汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
グルニア編はもう少しあとで
独自設定あり(今更)
「…どうしたものでしょうか?」
ロプトウスの悲鳴が毎日の様に響き渡るアスク王国。
王国のとある一室で頭を抱えている少女の姿があった。
彼女はルフレ。イーリス聖王国国王クロムの半身とも言える軍師。
…の身体を借りた
邪竜ギムレー。
それがかの存在の名前。
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此処は彼女とするが、彼女は召喚士エクラにより比較的早く、このアスク王国に召喚された。
諸般の理由から、彼女は見た目程あてにしてはならないものはない事を嫌となる程理解している。
「…私を造り上げた連中が、ああも簡単に」
それは最早彼女にとっての
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ちょっと(竜特有の基準ガバ)魔がさして、世界を滅ぼそうとした時の事。
絶え間なく飛来する巨石。明らかに何らかの魔力が込められたであろう矢(ギムレー竜形態基準)。
ファルシオンが無いと思っていたのに、まさかラーマンから持ち出しが許可されたとかなんとか。
一応、私の力に従った蛮族達も居た。
が、彼等は実に呆気なく倒された。
怒れる竜人族達とヒトによって。
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力の源である竜石は貴重なもの。
故に無駄うちなど出来る筈もなかった。竜石のない竜人族など脅威足り得ない。
そう思っていた当時の私。いっそくびり殺してやりたい。
竜人族は蛮族達を軽々と粉砕した。
その蹴りによって
私は自分の目を疑い、そして恐るべき事に思い至った。
コイツら、アイツらの同類だ!
と。
ギムレーがアカネイア大陸の国家の中で最も相手をしたくない国家を挙げろ。
そう聞かれたならば、寸刻も迷わずに答えよう。
タリス王国と。
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何を繰り出してくるか、全く想像できない。
それがギムレーのタリス王国に抱く感想だ。同じ位に厄介なのがアリティア王国だが、事に意外性。その一点においてはタリスを上回るのは不可能。ギムレーはそう思っているし、恐らく何があっても覆らないだろう。
そして、大陸の様相が一変した後彼女は封印から解かれた。
そして、発狂した。
ある男が彼女の恐怖の象徴である蹴りを戦上で繰り出していたのだから。
彼女は何としても、その者を亡き者としようとした。屍兵を送り出したし、屍将も動かした。
が、それは悉く失敗する。
「お前の様な村人が、今の世にいてたまるか!」
何度となく彼女はキレた。
…が、彼女は理解していなかった。
冷静さを欠いた行動が、彼女に更なる災厄を招く事に。
その絶望の名は
『竜と在りし者の妹』ナギとチキ。
と言った。
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彼女にとって決して癒えぬ傷となったもの。
それが、このアスク王国で存在を高らかに主張しているのだ。
ロプトウスの悲鳴という形で。
「…いえ、逆に考えるのです。
私はヴァイス・ブレイブの一員。となれば、味方です。………ええ、そうです。何も恐れる事はありません」
「きっと、恐らくは」
現実から目を逸らす。
彼女もまた立派なヒトなのだろう。
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「…力任せではならぬと言うが、存外難しいものだな。これは」
メディウスは新鮮な感覚の中にいた。
「力任せでは、今は厳しい。
自分でも出来ない事があるのだと。
「…聞かぬものだな。
靴なのだろうが」
「薄い鉄板の入った靴。
そこで蹴られると、とても痛い」
「我を少しは労ろうと、思わないのか?」
「貴方に殺された人達よりはマシ。
…そうじゃない?しかも、その命を玩弄した。
死んだ程度で赦される話ではない」
「確かにの。
…惜しいものよ。此処にフォルセティ達も居れば、もう少し本気でやれたものを」
ナギの言葉にうんうんと頷くメディウス。
なお、仮にフォルセティ達が居た場合
取り敢えず、百発程蹴りを叩き込もうと誓うメディウスであった。
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因みにナギは唯一無二のゲレタの後継者だ。
