汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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睥睨する者

「ドルーア皇帝メディウスだ。

何やら面白い事を聞いた。」

 

「マケドニアのミシェイルだ。

此方は私の腹心であるゲレタ。更に言えば件の伝言をさせる事を提案したのもこの男だ。」

 

「⋯ほう?」

 

此方の言葉に興味を持ったのか、ドルーア本国に招かれた。

王の言葉にこちらをじっと見つめるメディウス。

いや、怖えよ。流石の風格ってところか。

 

 

⋯とは言えやらにゃならん。

腹括るしか、ないわな。

 

 

----

 

 

 

 

 

「初めまして、ドルーア皇帝メディウス。白き賢者が弟子ガーネフ。マケドニア王国でミシェイル陛下の補佐をしているゲレタと申します。」

 

ガーネフの視線が強まったが、知るか。

ルビコン川を越えた以上突っ走るしか出来ん!

 

「姫の保護と言ったそうだな。その意味を問おう。」

 

「神竜ナーガが子、チキの保護にて。」

 

「⋯妙な事を言うものよ。

何故それを知っておるのかについては問うまい。が、アレは」

 

「白き賢者により、永い眠りにつかされておりました。

しかし、それに心を痛めた火竜族のバヌトゥにより逃され、人の世で生きていると。」

 

「なに?」

 

メディウスの視線がより強まる。

そりゃそうだ。確かに今のメディウスにとってナーガはひと言では言い表せない程には複雑な思いを抱えているだろうからな。

それでも神竜族の次代を、希望とも言えるチキを封印したままってのは看過しねぇわな。

 

⋯まさかとは思うが、ガトーにとって大切にするってのはしまって誰の目にも届かないところに置く。そういう事なのか?

所詮凡人の俺にはアレの考えなぞ分からん。分からんが、だからこそ誤解が生じるし疑念が生まれる。

 

 

大賢者ガトー

アンタなりの理でやっていたんだろうが、世界ってのは多くの意思で動くものだ。

恨むなら、理解を求めようとしなかった自分の今までを恨むんだな。

 

 

 

----

 

 

 

ややまどろみの中にいたメディウス。かの者にとって、アカネイアを滅ぼすだけならさしたる問題とはなり得なかった。

 

 

ショーゼン、ゼムセルにモーゼス達魔竜族。

己が手を下さずとも、ガーネフから聞く今のアカネイアならばそれで事足りる話。

 

だからこそ、ガーネフが持ち帰った言葉には目を覚まさせるだけの威力があった。

袂を分かつ事になったとは言え、それをまだ幼い神竜の娘にまでぶつける程にメディウスは腐っていない。

 

故にこそ、その言葉の真意が気にかかった。

 

 

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この場に同席を許されているガーネフは衝撃の中にあった。

仮にもアレはアンリの時代にも生きていたとされ、故にこそ知識量には確かなものがあった。

 

 

歴史の目撃者

 

若き頃の己は忌々しい好敵手だった奴と興奮した面持ちで自らの師を讃えたものだ。

 

 

 

ところがどうだ?

今目の前でゲレタなる男の言葉の断片のみでもアレが好ましい事をしていた様には思えない。

 

そしてメディウスはそれを黙って聞いている。となれば、これは少なくとも明らかな嘘が混じっていない事になるのではないか?

 

 

ガーネフは心の奥底にあるものを敢えて無視しつつ、話に耳を傾ける。

 

 

 

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知らぬ事を識る、か。

 

 

ゲレタの言葉を聞きながら、ミシェイルは嘗てゲレタが己に語った事が嘘ではない事を確信する。

無論、それが全て嘘とはミシェイルとて思ってはいない。

が、心の何処かではそれを否定する部分があったのもまた事実。

 

 

マケドニアの未来を掴む為にはドルーアとの協力関係が必要不可欠。ゲレタはそう己を説得した。

 

 

