九十九 光の気ままな実験録   作:X2愛好家

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本当の事だねぇ


乱入:アニメじゃないねぇ

『おめ…とう…ざ…ま…あな…は今…らアニ…』

 

「ふむ?」

「ほれ見ろ、バグったぞ」

 

『キャ…rrrrrrrrrr』

 

「シャレになんねぇバグり方しだしたぞ!?大丈夫かこれ!呪い発動したり爆発したりとかしねぇよな!?」

 

大慌ての真と、取り敢えず叩けば治ったりしないだろうかと頭が良いくせに馬鹿な事を考えている光。

 

彼女らが現代に限りなく近い日本と思わしき国の、とある地域のとあるビルの屋上でコントをし始めた理由、それは数分前に遡る。

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

 

「実験だー!」

「へいへい、で?今日はどの世界滅ぼしに行くって?」

 

唐突に我慢できなくなり、つい滅っちゃうんだ☆している光。またいつもの発作だな、とジト目で溜め息を吐き出している真。滅亡前提で話が進んでいるのは光の普段の行いが悪いからだろう。暇潰しで滅ぼされたり、混乱の坩堝に叩き込まれる連中には本当に同情するよ、と口にしつつお気に入りのレザージャケットを羽織る真。そうこなくては、と既に外出準備完了の光。その背後にはオーロラカーテンが開いていた。

 

「まーた決めてねぇんだろ?どうせ……」

「今回はちゃんと決めてあるさ、仮面ライダーギーツに関係する世界だよ」

「てことはデザグラか?まぁ、オレは結局ウォーホースに適当なレイズでどうにかするしかねぇんだけど」

 

そろそろロストドライバーでも使ったらどうだい?オレはガイアドライバーの方が馴染むんだよ、と軽くじゃれ合いながら灰色のオーロラを潜る二人。その先で待っていたのは───

 

 

▽▲▽▲▽▲

 

 

「ふぅん、見事に現代日本だねぇ」

「デザグラっつっても歴史の幅が広いからな、下手に古代とかよりマシだろ」

 

どこかのビル、その屋上。転落防止柵の外に広がっている景色は、古代ローマだとか江戸の町並みだとか、そういった遥か昔の景色ではなく見慣れた現代日本のそれだった。

 

「さーて、と。ジャマトかライダーは何処だぁ?その内どっかんばっかん始まるんだろうけどよ」

「……これは?」

「あ?……スマホ?お前が作ったんじゃねぇの?」

 

光が手に持っていたのはスマホ型のデバイス。どうやらいつの間にか所持させられていたらしく、毎度思い付きで製作される光謹製トンチキアイテムという訳ではないようだ。真も見覚えが無いタイプであり、記憶の中にある二つのどちらかかと推察するが、恐らく違う事は本人も分かっている。

 

「ファイズでもカイザでもねぇよな、これ」

「なんならライダーズギアですらないねぇ。むしろ、以前出会ったブライディのナリスマートとやらに近い物だと思うよ」

 

ブライディ・フィフティエス。宇宙帝国ザンギャックの特務技官にして、様々な闇や悪のスーパー戦隊の力を自在に操るホーカイジャーの変身者。そして光と同じく、とある世界の基幹存在から派生した平行同位体。そんな彼女がホーカイジャーへの変身に用いるスマホ型デバイス、ナリスマートが最もこれに近いと言う光。触れてすらいない真はその意味が分かっていないようだ。

 

「じゃあここはスーパー戦隊の世界って事か?」

「いや、違う。スーパー戦隊とも異なる、また別の力を使って戦う世界だろうねぇ。この端末からは多くの異質な力が発せられている。それこそ私のカメンライドや、ブライディのホーカイチェンジのような、ね」

「あぁ、近いってそういう……」

「試しに挿してみようか」

 

おもむろに光が取り出したのは、話題に出していたブライディから受け取ったホーカイレンジャーキー。

 

「挿してみようか、じゃあ……ねぇよ!何で得体の知れねぇモンに得体の知れねぇモンぶっ挿そうとしてんだオメェはよぉ!」

「そこに挿せそうなコネクタがあるからさ」

「そこに山があるからみてぇな言い方すんな!」

「解析も進めて応用段階だから問題無いさ。という訳でそーれーいー」

「知らねぇからな……?」

 

そうして冒頭の場面に辿り着くのである。

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

 

「あーあー……確実にぶっ壊したろ……」

「私の探求心をくすぐったこのデバイスが悪い。それでぇ?いったい何が始まるんだい?大惨事大戦かい?」

「お前好きだよなそのネタ……どんだけ惨事起きてほしいんだよ、ったく……」

 

バグの影響が物理的なエネルギーに転化したのか、画面がひび割れた光のデバイス。レギュレーション説明のような文言が画面に表示されているが、それも一部が文字化けしたり、ノイズがかって読めなくなっていたりと、明らかに正常な動作をしているとは思えない状態になっていた。

 

「ふむふむ……?なるほどねぇ……」

「相変わらず読むの早ぇな」

「速読暗記は技術者必須のスキルだよ。さて、ルールとしては───

 

