汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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半ばギャグ回?


端末の変換機能のショボさに辟易する日々。ら


ゲレタ式蹴撃術

「おお、ゲレタの旦那!」

 

「…おや?親方自ら来たのですか?」

遠くオレルアンの地で彼等は再び出会う。

 

 

 

 

 

 

 

「と言う訳でレナの靴を作る」

 

「はい、宜しくお願いします」

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれよ。

どういう事なんだ?」

ゲレタの言葉にレナは少し照れくさそうに、それでもはっきりと答えた。

その場に居合わせたジュリアンが混乱しているが、些末事だろう。

 

 

 

 

「レナさんも戦わせるつもりかよ!」

 

「そうだが?」

事情を面倒くさそうに説明したゲレタだったが、ジュリアンは納得出来なさそうに喚く。

 

ビュッ

そんなジュリアンの顔のそばをゲレタの脚が通り過ぎた。

 

「シスターだからと見逃されるとでも思ったか?

忘れるなよ。他ならぬお前も、その無抵抗のシスターを捕らえた一味だったと言うことを」

ゲレタは冷たい目でジュリアンを一瞥した。

 

「ごめんなさい、ジュリアン。

でも私も守られるだけではいけないと思うから」

そうジュリアンに言い聞かせるレナ。

 

因みに兄であるマチスには既に話をつけている。

 

 

「……そうだな。お前も自分の意思でその道を選んだなら俺は何も言わない」

覚悟のない。力のない言葉がどれだけ無意味なのか、彼も痛感しているのだから。

 

 

 

 

「自身の無能を棚に上げる様な話で情けない限りだがな。自衛の手段はあるにこした事はない」

 

「自衛?」

 

「いや、あれは普通に戦力だろう」

ゲレタの言葉にオレルアンの騎士が思わず疑問の声を口に出してしまう。

 

「でも、職人が居ないと作れない。

そう仰っていませんでしたか?」

レナがそう聞くと、

 

「……来たんだよ。皮職人の親方が」

そう苦笑いしてゲレタは答えたのだった。

 

 

 

----

 

 

蹴りはタリスの民の嗜み

 

そう一部で言われる程にタリスにおいて、ゲレタ発案の安全靴とゲレタの教えは広まっていた。

 

何せ、力の弱った者でも片腕を失った者でも、女子供でさえ要点を学べば習得は容易。

しかも、鍛練は少しの時間でも出来る上に、場所を選ばない。

 

マルス達がタリスを離れガルダの地に着いた頃。タリス付近の海賊などがタリスの富を我が物とせんと襲撃をかけてきた。

が、沿岸には弓兵部隊に内陸部にはシューター。山の上には監視所という中々に素敵な防衛体制。これを突破するのは統率の欠けていた海賊達では荷が重すぎた。

 

 

 

 

中には頭の回る者もいたらしく、上陸に成功。

さぁ略奪をしようとしたのだが、

 

「おじちゃん、誰?」

と子供に声をかけられた。

 

ガキ1人と海賊は斧を振り下ろそうとしたのだが、

 

「おじちゃんキック!」

との幼く舌足らずな声と共に海賊に向けて、蹴りが放たれた。

 

海賊の片足を狙って、鉄板の入った足の甲を使った蹴りが。

 

海賊は今までに感じた事のない激痛に、体勢を崩し倒れた。

 

 

…倒れて、しまったのだ。

 

 

 

「えっと、ゲレタのおじちゃん言ってた。

大人は倒してから、こうしろって」

純真無垢な子供から放たれた無慈悲な一撃。

それは海賊の股間を的確に蹴りつけたのである。海賊の意識はあっさりと刈り取られた。

 

 

その後の事は語るまでもないだろう。

意識を失った海賊は、そのまま駆けつけた大人達によって魚の餌となり、海賊を撃退したカシムの弟は一躍英雄となった。

 

これにより、その有用性が確認されたとして、タリス王やその重臣達は広くゲレタによる蹴りの教え。

『ゲレタ式蹴撃(しゅうげき)法』として定義、それを学ぶ事を推奨したのだ。

 

 

 

この報をオレルアンで受け取ったゲレタは

 

「おい、カシム。お前の弟が何か凄い事やらかしたぞ!」

と大爆笑していた。…内心は複雑だったが。カシムはこれを聞き、更にゲレタへの忠誠心を高め、自身も蹴りの鍛練にも勤しむ事を強く決意した。

 

ゴードンはまだ装備の重さに少し振り回されているが、カシムは元々猟師。身のこなしには自信もあるし、何よりも敬愛する主君の教えにして、家族との繋がり。

発奮しない筈がなかったのである。

 

 

 

 

そして、その蹴りの教えを当時ゲレタから教えられていた者の1人が、安全靴の製作に大きな貢献をした皮職人の親方だったのである。

何せ自分の丹精込めて作り上げた安全靴の使用法(誠に遺憾であるby異世界の住人)だ。それを会得しない理由はなかった。

 

更に蹴りの鍛練は健康維持にも役立つ事となり、ゲレタ式蹴撃術は老若男女を問わず広まったのである。

なお、創始者であるゲレタは一切関知していない模様。

 

 

親方はカシムの弟の活躍を聞き、それはもう大喜び。

 

 

 

「ゲレタの旦那は護身の為と言ってたが、凄いもんだ」

 

オレルアンに向かう途上、サムスーフで山賊に襲われた。親方は襲ってきた山賊の(あたま)を全力で蹴り抜き、山賊は吹き飛ばされ、二度と動かなくなった。

 

この正気を疑うような光景を見た山賊達は動揺。護衛の騎士達により殲滅される。

 

 

「なんだ、あれ」

…訂正しよう。騎士も動揺していた模様。

 

 

 

 

そんなこんなあって、親方の活躍を見たオレルアン騎士は正直言って、ひいていた。

そして、その親方の蹴りよりも明らかに威力のある蹴りを放ったゲレタの事も。

 

 

----

 

 

「あれはあくまでも自衛の為のものです。

くれぐれも過信しない様にして下さいよ」

 

「旦那程に動けねえからなぁ」

ゲレタと親方は会話していた。親方はレナの足の寸法に合わせた安全靴を作りながら、だが。

親方も慣れたものだ。何せタリスの安全靴と言えば彼の所のものなのだから。

今は弟子達に店を任せているし、安全靴の生産を本業にするつもりはない。

 

 

 

 

市場(しじょう)がタリス国内に限定される限り、それ1本に頼るべきではないでしょうね」

当時のゲレタのその言葉に親方は満足していた。

 

 

(あくまでその時限りって事か。

良く見てやがる)

だからこそ、親方は自分の自慢の娘をゲレタの嫁にしようとしたのだ。

流石に無理筋ではあると解ってはいたが。

 

 

 

----

 

 

「どうだい?」

 

「少し、重いですね」

 

「慣れろ」

レナの言葉にゲレタの身も蓋もない言葉が返ってくる。

 

 

「…旦那。気をつけてな?」

 

「親方も元気で」

 

「なぁに、マルス王子がアリティアを取り戻して俺の弟子をアリティアに向かわせるまで、死ねねえよ

ゲレタの旦那も無理しなさんな。エリス様を泣かしちゃいけねぇぜ」

ゲレタと親方は手を固く握り、そして別れた。




ゲレタ式蹴撃術

創始者 ゲレタ
師範代 カシムの弟妹たち
弟子 マルス達など
タリス王を始めとしたタリスの民




なんだこれ、バグかな?(白目)

エリスルートのイチャイチャ(努力目標)

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