怪物は、真面目な君に恋をした。   作:カブトムシの相棒

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誤字脱字の報告、評価ここすき、大変励みになります。

感想もたくさん頂ければ幸いです。
此処が良かった、此処がよく分からなかった、何でも受け付けております。





(注)前書きは、見たい方だけどうぞ。






▼連邦捜査部シャーレ調査記録〈城ヶ崎レンノスケ〉について。






■この記録書では、城ヶ崎レンノスケについて数少ない〈情報〉を所持している人物達に聞いた事を書いて行こうと思う。




★────協力者名







★【空崎ヒナ】



「……そうね。私も、余り彼について詳しくはないのだけど、一つだけ……これは先生には言わなくてはいけない────私が情報部に居た1年生の時に、彼が起こした賞金稼ぎの現場までブラックマーケットに赴いた事があったのだけど……本当に、酷い有様だったわ。血の池を作って倒れ伏す数百人規模の不良達が、其処には居たの。無論全員意識は無かった。私達の発見が遅れていたら、何人の犠牲者が出ていたか分からない……やられた不良達のほぼ全員が指名手配されている凶悪犯とはいえ、流石に同情したわ。……ああ、その不良達が何故団結して集まったのか、理由としては酷く単純で、だけどそれしか方法がなかったの……城ヶ崎レンノスケの撃破、それが彼女たちを動かした……しかし、無駄だった。証言によれば、彼は銃を使わずその身一つで制圧したみたい……正直、狂っているわ。ブラックマーケットに居座っているんが、何よりの救いね……は?実はあった事がある?……先生、詳しく聞かせて」




★早瀬ユウカ



「……城ヶ崎レンノスケに、会ったぁ!!?ちょっ、ええ!?け、怪我は!?何処も怪我はしてないんですよね!?……よ、良かった……ん?って事は、ブラックマーケットにいったんですか!?い、いや、幾ら護衛がいたとしても、彼の前では無意味ですって!いや、そうじゃありません!何度も口酸っぱく言いましたよね、私!ブラックマーケットには行くな!って!!……彼の情報が欲しい!?ありませんよ!そんなの!!本当に居るのかも怪しいって思い始めた時に、とんっっっでもない事件を起こす存在なんですから!……ミレニアムでも無理?ですって!?あんまり舐めないで下さい!何回かドローンで見つけた事はあるんですよ!まぁ……キャッチした瞬間全て破壊されているんですが……彼については、私達では今のところ静観を務めています。ミレニアムが誇る最新技術を搭載させた小型ドローンで見つけたと思ったら即座に破壊されるんですから、あんな人探すことは出来ても居場所を特定なんて高難易度にもほどがあるんですから……」



★小鳥遊ホシノ



「……いやぁ~あの時は焦ったね~、いや、ほんとにさ。まさかあんな入口の近くで遭遇しちゃうんだから、おじさん吃驚しちゃったよ。後輩たちが居たから、尚更ね……。城ヶ崎って人については……ごめんね、おじさんでも詳しくは知らないんだ~、でも……無責任な事言っちゃうとだけど、仮に彼とおじさんが戦ったとして……正面から戦り合ったら負けちゃうかもー、なんて。ブラックマーケットの事情はよく知らないけど、彼が頭角を現してから中々悲惨な状況なんでしょ?いやー、怖い怖い」



★陸八魔アル



「え!?彼に会ったの!?凄いじゃない!あ、聞いて先生!……ふふっ!実は、私もなの!あの人は本当にすごい人で……へ?何でそんなに嬉しそうなのって……そんなの、私の憧れだからに決まってるじゃない!彼が残した戦跡、その破壊的な実力に、あの黒色のスーツ姿!!格好いいわよね~~!え?何処であったのかって?それは……私が中学3年生の時、間接的とはいえ彼に助けられた事があるからなの!不良に捕まっていた私を、彼はドアを蹴破って入ってきて、その不良達をボッコボコにして……すさまじかったわ。彼は単純に依頼であの人達を襲撃しに来たんでしょうね……。あ、そうそう!彼ね、私を一目見た後『お前はターゲットじゃない、此処は危険だから、今すぐ消えろ』────って言ったの!超かっこよくない!?かっこいいわよね!?極め付けはあの冷酷な瞳と重低音な声質!……ああ、あの姿こそ私が追い求める冷酷なアウトローの象徴だわ!でも……ムツキとかカヨコは危険すぎるからって、一人ではブラックマーケットに行かせてくれなのよね……先生?もしまた彼に会ったら、サ、サインとか、頂けないかしら?」


















★中務キリノ


ふふん!安心してください先生!!
素性が未だ不明な城ヶ崎レンノスケが、本当に悪い人だった場合!本官が必ず逮捕しますからねー!