私を含め200人のアニメオタクがマスターとして選ばれた、最後の1人になるまで戦え。

自分が召喚したアニメキャラが全滅するかマスターである私が死亡すると負け。

呼び出したキャラはこの戦いで選ばれたマスター以外の人間へ危害を加えることはできない。

戦闘時間は事前に予告される。

1バトルの制限時間は30分。

初日は夜7時から7時半までで確定。

2日目以降の予告は5分前に行われる。

戦闘は1日に1回、無い日もある。

現在は1人しか呼ぶことが出来ないが2日目以降はガチャが解禁される。召喚ガチャを回せるのは5回。

最後の1人として生き残ったマスターにはスペシャルな特典がある。それを目指してコロシアエー

 

───だとさ」

「アニオタぁ?お前が?」

「まず間違いなく私はイレギュラーだねぇ。前後の文脈から元々表示されるはずだった文字を考えて、恐らくはこう言いたかったのだろうねと整えただけだし、200人の所は1の桁が文字化けしてノイズも掛かっていた。つまり私は201人目の招かれざる客、ならぬプレイヤー……このゲームに則るならマスターという訳だ」

「へぇ……」

 

いっちょデザグラにちょっかい掛けてやろう、と殴り込んできた光。だが、見知らぬ世界で余計な行動をしたばかりに、不正な形で何らかのゲームに参加する事となったようだ。

 

「オレはカウントされてねぇのな。なら呼んでみたらどうだ?そのアニメキャラクターとやら」

「そうだねぇ。物は試しだ、来ておくれ~」

 

あくまで端末が現れ、レンジャーキー装填という意☆味☆不☆明の行動を取った光だけがゲームに参加している状態らしい。真はプレイヤーとしても、光の手駒としてもカウントされていない為、参加要項であるアニメキャラクターの召喚を行う光。ばっさばっさと白衣の袖を振り乱し、ついでにスマホを天へと掲げて召喚に応じてくれる者を待つ。

 

すると───

 

「おや?来たかな?」

「……だあぁー!眩しいんだよ!」

 

輝きを放ちながら二人の前に舞い降りるピンク色のクリスタル。サングラスでも持ってくりゃ良かったと真が考える程度の光量を誇るそれは、ビル屋上の足場に触れると同時に砕け散り、中に居た少女を吐き出した。

 

「…………?」

 

「ほほう?」

「これまた……ビビッドな女だな……」

 

ゴスロリファッションに身を包んだ、暗いピンク色の髪をした少女。真はまずその色合いにツッコミを入れていたが、光は一目見て確信していた。

 

あぁ、闇か影か、と。

 

「……あなたは……?」

「初めまして!私は九十九 光という者。通りすがりのサイエンティストさ」

「ヒカリ……?サイエンティスト……?」

「光で良いよ、それで?キミは?」

「わたし……わたしは……」

 

「ダーク、ドリーム……」

 

 

▽▲▽▲▽▲

 

 

未だ状況が飲み込めていないダークドリーム。自分たちの情報整理も兼ね、ここに来た経緯や巻き込まれた……もとい巻き込まれに行ったゲームの説明を行う。そうしている内に意識がはっきりしてきたのか、マスターと召喚キャラという一種の主従補正もあり、自身の事を光に語り出すダークドリーム。

 

曰く、自分は「夢原のぞみ」という少女を基にして作られたコピーである。

 

曰く、その夢原のぞみを含めた5人の戦士「プリキュア」を倒す為の存在である。

 

曰く───

 

「わたしがドリームを……のぞみを倒した……倒して、しまった……」

「んん?それがキミ達のレゾンデートルなんだろう?何か問題があるのかい?」

「違う……!これは、本当の世界じゃ……!」

 

本当の世界。その言葉を聞いた光は、スッと目を細め、即座に思考を巡らせ記憶の本棚から目当ての情報を引っ張り出す。

 

(彼女はアナザーライダーに近い存在となってしまっている……いや、むしろ私が呼び出した事が原因か?)

 

【アナザーライダー】

その時代に活躍している仮面ライダーの力を奪い、最後にはその歴史すらねじ曲げ奪い取ってしまう仮面ライダーの仮面を被った怪人。ダークドリームの話を聞く限り、本来倒されて消滅するのはキュアドリーム/夢原のぞみではなくダークドリームの方だったのだろう。だが、このダークドリームはキュアドリームを破ってしまい、「闇の戦士が勝利した事で世界は暗黒に包まれた」という歴史に変わってしまったのだ。

 

次元の侵略者ハンドレッド、そして破壊者ディケイドの力を持つ光が彼女を呼び出した事で「闇のif」が生まれ、歴史が分岐し、アナザーディケイドの能力で召喚されたダークライダーのような状態になっている。

 

そう光は結論付けた。

 

そしてこうも考えた。

 

(利用できる……こんなにも面白いパラドックスを見逃す私じゃあない……!)

