる。

 

息を整え、ネルを呼ぶためにスマホで電話を掛けようとした瞬間、今度は前から問いかけの声が聞こえた。

 

視線を下に向ければ、其処には……何と、目的のネルが居た。

 

 

 

「あれ?ネルネルネール!なんてタイムリーだ」

「そのふざけた仇名でもっかい読んだらぶっ殺す。で、あれだろ?その袋をあたしに渡すとか何とか、だったかァ?」

「あ?あぁ、そうだが……なんで知ってんだ?」

 

 

 

当然の疑問か、何故かネルはレンノスケの目的を知っていた。

 

理由を問おうとした瞬間、ネルがスマホの画面を見せてくる。

 

 

 

「これ、先生から来たんだよ」

「先生から?一体何が……あ」

 

 

 

そういえば、言うのめんどくさくて窓から脱走したんだと今になって思い出した。

 

そして、ネルの画面を恐る恐る見れば……。

 

 

 

『そっちにレンノスケ向かった?』

『おう、ヒマリが随時確認して、次はミレニアムって連絡が来たぞ』

『オッケー。レンノスケ多分トリニティからその身一つで来ると思うから、2~3時間は掛かる筈』

『意味分かんねぇけど分かった。取り合えず拘束しときゃ良いって事だよな?』

『うん、申し訳ないけど、私が来るまで捕まえててほしい。流石に、ちょっと、いや……マジのお説教だ。出かけるならまだしも10階の部屋の窓から飛び降りて、何の連絡も無しに遊び行く子には、ね』

 

 

 

と、モモトークで連絡し合っていたのだ。

 

 

 

「………これマジか?先生結構キレてね?」

「大マジだ、全くお前h、あっ………あー、何か、言い残す事はあるか?」

「ぶっちゃけ先生って尻や胸よりも太腿じゃね?でもなんで急にそんなk」

「────うん、それが最後の言葉でいいんだね?レンノスケ?」

「ネル、俺は今日、死ぬかもしれん……俺を助けろ」

「自業自得だ、ばーか。テメェだけで勝手に死ね」

「クソが、テメェ裏切りやがって!(!?)だったら殺される前にお前からこr」

「レンノスケ」

「はい」

「正座」

「……ぁぃ」

 

 

 

いつの間にか背後に居た先生に、レンノスケはこの世のモノとは思えない程に説教を喰らった。

 

 

 

 

次回

 

 

 

外伝:各方面へと、お礼を(2)

 

 






☆レンノスケの事が好きな人達集。



1:中務キリノ

・説明不要。





2:先生

・彼も彼女にとって大事な生徒の一人だから説明不要だが、特に気にかけている生徒の一人である。未だにレンノスケが抱える闇を想い、時稀にレンノスケが執務室で休眠している時に苦しそうに魘されているのを見かけ、その度に心を痛め、憂いている。





3:黒服

・普通に研究対象としても、その人間性としても、レンノスケに対する好感度はかなり高い。
切っ掛けはアリウスのバシリカでレンノスケが先生と己を恋仲の関係だと勘違いした事だ。無論、先生とそういう関係だと間違われたことに対し、嬉しいか嬉しくないかで云えば嬉しい。でも己は先生の事を飽く迄『仲間』として迎え入れたいだけであり、そんな、恋仲など解釈違い過ぎて否定しただけで、別に、先生の事は好きだが、先生が己と恋仲の関係になるかと云えば100%ならないけどレンノスケはそれでも話を聞かないで決めつけて自分を応援してくる。一度冷静に成ってもどうやて誤解を解こうか、いや、このまま先生と恋仲だと勘違いされた方が解釈違いではあるけどそれはそれでおいしい立ち位置には付けるし何ならレンノスケのお陰で先生の珍しい焦り顔と赤面も見れたしレンノスケってやっぱり色んな意味で英雄なんだなって思えt(以下略)




4:姫乃シキ

・レンノスケの被害者。その精神性や正義力、子供に優しくしてくれて自分にも優しくしてくれる彼に脳を破壊され、男性像をもレンノスケ色に染められてしまった憐れな女。レンノスケの事が好きに成ってしまったが、キリノの存在を知って、静かに失恋してしまった可哀想な女でもある。だが、それが切っ掛けで更に未来に希望を持て、出会いを求めたいなと思っている。因みに、レンノスケのシキに対するスキンシップは完全に友達だと思っているのは理解しているけどそれはそれでどうなんだろうかと思っているし距離は近いし声が良いから脳ミソが解けてしまいそうになるから余り囁かないでほしいけど別に避けてほしい訳じゃないから何にも云えないから正直悟ってほしいんだけどあの鈍感アホ馬鹿男に女心何て分かる訳が無いのはとっくに知っているから諦めているけどそれはそうと距離は近いしそれって恋人であるキリノさんはどう思うのって毎回思うし第一としてレンノスケh(以下略)




5:阿慈谷ヒフミ

・ブラックマーケットの一件で惚れてしまった。
ずっと会いたがっていたのはお礼と告白をしたかった為。だが、先生からお礼はいらないと告げられ、一度は諦める。

だが、そんなヒフミに転機が訪れる。レンノスケのシャーレ一時監視だ。

ヒフミは何とかシャーレに赴いてはレンノスケに会おうと努力はしていた。だが、当の本人は怖がられるから姿は見せないと、別の部屋で勉強しているときた。そんなレンノスケの想いは汲むしか出来ない為、その日は諦めようとした時、キリノとレンノスケが仲良く談笑して、抱きしめ合っているのを目撃してしまい、ショックを受けてしまう。

自分は失恋をしたのだと、彼にはもう大切な女性()が居るのだと、そう自覚する度に涙が出て、苦しかった。胸が張り裂けそうな想いで、辛かった。

でも、自分には補習授業部の友達が居る。ずっと慰めてくれる。それが、何よりも嬉しくって、踏ん張れて、乗り越えられた。

忘れようとは言わない。助けられたのは事実だから、それには心から感謝している。

もうレンノスケの事を異性として見てはいないが、でもやっぱりお礼はしたい思いが有るので、いつか絶対に会おうと云う決意はあるのだとか。

他の者達と違う所は、拗らせたりなんかせず確りと吹っ切れている事。
















6:陸八魔アル


尊敬から失意へ、そしてまた────尊敬へ。









早くアルとの邂逅を書きたい。
ヒフミとの掛け合いも書きたいっすね。


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  • レンノスケ、配信者に成る。
  • 16歳組によるバレーボール同盟
  • キリノと二人旅
  • 提示版(レンノスケだけど、質問ある?)
  • レンノスケの過去編
  • 本編:カルバノグの兎編
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