▼ 中務キリノ、何も知らないと判明……可愛いので、此処に書き記す。











では、本編です。




三大校の最強戦力と怪物。それは、意外な化学反応を起こす。

 

 

 

 

 

■城ヶ崎レンノスケと中務キリノの意向が決まり、少し時は経って────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城ヶ崎レンノスケside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……キリノ、お前には話しておきたい事がある。少しこっちに来てくれ」

「は、はい!承知しました!」

「うむ」(キリノに着いて行こうとするレンノスケ)

「てめぇは行かなくていいんだよ。ジッとしてろ!」

「……俺はお前には従わん。ヤンキーの……ちびが、殺すぞ」

「なにぃ!!?てんめぇ……っっ!!もういい加減ぶち殺す!!!」

「何度も言うが、お前じゃ無理だ、お前如き5秒で動けなくしてやる」

「上等だゴラァ!!だったらあたしは近接戦でテメェを2秒でノシてやるよっ!!」

 

 

 

俺の左ストレート(不発)に反応が遅れた奴が、生言いやがって……ふん、面白い。俺も近接戦は得意だ。

 

お前の得意分野でボッコボコにしてや────っ!?

 

 

“ぞくっ……”

 

 

温かいけど、冷たい視線……とても嫌な、予感がする。

 

 

 

「……カンナ局長、申し訳御座いません少し外します」

「はぁ……ああ、頼んだ」

「…っ!こらーーーっっっ!!!」

「!?ひ、ひえぇ……や、やっぱり、キリノさん……」

「何がやっぱりですか!もう、レンノスケさん!!私さっき言いましたよね!?喧嘩はいけませんよって!!」

「す、すまない……で、でも、キリノさん……コイツも悪いと思うんだけど……」

「言い訳無用ですっ!それに、今のは明らかに貴方がいけませんよ!反省してください!」

「は……はい……反省します……」

「あはは……ネルも、とりあえず此処は抑えて、ね?」

「……ちっ!分かった分かった!あたしも悪かった!くそがっ!」

「ふふ、ネルは偉いね~」

「だから撫でんなぁ!こらぁ!」

「はぁ……美甘ネルに城ヶ崎レンノスケ……どうしてこう、直ぐに喧嘩に発展できるのかしら?」

「シンプルに……相性だろう」

 

 

 

……キリノさんから素敵な言葉を沢山頂けた。

それと同時に、たくさん怒られてしまった……全然嬉しいんだが、キリノさんの負担になってはいけないから、注意しないと。

 

キリノさんが尾刃に付いて来いって言われたから、俺も行こうとしたらこのちびオレンジに阻まれた。

コイツは苦手だ。うるさいし、正直このメンバーで戦うとなると一番めんどそうな相手だ。

 

 

 

「良いですか?本官は少しの間だけ外しますが、レンノスケさんは皆さんの指示にちゃんと従って下さいね?」

「………………」

「……あの、レンノスケさ~~ん?」

「………………やだ」

「……そうですか、仕方ありません……では、シャーレに着きましても本官は少しの間貴方とは話しません」

「分かった。こいつらの指示に従う。絶対に聞く。何でも聞く。死んでも聞く。だ、だから……それだけは……」

「ちょっ!?だ、大丈夫ですから!!少しの間だけですから!ちゃんと皆さんの言う事を聞いて、喧嘩をしなければ良い話ですから!!そ、そんなに動揺しないで下さいよぉ……もう」

「し、心臓に悪い……そんなキリノさんも、素敵で可愛い……あっ」

 

 

 

ま、まずい……また口が滑って本心が……。

 

あ……キリノさん、顔赤くしてる……可愛いけど、怖いな……。

 

 

 

「……もうレンノスケさんとは話しませんからね!」

「え!!?ち、違うんだ、キリノさん……」

「何度、何度言っても分かってくれないレンノスケさんが悪いんです!」

「ごめんなさい…キリノさん……ゆ、許してくれ……」

「んな……~~~っ!もうっ、分かりましたよ……シャーレに着きましたら、貴方にはそういうお勉強をたっっくさんおぼえさせてやりますからね!」

「えっ!?本当か?……ああ、分かったキリノさん。俺に、キリノさんの事を、たっくさん教えてくれ」

「私じゃなくて貴方の常識についてですっ!!このっ、貴方は!もうーー!!」

「てめぇら隙あらばイチャイチャしてんじゃねぇぇぇーーーーっっ!!!」

「ネルも、レンノスケとここでは喧嘩しないようにね」

「分かったっつってんだろ!!」

「うん、偉い偉い」

「だから、撫でん……くそーーーっ!!」

「……ずるい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────こっちに着いてきて、城ヶ崎レンノスケ」

「……………ああ」

 

 

 

……その後俺はキリノさんと先生とは別れて、今は此処に来た時に歩いた廊下を歩いている。

 

どうやら俺は、先に護送車に向かわせると、そういう事になったらしい。

因みに先生は……先に向かって連邦生徒会に報告しに行った、らしい……。

俺を囲うように、紫の奴と黒い翼の奴とちびオレンジが一緒になって歩いている。

 

 

 

「……なぁ、俺の銃はどうした」

「今は護送車に保管してあるわ、ちゃんと手元に戻るから安心して」

「そうか……なら、良い」

 

 

 

あのハンドガンは……俺の相棒だ。盗んだ銃だけど。

何せ、3年は一緒に居る。余り使う場面はないが、危ない場面ではあのハンドガンに助けられた瞬間が数多く存在する。盗んだ銃だけど。

あいつの名前は……ないな。そういえば、決めてなかった。

 

いいや、後で決めよ。

 

 

ここで俺は、気になっていた事をこいつらに聞く事にした。暇だし。

 

 

「……なぁ、もう一つ聞いても良いか?」

「……なに?」

「その……俺は、どうして此処でも怖がられてるんだ?」

 

 

 

正直、怖がられてる感じなのは、何人かと目が合ったり目撃されたりで、よく分かった。

しかし、肝心の理由が分からん。俺は、外の世界に出たのは今回が初めてなのに、何故俺はこんなに一杯の人に認識されている?

