汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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本作は単発の予定だったので、割と設定はガバガバです(滝汗)

なので、許して欲しい


 敵対

…まぁそうなるわな

 

ゲレタは内心大きなため息をつくと、ひとまず撤退する事にした

 

 

何故か?

 

 

ナバールがシーダの説得で敵になったからだよ、こんちくしょう!

 

 

…いや、まぁね?

いつものやり方をすれば多分1人2人くらいは()れるとは思うんですわよ?

 

何せまだ技量の高くないマルス一行

しかも先発した山賊達も良い仕事をしたみたいでかなり負傷者が多い

 

 

ぶっちゃけるとフィーバータイム(虐殺)出来なくもない

 

 

ここは確かにゲームが元になった世界かも知れない

が、現実なのだ

 

 

重傷を負った人物が万全の時と同じ動きが出来る訳も

疲労困憊の人物が万全のパフォーマンスを発揮する事も

 

叶わないのだから

 

 

 

特に先発した連中は俺の制止を振り切って動いた奴等

当然、んな事をした連中にはそれなりの処罰が無事であったとしても下される

つうか、するわ

 

なので戦意という一点においてはマルス達のそれを凌駕していたのだろう

 

 

そして何よりも

まだ実戦に不慣れなアリティアの騎士カインとアベル

 

この2人の立ち回りがあまりよろしく無かった

 

 

 

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馬上においては騎乗している人物の動きも制限される

 

その為、どうしても熟達したジェイガンクラスの騎士でなければ剣を振るったところでさしたる脅威たり得ない

メタ的な発言をするならば、次章に出てくるハーディンならば或いは

と言ったところ

 

故に両名は間合いの取れる槍を使わざるを得ない

が、これまた大変な事である

 

 

何せ槍は穂先以外で相手を殺傷するとなるとかなりの膂力が必要。しかもその長さも相まって騎士同士の戦闘ならば問題にならない。のだが、戦士や傭兵に山賊などを相手するとなると間合いを適切に確保する必要が生じる

だが彼等は山道や茂みでの戦闘を選んでしまった

 

足場が悪いところで、馬を上手く操りながら尚且つ敵との間合いも考えねばならないのだから、忙しいなどというレベルではない

 

 

加えて、山賊側は何としても確たる成果を出さねばならない

そうでなければハイマン(ボス)が命じるか、或いは俺が独断で処断する事もあり得るのだ

故に彼等は怪我などを恐れて戦う事は出来ない

 

彼等の使う斧は重量が重い故に取り回しは難しい

しかし、その重量だからこそ破壊力や殺傷力は剣や槍の比ではない

加えて振り下ろすのみではなく、慣れた奴ならばそのまま薙ぎ払いに移行する連続攻撃も可能だ

これは大きな強みと言えるだろう

 

剣を使う、しかも歴戦の傭兵であるオグマならばそれこそ対応するのも難しい程の連続攻撃を出来るだろう

勿論ナバールとて同じ筈

仮に馬から降りればカインとアベルとて剣で戦えるだろうが

 

その場合、馬をどうするか?が問題になる

 

 

槍の場合、その間合いの長さは懐に入られた場合致命的な隙となる

中には総鉄製の槍もあるが、どちらかと言えば量産を前提とする鉄の槍などの場合刃先以外は木製である事が多い

輸送や諸々の費用(コスト)を考えるとそうせざるを得ないのだ

 

 

故に槍の中間部分で斧を受けるとなれば、大抵武器破壊に繋がってしまう

そしてそうなるとほぼ確実に体勢を崩す

 

非常に危険な事となるのだ

 

 

 

山賊達が出来る以上は恐らくオグマの部下であるサジ、マジ、バーツもそれくらいの芸当は出来るだろうが

 

 

まぁ、消耗したアリティア騎士達の援護もせにゃならん以上は万全の体勢を整えるのは、難しい

 

シーダ?

