怪物は、真面目な君に恋をした。   作:カブトムシの相棒

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外伝です。予定として4~5話まで予想しています。
ショタは良いぞ。


では、本編です。


外伝:レンノスケ、ショタになる。あらすじ編

 

 

 

 

 

────ヴァルキューレ公安局、室内。

 

 

 

 

その日、午前11時……ヴァルキューレ全体を揺るがす……大事件が発生。

 

 

 

「────う、ぅぅ………ご、ごえん、あ、さいぃ…っ」

「……どうなっているんだ、これは」

 

 

 

局内の中で蹲り、怯え、震えて泣く幼子が居た。

 

それを近くで見つめるのは、局長のカンナと副局長のコノカ。そして局員達。

 

その幼子の特徴は、髪は黒く瞳は紅い。身長は100㎝程で、肉は細い。痛々しい傷跡が全身に在る。

 

そして何より……その幼子の正体を決定させる証拠があった。

 

 

 

「あ、あっ、姉御っ……この子、もしかしなくとも何スけど……」

「────恐らく、()()()()()だ」

 

 

 

城ヶ崎レンノスケ専用の制服を抱え、身を隠す男の子。

 

そう、確証はないが考えられる事は一つ。

 

────突如として、城ヶ崎レンノスケは……物理的に幼児化したのだ。

 

 

 

 

 

 

■……数時間前。

 

 

 

 

 

 

 

「────なんだこれ?ジュースか?」

「ククッ、それは栄養ドリンクです。私の渾身の製品ですよ」

 

 

 

D.U.のとある場所、巡回を終えヴァルキューレ警察学校に帰還しようとしていたレンノスケは黒服と出会った。

出会ったと言うには少し違うが……黒服が彼を尾行し、それにレンノスケが気づき、黒服を拘束。そのまま何で尾行していたかの追求をしていたら、流れでレンノスケにその作った栄養ドリンクを手渡そうとしていたのだ。

 

 

 

「これを是非貴方に服飲して頂きたくてですねぇ……実験的にも、適用なのは貴方なのですよ」

「実験て……なんで俺だよ」

「ククッ、そこをどうか……私と貴方の仲ではありませんか。無論報酬も弾ませて頂きますよ」

「報酬だァ?金は前に貰ったし、別に今は何も要らないしな……一応聞くが、なんだ?」

「161㎝の逆バニーコスチュームです。サイズは少し小さめなのでムチムチ感もありm」

「寄越せェえぇえぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

”バッ!”

 

 

 

レンノスケは黒服が持つ栄養ドリンクを強引に奪い取り、そのままキュポッと蓋を開け全て飲む。

キリノの逆バニーコスチュームの為に身を売るレンノスケ、バカである。

 

 

 

「っ!コーヒー味!?炭酸なのに!?」

「クックック……ちょっとした変化を試してみました。後味はどうです?」

「いや、炭酸でコーヒーは幾ら俺でもちょっと……万人受けはしないんじゃないか?」

「おや、そうですか。まぁ常識的に考えてそうですね、味は変更して頂きます」

「……そういや、これってどういう栄養が入ってるんだ?」

「それは企業秘密ですが、コンセプトは【まるで幼少期を沸騰させる程の体力が付く!】となっております」

「へぇー。なんか面白いな」

 

 

 

レンノスケは特段興味が無さそうだ。

黒服は……少し、ニヒルな笑みを浮かべ、告げる。

 

 

 

「因みに効果は1週間です。身体全身に行き届くので効果はかなり長め。その効果が表れるのは……今から1時間後でしょう」

「1週間も!?スゲェなおい!どんな栄養素だよ」

「クックックッ……ゲマトリア最新の技術です」

 

 

 

今の所至って普通。黒服曰くあと1時間後には効果が出るという。

 

 

 

「まぁいいや。んで?逆バニーは?161㎝用のパツパツムッチムチのキリノは?」

「ククッ、効果が終える1週間後にはお持ち致します。一応扱いは実験なのでね……ですが御安心を、逆バニー以外のコスチュームも御用意させて頂きますので」

「ほんとか!?約束だぞ!」

「ククッ、私は以前、貴方には先生の素晴らしい秘蔵を頂いています。それのお返しと受け取って下さい……男に二言は御座いません」

 

 

 

二人は固い握手をした。黒服とレンノスケは意外と波長が合う。

それぞれの想い人のあんなことやこんな事の、それはもう凄いのを提供し合う仲になれた。

 

 

 

「……っと!やっべもう帰んねぇと。カンナってボス犬にシバかれちまう……ワリィ黒服!俺行くわ」

「クックッ……えぇ、承知致しました。どうかお気を付けて」

「?……あぁ」

 

 

 

何でか引っ掛かった。この俺にお気を付けて……?