ゲレタの蹴りには柔と剛の種類がある。そのどちらもゲレタが太鼓判を押したのは、後にも先にもナギただ1人のみ。
些か精神的な幼さが足を引っ張った。その為にチキにはそれが叶わなかったのである。
まぁこれはガトーのせいなのだが。
仮に再会したら、一発蹴る。そうナギは強く誓っていたりする。
褒められたら、嬉しい。しかもそれが兄と慕うゲレタからのものなれば、尚更。
竜人族にとって、子供が生まれるというのはこれ以上ない慶事である。
それが自分達の名誉と誇りを取り戻した人物ともなれば、その喜び様は察して余りあるだろう。
エリナが生まれた事をチキから聞いた竜人族。
彼等は挙って祝いの言葉をかけるべく、アリティアへと向かう事を主張した。
「相手の事を考えよ。
でなければ、
とバヌトゥが冷や水を浴びせなければ、どうなっていたことやら。
何せエリナがタリスの女王に即位した時、
当時、既にゲレタの
タリス王が亡くなった時、竜人族達はその死を悼んだ事もあり、近くの島への移住も容易。
故に少なくない竜人族の若者はタリスへの移住を希望した。
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彼等は必死にアピールした。
自分達は怖くない存在であると。親しみやすい隣人足り得るものと。
最終的には、タリス女王相談役となったゲレタに直談判。
ゲレタは苦笑を隠しきれなかったが、竜人族の取りまとめ役となっていたバヌトゥと相談。
此処にタリス王国内に『竜人族の島』と呼ばれるものが成立するのだった。
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彼等は平穏を愛し、細やかな幸せを楽しんだ。
時に蹴球(サッカーの様なもの)を。作物を育て、時に海賊を絞め、海に入って魚を捕り、逆襲される。
そんな彼等はタリスの常識となっていた『ゲレタ式』を修めるのは至極当然の事であり、それがギムレーの時に牙を剥いたのだ。
竜の姿になって、己の足に鉄板を付ける。
などという、明らかにおかしな事を考える者も出てきたりと、彼等は自由気ままに生を謳歌。
その経験は遥か未来に受け継がれ、ヒトと遂に結ばれる者が現れる事となる。
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「…と言う訳で、我を助けてくれないか?」
「……………はぁ」
ユリウスもといロプトウスからその懇願されたのは、セリス。
セリスとしては、従兄弟となるユリウスを精神的に殺したロプトウスは許しがたい相手ではある。
…あるのだが、流石にこうも毎日の様に悲鳴をあげ続けるのを見ていると、いっそ哀れにすら思えてくる。
……それはそれとして、少し愉快に思わなくもなかったが。
セリスもロプトウスの血を受け継ぐ者。
彼の血統は割りと複雑なものであり、ユリア、ユリウスと並んでユグドラルの歪さを証明し得るものだった。
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ユグドラルに光を取り戻した聖王セリス。
彼はバーハラにて非業の死を遂げたシアルフィ公子シグルドと聖戦士マイラの末裔であるディアドラの間の子。
父シグルドはシアルフィを興した聖騎士バルドの直系。母ディアドラは聖者ヘイムの直系であるバーハラ王家クルト王子と聖戦士マイラの直系であるシギュンとの間の娘。
聖戦士と後世から称されるマイラであったが、彼はロプト帝国の皇子であり、ロプトウスの血を受け継いでいた。
つまり、セリスはその身に聖騎士バルド、聖者ヘイム、聖戦士マイラの血を宿している。
セリスの従兄弟にあたるユリウス。
彼は父をヴェルトマー公爵にして、グランベル帝国初代皇帝アルヴィス。母をディアドラに持つ。
既にこの時点で、脳が理解を拒む話なのだが、ユグドラルの地獄は此処からが本番。
アルヴィスはヴェルトマー公爵ヴィクトルとマイラの末裔であるシギュンの子。
そして、シギュン。彼女は
ディアドラの母親なのだ。
色々言いたい事はあるが、敢えて言及すまい。
血統のみで語ろう。
ヴィクトルは魔法戦士ファラの直系。シギュンは聖戦士マイラの直系。
ディアドラについては前述の通りだ。
ユリウスの身体にはファラとヘイム。そしてマイラの血が宿った。
そして、禁忌たるものはマイラの血。
つまり、ロプトウスを目覚めさせるに充分なものとなり、ユリウスはロプトウスの依代となったのである。
その妹であるユリア。
彼女は兄ユリウスと異なり、ヘイムの血。
つまり、神竜ナーガから与えられしものが目覚めたのだった。
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竜からの巣立ちを選んだアカネイア。