 

「取り戻そうか、その友人を」

「……!取り、戻す……?のぞみを!?」

「このゲームで最後の一人にまで残ると、何やらスペシャルな特典があるらしくてねぇ?例えばそれが死者を生き返らせる、あるいは望む世界を実現できる。そういう類いのものである可能性が高いとは思わないかい?」

「のぞみ……!のぞみと一緒に……!」

「何はともあれ、まずは勝たないとねぇ。しかも私以外の参加者は200人も居るらしい。共に戦ってくれるかい?」

 

「……良いわ。あなたと一緒に戦ってあげる」

 

契約成立だ、と握手を求める光。ダークドリームもそれに応え、力強く光の右手に自分の右手を重ねた。ここに奇妙な共同戦線が組まれたのであった。

 

「で、オレは?」

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

 

「デザイアグランプリ……他の世界にはそんなのがあるのね」

「元々はそれに参加するつもりで来たんだよ。何の因果か、全くの別物であるこのゲームに巻き込まれてしまってねぇ」

「何の因果じゃねぇよ、十割お前の過失だよ」

 

のほほんとダークドリームと会話している光、それにツッコミを入れる真、という形で良い雰囲気が形成されていた。この少し前には、何でわざわざ階段なんて使うの?と不思議がるダークドリームに抱かれビル屋上からのフリーフォールを体験している光なのだが、戦闘形態にならなくても強い身体だねぇ!と怖がるどころか狂喜乱舞していたりした。慌ててウォーホースドーパントになった真も、負けじとアスファルトを粉砕するダイナミック着地を披露していたりする。

 

「ちなみに真、キミの過失は修復されないからね?」

「は?」

「この世界が修復するのは召喚したキャラクターによるモノだけであって、キミはただ異世界からやって来て怪人に変身して地面を砕いただけだからねぇ」

「ヤッベ」

「あなた達いつもこんな感じなの……?」

 

狂人と脳筋の扱いなんて習ってないはずのダークドリームだが、この短時間で学習する羽目になったようだ。真だけが過労気味だったツッコミポジション、その代役を務められるようになる日もそう遠くはないだろう。果たして来て良い日なのかは別として。

 

「それで?これからどうするの?」

「何はともあれ初戦突破を目指すよ。最初のバトルは19時で確定らしいから、今は夜を待っている所さ」

 

「ふーん……ねぇ、わたあめ食べたい」

「急だな……何で綿菓子なんだよ?」

「のぞみが、食べてたから……どんな味なのかなって思っただけ……世界はシャドウ、様が支配して人間のお菓子なんてなくなったし。わたし達は疲れない体だから何かを食べる必要もないし」

「重ってぇ話を急にぶっこんで来るじゃん……なぁ光ィ、この世界そこら辺で綿菓子売ってると思うかぁ?」

「出店も無いし、無理じゃないかな」

「オブラートに包むって事を学べ……」

 

しゅん……となるダークドリーム。人の話は最後まで聞きたまえと光がカード状の何かを懐から取り出し、現在は使われていないらしい空き倉庫のドアにそれを翳す。

 

「おまっ……ここで呼ぶ気か?」

「ちょうど定期購入が届く頃だからねぇ、ついでに出来ないか聞いてみるよ」

 

ドアが一瞬だけ黒い靄に包まれたかと思えば、直ぐに元のドアに戻った。靄が出る前との違いは、「コウモリの翼を生やした笑う口」とでも表現できるマークのような物がドアに刻まれている事。少し待っていたまえ、と真とダークドリームを残しドアの向こうに消えていく光。ホントにメチャクチャするよな……と呆れ気味の真と、何が何やら全く分かっていないダークドリーム。数分と経たず、何かが収められた箱を手に光が戻ってきた。

 

「さすがに無理だったよ」

「だろうな。急に言われても向こうが困るだけだろうがよ」

「……???」

 

 

◆◇◆

 

 

『綿菓子……ですか……』

「ちょっとしたリクエストさ。どうだい?」

『申し訳ありませんが、今この場では……』

「ふぅむ、仕方ないか。では支払いを」

『……確かに。では、またのご利用をお待ちしております』

 

「そういえば」

『……?』

「いつものエージェントではないね?私の担当窓口はあの双子だったはずなのだが、人事異動でもあったのかな?」

『……此方にも事情がございます。定期購入は今まで通り続けさせていただきますので、詮索はご容赦を』

「それは失敬。ではね」

 

 

◇◆◇

 

 

「菓子は手に入ったし、後は家電量販店にでも行ってみようか。砕いてメーカーに入れれば作れるだろうさ」

「闇菓子をザラメ代わりにする気か!?てか、この世界の金どうすんだよ」

「この、ハンドレッド謹製どこでも大人のカードを忘れたかい?」

「次々とメチャクチャしやがる……」

 

 

▽▲▽▲▽▲

 

 

普通の人間の買い物はやはり初めてだったダークドリーム。目当ての代物、わたあめメーカーだけでなく洗濯機や掃除機といった、一般家庭ではポピュラーな家電に対しても目を輝かせていた。そのまま同じショッピングモール内のフードコートで卵焼きを頬張り、当面の拠点として高級ホテルを光がリザーブして、と様々な用事を片付けている内に18時55分。

 

「さて、では軽ぅく捻ろうか」

「え?」

「ん?」

 

丁度良い広さだとばかりにホテルの屋上へ侵入した光とダークドリームだが、自分も戦うつもり満々の光に戸惑いを隠せない様子。そして光もダークドリームが一人で戦うつもりである様を見て困惑していた。

 

「いや、だってあなた、普通の人間でしょう?」

「一緒に戦ってくれるかい?と聞いて一緒に戦ってあげる、と返してくれたじゃないか」

「それはそうだけど……」

 

「連れてきたぜ、ほら」

 

困惑しっぱなしのダークドリームをよそに、屋上へ姿を見せたのは真が変身したウォーホースドーパント。自慢の跳躍力でビルからビルへ跳び移り、最後はホテルの壁を垂直に駆け上がってきたようだ。その脇にはぐったりとした人間を抱えており、乱暴に下ろされた人物が光の対戦相手という事なのだろう。