レンノスケは己にそんな心配をするのはキリノと先生以外知らない。他の誰も、己の心配などしないからだ。

 

だが、考え過ぎだろう……レンノスケはそう思い、その場を後にした。

 

 

 

「…………」

 

 

 

一人となった黒服。レンノスケの背が見えなくなった所で────呟く。

 

 

 

「────大人は怖く、狡いのですよ、レンノスケさん……貴方の神秘、その初期を見せて下さい」

 

 

 

黒服。それは、キヴォトスで最も悪い大人。

 

レンノスケは油断していた。長い傭兵生活を迎えた彼は平和ボケし過ぎたのだ。

 

この後、レンノスケはとんでもない事に巻き込まれる。

 

 

 

 

 

▽……50分後。

 

 

 

 

 

「はぁ………はぁ…はぁ……はぁ、っ、はぁ……」

「ん?レンノスケ君、どうしたの?」

「んっ、あぁ……うん、大丈夫だ……」

 

 

 

公安局、局内。レンノスケは巡回に戻り、局長椅子に座るカンナに事務報告をした後、急激に身体が熱くなってきたのだ。

 

それはドンドンとエスカレートしていき、その異常を抑えるのは中々に難しくなっていた。

 

レンノスケは局内にあるソファーに座り、少し俯く。こんな経験は久しぶりで慣れない。

 

 

 

「(黒服め……話と違うぞッ!どうなって、やがるっ……内面から、筋肉や神経まで汚染される様に、何かが巡っている感覚だっ……本当に、これで体力が付くのかよ!?)」

 

 

 

今は居ない黒服に恨み節を唱える。

息は苦しく、身は熱く、意識は朦朧……普段の己なら絶対に有り得ない症状。

 

彼の様子に、偶々近くに居た局員はそっとレンノスケの顔を覗く。

見れば、非常に苦しそうにしている様子のレンノスケがその瞳に映った。

 

 

 

「いや!顔真っ赤だよ!?息も絶え絶えだしっ……体調悪いの!?」

「あ、あの、ちがっ……っ、はぁ、はぁ……っ」

「なになに?どったん?」

「んー?」

 

 

 

ぞろぞろと、局員達がレンノスケが座るソファーへと向かってくる。

 

 

 

「って……レン君!?茹蛸みたいに真っ赤っか何だけど!?」

「失礼!……っ!熱いっ…体感的に38度は下らないよ!」

「えぇウッソ!?レンノスケさんが病気!?」

「っ、ぁ……ま、まって、くれ……おれは」

 

 

 

レンノスケが何とか声を張ろうとするも、呂律が上手く回らない。

 

 

 

「む…どうした。何の騒ぎだ」

「おめーら、業務はどうした業務はー!」

「あ!カンナ局長!コノカ副局長!」

「実はレンノスケちゃんが凄く苦しそうでッ……体調も悪そうなんです!」

「なに?」

「なんの冗談だそれは……ッ!いや、これは……」

「嘘、じゃないようだな────お前達は下がれ!即座に救急車を呼べる準備を!」

 

 

 

最後に見に来たのはカンナとコノカ。公安局のトップとNo.2にあたる双方だ。

 

部下の報告に、最初こそ疑問と虚偽を疑ったが……レンノスケの様相を見て、それは真実だと即座に判断する。

 

 

 

「(やばいやばいやばいっっ……身体が、からだが、いてぇッ……焼ける様に熱いッ………なんだこれっ……なんだ、これっ!)」

 

 

 

当の本人は、余りの苦痛に…辛そうに息を切らす。

 

さっきまでは普通だったのに……と、全員が思う。こんなレンノスケ、初めてだ。

 

苦しそうに、今すぐにでも泣きそうなレンノスケに、皆が辛い気持ちになる。

重い病気なのか、このままだとまずいんじゃないか、と……嫌な想像をして。

 

あのレンノスケが……そう、誰もがそう思う。カンナは部下を下げさせ、今も苦しそうに胸を抑え込むレンノスケにカンナとコノカが近づき、状況を確認する。

 

