汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
異端
「⋅⋅⋅⋅⋅何処よ、此処」
明らかに現代とは異なる景色に男は戸惑った
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時はアリティア王国がドルーア、グラ連合軍により滅ぼされた頃の話
アリティア王国の陥落は避けられぬと考えたアリティア王妃は自身の娘、エリスを何としてでも落とす事を考えた
その為に王妃は自らの守りを減らす事すら許容
結果、王妃はドルーアにより囚われの身となってしまう
「エリス様、此処は我等が食い止めます!」
「ご無事で!」
アリティアから逃れたエリスの周囲にいた兵士達はそうして1人
また1人とその数を減らしていく
ドルーアからすれば忌まわしいアンリの血を残す訳にはいかず、アリティア王家の1人であるエリスを逃がす理由はない
グラとしても、最悪の裏切りを働いた以上はドルーアに与し続ける他に活路はない
それ故にエリスに対する追撃は執拗なものとなったのである
エリスの周りに護衛の兵がやがて居なくなる
敵の足止め
敵の注意を逸らす為の陽動
様々な決意を胸に兵士達は死地に向かった
だから、エリスはどれだけ辛かろうと
苦しかろうとも
足を止める訳にはいかなかった
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「⋅⋅⋅⋅⋅物騒な」
男、ゲレタは突然問答無用で襲いかかってきた山賊の息の根を止めてから、不快げに吐き捨てた
徒手空拳で身を守れる
などと思う程にゲレタは能天気でも、楽天家でもない
幸い履いているのは安全靴
ベルトとてやり方次第では武器となろう
それに
「古来からの伝統的な武器はそこら辺に転がっているからなぁ」
とゲレタは自分の動きが最低限出来る位の量、石を集めて持っていた
それに矛盾している様にも思えるが
素手でも人は殺せる
のだ
「重っ!」
ゲレタは自分を襲ってきた相手の武器を持ち上げた
「これはどうにもなりませんねぇ
投擲する程度しか運用法無くね?」
「いや、無理やな
それで敵に新しい武器を補充するとかアホかと」
と
「は?」
視線を遠くにやったゲレタは思わず間抜けな声を出す
そこには
必死に何かから逃げている青髪の女性と
それを追いかける明らかに破落戸と思われる者がいたのだから
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「待てや、コラ!」
男は今日が自分の人生最高の日だと確信していた
何せ身なりの良い美しい少女が1人で何かから逃げているのだ
少々汚れているが、身につけている服は男の見た事の無いものだ
これも売れるだろう
そして何よりも少女
間違いなく奴隷商に売れば高値になるとしか思えない
村娘やそこら辺の商家の娘とは違い、そのたどたどしい動きは慣れを感じさせない
つまり、走る事すらせずに生きてきた
そう思わせるもの
逃す訳にはいかなかった
(ちっ、もう少し近づいてから追いかけるべきだったか)
男は逸った
もう少し考えて動いていれば、と
だが
(ま、それも時間の問題か
あの様子だとそろそろ限界だろうし、な?)
他に狙っているものが居ないのならば、問題にならない
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エリスは必死に逃げていた
先程までとはまるで違う
明らかに自分を狙っている者が後を追って来ているのだ
が、既に彼女の体力は限界に達しつつあり
加えて悪意ある者に追われている。その事実は彼女からただでさえない余裕を奪い去り、その視野を狭めてしまう
「⋅⋅⋅あっ!」
気付いた時にはもう遅かった
小石に躓き、エリスは地に倒れ伏す
(いけない、早く逃げないと!)
そうエリスは考えるが、彼女の思う以上に彼女は疲弊しており、すぐに起き上がる事が出来なかった
「手間かけさせやがってよぉ」
そして悪漢は直ぐそばまで来ていた
(⋅⋅⋅⋅ごめんなさい、お母様
⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅マルス)
幾らエリスが世間を知らぬとはいえ、自分のこれからが明るいものではない事を察してしまう
が
「おい、なんだテメェは?」
(え?)