 

俺の問いに答えたのは、黒い翼の奴だった。

 

 

 

「……城ヶ崎、お前は自分が今までしてきた事を理解しているのか?」

「俺が、今までしてきた事?……あれか、依頼の事か?だがそれだけで……?」

「それもあるが……一番は【カイザー】関連だろう。あの子の事情聴取では出なかったが……城ヶ崎、お前……少し前に大量のオートマタの兵士とやり合っただろ」

 

 

 

大量の……オートマタ……ああ、あれか。

 

 

 

「ああ、戦ったな。大変だったな、あれは」

「……お前が対峙したのは、超大手企業の【カイザーグループ】……その民間軍事会社【カイザーPMC】という組織だ」

「カイザー…………ああ、思い出した」

 

 

 

カイザー……名前を聞いてハッとした。

 

俺は、そいつらとは少し前に何回か会った事があるからだ。

 

俺がロボ男の依頼をこなしている時、あいつらは大抵俺を攻撃してきた。

なんか『お前を捕らえる』とか、『大人しく投降してもらうぞ』とか言ってたな。邪魔で全員殺したけど。

 

なるほど、俺を襲ってきた奴等はカイザーだったのか……しかし、なんでだ?

 

 

「俺は何もしていない。あいつ等が俺の寝込みを襲ってきたから、俺は普通に返り討ちにしたまでだ」

「………5000を相手にか?」

「ああ、そんなに居たのか……めんどくさくて、数え切れなかった」

「なるほどな、やっぱてめぇイかれてんな」

「黒い噂が絶えない企業だったけど……まさかあんな形で消滅するなんて……」

「……しかし、何故あいつ等は俺を襲って来たんだ…?」

「それは」

 

 

 

俺の疑問に、次はちびオレンジが答えた。

 

 

 

「────裏社会では、テメェは賞金首に掛けられてるんだよ」

「……俺が?」

「しかも、超破格の金額を懸けられているわね。裏社会では、貴方の存在が目障りな組織が多かったのでしょうね……」

「……どれくらいだ?」

「今は────7億だったな」

「俺が!?────はっ!」

 

 

 

繋がった。だから俺は15歳の時まであんなに色んな奴等から狙われていたのか。

いや、しかし……まさか俺にそんな高額の首が懸けられていたとは……。

 

 

 

「なるほど…俺が……7億……俺が……へぇ……」

「……先に言っておくが、妙な真似をしたら即座に〈中務キリノ〉に報告する」

「やめろ、本当にやめろ……頼む、それだけはやめてくれ……キリノさんにバレると、色々とマズイ……」

「何しようとしたんだよお前……」

「……何て言うのかしら、今まで貴方に抱いていたイメージが一気に崩れるわね」

「ってか第一、お前自身が7億の価値だったとしても、お前がどうこう出来る訳がねぇだろ」

「……確かに。ちびオレンジ、お前、実は頭が良いんだな」

「テメェよりは幾らかマシだボケェ!!ってか、またチビオレンジっつったなゴラァ!!マジで殺すぞぉッッ!!」

 

 

 

ちびオレンジを褒めたら、また怒ったぞ。

別に良いだろ、チビオレンジって名前。少し気に入ったのに……。

だが、確かにそうだ。名前は大事だな、仕方ない、聞くか。

 

 

 

「む……じゃあ、お前の、いやもうお前等の名前を教えろ」

「そうね……先に────私はゲヘナ学園風紀委員会委員長【空崎ヒナ】……今後、貴方とは何度か顔を合わす時が多くなるかもしれないから、覚えておいて」

「……トリニティ総合学園正義実現委員会委員長の【剣先ツルギ】だ……私の名も、よく覚えておけ」

「あたしはミレニアムサイエンススクールC&C所属でリーダーしてる【美甘ネル】だ!!いいか!?【美甘ネル】!!覚えとけッ!」

 

「ああ、分かった。俺は何処にも所属していない【城ヶ崎レンノスケ】だ。宜しくな。空崎、剣先、美甘」

 

「「「 お前(貴方)は言わなくていい(の!!)んだよっ!! 」」」

 

「なんでいきなりテメェまで自己紹介してんだよ!!お前の事は知ってるっつう話をした後だろうが!天然かてめぇ!!」

「(天然……??)い、いや……何となく、俺も言っておこうと思って……」

「……はぁ、疲れる」

「これは……中務キリノも大変だな」

 

 

 

……何だかよく分からんが、こいつ等と話すのが意外と楽しくなってきた。

こいつ等とは、何とか友達になりたいものだな。

 

しかし、怒られてばかりな気がする。ここは、どうにかこいつ等の長所を……あ────。

 

 

 

「うむ、よし聞けお前等……剣先は良くやってるよ、しかし……空崎、美甘……お前ら二人は、本当に凄いな」

「……なんだいきなりテメェ」

「嫌な予感がする……」

「……私と美甘ネルの何が凄いのかしら?」

「だって……お前ら二人────小学生か中学生だろう?」

 

 

 

 

 

 

“ピキィッッッ!!!”