 

「口で説明するより見せた方が早いか。こちらは二人、相手も二人。フェアプレーの精神で行こうじゃあないか!」

 

【READY】

 

【FIGHT】

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

 

翌日。

昨晩の戦いに関して知りたい事、検証すべき事があるとして平然と屋上に再侵入している光とダークドリームの姿があった。遅れて現れたのは真。今は人間の姿のままである。

 

「はよーっす……うぉあっ!?何だよそのバケモンは!」

「おはよう真。何って、私たちの新しい仲間さ」

 

───グルゥ……

 

バトルの最中に破損した屋上設備その他諸々。それらがキチンと元に戻っているか、死亡した敵マスターの亡骸はどうなったか。それらを確認している光とダークドリームなのだが、真が驚いたのはそこに見覚えの無い怪物が加わっていたからである。

 

騎士鎧を纏った巨大な蠍といった姿、馬上槍のように伸びた鋭い尾、そして何より目を引く左右分割式の大盾と一体化した両腕。

 

人々を脅かす悪しき騎士

アラガミ ボルグ・カムランだ。

 

「あー……アレか、ガチャ引いたのか」

「その通り!これで大型モンスターのようなキャラクターを手駒に据えた相手とも互角以上に戦えるねぇ!」

「わたしたち、居るかな……昨日の相手もほぼ瞬殺だったし……」

「テゴワイアイテダッタネー」

「棒読みやめろ」

 

手強いも何も、リエンドに変身するまでもなく、リライドライフルのエネルギー弾で頭蓋を撃ち抜かれた相手マスターは即死だったのだが。恐らく接近戦が得意なダークドリームも居るが、念には念をで召喚ガチャを回した所このボルグ・カムランが召喚に応じ、馳せ参じたらしい。

 

「できればもう一人、人型のキャラクターが欲しい所だが……それも射撃戦が得意なミドルレンジファイター」

「何よ、わたしとボルグじゃ不満?」

 

───キシャア!

 

「そうは言ってないよ。むしろキミ達のサポートを万全にする為にもう一人欲しい、と言っているのさ。いつもなら支援射撃は真の役目なんだが、今回は真の直接的なサポートを受けられないからねぇ」

「…………ふーん、そういう事なら良いけど」

 

───キャァ……

 

(さてはコイツら割かしチョロいな?)

 

そう思わずにはいられない真だった。

 

「もう確認いいでしょ。今日の予定は?」

「バトルが発生するならボルグの初陣、無ければ英気を養おうじゃあないか」

「分かった」

「おう」

 

その夜、バトルマッチングを報せる画面が光の端末に開いた事でボルグ・カムランの初陣が決まった。結果は胸に大きな風穴を空けられた惨殺死体が一つ出来上がった、という物だった。

 

 

▽▲▽▲▽▲

 

 

更に翌日。真が買い出しから戻り、宿泊中の部屋のドアを開けると───

 

「おっ、ハジメマシテー!」

「すいません部屋間違えました」

「間違ってないから!ここが正真正銘シンちゃんの部屋だって!」

「劇場版で嵐呼びがちで種割りながら分身しそうな呼び方すんじゃねぇ!」

 

侵略組織の尖兵兼副官だが、基本的に誰とでも即興コントを始められるのは彼女の才能ではないだろうか。一切助け船を出す素振りが無いままそんな事を考える光。ベッドに腰掛け完全にリラックスモードであり、その傍らには光よりものんびりとした姿勢で、わたあめメーカーを動かしているダークドリームの姿もある。

 

「おぉい光ィ!誰だこのクソ馴れ馴れしい奴は!」

「彼女の名はクラレンス。ガチャで出てきた新しい仲間だよ」

「仲間ァ!?」

「そーゆー事でヨロシクねシンちゃんんんん!」

「いい加減離しやがれぇぇぇぇ!」

 

「そもそも何でドア引っ張り合ってるの……」

 

ぜぇはぁぜぇはぁと息を切らし、完全にドアコントで体力を消耗した様子の真とクラレンス。光はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべ、ダークドリームはバカみたいとジトッとした目を向けている。二人が落ち着いた所で光が本題を切り出した。

 

「今日は本格的な総力戦を行おうと思う!」

「わたしたちを全員出すってこと?」

「なになにー?俺はぶっつけ本番?良いね良いねぇ!そういうの、嫌いじゃないよ?」

 

───シュルルル……

 

「サソリもヤル気だなぁ。じゃあまず各々何ができっかを聞かせてくれ」

「何でシンが仕切ってるの……まぁいいけど」

 

「わたしは……ぶったり蹴ったり、あとダークネスシュートも撃てるよ」

「あの黒ピンクのエネルギー衝撃波だねぇ。そうなるとダークドリームは、クロスレンジ担当の純アタッカーという訳だ」

 

「次は俺で良いよね?ありがと。俺は……まぁ言われたポジションは何でもやるよ?銃の扱いは得意だしナイフと光剣持って突撃しろ、相手を切り刻んでこいでもオッケー!」

「オールラウンダーだねぇクラレンス。なら銃火器を使った支援を頼もうか。無論、キミの好きなタイミングで斬り込んでくれて構わない」

「ヒカリン太っ腹~!じゃ、好きにやらせてもらうよ」

 

「最後は……」

 

───ギシャァァァ!

