汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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閑話


裏街道を往く

「え?」

 

私はゲレタさんの言葉を聞き、耳を疑いました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレルアンで私は足をゆっくり癒し、ゲレタさんは武器を買ってその鍛練に時間をかけていました

 

 

そんなある時、ゲレタさんは私に今後の予定を話してくれると言い、私はその話を聞く事にしました

 

 

 

 

----

 

 

 

「サムスーフ山に巣くう山賊集団サムシアン

これをどうにかしないとガルダに辿り着くのは難しい

オレルアンの近くの港から直接タリスへ向かうのは、危険が伴う」

 

「でも、ゲレタさん

そのサムスーフ山を通るのも危険なのでしょう?」

 

私は素直に疑問を口にします

ゲレタさんはあくまでも案を提示するだけで、私が疑問を持つ事や異論を挟む事を嫌がらない

 

「そうなんだけどな?

が、海路を通るのと陸路の場合ではいざと言う時の対応の幅が違うのよなぁ」

 

「幅、ですか?」

 

「陸路の場合は最悪逃げられる

実際エリスも逃げていただろ?

が、海路の場合そうはいかない」

 

「そう、なんですか?」

 

海路と言われても実感が沸きません

 

「馴染みがないのかねぇ

ま、エリスは王女だから仕方ない部分はあるだろうが

海路となると移動手段は船となる

潮流や風の具合によって進路もそうだが、到着するまでの時間も変化する

定期便なりが出ていれば良いが、そんな話は聞かない」

 

この辺りがゲレタさんの不思議なところ

この人は本当に色々な事を知っています。アリティアで私やマルスを教育していた者よりも、恐らくは

 

「と言うことは、タリスないし近隣のガルダまでの正確な情報がない可能性がある

聞けばガルダにはそれなりの規模の海賊衆がいるとも

彼方にとっては自分達の庭みたいなもの

そこに突っ込むのは危険すぎると思うわけよ」

 

「⋅⋅⋅えっと、その」

 

少し難しい話だ

 

 

「つまりは

アリティアに全く知識のない者がそこで全力を発揮出来ますか?って話な訳よ」

 

「それは無理ですよね?」

 

「んで、船上での戦いとなれば逃げ場はない

あるとすれば海だが」

 

「泳げない、ですか?」

 

「そう言うこと

逆にサムスーフなら伝を見つけた」

 

??

 

「山賊と言っても略奪1本でなんとかなる訳がない

農閑期、つまり作物などのない時期。彼等はどうやって過ごすのか?」

 

「買う、のでしょうか?」

 

「そうなるだろうな

が、此処オレルアンにすら悪名が届いているとなると、その窓口は限定されている筈

逆を言えば、そういった者達は襲われないって事にならんか?と思ってな」

 

「⋅⋅⋅あまり気分の良い話ではないですね」

 

流石にそれはどうかと思ってしまう

 

「知らん

それとも何か?自分の感情を優先してやるべき事を後回しにしたいとでも?

それならそれで構わねぇが」

 

「⋅⋅⋅⋅ごめんなさい」

 

「⋅⋅⋅⋅気持ちは理解できるがな

力が無いってのは、そのまま選択権を奪われる事と同じなんだ

選ぶ権利を持つには俺達は弱すぎる

⋅⋅⋅⋅⋅⋅悪いな、エリス」

 

「いえ、こちらこそ」

 

ゲレタさんの言葉に私は頭を深く下げる

 

 

 

 

 

 

 

「とにかく、タリスに着く事を最優先しよう

弟のマルス王子もエリスの事で心を痛めているだろうからな」

 

「ええ」

 

力が無い

それがこれ程までに残酷なのだと

 

 

 

世界すら狭めてしまうものだと

 

私はこの日、初めて知ったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 




但し、無茶苦茶大切な話でした



これは短かろうと、単体で上げねばならない

エリスルートのイチャイチャ(努力目標)

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