 

 

 

 

 

「二人はこんなに〈小さい〉のに、とても頑張ってる。まだ〈12、13歳〉程なんだろう?俺にも怯まず、凄いと思うぞ」

「………まずい」

 

 

 

俺ながら完璧だと思う。

少しは、褒める事が出来たんじゃないか?

 

 

 

「お、落ち着け、二人共……ここではまずい」

「……私は大丈夫、腹立つけど……でも」

「……………………」ピキピキピキピキピキピキピキピキ

「ん?おい、大丈夫か美甘。おでこの血管が凄いぞ?トイレか?」

「もう何も言うな城ヶ崎……今のところ最悪だお前」

「……美甘ネル、ここは我慢よ、我慢、何とか堪えて」

「……ふぅーっ!ふぅーっ!落ち着け、落ち着け………此処で争うのは違うだろ……あたしは、コールサイン00(?)……キレるな…」

「美甘ネル、貴方……」

「流石だな……」

「なぁ、よく分からんが、お前ら本当はいくつだ?」

「……私達全員、貴方よりも一つ年上よ」

「え?………そうなのか?すまない、勘違いをしていた様だ」

 

 

 

冗談かと思ったが、どうやら本当らしい。

どこからどう見ても小学生だが、確かにその威圧と風格は小学生が出せる様なモノじゃないな。

 

世界は……広いんだな。こいつ等からも、学ぶものがある。そう思ったよ。

 

 

 

あと、普通に美甘には頭にチョップを喰らった。何故だ。

身長差はあるから、態々跳んでやってきた。吃驚したぞ。おい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────着いたわ」

「ああ」

 

 

 

そうこう話してる内に、着いたみたいだ。

 

それと同時、剣先が無線?とやらに向けて発語する。

 

 

「……イチカ、車の手配は出来ているな」

『あ!お疲れ様っす、ツルギ先輩!はい、問題はないっすよー』

「よくやった、これより尾刃局長が伝えた通り〈城ヶ崎レンノスケ〉をシャーレに向かわせる」

『了解っす。ああ、それと────外はギャラリーが勢ぞろいです。では』

 

 

 

プチッ、そう切られ、空崎がドアノブに手を掛ける。

 

 

 

「……いい?城ヶ崎レンノスケ。貴方はただ玄関前の護送車にのるだけでいい」

「?……ああ、分かった」

「……ふぅ、ここを開けたら、とてつもない光に見舞われそうだ」

「仕方ねえよ……正直とんでもないビックニュースだからな、キヴォトスは現に今……とんでもない事になってる」

 

 

 

何やら、空崎、剣先、美甘がだるそうにする。

なんだ?車に乗るだけで、何故そこまでだるくなる?

 

 

 

 

────そして、ドアが開けられる。

 

 

その瞬間だった────。

 

 

 

 

 

 

 

 

““パシャパシャパシャッッパシャパシャッ””

 

 

 

 

 

 

 

「────む?」

「っっっ!!み、皆さん!今ヴァルキューレ警察学校の玄関から〈城ヶ崎レンノスケ〉が出て来ましたっ!やはり実在していた【裏社会の怪物】!!皆さん確認できますでしょうか!?あの大きい体躯に、その身体から溢れ出る圧し潰されんばかりの強烈なオーラ!!離れの場に居る私ですら、震えが止まりません!!何よりこの圧力!そして、城ヶ崎レンノスケの傍には、キヴォトス三大校を代表する最強戦力の三名が城ヶ崎レンノスケを牽制する形で完全武装しています!!少し前に起きた『エデン条約調印式爆破テロ』を終えた今!今度は【裏社会最悪の怪物】が発見されるという……今年のキヴォトスは一体何が起きているのでしょうか!?キヴォトスを揺るがす大事件が続くこの頃、彼は何を引き起こすのでしょうか!?」

「離れて!皆さん離れて下さい!!」

「これ以上は近づかないで!ご協力をお願いします!」

「あ!ちょっ!姿が見えなっ!あーーー!」

 

 

 

……外に出れば、待っていたのはとんでもない人の数。

 

キリノさんと同じ格好をした生徒達が、壁を作ってカメラを持つ人達を侵入させまいとしている。

 

そうして、車の近くに居た剣先と同じ服装の目が開いてない生徒が来た。

雰囲気はどこか穏やかそうだが……なるほど、剣先の関係者の可能性大だ。

キリノさんが言っていた。挨拶は大事。やるか。

 

 

 

「皆さん、お疲れ様です!いやー、凄い事になっちゃってまぁ……あはは」

「ああ……やはり、情報は漏洩したか……」

「仕方ないっすよ……彼は堂々と歩いていたんですから。そして……貴方が────」

「城ヶ崎レンノスケだ。お前は……剣先と似てるな。妹か?よろしくな」

「────は?」

「イチカ、コイツの事は気にしなくていい、お前はそのまま周囲の対応に当たってくれ」

「え?あ……は、はいっす……」

「あ、おい、ちょっと待……むぅ」

 

 

 

そのまま彼女は、何処かに行ってしまった。

なんだ?何か、間違えたか?