 

「なぁ、コイツ何が出来んだ?」

「役割としてはタンクだね。盾で攻撃を防ぎ、尾の槍で貫く。一応飛び道具も持っているようだが、メインの戦法は【受けて刺す】だよ」

「ならダークドリームと組んで両前衛、ツーマンセルの方が良いか……?」

「だね、あの巨体に似合わず機敏に動けるし、ボルグが止めてダークドリームが返す、というのもシンプルながらに強力な戦術だろう」

 

「決まり!俺が援護しつつダクドちゃんとサソリが引っ掻き回す!でもって敵は死ぬ!」

「かなり前衛に偏った編成だが……まぁ分かりやすくて良いか。オレは手助けできねぇから、光だけは絶対に死なせんなよ?分かったな?」

 

「ん」

「はいよー」

───グルァッ!

 

真の言葉に各々が応え、端末の中からボルグ・カムランも吼える。戦術が決まった所で、では対戦相手はどうするかという話に移る。周辺地図をベッドの上に広げ、更に光が元から所持しているハンドレッド製の携帯端末も起動し、マップの足しにした。

 

「集めた情報によれば、このホテルから少し離れた所に高校がある。その高校には複数のマスターが居るようでね、下校時間に合わせれば一人は釣れるだろう」

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

 

「女のコスプレ集団?」

 

福村 剛輝(ふくむらこうき)が間の抜けた声を出したのは黎須高校の校舎から出て直ぐの事だった。マスター権限と能力の一つとして、召喚したキャラクターを一般人と非戦闘状態のマスターには視認不可の状態にする認識阻害。それを施して学校に着いてきた青髪の少女、青木れいかから聞かされての一声がそれである。

 

「はい。何でも、軍服の上に白衣を羽織った女性、レザージャケットのヤンチャ?そうな方、ゴスロリ服の女の子。あと金属が擦れるような音を聞いたという通報もあるらしくて……」

「本当にただのコスプレ集団か、もしくは……」

「別のマスターさん、ですよね……」

 

「……………………れいか」

「はい?」

「軍服白衣に、レザースタイル、ゴスロリ。もしかしなくてもアレの事……?」

「えっ?」

 

「マッスターくーん、またはマスターちゃーん、あっそびーましょー!」

 

れいかが聞いたという噂の集団、それに限りなく近い三人組が校門の手前で待ち構えていた。しかもフード付きのマントで全身を隠し、大袈裟に手を振ってこちらを呼んでいる推定ヤベー女が追加され四人組になっている。

 

「何とか素通り───」

 

「出てこないとー!出てくるまでここら辺の人達ヤっちゃうよー!」

 

「する訳にいかないか……チクショウ!」

「ですが、どう見ても罠です!それに私たち呼び出されたキャラクターは一般人に対して……」

「キャラは、ね。でもマスターの方がヤバい奴だったらどのみち被害が出る!」

 

 

◆◇◆

 

 

「みーっけ。あの奥の男子、隠してはいるけど明らかに反応した」

「さすがの観察眼だねぇクラレンス。さて、では始めようか」

 

 

◇◆◇

 

 

「お初にお目にかかる。私は九十九 光、よろしく。えぇっと?」

「福村 剛輝」

「オーケー、コウキ少年。私の挑戦を受けてくれた事、感謝するよ」

「無差別攻撃を仄めかしといてよく言うよ……!」

「そう怒らないでくれたまえよぉ。どうしても相手が欲しかったのだが、誰がマスターかという個人の特定にまでは至っていなかったんだ。実際、被害は出ていないから良いだろう?」

 

学校からそう遠くない工事現場へと場所を移した光。何も良くないとスマホを構える剛輝と、そんな彼を庇うように前に出てきた青木れいかに対し、ゴスロリ服姿の少女が相対するように立ち塞がる。

 

「やっぱり……!君は!」

「わたしを知ってるのね?まぁ、知ってても知らなくても倒すだけ!」

 

「プリキュア!スマイルチャージ!」

 

ダークドリームが戦闘態勢に入ったのを認識し、れいかもまた動く。キュアデコルをスマイルパクトに収め、伝説の戦士プリキュアへの変身を開始したのだ。

 

「しんしんと降りつもる清き心、キュアビューティ!」

 

「おぉー。ダークドリームくん、キミにはあぁいう名乗りのような物は無いのかい?」

「そんなのまだ習ってないもの」

 

「っ……!」

「剛輝さん……?」

 

まだ習っていない。ダークドリームの言葉を聞き、胸を貫かれたかのように苦しそうな顔をする剛輝。彼を心配して、れいかことキュアビューティが身体を支えるように寄り添う。

 

「……戦うしかない、俺たちじゃダークドリームは本当の意味で救えない!夢原のぞみじゃないと!」

 

「その【のぞみ】を……ドリームを取り戻す為に……!わたしは!」

「まぁまぁ抑えて抑えて、はい深呼吸ー」

 

一気に怒髪にまで達したダークドリームだったが、するりと背後に忍び寄っていたクラレンスが肩を押さえて落ち着かせる。そして見せつけるようにガスマスクを取り出し、剛輝の背中に向かって声を張り上げる。

 

「そっちの子ー!俺とヤろうよー、風上は渡さないけどさぁ!それ毒でしょー?」

 

「あらあら……」

「しのぶさんにも気付いてたのか……!」

 

変わった和装姿の女性、胡蝶しのぶが剛輝の背後から歩み出る。事前に真がウォーホースの力で生成していたガスマスクを見せびらかしながら装着し、次いでアサルトライフルを手に持ち構えるクラレンス。

 

「じゃあ作戦通り、ね?」

「分かった」

「キミも出番だよボルグ!」

 

───キャシャァァァァッ!!!

