汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
大陸におけるアカネイアを中心とした秩序からの脱却。
それを目指すとなれば、当然避けては通れぬものがある。
アカネイアによる大陸秩序の理解と矛盾の把握だ。
大陸史において、アカネイアという国家が登場したのは言うまでもなく
アドラが国を興したのは人類史にとっては偉業だった。が、武力により竜や竜人族から切り取った国家である以上、その早期安定は喫緊の課題であっただろう。
国が纏まらない状況で、外敵と戦えるはずも無いのだから。
建国間も無いアカネイア聖王国であったが、この国には明確な弱みがあった。
出処の不明な神器、メリクル、パルティア、グラディウスの存在だ。竜や竜人族との戦いにおいて絶大な力を発揮した其れ等の武器。そして建国王たるアドラの知られざる過去。
アカネイアが大きくなればなる程にこの不透明な部分は衆目を集めるだろう。
そこで、アドラは神竜ナーガによりアカネイアの建国を認められた。とし、アドラの過去の追及を封じ、尚且つ神器についても理屈を通そうとしたのだろう。
事実神器は確かにラーマン神殿に納められていたものであり、それをアドラが
そして、真実を知る竜人族をマムクートとして迫害。彼等の発言の信憑性を貶めた。
しかし、これは地球の考えに言い直すならば、王権神授説となり、主に中世ヨーロッパにおいて統治に利用された方法となる。
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王権、つまり王の権利は
神授、神。今回の場合、神竜ナーガにより与えられた神聖にして不可侵なもの。と解釈出来なくはないだろうか?
しかし、原作を知る者ならば首を傾げる事だろう。
仮にアカネイア国王が神聖不可侵とするならば、何故ハーディンに従わぬ者がいたのか?と
原作において、ドルーア侵攻によりアカネイアは再び滅ぶ事となった。そのアカネイアを再興したのはニーナであるが、その際に貢献したのはアリティアのマルスであり、彼女をオレルアンにて守り抜いたハーディンであるのは恐らく殆どの方も納得して貰えるのではないだろうか?
しかし、アカネイア再建において、その最重要たるニーナの伴侶の選定について主導したのはマルスでもハーディンでもない。
パレスにて牢に繋がれていたボア司祭。彼が精力的に動いた結果、ニーナとハーディンの婚約は成ったと言って良い。
そもそも、アカネイア再興の戦いにおいてさしたる功績を挙げたとも言えないボア。彼が何故アカネイア王家の婚姻に口を出せたのか?
⋯いや、何故影響力を行使出来たのだろうか?
そこに王権神授説が絡むのではないか?
俺はそう考える。
アカネイアにとって偉大なる建国王にして、祖アドラ一世。彼は前述した通り、ナーガの信を受けてアカネイア聖王国を建国したとされる。
⋯では、アドラ一世が没した時王位継承の儀は執り行われたのは間違いない。
王権の譲渡。その立会人。
言い換えれば、神の代理人として教会が存在したのではあるまいか?
マケドニアにてマリア様の教育を行なっていた人物。そしてシスターとしての教育を受けたレナ。
その二人からアカネイアの歴史について話を聞いた事がある。
言うまでもなく、アカネイアを知らねばならないからだ。
そこで知ったのは、アカネイア国王を始めとした国家の王。その即位式には教会の司祭が臨席し、教会として国王を認める慣例があるとの事。
勿論、マケドニアにはそんな形式など不要であり、そもそもアカネイアの歴史観などドルーアとの共存において害にしかならない。丁重にお引き取り願っている。
原作において、アリティアのマルスは英雄戦争が終わるまで『王子』であった。
奇妙な話ではないか?
アリティアの民がマルスを認めなかった?ジェイガン達が居て、マルス王に出来なかった?
考えにくい事だ。しかも軍師であるモロドフもいたのであれば、尚更。
つまりマルスが王子のままであったのは、アリティア内の問題ではなかったのではないだろうか?
マケドニアやグラ、タリスやオレルアンが反対する理由もない。正確にはマケドニアではなく女王となったミネルバやグラのシーマ女王だろうが。
アカネイアとて、王家のニーナや共に戦場を駆けたハーディンも狂う前なら反対するとは思えない。
が、大陸各国に影響力を持つ教会。
果たして彼等はマルスがアリティアの王となるのを歓迎できただろうか?
アカネイアにはボアが
マケドニアには教会の教育を受けたマリアが
グルニアにもシスターとしての教育を受けたユミナがいる。
影響を持つのは難しくはないだろう。
が、アリティアは違った。
グラは国家として成り立つか怪しいところまで追い詰められていたが、アリティアはれっきとした戦勝国。
にも関わらず、アリティアの中枢に教会の手が及んでいなかった。だからこそ、マルスを王としたくなかったのでは?
全ては考察に過ぎず、的外れなところもあるだろう。
が、アカネイアの急所は確かに捉えた。
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この大陸のマケドニアとタリスを除く国家はアカネイア⋯正確にはアカネイア第二カルタス朝とでもいう権力構造の上に成り立っている。
マケドニアはあくまでもアカネイアの助けなく、独力でドルーアに抗い続けた。あくまでもマケドニアという国の興りはアカネイアの力を借りたものの、アイオテを中心とした纏まりは元からあったものに過ぎない。
タリスは言わずとも分かる話だろう。
この大陸に住まう者の多くはアカネイア王家。正確にはアドラが果たした功績に対して価値を見いだしている。
だからこそ、アカネイア王家の血は大切にするが、アルテミスは若くして死んでもアカネイアは揺らがす、原作でニーナが攫われようと大した混乱は起きなかった。
つまり、その程度なのだ。
拠り所はアドラの血統であり、その偉大なる功績。
ならば
隠された真実。その重みに今の体制が耐えられるかな?
王権神授説。その欠落を
戦う気は更々ないが、それでもそちらが戦うなら盛大にお返ししよう。
尤も戦いになれば良いが、ね?
というかふんわりとした設定しか確認出来ない上に、各媒体によって設定がコロコロ変わるから割りと統一しづらいと思うのですよ?
まぁそれでも名作ではあると思うし、思い入れがあるから書くわけではありますが。
神竜ナーガの託宣を受けて成立したアカネイア。
なら、その正当性を奪い去る方法は?
エリスルート完結記念の外伝
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いる
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いらない
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そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
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そんなことよりチキを出せ
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その他