 

 

 

「……今のは中務キリノに報告ね」

「まて、俺は何も悪い事はしていない。何故キリノさんに伝える」

「自覚はないのね……はぁ」

「さっきのお前、あいつからしたら相当やべー奴だったぞ」

「ヤバい奴なのは変わらんがな。おい、さっさと乗れ」

「それ、様子が可笑しいお前が言うのか?」

「早く乗れ!破壊するぞ……」

 

 

 

……むぅ。なんだ、なぜ怒る。

 

だが一番はキリノさんに報告する事だ。何故だ。何故キリノさんに言うんだ。だめだろ、それは。

いや、本当にまずい……また怒られるぞ。いや、悪い気分じゃないし、寧ろ嬉しいんだが……どうもキリノさんが怒ると、こう、心が痛いんだ……。

 

 

 

 

 

“ドンッ…”

 

 

 

 

そんな事を考えながらも、俺たちは車に乗った。

 

 

 

 

「それより……おい、なんだあいつら」

「……クロノスを含めたマスコミだ。あいつ等はお前みたいなのが大好きなんだよ」

「え!?……まさか、俺を求めている人が、あんなに居るなんて……少し驚きだ」

「そういう意味じゃねえよ馬鹿!!」

「む?なに、違うのか?」

「はぁ……少し補足すると、貴方は此処では都市伝説の様な扱いを受けて来たから、こうして、いざ発見されるとなるとああいう人達は黙ってられないのよ」

「まあ、そういう意味では私達の様な治安を維持する組織も同じだがな……あいつ等は少し、質が悪いが……」

 

 

 

話を聞くに、あいつ等はキヴォトスが吃驚するような情報を追い求める中々な厄介者の集団らしい。

酷い時は、ストーキングをして情報を集めるのだとか。

なんか、少し前に俺を付けて来ていた不良達に少し似ているな。

 

 

 

「よく分からんが、お前らも大変なんだな。頑張ってて凄いな」

「……これは、驚きだ」

「……まさか、貴方に本当の意味で労いの言葉を貰うなんて」

「驚きよりも恐怖が勝つぜ……おお怖え……」

 

 

 

何か馬鹿にされた気がするが、気にしなくて良いだろう。

 

 

……こうして落ち着けた事だ。今……言うか。

 

 

「なぁ……空崎、剣先、そして美甘」

 

 

 

俺が三人の名前を呼んで、三人は俺に顔を向ける。

どこか警戒してるが、構わない。

 

ずっと、いつ言おうかと思っていた。それはきっと、この時だ。

これは……言わなきゃいけない事だ。シンプルに、普通に……伝えるんだ。

 

 

 

 

 

 

「その────悪かった……お前らに歯向かって。言う事に従わなくて」

 

「……は?」

「今度はなんだ、急に……」

「……どういうつもり?」

 

 

 

 

俺の行動に、三人はイマイチ理解が出来ていない様子だ。

 

 

 

「え……いや、お前等には、迷惑を掛けたから、謝ろうと思って」

「んな……て、てめぇ……悪いって自覚があったのかよ……!?」

「驚きだな……嘘みたいだ」

「……信じられない」

 

 

 

やっぱこいつ等、確実に俺の事馬鹿にしてる気がする。

 

 

 

「これは……中務キリノに報告ね」

「なに!?お、おい待て、なんでキリノさんに報告するんだ……俺は、謝っただけだろ」

「……謝ったから、報告しなきゃいけないのよ。そうすれば、あの子もきっと喜ぶわ」

「……む?喜ぶ?え、キリノさんがか?」

 

 

 

ど、どういう事だ?

俺には……こいつらが何を言っているもか、分からない。

 

 

 

「城ヶ崎。お前は今、自分が特定の人に対していけない態度や悪い事をして、それを悪いと感じたから謝った……」

「それは、とっても大事な事なの。これから貴方は人間関係のあれこれが増えていく。一つ一つの行動や発言が、とても重要になってくるの」

「そ、そう……なのか」

「……ええ、だから、今のはちゃんと中務キリノに伝えるわ。きっと、褒めて貰える筈よ」

「本当か?だけどまずは、その……空崎と剣先、良い事を教えてもらった、ありがとう」

 

 

 

そう言うと、少しだけ……二人の雰囲気が軽くなった気がする。

……そうだ、俺が今から行くのは、シャーレだ。

 

言わば……生徒達の安息の地。

それに、俺が加わる……この二人の言葉は、きっと大事になる。

 

少し感動していると、美甘がニヤニヤと俺を見てくる。

 

 

 

「……なんだ美甘」

「ははっ!いや?ちょっと面白くってよぉ!てめぇがあたしらに対して謝罪とはな!まっ!お前の成長に免じて許してやらん事も無いがな!」

「……ちびオレンジ」(ボソッ)

「なっ……おいコラァ!てめぇ聞こえてんぞ!!!本当に悪いと思ってんのかゴラァ!!」

「む、しまった、つい……本音と云えば本音だが、一応すまん、謝る」

「こ、ここ、このやろぉ……ッッ!!殴って殺す!!!」

「……今のは」

「どっちもどっち……はぁ、結局こうなるのね」

 

 

 

其の後、俺はキリノさんを引き出しに出されてあえなく沈黙。

ちび……美甘は二人に宥められ、何とか鎮まった。

 

 

 

今回は俺は悪くない。ほんとだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人と話して、数十分が経過した。意外と話せて、楽しい。三人が言うには、美甘も剣先も空崎も、全員シャーレの先生にはお世話になっているらしい。