 

 

「おいレンノスケ!私達が見えるか?この指は何本に見える(4本立てるカンナ)?」

「っ……2、いや、3?」

「ッ……(涙で前が見えてねぇな……いや、焦点が合ってねぇ。それ以前の問題か)」

「分かった……私が誰だか分かるか?」

「かん、かん……カンナ、局長……は、はっ!はぁ、はぁ!」

「よし、じゃあ次に目を見る。ジッとしていろ」

 

 

 

カンナがレンノスケの顔を上げさせ、涙を流すレンノスケの右の瞳を開けさせ、状態を見る。

 

 

 

「充血に焦点の不安定……救急車を呼べ!!」

「は、はいっ!!」

「姉御!検査キットを持って来たッス!先ずはソファーの上で仰向けに寝かせましょう!」

「あぁ!レンノスケ、動けるか?」

「は、はぁ!はぁ!!はぁッッ……!」

 

 

 

”ドクン!ドクンドクンドクン!!!ドクンッ!!!”

 

 

 

不規則に高鳴る心拍音。それにより、レンノスケは更に苦しくなる。

全身から汗を拭き出し、涙は堪えきれず流れ出て、心臓部を抑え蹲る。

 

想像以上にシビアな状況。カンナは有無を言わさず仰向けの体制にさせる。

 

 

 

「レンノスケ!レンノスケ!!気を失うな!気を強く持て!!」

「はぁ、はぁっ!はぁ!!はぁ、はぁ!!あ、ん、あぁ、ガッ………────あぁぁぁあぁ!?がぁぁ!?うっ!おえっ……お、ごおぉあぁあ……ッッ!!!!」

「ひっ……!!」

「レ、レンノスケ君!」

「きゅ、救急車はまだかよ!?」

「さっき呼んだばかりだから、まだだよ!」

 

 

 

絶叫が鳴り響く。レンノスケの、本当に苦しそうな叫びが全員に届く。

 

聞いた事もない。聞きたくもない。あの優しくて面白かった……誰よりも強かったレンノスケからは想像が出来ない姿。

 

局員は少しメンタルに来ている。どうしてこうなってしまったのかは不明だが、あのレンノスケがここまで苦しむ程のナニかがある……余りにも可哀想で、辛くなってしまう。

 

そんな中でも、カンナとコノカは冷静だった。

 

 

 

「レンノスケ!レンノスケッ!!踏ん張れ!絶対に気を失うな!!」

「確りしろレンノスケ!おい、死ぬんじゃねぇぞ!?キリノが居るんだろ!!」

「は、あがっ!!い、いや、こっ……え、いよ!!あが、ぁあぁぁぁああ!!!」

 

 

 

余りの痛みに、あのレンノスケが悶え苦しむ。

局内は嘗てない程の緊張感が漂っている。只事では無い、それは直ぐにでも分かった。

 

 

 

「ッ!!(なんだ!?全身から煙が……!?)」

「あぁぁぁあぁぁぁ!??はぁ!はぁ!!あぐぅあぁ!ぎぎぁ!いっってぇ……っ!あぁあぁ!!」

 

 

 

仰向けから、そのままソファーから崩れ落ち、また蹲って悶えるレンノスケ。

 

その瞬間、レンノスケの身から蒸気のような煙が発生する。

全員がそれを見て驚愕の声を上げるが、コノカとカンナはその場に留まり、レンノスケの容態を見逃さないよう努める。

 

2m超える巨体から溢れるその煙は、段々とレンノスケを覆い始める。

 

 

 

「クソっ!なんなんだってんだ一体!!」

「お前達は離れてろ!……ッ!!(まて、この煙の臭い……まさか血か!?)」

 

 

 

カンナが煙の臭いに違和感を覚える。

それは鉄特有の匂い。それを更に濃くさせた様な……まるで血の匂いだった。

 

そして気付けば、レンノスケの身を覆う様に、煙は溢れ出ている。

 

 

 

「────ガァぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

 

 

 

”ボヒュゥゥゥゥンっっ!!!”