彼女が振り向くと、そこには見馴れない奇妙な出で立ちの人物が立っていた
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「おい、なんだテメェは?」
俺が聞きたいです、ハイ
なぁんでこんな事やってんの!?
馬鹿なの!?死ぬの!?
気がついたら少女と破落戸の間にいたんですが!?!?
いや、まぁ
ここでこのおっさんと組むのは無理だろうし、助けるならやっぱり美少女の方が良いのは事実
⋅⋅⋅⋅なんだけどさぁ
こんなキャラ違うんよ、俺は
寧ろ少女に気を取られている間に不意打ちかました方が勝算あったのにさぁ
と頭を内心大いに抱えていたりする
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「横取りするつもりか!」
「横取りって、あーた」
「邪魔するなら
死ねぇ!!」
「いやいやいやいや
流石に軽すぎんか!?
何だこの世紀末もビックリなヤバイバルワールドは!」
斧を振り上げて迫ってくる男に
「勘弁しろって!」
容赦なく石礫を顔面に向かって投擲するゲレタ
「テメェ」
突然の事に回避が遅れ、顔面に石礫を受ける
「とりあえず、後ろのお嬢さんや
立てる?」
「は、はい」
ゲレタは相手を見据えながら、エリスに声を掛け
「逃げるなら今のうちだが?」
そう促す
ゲレタとしては折角の情報源となりそうなエリスを逃がしたくはないのだが
それは勝てたらの話
「⋅⋅⋅すみません
あの、その」
(アカン、これ)
エリスの弱々しい言葉を聞いておおよその事情を察する
(ま、しゃーないか
殺されるよりは殺す方がマシってね)
ゲレタはまた人を殺す事を決意した
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「⋅⋅⋅⋅あの、ありがとうございました
私はエリスと言います」
「エリス、さんね
俺はゲレタ。ま、宜しく
で、少し色々聞きたいんだけど、良いかな?」
「は、はい
⋅⋅⋅実は私
追われているんです」
「⋅⋅⋅⋅⋅─⋅⋅マジ?」
「え、ええ」
私を助けてくれたゲレタさんは私の言葉に顔をひきつらせました
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「ごめんなさい」
「⋅⋅⋅ま、しゃーない。あのまま見捨てるのも流石に気分が良くないからなぁ」
私はゲレタさんの背に背負われたまま話をしています
⋅⋅⋅⋅⋅本来、この様な事を見ず知らずの人に頼むべきではないのでしょうが
「重くは
ないですか?」
「あいにくと、比較対象が居ないので分かりません
個人的には肉体的負担よりも精神的な負担が大きい。とだけ申し上げますが」
奇妙な人だと思います
出で立ちもそうですが、此処は何処か?と真剣にきいてきたり、何やら頭の痛そうな顔をしていたりと
でも、不思議な人
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アカネイア大陸でアリティアのエリス?
なんて事だ
もう助からないゾ⭐️
なんてフレーズが頭の中を過りました
と思いました
助けたからには、そのまま放置は流石になけなしの良心が咎めますので
と思ったら、おんぶして運ぶ事になりました
何故に!?
いやまぁ、理屈は分かりますよ?
アリティア王家の生き残りで尚且つ唯一生存が確認されているエリス
となれば、ドルーアもグラも血眼になって探す可能性は決して低くない
⋅⋅⋅⋅⋅待て
つまり何か?
俺、エリスをタリスに連れて行かなきゃドルーアとグラ
ついでにやる気があるかどうかは知らんが、マケドニアとグルニアからも追われる可能性もあるってか!?
に、人気者は辛いなぁ(白目)
あと
そのエリスさんや?
あんまり背負われた状況で話しかけんで貰いたいんですけど
耳元に声がするのは
むず痒いので
⋅⋅⋅⋅⋅⋅と言うか、街中で休めなくね?
まさかのサバイバル!?
マジか
⋅⋅⋅⋅⋅⋅マジかぁ
ゲレタはエリスと話をしながら、盛大に頭を内心抱えた
蒼の姫と黒い異訪者
その物語が始まる
好評なら続けるかも知れない
エリスルートのイチャイチャ(努力目標)
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いる
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いらない