俺はこれからお世話になる先生の事が知りたくて、色々三人に聞いてみた。

やっぱり本当に凄い人で、数々の問題事を解決してるみたいだ。

 

 

だけど、最近……撃たれてしまったらしい。

 

 

どうやら、ゲヘナとトリニティでちょういんしき?と云うやつをやってた時に、テロが起きてしまい、それに先生と剣先と空崎は巻き込まれたみたいだ。

何とか致命傷は免れて良かったらしいが……。

だが、今生きているから良いが、聞いていて流石に動揺した。

 

この事を話す時の剣先と空崎の二人は、どこか暗い感じで、覇気がなかった。此処に居る3人は、先生の事を信頼してる。

聞いてしまった身だけど、申し訳ないと思った。特に空崎はシナシナしてた。

しかし……先生はキヴォトスの外から来た人みたいで、銃弾一発が死に至るという、虫みたいな耐久力だと知った時は驚いた。

 

よく生き残れてるな、そう思ったよ、本当に。

 

 

 

 

“────、城ヶ……崎は……、────………”

 

 

 

 

未だに外は少し騒がしく、たくさんの人が俺の名前を呼んでいる。

 

今日俺が何故ここまで知られているか分かったから、名前を呼ばれる事の驚きは軽くなったが、やはり慣れはしない。

 

空崎が、少し離れで通信機にで誰かと話して……いや、今終わったみたいだ。

 

 

「ええ、分かったわ────中務キリノと尾刃カンナの話し合いはまだ続いてるみたいだから、もう少し掛かるみたいよ」

「おう、そうか」

「了解だ……」

「そうか……ふぅ、キリノさんに、会いたいな」

「ケ、けひ!/////」

「お前……リアルでそういう事言う奴初めて見たぞ」

「……まだ別れて数分程度よ?」

 

 

 

会いたいのだから、仕方ない。

 

だって俺は……。

 

 

 

「キリノさんの事が……好きなんだからな、仕方ないと言える」

「ぐふっ!!お、おまっ……!」

「……真顔で何言っているの、はぁ…」

「はわ、はわわわ……///////」

 

 

 

全員(主に美甘)から強めの反応を頂く。

隠す気はない。ずっと本心で言っているのだから。

今日会ってキリノさんと会って、数時間だが………彼女の姿を初めて見た時から────。

 

 

 

「俺は、キリノさんに夢中になっている」

「そ、そうね……見れば分かるわ」

「くそっ……恥ずかし気もなく無表情で言うな……こっちが恥ずかしくなるっ!」

「お、おい……じょ、城ヶ崎……因みに、彼女には、どういう形で惚れたんだ……?(興味津々)」

「は!?お、おいお前……!」

「まぁ……少しくらい問題ないと思う」

 

 

 

そう言って、3人は俺の方に向いて聞く姿勢を取る。

 

……こいつ等、意外と……?

まあ、いい……俺もキリノさんが来ないから寂しい所だ。

そうだな……ここは、少し……話すとしよう。

 

 

 

「────最初は……彼女の姿を、初めて見た時だ。顔、身体、声、そして……俺とは全てが真逆の、青色の美しい瞳……ああ、そうだな……最初は、キリノさんの全体像に心を動かされた」

 

 

 

強く、強く────3人にそう伝える。

 

全員が、顔を赤くさせ、しかし静かに俺の言葉を待つ。

それに応える様、俺は続ける。

 

 

 

「俺は、女の人に対して……初めて〈可愛い〉と、思えたんだ。こんな事、キリノさんが初めてで……正直、最初は何が何だか、分からなかった────なぜ、この人を見ると、こんなに胸が苦しいのか?なぜ、この人を見ると、全身が熱くなるんだ?なぜ……この人から、目を背ける事が出来ないんだ?……最初は、全てが本当に……分からなかった」

「……はわわ/////」

「なる、ほど……つ、つまり、だ……」

 

 

 

美甘がごにょごにょと、何か言いたげな雰囲気を出す。

 

その時だ……空崎が、言い放った。

 

 

 

「────貴方は、中務キリノに〈一目惚れ〉した、という事ね」

「ひ、一目、惚れ……?」

「……その名の通り、一目見ただけで【恋】をしてしまう事よ」

 

 

 

なるほど……俺がキリノさんに初めて会った時に起きた衝撃は、一目惚れって言うのか。

 

 

 

「一目惚れ、そうか……俺は、キリノさんに一目惚れして、恋に落ちたんだな」

「毎回思うけどそれ自分で言って恥ずかしいと思わないのかしら??」

「む???いや?全く」

「……ここまでくると、最早尊敬するぜ……」

「ひ、一目惚れ……少女漫画みたいだ……はわわ」

 

「そういうがな、お前らはどうなんだ。好きな人とか、お前等は居ないのか?」

 

 

 

 

“ピシィッ!”

 

 

 

 

なんだ……?空気が変わったぞ。

 

 

 

「……この話は、もうやめましょう」

「ぬ?なんd」

「ああ、やめだやめだ、もうやめだ」

「………きぇぇぇぇ」

 

 

 

……なんだ?急にこの話が無かったことにされたぞ。

 

俺の事が気になって、なんで自分たちの事は無い風にしているんだ?

 

お前等の反応からして、居ないなんて事は無いと思うんだが………ん?待てよ……?