竜の血に翻弄されたユグドラル。
竜からの力ではなく、ヒトとして闘いを挑み大陸の明日を託されたアカネイア。
竜や神の力に家族すらも壊され、それでも戦い続けた。勝利を掴んだ。夥しい犠牲の果てに。
その結果すら、その道はフォルセティという竜族により示されたものと知ったユグドラル。
その
等とは問うまい。
それは各々に委ねられるべき問題なのだから。
それはそうとして、生者の皮を被って人を導こうとしたフォルセティ。
取り敢えず、フュリーとセティ。フィーに頭が地面にめり込んで頭が見えなくなるまで謝るべきだと思います。
ぶっちゃけ、コイツが一番ユグドラルの中で碌でなしではないか?とすら思えてくる。
…いや、ユグドラル終身名誉ロクデナシはクルト王子かも知れない。
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過ぎた力は身を滅ぼすと人は言う。
それは違うとナギは断言できる。
未熟な
と
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ロプト帝国の皇帝であり、ロプトウスの依代となったガレ司祭。
彼は司祭の地位を得る程度には歳を重ねていただろうし、遠くアカネイア大陸に来れるだけのものもあった。
にも関わらず、ガレは力に呑み込まれた。
であれば、生まれながらにしてロプトウスに魅入られていたユリウスにどうして抵抗出来ようか?
セリスはそれに思い至れるからこそ、ユリウスを粗忽に扱えない。
…まぁ、中身は
ある意味で目の前の存在は自分の
「でも、アカネイア大陸から逃げたのは事実なのですよね?」
「…否定出来ん」
それはそれとして、しっかりとこの際性根を叩き直して貰うべきではないか?
とも考えるセリス。
これには父シグルドも
「……あんなに幼かったセリスが立派になって」
と空を仰ぎ、目頭を抑える事だろう。
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なお、そんな者を慕う物好きも居るのだが
「…効かない」
「…ふむ、小娘よ。魔法で遊ぶのは感心せぬな」
と
仮にも異世界の神竜族と地竜の長。
その程度は火遊びにもならなかった。寧ろ、惰弱極まる程度の力しか与えなかった連中へのメディウス・カウントを余計に増やす事となる。
豆知識
メディウス・カウントとは、メディウスの中に累算されているカウンターの事である。
これが蓄積すればする程に、ナーガやフォルセティ達への罰が重くなる。
因みに、今のところの最高スコアはフォルセティ。
見つけ次第、異界にて牙を研いでいるモーゼス達と共に
「悪戯にヒトへ力を与え、呪いを残した。
その上、血脈の者の身体を借りてまで現世に介入。その癖、戦う事はしなかった
なれば、今一度力の意味をその身に刻み込んでやるとしよう。…二度と忘れぬ様に」
との事。
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エクラは不思議に思った。
「…あの、ギムレー?」
「何かしら?」
何かと言われても
「…最近、戦闘にも参加してくれるけど。
……何かあったの?」
ヴァイス・ブレイブの初期メンバーの1人である闇落ちルフレことギムレー。
メンバーが揃って来てからというもの、戦闘に参加する事はなくなり、元々社交的でなかった事も手伝って、殆んど姿すら見せなくなっていた。
その彼女が、最近は戦闘に積極的に参加してくれるのだから、エクラの困惑は寧ろ当然であろう。
「…気が変わった。
それだけよ」
嘘だよね?
とはエクラも口にしない。
召喚士たるもの、コミュニケーション能力が高くなければやってられないのだから。
感想を読むに、ロプトウスへの殺意高くない?
ダレガコンナヒドイコトヲー
エリスルート完結記念の外伝
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いる
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いらない
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そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
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そんなことよりチキを出せ
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その他