汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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短め。


それぞれの戦い

「姉上、いえ姉さん。本気なのですか?」

 

「ええ、マルス。

私はあの人と共に居る。たとえそれが戦場だとしても。世界をかけた戦いの場だとしても」

アリティア城のエリスの私室。

そこで珍しくマルスとエリスが険悪な雰囲気で見つめあっていた。

マルスは基本的にエリスの事を姉上と呼ぶ。それは自分の立場を理解しているから。それこそ、それ以外の呼び方をしたのは幼少の頃であろう。

まだ己が背負う責の重さを知らなかった頃。

 

 

「お母様とは話をしたわ。

後はマルス、あなたとあの人だけ」

エリスはいつものドレス姿ではなく、ドレスシャツとズボンの出で立ちで

 

「あなたが反対するのは解っていたわ。

マルス。でも私も退けないの。

あの人への想いを嘘にしたくないから」

 

「……何年ぶりですかね。私

いえ、()と姉さんがこうして喧嘩をするなんて」

マルスは上着を脱ぎ、椅子に掛ける。

 

 

「そうね」

そして二人は想いをぶつけ合った。

 

 

 

 

----

 

 

 

「うっし、これでいいな」

タリスからアリティアへとやって来た鍛冶師の男は連れてきた弟子達と部屋を見回す。

 

此処はアリティア城下にある武器屋だった場所。

モロドフがアリティアにて地下活動をするにあたり、喫緊の課題としたのは、武器の調達方法の確立だった。

 

既存の武器屋は使えない。

間違いなく手が及ぶから。

 

そこでモロドフはゲレタと話し合い、結論を出した。

 

 

 

ならばいっそ郊外に新たに作ると。

勿論言う程に簡単で無いのは承知していた。

 

しかし、モロドフは元アリティア騎士マクリル等の協力とゲレタからの国外からの物資支援によりこれを解決。

 

そして空いた武器屋にはタリスから移住してくる鍛冶師を招く事としたのである。

 

 

 

「ったく、相変わらずぶっ飛んだ事を考えるお人だよ、あの人は」

嘗て皮職人と共に安全靴を創り上げた男は、楽しそうに笑うと

 

「よし、お前ら!時間はあんまりねぇんだ。準備はしっかり整えとけ!」

と弟子達に声をかけたのだ。

 

 

 

----

 

 

 

「マケドニア王、ミシェイルだ」

 

「良く来てくれました。ミシェイル王。

アカネイア女王(・・)ニーナと申します」

 

「近衛兵長ハーディンと申す。此度我等アカネイアの無理を聞いて貰い感謝したい」

パレスではミシェイルを交えた話し合いが行われていた。

 

 

「…正気なのか、これは?」

ミシェイルは話を聞いたあと、思わず素直に口にする。

 

「ええ、私も最初に聞いた時はそう思いましたよ」

ニーナは楽しそうにくすくすと笑みを溢す。

 

「正直、あの人物の発言でなければ聞く事もなかったでしょうな」

ハーディンもまた苦笑を隠さない。

 

「確かに起死回生の一手である事は否定できん。

が、中々に分の悪い賭けになる。それを理解しているのだろうが」

 

「しかし、だからこそあなた方にとっては禊となるのではありませんか?」

 

「…仕方ないか。

わかった。我等マケドニアは捜索と主力を決戦に参加させる。無論私も出よう」

ミシェイルは苦笑を浮かべ確約した。

 

 

 

「ところで、グルニアには声をかけないのか?」

 

「使者は出した。その者も戻ってきたのだが、どうやら此方を信用できぬらしい。無理もないが」

 

「私としても残念ではあります。

ですが、それが彼等の選択であれば尊重したいと思っていますので」

 

 

 

 

 

 

そして世界は動き出す

 




戦いは事前準備が大切。
決戦に向けて動き出します。

エリスルート完結記念の外伝

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