 

 

 

「……もしかしてお前ら、実は好きな人が同じなんz────」

「────遅くなりました!」

 

 

 

その後直ぐだった。護送車のドアが開かれた。

 

 

 

「失礼します!中務キリノ、只今合流いたしました!」

「あ、キリノさん。こっちだ、こっち」

「はい!今そちらに向かい……なんだか、暑いですね?この護送車」

「む?……あ、確かに…妙だな……さっきまでは、そんな暑くなかったんだが……」

「……ふぅ、お疲れ様です。皆さん、まずは謝罪を。ここまで遅れてしまい大変申し訳御座いません。少しごたついてしまいまして……」

「ナイスタイミングだ!」

「流石、ヴァルキューレの狂犬。間が分かっているわね」

「ああ、本当に助かった……」

「は、はい?ナイスタイミング?間が分かっている??助かった???そ、それより……皆さん、お顔が赤い様ですが────」

「詮索は無しで宜しくお願いするわ」

「ああ、何も、なかったからよぉ……」

「キュルルルルル………」(⚠ツルギ)

「は、はぁ……」

 

 

 

こうして、何だかんだ全員が揃った事で、俺らを乗せた車は直ぐに発進した。

 

やっぱ凄いな、この車と云う物は……いつか、運転とか、してみたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……連邦、生徒会?」

 

 

 

そうして俺は、シャーレに行く……よりも先に、どうやら【連邦生徒会】という場所に行って、色々と話すみたいだ。

 

 

 

「────さっき、ごたついたと言っていたけど……連邦生徒会から何を言われたのかしら?」

「……実は先程【不知火カヤ防衛室長】から、まずは城ヶ崎の身柄を拘束した状態で会議室まで来訪して頂きたいと……」

「なるほどな……つまり、奴さん等は自分の目で確かめたいんだな、コイツの実在を」

「ええ、恐らくは。【リン行政官】も、それを望んでいます」

「……まぁ、それもそうよね。貴方はあの連邦生徒会の【会長】自らが【七囚人】を超える危険度だと、キヴォトス全土に発信した異例中の異例な存在なのだから」

「ふむ、つまり連邦生徒会は、俺の事を警戒しているんだな」

「そうですね……仕方ないとはいえ、貴方は裏社会の怪物として恐れられていた存在なんですから……。だからこの連邦生徒会には、レンノスケさんの実態を証明して、実害はないと発信させる必要があるのですよ」

「元々、連邦生徒会側がお前を危険だと発信したからな……訂正の意味も込めて、連邦生徒会がそう言えば全て丸く収まる」

「連邦生徒会の連中にはもう粗方言ってあんだろ?局長さんよ」

「はい、勿論伝えております」

「……中務キリノに惚れている事も?」

「ヒ、ヒナさん!?」

「……はい。しかし……信じてもらえませんでした」

「だろうな……当時現場にいた私達ですら、目を疑ったからな……」

「まてまて、何故信じて貰えないんだ。俺は本当にキリノさんに惚れ────……ま、まだ言ってないぞ、キリノさん」

「…………はぁ、もう」

 

 

 

危なかった……言う所だった。もどかしいな、本当に。

また、怒られてしまう所だった。途中で止めた、俺も、成長したな。

 

 

 

「……はぁ、不安」

「そうですね、不安です……」

「本当に不安で仕方ねぇよ……」

「不安だな……」

「お、おい……お前等、不安不安って、何が不安なんだ」

「……レンノスケさんが、連邦生徒会の人達に何かしでかしそうで不安なんですよ……各言う本官もですが……」

 

 

 

キリノさんまで……ショックだ。

…なんか、信頼されていないみたいだな、俺。

 

ふむ……しかし、その連邦生徒会の奴らはどうも、こいつ等よりも位が高い様に思える。

 

つまり、俺がその連邦生徒会の奴等に何か、怒られるような事をしそうだから、不安って言っているんだろう。

 

 

 

「まぁ、あれだ。俺がその連邦生徒会の奴らに何か可笑しな事を言わないか、そう思っているのなら、それは無駄な事だ」

「……なんだお前、急に」

「俺に良い考えがある」

「は?ふざけるな」

「絶対に碌な事にならないから、出来れば喋らないでほしいわ……」

「この際、拘束具で口を塞ぐのもありか……」

「カンナ局長、恐らくコイツには意味がない。ここでこそ中務キリノが光るはずだ」

「ほ、本官でありますか?」

「キリノさんの言う通りなら、何でも従うぞ」

「その、皆さんの言う事にも従って欲しいのですが……」

「……うーむ、それは、な……」

「……さっき、私達に言った事、もう忘れたの?」

「むぅ……いや、キリノさんが居るなら、お前等に従うのもな~……って、正直俺は思ってる」

「……は?」

 

「────まず第一として俺は、好きな人と俺より強い奴にしか従いたくはない。お前等、俺より弱いし」

 

 

 

 

“ピキィッッ!!!!”

