汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
なお、グルニア遠征軍は二度襲来した
という事にしておいて欲しい
話の構成が甘かった
平に申し訳ない
多分今日の最後の投稿
マルス達は苦戦の末にグルニアの大軍勢を打ち破る事に成功した
…だが、彼等に喜びの感情はない
あの光景が目に焼き付いて離れなかったのだから
それがあの地獄の光景を作り出した
それに対しての戦力は
----
「ゲレタの奴に仲間がいる!?」
「…まさか、あそこまでの手練れとは思わなかった」
「俺もです」
ジュリアンは自分達がワーレンに到着する前日、ゲレタとその仲間と思しき少女がワーレンに訪れていた事をシーザとラディから聞き絶句する
元々単独ですらヤバい奴なのに、それに加えて
「…恐らくは魔道士ではないかと」
「そうですな
マルス様、私もハーディン殿の意見に賛成です
あそこには何の傷もない死体と、恐らく炎で焼かれた様な痕があった死体などがありました」
あの凄惨な光景にあって、冷静さを失わなかったハーディンとジェイガンの言葉に
「…という事は、そのゲレタという人の仲間の女の人は魔道士という事になる」
そうマルスは纏める
「…マルス様。それに加えて、あの1騎だけ離れた所にあった死体
あれはファイアーやサンダーによるものではないと思います
…恐らくはもっと高位の魔法ではないでしょうか」
自身も風魔法エクスカリバーを駆使するマリクも魔道士としての見解を述べる
「となると相手は魔道士2人か
…しかも片方が『慈悲なき刃』となると苦戦は免れんな」
「ガルダの港町でグルニアの遠征軍を壊滅させた奴でしたね
とんでもない奴が生き延びていたもんです」
オグマの言葉にバーツも厳しい表情を隠しきれない
「『慈悲なき刃』?
失礼だが、オグマ殿。その人物をご存知なのか?」
ハーディンの言葉にジュリアンも含めた者達の視線が集まった
「私も直接目にした訳ではありませんが」
オグマはそう前置きをして口を開く
----
マルス殿達に王は知らせておりませんでしたが、タリスにもドルーアからの圧力はかかっていました
勿論、王はその様な恫喝に屈するつもりはなく最悪の場合はタリス王国領内へ引き込んで水際で迎撃する予定だったのです
それ故にサジ、マジ、バーツも急遽タリス王国に召し抱えられたのだ
王の懸念は現実のものとなり、ガルダにグルニアの遠征軍が到着したのです
私やバーツ達は覚悟を決めて、ガルダの港町へと向かう事にしました
…そこに地獄が待っているとも知らずに
----
私もそれなりに闘技場で戦い抜き、王に見出され護衛隊長にまで引き上げられました
場数もそれなりに踏んでいる。そう自負しております
…ですが、我々が見た光景は
そんな生易しいものではなかったのです
----
我々が港町へ船で到着した時には既に全て終わっていました
そこには脚の腱を切られ、身動きの取れなくなった軍馬
何の外傷ひとつなく倒れ、そしてみじろぎひとつしない騎士達
頭や胴を斧で叩き潰された騎士達の死体でした
住民に話を聞けば、グルニアの部隊が到着した直後にサムシアン達も到着
グルニア騎士がサムシアン達に刃を向けた事でサムシアン達も戦う気になったと
そして妙な事ですが
「どうやらあちらさんはやる気みたいだ
命が惜しくなければ出歩いても構わん。その代わり命は貰う
…選べ、此処で死ぬか、俺達に小銭を払うかを」
と言われたそうなのです
そして小銭を受け取ると
「もののついでだ。アレを始末して帰るとする
後でみぐるみ剥ぐなら好きにしろ」
と言われたそうです
住民の中には恐る恐る戦いの様子を見たものがいたそうです
その者が言うには
「そこからは俺が話すよ、オグマさん」
オグマの話を切り、ジュリアンが口を開く
----
あの時の俺の仕事は戦利品の運搬だった
こっちの連中はみな血の気が多い
…だが、誰1人としてゲレタより前に出ようとはしなかったんだ
アイツは自分に迫る騎士に少し目をくれて
「生きるってのは殺す事だ
殺そうとするなら、覚悟してもらう」
そう笑って手首を返した
…それだけだ
それだけなのに、アイツに迫っていた騎士は
身体の内部からズタズタにされて、死んだ
アイツ、ゲレタが言うには
「なぁ、ジュリアン知ってるか?
