汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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グルニア編。

元々あまり触れる予定はなかったけど、まぁ良いか。


後日談 忌むべきもの

グルニア国内の混乱、未だ収束せず。

 

 

その報がゲレタの元にもたらされたのは、アリティアとタリスの間で継承問題の話が終わった直後だった。

 

 

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マケドニアのミシェイルは各国との関係回復の証として、連絡用員を各国に派遣する事を提案。

 

良好な関係の維持こそがマケドニアの未来と存続に必要であり、マケドニアの誇る竜騎士と天馬騎士の存在は唯一無二のものである。

それをゲレタとの各国を巡った際に身をもって理解したのだから。

 

 

それは訪問を受けた側も同じであり、地理的要因に左右されず、妨害を受ける危険性も低い。

懸念すべき点も勿論存在するが、それを加味してもミシェイルの提案は検討するに値するものであった。

 

 

 

既にアリティアとアカネイアには話をつけており、両国とアリティアの宰相。つまりゲレタにも連絡用員として天馬騎士パオラを専属でつけていた。

 

無論、アリティアとアカネイアは連絡用員の派遣に対して見返りをマケドニアに用意しているし、連絡用員にも報酬を渡している。

 

 

余談ではあるが、各国に派遣する騎士は勿論厳選しており、尚且つ出来る限り天馬騎士をその任にあてている。

 

 

これはマケドニアの将来を考えた上での判断だった。

 

 

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このアカネイア大陸において、移動とは過酷なものであり、時として死ぬ事すらあり得るもの。

 

故に一部の例外を除けば、他国どころか生まれ育った地から離れる事すら稀である。

 

つまり、人口を増やせるのは一定の人数の居る所に限るのだ。アカネイア大陸の最南端であり、実際には大陸から切り離されたドルーアと唯一陸続きの国家。

 

 

更に野生の飛竜などの跋扈するところとなれば、マケドニアに移住するなどと更にあり得ない選択肢。

が、マケドニアとて、先の戦争『人竜戦役』により多くの人命が喪われている。

 

将来的な事を考えるならば、他国の人間を入れる事も選択肢のひとつとなるのはやむを得ない。

 

 

そこで、各国に派遣する騎士を天馬騎士とする事でマケドニアのイメージの改善。そして、あわよくはマケドニアへの移住を考えてもらおう。

と言うのが、ミシェイルなりの考えだった。

 

 

 

 

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各国はミシェイルの真意を理解していたが、それは構わないと判断。

各国に天馬騎士が派遣される事となった。

 

…グルニア以外は。

 

 

 

余談となるが、ミシェイルは自身の罪を自覚しており、妹であるマリアに跡を継がせる事を決めていた。

ミネルバには跡を継がせられないだろうとの判断から。

 

 

まぁ、ところどころ甘さが目立つ為にゲレタに鍛えて貰うべくミネルバをアリティア駐在員として派遣している。カチュアはその補佐役という立場でアリティアに滞在させていた。

ミネルバとパオラ、カチュアが何を思ったのかは敢えてミシェイルは気にしない事にしている。

 

マリアはマケドニアにて、次代のマケドニアの為に自身の側で学んで貰い、エストはその補佐として置いていた。

 

 

ミシェイルとしても、結果(奇跡)的に妹達の浅慮な行動がマケドニアを助けた事は理解している。

だが、それで終わらせる訳にはいかなかった。…なまじ成功した事があるからと、そのまま奈落へ突き進む者が世の中に多い。

 

本来、己にこそ責があるにも関わらず下手な成功経験が認識を歪め、失敗した結果を他者に押し付ける。

 

 

そんな心底見苦しい者をミシェイルは父を除いた後に嫌に成る程見てきた。

多少は現実との折り合いがつけられる様になったとも思えるが、民が自分達を見ている。

 

であるならば、下手な事は出来ない。

 

 

 

 

ミシェイルがマケドニアの次代について頭を悩ませている時、報告が入ってきた。

 

 

グルニアに不穏な動きあり、と。

 

 

 

 

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グルニアは辺境に不安を抱えている国である。

 

故にこそ、黒騎士団という明確な武力を内外に見せつける事で、不安要素。辺境の部族達を牽制していた。

 

 

確かに国土の広さにおいては、大陸屈指の国家であるグルニア。

しかし、その広さと複雑な民族構成などはそのままグルニアに弱点となり得るもの。

 