 

「アラガミ!?仕方ないか……!頼むぞ!ディノスラッシュ!燃え盛れ、ティラノサウルス!」

 

───ギャアァァァッ!!!

 

死闘にして私闘、その幕が切って落とされた。

 

 

▽▲▽▲▽▲

 

 

「はぁっ!」

「くっ……!」

 

ダークドリームの後ろ回し蹴りがビューティを捉え、ガードこそされたものの大きく仰け反らせる。

 

「ほらほら、上手く避けないと折角の綺麗な顔に風穴空いちゃうよ?」

「その軽薄さは嫌われますよ?」

 

更にはビューティが踏み込もうとした瞬間を狙って弾丸が飛んでくる。適度にダークドリームを援護しつつ、毒の効果範囲を広げない風上に陣取って立ち回るクラレンス。そして時にはガスマスク頼りで突撃の姿勢も見せ、しのぶへの牽制も忘れない。

 

「ふぅむ、微有利といった所か……一息に戦局を傾けたい所だが……ダークドリームくん?例のアレ、やってしまおうか」

 

「分かった。やあっ!」

「うっ!?」

 

光の指示を受け取ったダークドリームが動く。ビューティの拳をいなし、抱き付くように懐へ入り込み、器材に立て掛けられたガラス板にビューティごと飛び込んだのだ。割れたガラスでダメージを与えるつもりかとビューティの身を案じる剛輝。だがガラスは割れるのではなく、光を放ちながら二人を吸い込むという予想外の事象を引き起こした。

 

「なっ!?ビューティ!……っ、これは!」

 

ガラスに映し出されたのは、ガラスを覗き込む剛輝の姿と鏡写しの工事現場……ではなく、淀んだ雲に覆われた暗黒の別世界だった。そして、その世界に見覚えがある剛輝は困惑を口にせずにはいられなかった。

 

「鏡の国!?何で……!」

 

「シャドウとやらが支配しているらしいよ?それによって作られたダークドリームも入口くらい開ける、という事さ」

 

【KAMAEN RIDE】

 

「っ、しまっ───」

 

「見ているだけは退屈だろう!」

 

【RYUGA】

 

ついに光本人が動き出した。警戒を緩めてしまった剛輝を掴み、鏡の国へ突入していく。黒龍のライダー リュウガへと直接カメンライド変身した光は、剛輝だけを先に押し込み、片腕だけ現実世界に出しながら後続を待つ。

 

「剛輝さん!」

「はい余所見!」

「ぐぅっ……!」

「サソリー!お前も来ーい!」

 

───キュルァ!

 

しのぶに蹴りを入れたクラレンスと、ティラノを盾で押さえ付けたボルグ・カムランもそこへ合流。クラレンスが左手でリュウガの手を掴み、右手でしのぶの刀を抑えて一時的に無力化。更には器用に足でボルグに触れながら鏡の国へと雪崩れ込んだ。これで繋がった一つの存在として認識されたのだろう。

 

「いってぇ……」

「最初はグー!」

「へ?はぁ!?」

「ジャーンケーンポン!」

 

息も吐かせず、何故か剛輝にジャンケンを仕掛けるリエンドリュウガ。何が何やら分からないまま、咄嗟にパーを出してしまった剛輝。悲しいかな日本人の性。対する光はチョキを出していた。

 

「やったぁ!私の勝ちだねぇ。ボルグ、チョキの必殺技だよ!」

 

───ギャシャァァァァァッ!!!

 

「ランニングカッターだ!」

「それムシキングの技だろ!?」

 

ティラノを盾で殴打し、押し倒したティラノを地面に擦り付けながら走り出すボルグ。終点で解放すると同時に投げ飛ばすランニングカッターを披露した。剛輝の言った通り、これは恐竜キングですらなくムシキングの技なのだが。

 

「くそっ……!ティラノ!ビッグファイアキャノンで押し返すんだ!」

 

───ゴアァァァァッ!!!

 

ティラノは今の滅茶苦茶ランニングカッターでダメージを負い、ビッグファイアキャノンをカウンターで放つもボルグ・カムランは健在。属性はゲーム準拠なのか火には耐性があり、恐らく弱点となっているのは氷と雷。かといってビューティはダークドリームに圧され気味であり、クロコダインを倒した時のように凍結させて脆くしようにも、ビューティブリザードを放つ隙が無い。

 

戦況は確実に不利に傾いている。ここから打てる逆転の一手は無いか、そうでなくとも制限時間いっぱいまで耐える手段は。剛輝が限界まで思考を巡らせたその時、思わぬ一手が飛んでいった。

 

光に向けて。

 

「おっと」

「……は?」

 

「うっそだろ、当たりもしないのかよ」

 

一発の弾丸が拳銃から吐き出され、リエンドリュウガの頭部を狙ったのだ。特段慌てる様子もなく回避された射撃を行ったのは、しのぶの隙を突いて拳銃を抜き、その銃口を何故か自分のマスターであるはずの光へ向けたクラレンスだった。

 

「ちょっとクラレンス!何をしているの!」

 

───ギュアッ!