 

 

 

”「きゃぁ!!」”

「くっ……!」

「レンノスケぇ……ッ!!」

 

 

 

瞬間、レンノスケからまるで爆発のような音が鳴り響く。

 

それは、局内全体を巻き込む煙で……全体に血のような匂いが充満する。

 

 

 

「ッ!マズいッ……動ける者は窓を全て開けろ!!」

「了解……っす!!!」

 

 

 

即座に動いたカンナは全体に指示をしながら充満した煙を換気する為に窓を開放。

次に動いたのがコノカ。反対方向に向かって、窓を開放。

数秒の差で局員達がぞろぞろと動き始める。気付けば窓は全部の窓が全開、煙は瞬く間に外へと流れ出る。

 

 

 

「は、はぁ、はぁ……どうなった?」

「煙は消えたっすけど……匂いはまだ付いてる感じっすね」

「そう、だな………ッ!!そうだ、レンノスケは!?」

「か、カンナ局長!!!」

 

 

 

窓際に居た者達は一つの安堵を終えると、即座に渦中の存在、レンノスケの安否に急ぐ。

カンナが叫ぶ。呼応したのは部下の一人。何やら非常に焦った様子、最悪が過る。

 

 

────だが、それは予想に反し……全く別の問題の始まりだった。

 

 

 

「────は?」

「あ、はぁ?……レン、レンノスケは…?」

 

 

 

カンナ達が即、レンノスケが居たソファー付近まで戻る。

だが其処にレンノスケの姿は無く……何故か彼の制服のみしか無かった。

 

 

 

「そ、そのっ……煙が晴れたと思ったら、もうレンノスケさんの姿は無くって……気付いたら、服だけで…っ」

「……どういう事なんだ、一体!」

 

 

 

カンナが余りの不可思議に、思わず怒りの声を上げる。

 

これまでの流れを見たら仕方のない事、だが、一番はレンノスケが消えたという事だ。

 

 

 

「(状況に脳が追い付いて居ないッ!レンノスケは何であんなに苦しんだッ!病気か?それとも毒か?クソ!皆検討も付かんッ!!それに最後の血の匂いを混ぜた煙は何だ!?何の症例だ!?キリノに何て説明する!?いや先ずレンノスケは無事なのか!?)」

 

 

 

ぐるぐると、カンナの脳裏に完結しない情報が流れる。

何が出来た、何がダメだった、レンノスケの所在は、そして……レンノスケの恋仲で大恩人であるキリノに何て説明すれば良いのか。

 

脳をフル稼働しても何の正解が出ない。マズいと考えていたその矢先────

 

 

 

 

 

 

 

”もぞもぞ……もじょもじょ……”

 

 

 

 

「ん?……んっ!!?」

「か、か、カンナ局長!あ、あれ!!」

「今度は何だ!!……あぁ!?」

 

 

 

ストレスを感じながらも部下の声に耳を届け、指す指先に視線を向ければ、其処には………ズボンとYシャツ、そして制服が微妙に盛り上がってる所に、何やらもぞもぞと動くナニかが居た。

 

それは、レンノスケと云うには余りにも小さい。彼ではないナニかが、其処には居た。

 

全員が息を呑む。武器を構え、警戒の姿勢に成る。

 

 

 

「(なんだ!何が出る!?)」

「(気配的に人間っぽいが……マジで何だ?子供…?)」

 

 

 

カンナとコノカも武器を構え、そのナニかが出て来るのを待つ。

 

数秒、数分……それ程の時間が経ち、そして遂に────

 

 

 

 

”がばっ…”

 

 

 

「出た…!!」

「ッ!」

 

 

 

正体を現す。

 

そのナニかとは………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ぴゅはっ………あぇ?」

「………ん?」

「………へ?」

”「………は?」”

 

 

 

身長100㎝程の、非常に小さな、ちーっさな……幼子だった。

 

 

 

「……ここ……どこ…?」

 

 

 

時刻は午前11時、天気は晴れ。

 

これと云って問題事がなかった一日に────早くも暗雲が経ち籠る。

 

そう、この幼子……────幼児化した『城ヶ崎レンノスケ』が、この後。

 

────ヴァルキューレのみならず、キヴォトス全土を巻き込む大騒動の的となるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回

 

「───どけッ!!!私がお姉ちゃんだぞ!!!!」





次回は少し酷い展開になりますが、ぶっちゃけ直ぐに終わります。

キリノと先生は次回ですね!あー楽しみ執筆!!


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  • レンノスケ、配信者に成る。
  • 16歳組によるバレーボール同盟
  • キリノと二人旅
  • 提示版(レンノスケだけど、質問ある?)
  • レンノスケの過去編
  • 本編:カルバノグの兎編
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