 

国土が広ければ広い程に、その統治は難しく、各地の生活水準の格差は容易く分断を生じる。

無論、各地の往来を制限すれば何とかなる話であるが。その場合、商人という情報を道具(武器)とする者達から悪感情を持たれるのは避けれない。

 

武官や騎士は壊れた機械の様に、

 

「ならば討伐すれば良い」

と事あるごとに口にする。

 

 

が、文官達統治体制を作らねばならない側からすれば、

 

 

「ふざけろ」

と漆黒の殺意に目覚めかける事、しばしばであった。

 

 

 

 

やるのであれば、中途半端は許されない。

皆殺し以外の選択肢はないのだ。

 

が、騎士は騎士道とやらのせいでそれは出来ぬと言う。

 

 

「親や家族。友人を殺された者が恨みを抱えずに生きていけると思うのか」

と言うのが文官達の本音だった。

 

 

故に問題の先送りにしかならない手段。

即ち、武力による恫喝を選んだのだ。

 

 

 

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が、それは黒騎士団やグルニア軍が脅威と見られているからこそ成立するもの。

 

現在のように、黒騎士団やグルニア軍が民衆から懐疑的に見られている状況。それでは満足に効果を発揮する事は出来なかった。

 

何せ、迂闊に兵力を動かせなくなったから。

 

 

だからこそ、グルニアはドルーアに従うしかなかった。黒騎士団という抑止力が無くなれば、グルニアという国自体の維持すら難しくなるのだから。

 

 

それは国王とて理解していた。だからこそ、武官や騎士達が異論を唱えようとも、ドルーアへ従う姿勢を見せたのだ。

 

…そんなグルニア王国の中枢にいれば嫌でも理解すべき事すら理解していない者がいるなどとは思わなかったが。

 

 

 

カミュに責任をとって、死を賜らせば黒騎士団は反発し、カミュを咎めなければグルニアの民は反発し、辺境の部族は蜂起するだろう。

 

 

最悪、アカネイアに従う事も考えた。

しかし、それで収まる話でもなし。

 

 

グルニアは行き詰まっていたのである。

 

 

 

 

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「…いや、知らんし」

マケドニアのミシェイル王からの連絡を受けたゲレタはため息を吐き、心底面倒くさそうに吐き捨てる。

 

1プレイヤーとしてならば、多少の躊躇いはあるだろう。

だが、その結果流れる血と後処理の煩雑さを思えば考えるまでない。

 

 

オレルアン公からもグルニアの使者が訪れ、仲介を要請してきたとの話と、カダインにもその様な話が来た事を知った時点でゲレタの思考は

 

 

如何にして、周辺国(マケドニアとカダイン)に飛び火するのを防ぐのかというものにシフトしていた。

 

個人的には巻き込まれるであろうマリーシアやユミナとユベロには同情しなくもない。

 

 

が、下手を打てば自分のミスも誰かが助けてくれる。なども曲解するものも出てくる事になりかねない。

 

 

仏の嘘は方便、武士の嘘は武略。という言葉もあるが、それはあくまで受け手がそれを受け入れるからこそ成立するではないだろうか?

 

嘘や偽りは己という色を薄める行為に他ならない。

 

 

 

嘘を守るために、また次の嘘を吐く。

それで幸せになったのは、自分とニーナ(何も知らなかった箱入り娘)だけ。

 

 

そして、そんな人物を守るために守るべきもの(グルニア)がおかしくなった。

 

「忌々しいこった。

いっそ後腐れなく滅ぼしておくべきだったか?」

 

グルニアがアリティア(自分達)やアカネイアなどに知らせないのも、結局のところ何処かで納得していないのだろう。

 

 

 

「これでグルニア内ならば、教会も生きる道を見つけられる訳だ。

…まったく上手くいかないもんだ」

 

 

 

 

 

 




結局のところ、嘘はダメだよね。
それに尽きると思う。

なんか原作ではこれ以上ない程に厚遇されているので、こっちではそれなりに扱います(今更)


バレンシアには申し訳ないけど、許してほしい。














なお、両ルート共通してゲレタとカミュの相性は最悪です。
アスクで会ったとしても、ゲレタは相手にもしないでしょう。

エルトシャンくらい貫いたなら、個人的には良かったんだけどなぁ。




感想返しはゆっくりやっていきます。

エリスルート完結記念の外伝

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