 

「何って、裏切り?」

 

事前に仕込んでいた作戦、という訳でもないらしいクラレンスの凶行に驚きを隠せないダークドリームとボルグ・カムラン。それに対してあっけらかんと裏切り宣言をする当のクラレンス。その一連のやり取りを見た光はリュウガの仮面の奥で笑っていた。

 

「ふふっ、やはりそういう手合いか」

「バレてたか~、さっすがヒカリン!」

「好きにやらせてもらう、と言った時に纏う雰囲気が変わったからねぇ。いずれこうなるとは思っていたさ」

 

どうやら光だけはクラレンスの離反を予想していたようだ。何より、と続ける光。

 

「面白そうだから、だろう?分かるよぉ、私も面白そう楽しそう知的欲求を満たせそうで行動している似た者同士だからねぇ!……それに、私を潰したいと思っているのはキミだけじゃないしね?キミと同じくらいバイオレンスな適合者を集めているんだ、その予行演習として利用させてもらったよ」

 

ほんの一瞬だけ背筋が凍るような視線と声色に変わった光。次の瞬間には元に戻り、さぁこれで晴れて敵同士だとリュウガ用アタックライドのカードを構える。クラレンスに気を取られ、ビューティとティラノに押し返されたダークドリームとボルグもまた態勢を立て直し各々の相手に向き直る───

 

異変は一瞬にして訪れた。

 

「なっ、に……?」

 

「おや?ふぅむ、まぁ保たせた方か」

 

ダークドリームとリエンドリュウガの体に突如としてノイズが走ったのだ。直ぐに全身がノイズに覆われ、動きも鈍る。それどころか鏡の国にも崩壊の兆しが見え始めていた。

 

「どういう事!?これ!」

「この世界が異物として私達を排除しようとしているのだろうさ、正常な防衛反応だねぇ」

「異物って……!」

「三日間か。三日がタイムリミットなのか、ガチャを回した事でリソースが減少したからか、検証したい所だが今は撤退が優先だね」

 

201人目というイレギュラー、不穏分子である光を排除しようと世界の防衛機能───修正力が働き始めたのだろう。そう結論付けた光はオーロラカーテンを発生させ、ラボへの道を作った。

 

「ではね、本来のマスターくん。防衛反応が収まった上でまた気が向いたら来るよ」

「待って!わたしの願いは!」

「一緒に来たまえ、この世界のゲームに限らず理想の世界を作る方法はある。それこそデザグラとかねぇ?それにキミも私と同じイレギュラーとなっているようだ、原因としてキミが消えるのは私も悲しい。さぁ」

「っ!のぞみを取り戻す方法はあるのね……!ウソついたら今度こそ許さないから!」

 

───シャァァァァ!

 

排除される前にオーロラカーテンを潜り、この世界の外どころか、ありとあらゆる世界から隔絶したラボへと戻っていく光。悪魔の囁きに乗り、ダークドリームもそれに続く。イレギュラー判定をされていないボルグ・カムランも、光とダークドリームに続いた所でオーロラカーテンが閉じた。

 

入口を作ったダークドリームが世界から消えた事で効力が切れたのか、元の工事現場に戻された剛輝チーム。とクラレンス。

 

「なーんか怒涛の展開だったねぇ?コーキくんだっけ?俺と契約しない?」

「その軽薄さは嫌われる、と忠告したはずですよ」

「あらら、しのぶちゃんには嫌われたみたいだね。まぁいいや!ホテルニューデザイアって知ってるでしょ?ここからそう遠くない高級ホテル。俺あそこのスイートに居るから、何かあったら連絡してよ!最初の一回くらいは裏切り無しで助けてあげるからさ」

 

そう言って、ちゃっかり光から預かっていた「ハンドレッド謹製どこでも大人のカード」をヒラヒラさせながら帰っていくクラレンス。召喚した光が居なくなっても消滅しないようだ。

 

「斬りますか?」

「いや、いいよ……どうせ制限時間みたいだし……それより疲れた……」

 

その場にへたり込む剛輝。理解の追い付かない展開の連続で疲労困憊といった様子だ。

 

「ダークドリーム……」

 

変身を解除したビューティことれいかは、オーロラカーテンのあった場所に憂いを帯びた視線を向けていた。どこか他人とは思えない悲しき闇の戦士。彼女が目指す世界とは、取り戻したい人とは。いくら問い掛けても、その答えは返ってこない。

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

 

「だからよぉ!帰るならオレにも伝えろ!」

「すまないすまない。真、仕事を頼みたいのだが」

「この流れでか!?メンタルバケモンかお前!」

「フクムラコウキのティラノサウルスを見て思い出したんだよぉ、麗牙クンの迎えに行ってくれたまえ。私の予想が正しければ一戦交えているはずだから」

 

何も知らせず鏡の国から直帰していた光にバチギレの真。あの後、慌てて自分もオーロラカーテンで戻ってきたようだ。光はと言うと恐竜繋がりで思い出したらしいタルボサウルスメモリの適合者、麗牙・R・レクスドライグの迎えに行ってくれとマイペース。真は怒って良い。怒ってはいるのだが。

 

「ったくよぉ……」

「行ってらっしゃいー」

 

オーロラカーテンで戻ってきた直後にオーロラカーテンで出掛けていく真。一発殴っても許される。

 

