汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
故郷とは支えである。
家族もまたそうだとエリスは改めて思った。
夫となる人物は故郷に二度と帰れない。家族にも会えない。
だから、私はあの人の
ゲレタの帰る場所に、安らげる場所になりたい。
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アリティア王妃リーザの帰還。
それはマルス達にとって予期せぬ朗報であり、ゲレタの手回しの結果ではないか?と見られた。
勿論、ゲレタにとっては想定外。
リーザを助けるとしても、それはアリティアで地下活動をしているモロドフの管轄。
らしくない程に狼狽えるゲレタの姿に、アリティア軍の者達は
と本人に知られれば、ゲレタ式訓練を課される事が避けられない感想を抱いていたそうな。
アリティア軍豆知識
ゲレタ式訓練とは、アリティア軍軍師ゲレタによる教育を指す言葉。
戦闘訓練のみならず、政治や経済の基本(講師視点)を詰め込まれる。傭兵であるナバールからは不評であるが、概ね好意的に受け入れられている。
ただし、その後高確率でエリスないしはマルスの機嫌が少し悪くなるので、多用は推奨しない。
ゲレタとしては、リーザと会うのは喜ばしい事ではある。
あるのだが、ゲレタからすれば彼女はエリスの母。つまりゲレタからすれば義母となる訳だ。
一応多少のマナーは学んでいるが、貴族相手の礼儀作法とて完全に会得したとは言い難い。
ゲレタとしては、それよりも手を尽くす方が優先すべき事だったのだから。
が、そうも言ってられない。
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「あなたがゲレタさんですね?」
「はい。お初にお目にかかります、リーザ様。
勝手ながら、御息女の婚約者となったゲレタと申します」
リーザはゲレタから不思議なものを感じた。
それは亡き夫コーネリアスや息子や娘と違うもの。言語化するのは難しいが、母として何かを感じるのだ。
「いいえ。貴方がエリスを助けねば、エリスはドルーアに捕らえられていたでしょう。
これまでの事、モロドフから少しではありますが聞いておりますよ」
「勿体無く」
「貴方がエリスを愛し、マルスを支えようとしてくれているのは少し見ただけでわかります。あの子達の母ですから。エリスを頼みます。貴方ならエリスを幸せにしてくれると信じられますから」
「必ずや」
私の言葉に彼は真剣な顔で頷くのでした。
「ところで、ゲレタさん」
「はい、何でしょうか?」
「貴方も私を母と呼んでも良いのですよ?」
「…前向きに検討します」
ふふ、まさか生きて二人の晴れ姿が見られるなんて。
あなた
二人は幸せになるわ。
見守っていてくださいね?
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「ガーネフよ」
「なにか?」
「お前も哀れなものよ」
メディウスの言葉に一瞬何を言われたのか理解出来なかった。
「人として強くなる事を捨て、魔に堕ちた。
なるほど、お前は確かにアレの弟子よ」
玉座に座るメディウスは
「…見るに堪えん。
少し前までの儂ならば、或いは見れたのだろうが」
そうしてブレスを放ったのだ。
「随分とあっさり始末したものだな」
「あの者を見た後で、コレを許せるか?」
「無理だろうな。確かに」
メディウスはモーゼスと心底楽しそうに言葉を交わす。
「して、何とする?」
「あの者は我等に覚悟を見せた。
なれば、我等もまた覚悟を見せねばなるまい」
「あの者が人間とは皮肉なものよ。
モーゼスはそう言い残すとその場を去った。
「我等の戦いに邪魔はさせぬ。
覚悟のある者のみが戦い、喰らい合う。
ナーガよ、見ておるか?貴様がフォルセティ達と手を入れた世界。そんなものより貴様が願った世界は此処にある」
我等の生も死も。
全て無駄にならぬ。
我等が歓喜の咆哮を、天に還った貴様にも届かせてくれようぞ。
その日、ドルーアの奥地に歓喜の咆哮が共鳴した。
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「これが、今のグラ王国軍」
「民衆の支持を失った軍。いや国の末路だな」
マルスの言葉にゲレタは事もなく言い捨てる。
「こう言っては何だが、ジオル王のした事も間違いではなかった。
が、彼はそこで終わった。終わらせてしまった。
だから、民から見放され無様を晒した。それだけだ」
「何が足りなかったのでしょう」
「物事に正解なんぞ早々あるものではない。
選択を正解に導くのも俺はアリだと思っている」
ゲレタの言葉に
「それは、兄さん少し難しいです」
シーダは困った顔で訊ねる。
「ふむ。
例えば、そうだな。
俺がパレス解放において使った兵器。覚えているか?」
「あのシューターですね」
「あれだけなら、恐らく後に問題となっただろう。
敵は倒せたが、結果としてかなりの範囲に死体をばらまく事になった。更に技術的な流出もあっただろうな」
「パレス付近の敵を倒す。その意味なら正解ではあった。しかし、その後の事まで考えると決して好ましい事とは言えない。
物事には短期的、中長期的に考えるべきものがある」
マルス達はゲレタの話を真剣に聞く。
「が、得てして人間と言うのは眼前の問題を最優先とし、その結果窮地に陥る事も少なくない。俺もそうだな。
だが、それでは困る。だから俺は選んだ先を正解にする為に動いている。
先の喩えなら、死体を片付けさせる事やシューター自体を解体させ、その木材を消費させる。
それを纏めて解決させる手段として、ドルーア軍の死体処理を周囲の村落にも声をかけ、武器や防具は再加工させた」
「なるほど」
ジョルジュはそうとしか言えなかった。
たったあのひとつの行動にそれだけの意味を持たせ、それらを組み上げた事に。
「ジオル王は足を止めた。
彼は泥の中に足を踏み入れていたのにな」
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グラ王国に対してマルスはあくまでも食糧の放出のみに留め、祖国アリティアの解放へと動く。
既にアリティア付近の戦力は壊滅しており、マルス達を阻む者は居なかった。
それどころか
「王子!お待ちしておりましたぞ」
モロドフ率いる部隊がマルス達を迎え入れ、僅かに残っていたグラ軍と混乱に乗じて動いた賊を討伐。
此処にアリティア解放は成されたのである。
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そのマルスの元に来訪者があった。
白き賢者の異名を持つガトー。
彼は言う。
メディウスを倒すためには嘗てアンリの辿った道を辿らねばならぬと。
マルスはそうであっても、今すべき事ではない。人を軽んじれば、いつか報いを受けるのだから。
とガトーの言葉に反論。
ガトーは已む無く日を改める事とした。
その帰り道
「御大層な事だ。
大賢者ガトー。しかし、アンタに用があるのはマルスではない。
…なぁ、モーゼスさんよ?」
「何?」
突然言葉をかけてきた男にガトーは不審なものを感じるが
ゴオッ!
そんな事に気を払う事は出来なくなった。
「が、はっ」
「ようやく見つけたぞ。神竜族の面汚しめが」
そこには魔竜の王の姿があった。
「随分と好き勝手に人の世を振り回してくれた。
挙げ句、
そして、怒りに燃える目を己に向ける男。
モーゼスは今相手取るのは難しい。転移魔法を使うとしても、足取りを掴まれる。
ならば、ガトーは男に向かって駆け出した。
この男を無力化し、身を隠す。
それが最良であると考えたからだ。
幸いにも
そう思って
これからガトーはどうなるでしょうね?
約定は果たす。それが信頼されるために必要な事
エリスルート完結記念の外伝
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いる
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いらない
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そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
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そんなことよりチキを出せ
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その他