いや別に説得される謂れはございませんし?

 

かと言って下手にシーダを殺したとあれば、アリティア王家が断絶しかねません

 

 

 

その場合、遥か未来の世界が舞台である『覚醒』にも少なくない影響が出ると思いますし?

 

スミアの理想が確かシーダだった気もするので?

 

 

逃げますとも!

 

 

 

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「マルス様、魔道士が離れていきます」

 

「…皆の消耗が激しい。追撃はしない方が良いと私は思う」

ゴードンの報告にマルスは周囲を見回した上で指示する

 

「そうですな。仮にジュリアン殿の言われる様な人物ならば弱っている者から狙われかねません。体勢を整えるべきかと」

 

「流石の私達も目を焼かれたらお手上げですからね」

ジェイガンの言葉にオグマも厳しい表情で賛成する

 

 

『残虐なるゲレタ』

聞けば港町を海賊が我が物顔で闊歩していたのも、サムシアン討伐に向かったグルニア遠征軍にこの人物が痛撃を与えたから

らしい

 

魔道士は巨大な火の玉や雷などを操ると聞くが、かの人物はその様な事をしないらしい

 

 

敵の目を焼き、相手の足を切り裂き、騎士相手ならば馬を狙い体勢を崩した所を狙う

おおよそ真っ当な戦い方とは思えない

 

しかし、残酷ではあるが効率的な戦い方

そう彼の話を聞いたジェイガンは苦々しく話していた

 

流石にそんな人物を相手にしたいとは思えない

 

 

だが一方で、聞けば村人などには一切手を下していないとの事

 

 

(どんな人物なのだろう?)

マルスは疑問に思いながらもサムシアンの根城を攻略するべく動き始めた

 

 

 

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いやー、マジでキツいわ

確かに説得されるかなぁ?とは思っていたけど、あっさり説得されるのは予想外

 

…いや予想して然るべきだったのか?

 

 

とりあえず、物は纏めておくとしてボスの所へ向かうとしますか!

 

 

 

 

 

なおグダグダやっていたせいでゲーム的には10ターン位経過している模様

 

 

なので

 

 

 

…あちゃー、制圧されたかぁ

 

いやはや手早い事で

 

 

そう丘の上からサムシアンの根城を見つめるゲレタの瞳は冷ややかなものであった

 

 

…さて、サムシアンはこれで俺を残して全滅っと

 

 

とは言え

 

 

ケジメはつけねぇといけねぇよなぁ?

 

そう呟くとゲレタはその場を立ち去った

 

 

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サムシアンの跋扈するデビルマウンテンを突破したマルス達はアカネイア王家唯一の生き残りであるニーナ王女が草原の国、オレルアンにいる事を知る

 

オレルアン公の弟ハーディンは『草原の狼』と呼ばれる戦上手な人物であり、彼の配下騎士団はその異名から『狼騎士団』と呼ばれ、その精強さは他国にすら知れ渡るもの

 

しかし、アカネイア王国を滅ぼしたドルーア帝国はアカネイア王家の生き残りであるニーナ姫を亡き者にすべく彼女を匿ったオレルアンに対して同盟国であるマケドニア王国軍での攻略を命じた

 

 

というのも、未確認情報であるがニーナがアカネイア王都から逃れられたのはグルニアのカミュとマケドニアのミネルバ王女が密かに手助けした。との話があった為である

 

ドルーア帝国はグルニアとマケドニアに対して不信感を抱く事となり、先のガルダにおける遠征軍の敗退という醜態を晒したグルニアに対しては露骨に態度を硬化。マケドニアに対してはオレルアン攻略とニーナの首を以てその潔白を証明する様に迫っていた

 

 

 

マケドニアはオレルアンに対する攻撃を開始

グルニアも攻略の支援として騎士団の派遣を決めた

 

 

空を制するマケドニア

精強な騎士団を有するグルニア

 