「これがラボ……?」

 

───シュゥゥゥ……

 

「改めて、よく来たねぇ!ようこそ私のラボへ!歓迎するよぉ、個人としてもハンドレッドとしてもね」

 

祝え!とばかりにダークドリームとボルグ・カムランを歓迎する光。未知の存在であるプリキュアと、未知の生命体であるアラガミが付いてきてくれて嬉しい半分。今回の好き勝手な行動は戦力増強の為だと言い張るつもり満々、良い言い訳ができたと利用する魂胆半分だったりする。

 

「それより、本当に世界を作れるんでしょうね」

「私は嘘は言わないさ。それにあの世界へ戻れない訳じゃあない、座標を固定して正確に飛ぶ為のマーカーもクラレンスが持ってくれている事だし」

「……なら、いい。のぞみの居る世界を創るまでは協力してあげる。ボルグも良い?」

 

───ギュシャッ!!!

 

「ありがたい限りだよぉ。当面は防衛反応が収まるのを待ちつつ、当初の計画通り私の大ッ検証会を進行しようと思う!」

「だいけんしょうかい……?」

 

直ぐ近くに置かれていたリストが視界に入ったダークドリーム。それを見ながら、ドーパントとは何か、何を目的としての検証かという軽い説明を光から受ける。と、パラパラ捲っていたリストの一つで目が留まる。

 

「ねぇ、戦うんでしょ?その検証って」

「そうだよ?それがどうしたんだい?」

「この子の相手、わたしがやる」

「この子?あぁ……」

 

ダークドリームが指差したリストには、一見すると可愛らしい女の子が写真付きで記載されている。

 

「言われてみれば、どことなくキミに近しい雰囲気を感じるねぇ。良いよ、彼の相手はキミに任せようじゃあないか!」

「ん……ん?彼?男の子なの?」

「男の娘だよ?」

 

フリーズしたダークドリームが復帰するまでたっぷり数十秒ほど掛かった適合者。

 

名は美城優輝。

適合したガイアメモリはプリティ。




クラレンス豪遊っ……!
ハンドレッドに届く明細書っ……!

【ダークドリーム】(原作:Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!)
世界の支配を目論むシャドウが、キュアドリームこと夢原のぞみをコピーして作り出した闇のプリキュア。
本来の歴史ではドリームと心が通じ、シャドウの一撃からドリームを庇った事が致命傷となり消滅する。が、アナザーディケイドの因子も併せ持つ光がバグ召喚を行った事で歴史が変わり、ドリームを倒してしまったバッドエンドの世界線からやって来た。
現在は真の元で助手見習いとしてハンドレッドに所属している。

【ボルグ・カムラン】(原作:ゴッドイーター)
アラガミ。
一応の出自として、アニメ版における主人公 空木レンカに撃退された個体らしい。
リエンドライバーに埋め込まれている魔石トリックスターによって、光を主か上位種として認識しているらしく、光や真などを捕食対象とする事は無い。
ハンドレッド所属となって以降は様々な世界をグルメ探訪しているらしく、このまま行けばより上位のアラガミとなれるだろう。
頑張れボルグ!立派な接触禁忌種になるんだ!
ダークドリームと同じくハンドレッド所属となった。

【クラレンス】(原作:ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン)
男性と見間違えるようなアバターメイクが特徴の女性プレイヤー。喋り口調まで男っぽくしている為、初見で気付ける者はそう多くない。
メインアームとしてAR-57、サブアームとしてFN Five-seveNを所持している。
卑怯卑劣上等の愉快犯であり、元の世界でも「共同戦線を張っていた他チームを平然と背中から撃つ」「装備を解除してアンダーウェア姿でハニートラップを仕掛ける」、挙げ句の果てに「所属チーム全員に美人局まがいの事をしてアイテムを巻き上げる」などやりたい放題していた。
本人曰く「男も女もどっちもイケる」らしく、両方とも揃っている剛輝チームに目を付け光を裏切ったようだが、「バイオレンスの予行演習として」見透かされていた模様。
ボルグと同じくバグ召喚ではない正規のガチャで呼び出された事で世界に残留しており、光チームが拠点として使用していた高級ホテルのスイートルームを一人で贅沢に使っている。お支払はハンドレッド請求で。

マスターである光が世界から消えた事で契約が途切れ、現在はフリーの傭兵キャラになっている。その愉快犯気質を御せる自信があるのならば、接触してみてはどうだろうか。


【アニメキャラとマスターの世界】
(原典:100¥ライター 様)
文字通りアニメのキャラクターを召喚して戦う世界。その性質がデザイアグランプリに近いものだった為、誤認した光達が乱入してくる事態となった。
様々なルールが設けられ、キャラクターにも上方・下方修正が施されるなど一定のバランスを保っている。
参加者は200人。最後のマスターになると願いを叶えられるという。

本編↓↓↓
https://syosetu.org/novel/115367/

【福村剛輝】(原典:北凍武人 様)
上記の世界に生きる普通の男子高校生。
ある日ゲームに巻き込まれ、最初のガチャでキュアビューティ/青木れいかを引き当てた事で正式にマスターとなった。
他にも胡蝶しのぶ、恐竜キング Dキッズ・アドベンチャーのティラノサウルス、後に転スラのシュナ等を仲間に加えている。

本編↓↓↓
https://syosetu.org/novel/408815/
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