汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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流石に総本山や教会は焼きませんよ?
ですが、それなりの扱いはします。


感情

「あなた方教会が何を信じ、教えを広める。

それは好きになさると宜しい。我々アリティア軍はアリティアを解放しますが」

 

「その際、教会のあり方を一度見直すべきとマルス王子と話をして決定しております」

ゲレタの言葉に教会の者達の表情が強張る。

 

「お待ちください、教会の教えは」

 

「私はしがない平民でした。

アリティアから逃れるエリス王女と偶々出会う事となり、ドルーアなどの追っ手から逃げオレルアンまで逃げ延びる事が出来ました」

代表の言葉をゲレタは敢えて無視する。

 

「オレルアン、ガルダ、タリス、ワーレン。そしてアカネイア。それらの地であなた方の活動を。

そして、この総本山の今を」

その言葉に教会の者達は固まった。

 

 

「この荘厳な総本山。潤沢な物資に清廉な空気やあなた方の服。

しかし、私はこの様な教会を各地で見たことはありません。お伺いしたいが

あなた方がすべき事は何でしょうかな?

ゲレタの言葉にノアの視線も強まる。

 

 

「組織ですからな。寄進を集めるのは否定しませんよ。ボア殿の様に国の中枢に人を送るのも理解しましょう。

が、未だアカネイア国内の経済は戻ったとも聞きません。総本山近くの村落も困窮に喘いでいます。

あなた方は良く貴族や王家に陳情する時、こう仰ると聞きました

民のためにとね」

ゲレタは教会の者達を見据え

 

「あなた方の言われる民とは何なのか?

お聞かせ願いたい」

 

 

 

----

 

 

 

ほう、面白い。

 

ゼムセルはこの痛快な見世物を特等席で眺めながら、笑いをかみ殺すのに必死だった。

忌々しい盗人を信仰する連中と未だに返されぬナーガの遺産。

しかし、モーゼスがメディウスに妙な人間(・・・・)の話をした事で少し面白い事になった。

 

 

 

 

「ほう、ロプトウスの名を知る人間か」

 

「中々に面白い人物だった。魔竜である我に怯む事なく

…いや、怯んでなお渡り合おうとしていたからな」

 

「信用するに及ばんと思うが?」

 

「これからを見定めるのも一興だろう。

別に情けをかける理由もない。死んだならそれまで」

モーゼスの言葉に

 

「死ぬか?」

メディウスは愉しそうに問いかける。

 

「死ぬまいよ。あれは嘗て貴様らが認めた古き人間に近いようにも思える。

力が及ばずとも、それで諦める程に潔くあるまい」

 

「それは

楽しみだな」

メディウスとモーゼスは嗤った。

 

 

 

そしてパレスは奪還された。

城を守っていたショーゼンを倒したと。

 

それがモーゼスと話をした者である。それを知ったメディウスとモーゼスが送り込んだのが私。

 

 

あれは我等へのメッセージだった。

此処まで来たぞ、との。

 

 

----

 

 

 

「貴殿らは民の為と嘯きながら、その為に動いて居ない事は既に調べがついている。

各地の教会はニーナ様もお認めになっているが、総本山の存在意義があると思いがたい」

ノアは淡々と告げる。

 

「各地の教会は王国が責任をもって預かろう。

ゲレタ殿、御足労をおかけした」

 

「面白い話が聞けたので、よしとしましょう」

ノアとゲレタは席を立つ。

 

 

「待って下さい!

アストリアは、彼はどうされるのですか?」

ミディアの悲痛に満ちた声がそれを引き留めた。

 

 

 

----

 

 

 

「と言われると?」

 

「っっ!」

ミディアは必死に悲鳴を押し隠す。

自分を見るその目は漆黒に染まっていたのだから。

 

 

「恋人を人質とされたから、裏切り恋人の命を救う。

結構な事だ。個人としてはその判断を称賛もしよう。守りたい者を守る為なら、あらゆる手段を使うのは悪い事ではない」

ミディアは内心安堵したが

 

「では、それを亡くなった者の遺族達に直接説明出来るだろう?」

 

「私を助ける為に、多くの命が失われた。

だからアストリアは悪くない、と」

その言葉に動けなくなってしまった。

 

 

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「それは、違うのではないか?」

 

「違う?」

思わず教会の者が口を挟む。

 

「勇者アストリアは」

 

「たとえ勇者だろうが、魔王だろうが賢者だろうが変わりはしませんよ。この世にあって、他者と交わり生きてゆく。

まさか教会、『民と共にある』と掲げておられる組織のしかも総本山に居られる方がその様な考えとは

…残念ですな」

ゲレタの言葉に

 

「む、ぐ」

口を濁す他になかった。

 

 

 

「どうにも皆様は誤解されておられるらしい。

民衆と言うのは恐ろしいもの。彼等は辛抱強く、滅多な事では激発しません。

が、一度でも激発すれば、どうなる事やら」

肩を竦めてゲレタは語る。

 

「それから理解を求めようとしても、それは既に手遅れとなります。一度噴出した怒りは容易く収まることを許さない。

あなた方とてそうでしょう?ニーナ王女の決定に納得していない。理解しない。

ミディア殿もそうでは?

なら、どうして、あなた方だけ許されると思うのでしょうかね?

 

「我々の数々の非礼。お詫びする」

代表は頭を下げた。

 

「ニーナ様に伝えよう」

ノアは苦い表情でそれだけ伝え、ゲレタ達と共に総本山を後にする。

 

 

 

----

 

 

 

 

「パルティア、確かに預かった」

 

「ラーマン神殿に入れますかね?」

ゼムセルはゲレタの言葉に

 

「入る必要はあるまい」

と笑う。

 

「…確かに」

 

「これを戻したならば、メディウスから正式にそなたに使者を出そう。

アレはまだ姿を見せぬ。心当たりは?」

 

「かの御仁はどうにもカダインに思い入れがあるのやも知れませんな」

油断ならぬ人間よ。が、敵とはこうあるべきよな。

ゼムセルは笑い

 

「そなたが願うなら、我等と共に戦う道もあろう。

少なくとも、あの男より余程見所はある」

と誘う

 

「光栄な話ではありますが、私も守りたいものがありましてね」

 

「そうか。では何処かの戦場で(まみ)えるとしよう」

そして、別れた

 

 

 

 




実績

パルティア返却、達成!


メディウスの関心が上がった



エリスルート完結記念の外伝

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