汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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哀しみに囚われたので投下。
悲しいねぇ


(いざな)

ゲレタは少し悩んでいた。

 

「手札、少なくない?」

 

 

 

「貴方の手札が少ないなら、殆どの人が無いに等しいと思うのだけど」

とのエリスからのツッコミは聞こえなかった模様。

 

 

 

 

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「剣の手合わせですか、是非!」

 

「お、おう」

ゲレタが真っ先に向かったのは愛する弟のマルス。

マルスとしては、タリス以降兄との手合わせの時間が減っていた事を不満に思っていた。その為、ゲレタからのそれは望むところと言えたのである。

 

「まぁマルス様ったら」

 

 

その微笑ましさにシーダは満面の笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

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相変わらず読みにくいっ!

 

 

ゲレタとの訓練でマルスは兄の強さを改めて感じる。兄の僅かな挙動や視線の動き、更に兄は意図的に音を出して集中力を削りに来る。

そして何よりも、

 

「せやぁっ!」

 

「ほれ」

間合いの取り方や隙に対する感覚が恐ろしく高い。

これでも兄は蹴りや腰帯などの奇襲を一切封じているのに。

 

 

 

 

 

「…勝てませんでした、完敗です」

 

「貝の様に閉じ籠った俺は面倒だろう?」

鍛練を終えたマルスは兄と水浴びをしながら談笑している。

 

「正道だけで勝てれば良いんだがな。どうしても鍛練の時間が取りづらい」

基礎能力で劣らなくとも、技量の差では劣る。

ならばいっそ奇策を縦横無尽に張り巡らして、その蜘蛛の巣に敵を絡め取った方が良いのでは?との考え、至ったのが今のゲレタの戦い方。

 

「実はマルス」

 

「はい」

 

「手札をもう少し増やそうかと思うのだが」

 

 

 

 

何故か弟から怒られてしまいました。

確かにアレを使ったのは悪かったと思ってはいる。サジ達からも

 

「ゲレタさんの焦りは分かりますけど、マルス王子やエリス様の気持ちも分かって下さいよ」

と言われた。

 

流石にアレをメインに据える事はしないんだが、なんだかなぁ。誤解されている気がしなくもないのだが。

 

 

 

----

 

 

「自業自得だ」

 

「私もナバールに同意せずにはおれませんよ」

解せぬ。

歴戦の傭兵であるナバールとオグマ。二人に相談しに行くと、開口一番ナバールに斬って捨てられた。

その切れ味はキルソードの一撃より鋭い。

 

 

手加減とか、ご存知でない?

と思ったのは此処だけの話。

 

 

「冗談はさておき、ゲレタ様の手札は充分かと思いますよ。正直あなたが敵に回ったら、勝てる状況が想像できません」

 

「…別に冗談ではないが」

ナバール、シャラップ!

しかしなぁ、マンネリ化していて不安なんだよ。

 

「不安、ですか?」

オグマの言葉に頷くと

 

足を止めれば俺は皆についていけなくなる。そんな気がしてなぁ。

と思わず弱音を口にする。

 

確かに俺は傍目優秀な軍師なのだろう。

そうあろうと努めているし、将来脅威になるものは毒を仕込み、弱体化させている。

 

 

が、それでも思うのだ。

 

もっと出来る事はあるのではないか?とね。

 

 

 

 

 

全く見たことのないゲレタの様子にオグマは戸惑う。

しかし

 

「お前は俺に言った筈だ。『色々()れ』と。

それはお前にも当てはまるのではないか?」

ナバールのその言葉に

…手厳しい事で。

そう苦笑する。

 

「お前のマルス王子達に課しているものよりは軽かろうさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前があそこまで言うのは珍しいな」

 

「…多少俺も思う事くらいはある。

それだけだ」

そう二人はゲレタを見送った。

 

 

 

 

----

 

 

「…なるほど、それは盲点でした。

しかし微細な魔力の制御が必要となるでしょう。

アイネ、貴女はゲレタ様の後継者として期待されているのです。励みなさい」

 

「はい!ゲレタ様、必ずこれを形にしてみせます」

ふと閃いた事があり、エレミヤのもとへ向かい話をしてみた。エレミヤは致死率を上げる為のそれは難しいとしたが、エレミヤの魔道士としての後継アイネにそれを託すらしい。

 

「しかし、これは表に出せない技術となるだろう。

エレミヤとアイネの二人にのみ伝えるべきだろうか?」

 

「…そうですね。私個人としては革新的な技術(もの)と思いますが、如何せん大陸の中では異端として見られるかと」

 

「私もそう思います。ゲレタ様の戦い方の様に重要な局面でのみ使うべきではないでしょうか?」

三人はそれぞれ意見を出し合う。

 

 

「それにしても、ゲレタ様。

何故この様な事を?失礼とは思いますが、焦っているようにも思えます」

 

「これから話す事は他言無用。

これを知るのはお前達以外、エリスのみ」

エレミヤの言葉にゲレタは答え

 

「…それでも聞くか?」

そう聞くのだった。

答えは二人とも決まっていた。

 

 

 

 

----

 

 

「大賢者ガトー。

お父様とガーネフの師。そして」

リンダはゲレタから聞かされた話を自分の中で整理していた。

少なくとも、父の事があったとしても今の自分は無力な小娘だ。そんな自分に大賢者の名前を使ってまで偽る理由はない。そうリンダは感じた。

 

 

マルス王子やニーナ王女に頼る事も考えた。

でも、あの二人は光の下の人間だと一目見て分かった。

 

ケネスは『我等が光』と言っていたが、リンダにはそう思えなかった。

 

光の中に無理矢理闇を圧し隠している。そう思えてならない。

 

 

ゲレタは言っていた。

 

「復讐もまたひとつの正義だろう。

それを果たして、どうなるか?それには興味がない」と

 

 

それで奈落に落ちるなら、それでも良い。

私は復讐の為の牙を磨く事とした。

 

 

必ず願いを果たすために

エリスルートのイチャイチャ(努力目標)

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