 

 

 

 

「ほぉ……」

「へぇ……」

「はは……」ピキピキ

「ふぅん……城ヶ崎、貴方……まさか、自分が勝てると思ってるの?」

「あ?……なんだ、試してみるか?別に良いが、恥をかく事になるぞ、お前らが」

「……何だと?貴様……舐めるのも大概にしろ」

「いい、カンナ……ふ、ははっ!おめしれぇ……やっぱ最高だよ、お前……っ!」

「これだけの面子で、そう啖呵を切れるのは生粋の死にたがり屋か……若しくは貴方だけでしょうね」

「……謝るのなら、今の内だ。さっき出来たんだから、出来るだろう?」

「あ、そうだ。お前等、結局キリノさんに言ってないじゃないか。俺に、嘘ついたな……許さん」

「後で言うつもりだったんだがな……それで?許さないから、なんだ?」

「ここを戦場にでもするつもり?」

「それ以外何がある?取調室の時を、もう忘れたみたいだな。いいだろう……お前ら、思い出す前に全員原型が分からなくなるくらい滅茶苦茶にしてや────」

「────レンノスケさん」

「……るのは、良くないよな、警察を目指す人間として。全く良くない。だ、だからその……尾刃、美甘、剣先、空崎、すまなかった。許してほしい」

 

 

 

ま、まずい……マズすぎる。

今のキリノさんの声、全く感情がなかったぞ。

 

あれは……は、果てしなく、怒っている。

み、見れない……怖くて、キリノさんが見れない……。

 

な、何故こんな事に……いや、確かに、今のは俺が悪いかも……俺が悪いな、うん。

 

 

 

 

「お、お前等……お、俺を、助け……」

「レンノスケさん」

「……なん、だ?」

「────本官の方を向きなさい」

「ひ!ひえぇ……はい」

「……………」

「む、向いた……ぞ?」

「下じゃなくて、目を合わせて下さい」

「あ、あの……その……」

「早くしなさい」

「は、はい……」

「皆さん、此処は本官がきっちりと、言っておきます……どうか、レンノスケさんの愚行を、許してやって下さい……」

 

 

 

キリノさんがそう言うと、四人が溜息をついて、分かったと、言う。

 

俺は、キリノさんの言う通りに従い、目を合わせる。

 

……目、目が、とても怒ってる……。

 

こ、怖すぎる……。

い、いつもあんなに優しい瞳なのに……。

 

 

 

「一つ、皆さんに失礼な態度をとった事」

「うん……」

「二つ、喧嘩をした事」

「そ、それは、四人もで……」

「静かにして下さい」

「はい……」

「……三つ、本官の……私の言う通りに従わなかった事」

「あう……」

「……まだ、連邦生徒会本部まで少し時間がありますね」

 

 

 

キ、キリノさんがそう言うと、ニコって微笑んで、そして────。

 

 

 

「────今からお説教の時間です!覚悟してくださいっっ!!」

「ひ、ひえぇっ………」

 

「……これ、少なからず私達にも非がある気がして、なんか……申し訳ないわね」

「城ヶ崎が我々を舐めたのは事実なので……まぁ、キリノに任せましょう」

「ひゅー、ひゅー……」(自分も挑発に乗った身で強くは言えないから取り合えず口笛を吹くネル)

「はぁ……先が、思いやられる……不安だ」

 

 

 

 

 

……そうして俺は、連邦生徒会に着くまで、ちゃんと怒られた。

俺が床で正座して、キリノさんも床で正座した感じで怒られた。

 

怒るキリノさんは、やっぱり可愛くって、めちゃくちゃ怖い。

また……キリノさんの事を学べた。だけど、もう……体験したくない……。

 

 

 

 

……後これは、少し思った事なんだが……気のせいなら良いんだが、怒られてる最中、車の速度が落ちた気がする……気のせい、だよな……?

 

 

 

 

そうして俺らは、連邦生徒会の本部に着いた。

恐らく今の俺は、キリノさんに失望されている。まずい。

 

 

 

 

 

 

 

 

────これは……俺が何とか連邦生徒会の奴らに良い事を言って、キリノさんの信頼を取り戻さなくちゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回

 

 

城ヶ崎レンノスケ、会議を破壊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





誤字脱字、コメント評価ここすき御待ちしております。


そして5話の閲覧、誠にありがとう御座います。

次回のタイトルを最後に書きましたが、ワンチャン変わるかもしれません。一応あれで行こうとは考えていますが。




今作のキリノちゃんは、皆さんはお気づきな方は多いかもしれませんが、一人称が【本官】から【私】に変わる瞬間が多々あります。これは理由がありまして……完全な趣味です、俺の。

真面目なキャラクターが、仕事モードから驚愕や焦燥、ハプニングとかで一人称が素に戻っちゃうような、そんな子が僕大好きでして……キリノちゃんがもしそうだったら、俺は好き好き大好きになるのでこういう感じのキャラにしています。あと、よく怒りますね。なるべくキャラが崩壊しないギリギリを責めていますが、これからキリノは段々と原作寄りにしていこうかと考えています。城ヶ崎をド天然にしてしまったので、どうしてもキリノとか他のキャラがブちぎれてしまうんですよね……。

こんな私の作品ですが、趣味を詰め詰めでこれからも書いていきますので!今後ともお付き合いをどうか、よろしくお願いします。


アンケートです。どうか、御投票を宜しくお願い致します。

  • レンノスケ、配信者に成る。
  • 16歳組によるバレーボール同盟
  • キリノと二人旅
  • 提示版(レンノスケだけど、質問ある?)
  • レンノスケの過去編
  • 本編:カルバノグの兎編
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