人の身体ってのは案外内側からの衝撃には脆いもんだぜ」
ってな
突然理解不能な死に方を味方がしたんた
突撃していた筈の騎士達も足が鈍る。馬だって異変を感じたんだろうな
どいつもこいつも少しの間棒立ちだった
そして
「みぃつけたぁ」
怖気のする様な声と共にアイツの腕がまた振るわれた
それだけで敵の指揮官は死んだんだよ
そりゃ、向こうからすれば意味不明だろうよ
俺だってそうなったら動ける気なんてしない
そしてアイツは一言言ったんだ
「敵だ、殺せ」
と
あとは言うまでもなく分かるだろ?
アイツが腕を振るうたびに騎士や軍馬が倒れ、隙を見せた騎士達は斧でかち割られた
アイツは味方に敵が迫ると助けていたが、どいつもこいつもその姿に怯えて命がけで騎士達を皆殺しにしようとしたんだ
----
「ま、これが俺の知っているあの戦いの顛末さ
2度目の時についての話も、いるかい?」
「…いやジュリアン充分だよ、ありがとう
……それで、ジュリアン。率直に聞く
仮にそのゲレタさんと戦って勝てると思うかい?」
「勝つ方法があるとすれば、マリクしかいないと思うぜ?
アイツの攻撃を耐えると言う意味なら、レナさんもいけると思うけどな」
「…体内に直接魔法を撃ち込むのではないのか?」
マルスの重々しい言葉にジュリアンは答え、ハーディンはそれに疑問を挟む
「…なるほど
魔力障壁、ですね」
「ああ」
マリクの言葉にジュリアンは言葉少なく応えた
----
マリクやリンダの様な魔道士の多くは魔力による障壁を戦闘中張っている
その為、魔法に対して高い耐性を持つ事が出来るのだ
またレナの様なシスターは加護という形でやはり魔力による障壁を張っている
残念ながら、ゲレタの魔力でそれらを抜く事は出来ない
…故にジュリアンはそう答えた
答えてしまったのだ
----
そもそも魔力というものは使い続ける事により、個人差はあれど多少成長するものだ
…さて、サムシアンが事実上崩壊してからゲレタは魔法を使わなかっただろうか?
否
勿論、否である
オレルアンで
リンダと話をした村から離れた場所で
あの惨劇の場所で
ゲレタは魔法を行使している
勿論、ゲレタの魔力の成長率などマリクやリンダに比べるまでもなく低い
しかし
…そして、ゲレタは更に自身の技に磨きをかけるべく試行錯誤しているのだ
アカネイアにおいて重んじられる名誉などゲレタにとってはどうでも良い
その異なる価値観。この時代には存在し得ない知識
それらがゲレタの中で1つの答えを出そうと今彼の中で蠢いているのだ
それを不幸にもジュリアンは知らない
----
「しかしその『慈悲なき刃』ってのは何なんだい?」
「命乞いした騎士がいたらしいが」
「アイツの前で敵対行為して、命乞いは無駄だぜ
…多分アイツは俺を殺そうと追いかけてるんだろうさ
…王子、どうだい?こんなケチなコソ泥を自軍に置くよりもさっさと追い出した方が良いんじゃないか?」
「ジュリアン、私は君の人柄を信じて味方に迎え入れたんだ
そして君は私達を様々な面で助けてくれている
追い出すつもりなんて、ないよ」
ジュリアンの冗談めかした、しかし目は真剣な提案をマルスは一刀両断する
「それに聞く限りでは話が出来ない人物ではないと思う
…実際、彼の企図したものかは分からないけど、彼らの奮闘が無ければ私達の中から犠牲者が出ていた可能性は高い」
そのマルスの言葉に皆が頷く
「彼の姿を見つけたら、まず教えて欲しい
話をして、それでも解決しない時に他の手段を考えよう」
マルスはそう締めくくる
「…中々の大器だな、マルス王子は」
「我等にとって自慢の主君ですからな」
話の後、そう笑い合うハーディンとジェイガンの姿があった
という訳でゲレタのヤバさを少し文に起こしてみた
普通にヤバい奴でしたわ、コイツ
一応、脳内で想定しているパラメータを下の方に書いておくので
見たい方はスクロール
見たくない方はスルーでよろしくお願いします
ゲレタ 魔道士レベル15
HP 32
力 7
技 18
速 11
運 20(上限)
守 4
魔防 5
マスクスキル
絶死の一撃
必殺率+15%
カオスルート
-
いる
-
いらない