見せてみろ、ゲレタ。

お前の覚悟とその思いを

 

 

国に戻り次第、然るべき褒美を与えよう(重荷を背負わせよう)。そう考えながら。

 

 

 

----

 

 

 

「なるほどな。お主が我等の事を真に理解しているかどうかはさておき、知っているのは間違いない様だ。」

 

重苦しい空気の中、パンピーたる俺は孤軍奮闘しています。

 

メンツが明らかにおかしいのよ。

メディウス(暗黒竜)ガーネフ(魔王候補)我が主君(ミシェイル)

それに対して武力も権力もないに等しい俺。

 

 

⋯いや、まぁね?

マケドニアの未来を創るってのは其れ位の難事であるのは事実。

 

 

別にニーナやアカネイアがどうなろうと知った事じゃない。

正直、陛下の側仕えしていたから、アカネイアに対する嫌悪感は減るどころか増々高まっているし。

 

 

少し前に粛清した親アカネイアのマケドニア貴族達。

アレはマケドニアにおけるアカネイアの目だった。奴等は恥も国家への忠もなく、多くの情報や兵達の命を対価として私腹を肥やしていた。

 

ペガサスナイトの国外派遣を奴等は主張していたが、何のことはない。

彼女達を慰み者として、アカネイアの貴族共に売り渡すつもりだったのだから。

 

 

つか、普通に考えてマケドニア(経済的に厳しい国)の貴族を少しばかり取り潰した程度。それで王国軍や内政に回せる予算が目に見えて増える。

それがどれだけ異常なことなんだか。

 

 

「⋯余程アカネイアは我等を駒として扱いたいと見えるな。」

 

何せミシェイル様は少しの報告でそれを見抜いている。

全く以て、知勇兼備の傑物だと改めて思い知らされたものだ。先王の見る目のなさ。

⋯いや、ミシェイル様の才を理解したからこそ、それを除こうとしたのかも知れない。

 

どちらにせよ、不幸な事だ。

 

 

 

先王にとっても

ミシェイル様にとっても

ミネルバ様やマリア様にとっても

 

 

さて、これからが本番。

ドルーアが動けば否応なしにマケドニアは選択を迫られる。実際は選択の余地すら残されていないものだが

 

 

ならば、前提ごとひっくり返すとしよう。

 

 

 

 

 

 

この会談の後、メディウスはマケドニアを対等な国家と認める。

更に信義の証として、ある者をゲレタの護衛としてマケドニアに派遣する事を決定する。

 

 

 

「⋯異郷でナーガは力を使い果たした。

今度は異郷から新たな水が流れるか。皮肉な事よ。」

 

 

 

 




会談の内容は次回以降分けてお送りする予定。



チキルートに入るとグランドのシナリオががが










余談
最後のセリフでは本来、新たな風。が正しい
しかし、ナーガと共に異郷即ちユグドラルへ向かい結果としてナーガの死期を早める事となったフォルセティ。メディウスはフォルセティ等の事を好ましく思っていないので、かの者を連想する風で変革を齎そうとするゲレタを評するのは好ましく思っていないが故の表現としている。














本作のグランドルートの構想

封印の盾、即ちファイアーエムブレム。その完全体となる宝玉の色を。
各ルートのヒロインないしは主要キャラでそれを埋めたかった。(願望)



尤も画像で見てみたが、全ての色を知覚出来なかった為(作者は重度の色盲)割と難儀していたりする。


構想では(多分これで合ってるやろ的な考えの素案)

本編、リンダで碧
エリスルート、蒼
マケドニア、紅
〇〇〇〇、黒
〇〇、白だった。

黒は絶望
白は無垢の象徴として扱う予定。


何れのルートにも竜人族は重要な立ち位置。



なおこの場合、完結までに相当長い時間がかかる模様。

エリスルート完結記念の外伝

  • いる
  • いらない
  • そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
  • そんなことよりチキを出せ
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