如何なハーディンであろうとも、質で互角の上に数において劣勢となっては抗する事がやっと

 

 

城を落とされ、それでも何とか砦へとこもりハーディンは抵抗しようと奮起する

 

 

 

そんな中、マルス達はオレルアンへと足を踏み入れる事となる

 

 

 

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マルス達から遅れたものの、ゲレタもまたオレルアンの地へ足を踏み入れていた

 

マルス達に合力する訳ではない

サムシアン最後の生き残りとしての責務を果たす為、オレルアンに来たのだ

 

 

裏切り者には死を

 

それこそが今は亡きハイマン(恩人)がゲレタに教え込んだ、唯一にして最大の掟

 

 

ジュリアンがどの様な心境の変化があって、あの様な事をしでかしたのかは知った事ではない

 

が、ゲレタにとって許し難い事

それだけなのだ

 

 

他の連中なぞ、どうでも良い

 

 

ただゲレタはジュリアン(裏切り者)の首のみを求めるのだ

 

 

 

----

 

 

 

 

オレルアンにおける戦闘はマルス達にとって初めての正規軍との大規模な戦闘である

 

今までの戦闘はどちらかと言えば雑兵の集まりであり、敵の動きは戦術的、戦略的目的によるものとは言いがたかった

 

が、このオレルアンの攻略を任されているマケドニアのムラクは周辺に展開していたペガサスナイトと竜騎士(ドラゴンナイト)からの報告を受け、マルス達を敵と判断

一気呵成に攻撃をかける事を命じる

 

 

マケドニア軍の圧力が弱まった事に違和感を感じたハーディンはこの機を逃せば最早戦況を覆す事はかなわぬと判断し、配下の狼騎士団と共に砦からうって出た

 

 

 

マケドニア、グルニア、マルス達、ハーディン

そしてゲレタ

 

それぞれの思いが絡み合った戦闘が今始まろうとしていた

 

 

 

 

----

 

 

 

 

 

マルスは近隣の村を訪ねつつ、マケドニア、グルニアの連合軍と激戦を繰り広げていた

 

 

「くっ」

 

「アベル、下がれ!」

 

敵のソシアルナイトの攻撃を受けたアベルにカインはそう声をかける

しかし、敵ソシアルナイトは好機とみてアベルを集中的に狙い始めた

 

「ふんっ!

ここは引き受ける。アベルはレナ殿のところで治療を受けろ

…カイン、まだやれるな?」

 

そこにジェイガンが到着し、アベルに迫る敵兵を薙ぎ払うとそう指示を出す

 

「申し訳ありません。直ぐに戻ります!」

 

「勿論です!」

 

若き騎士2人の言葉にジェイガンは少しだけ表情を緩ませ

 

「此処は我等で守らねばならぬ、ゆくぞ!」

 

敵騎士団に相対した

 

 

----

 

 

一方、大規模な戦闘となると戦場に不心得者が出てくる事もある

 

これはドルーアとアカネイアによる戦争の影響により、各地の経済活動などが阻害され、結果市民生活にも深刻な影響が出ていた事に起因する

 

またドルーア帝国は経済や市民生活に対して無頓着である事と要因の1つと言えるだろう

 

 

尤も、ドルーア帝国との戦争以前から市民生活は困窮しており、最後の引き金を引いただけなのだが

 

 

 

その結果、賊や軍に雇われる者や山賊や盗賊に身を落とす者も出てくる事になる

 

 

そんな彼等の悲しい事情など知る由もない、まだ年若いマルスは彼等を賊として倒す事になってしまうのは皮肉と言えるだろう

 

 

----

 

 

一方、戦闘中のオレルアンに到着したゲレタ

彼は自身の過去からそんな者が少なからず、存在している事を知っていた

 

 

その為、ゲレタはそれなりに戦えそうな人物に出会うと勧誘する事にしたのだ

 

1人で出来る事なぞ高が知れているのだから

 

 

 

別にこれからの仲間ではない

この戦場限りの友軍に過ぎないのだ。しかし、元猟師であるカシムの様にそれなりの経験があるものならば実戦にも耐え得るのは間違いではない

 

ゲレタはアジトに残っていた武器や食糧を残らず近くの店に売り払って、少なくない額の資金を持っている

 

それを使い、窮状にある現地民を雇用した

 

 

マルス達が勝てば、オレルアンの治安は回復する

仮に負けたとしても、あのミネルバ王女が民に対して無体を働くとも思えない。そのミネルバから信用されてこの地に置かれているムラクやマリオネスも民からの徴発などするとは考えにくい

 

何せ、マケドニアの民は貧困というものをよく知っているはずなのだから

 

 

 

ゲレタの目的は裏切り者であるジュリアンの殺害のみ

 

はっきり言えば、それ以外のアリティア軍には一切手を出すつもりも下すつもりもない

…勿論、攻撃されたならば話は別だが

 

 

 

しかし困った事にジュリアンはどうやらオレルアンの城の方へと向かっているらしく、此方からは影も形も見えなかった

 

そのかわりに、グルニア騎士がこっちへと向かっていたが

 

 

 

 

----

 

 

今回オレルアンに派遣されたグルニア騎士達はこのオレルアンの地で確たる戦果を何としても挙げねばならなかった

港町ガルダにおいて、グルニアの遠征軍が山賊相手に壊滅的な被害を受け、その上残存部隊がグルニアへと帰国しようとしていた所にマルス達が到着

曲がりなりにもドルーアと盟を結んでいる以上、ドルーアに対して敵対の意思を持つマルス達を見逃す訳にはいかなかった。その為残存部隊はアリティア勢と交戦するも全滅させられている

 

 

つまり、グルニアの初動が間違えていなければアリティア勢はガルダの港町でその屍を晒していたのではないか?

との意見がドルーア内部から出てきたのだ

 

 

それに加えて、グルニア騎士の鑑とされる黒騎士(ブラックナイト)カミュがニーナ王女の逃亡を手助けしたのではないか?との疑念もある

 

 

更にマケドニアは国王ミシェイルの妹であるミネルバ王女を前線に投入。精強と謳われたオレルアン軍を一掃している

にも関わらず、グルニアは遠征軍こそ派遣しているが最高戦力たるカミュは勿論の事、彼に従う騎士団すら動かそうとしていない

 

グラはアリティアの国王を騙し討ちという形とはいえ、破った。ドルーアにとって無視できないファルシオンをアリティアの手から奪っている

 

 

貢献の度合いで言えば、マケドニアとグラに比べグルニアは低いと言えるのだ

その上ガルダで山賊相手に壊滅的な被害を受けているとなれば

 

 

我等(ドルーア)の為に本気で戦う気がないのではないか?」

と不信感を抱かれるのも仕方の無い事

 

 

仮にそう見なされたとなれば、ドルーアはグルニアに対して攻撃する事を躊躇わない

 

ドルーアはかの竜族を多数抱える国家

例えカミュやその騎士団が精鋭揃いであろうとも、かの暗黒竜メディウスに従う無数の竜族相手となれば勝てるとは言い難いのだ

 

 

故に、彼等は示さねばならない

グルニアはドルーアに対して反旗を翻すつもりも、敵に温情をかけるつもりなどないという事を

 

 

----

 

 

元々マルス達は正規軍として考えたならば、割とチグハグな軍隊である

マルスを中心とするアリティア勢。シーダを中心とするタリス勢。そこに民間協力者であるカシム、レナ、ジュリアンにこのオレルアンで加わったマチスとマリク

混成軍と言っても良い陣容だろう

 

 

しかも騎士としての受勲を受けているのはジェイガン、カイン、アベルにゴードン、ドーガのみ

タリスのオグマは傭兵上がりの護衛隊長であるし、サジ、マジ、バーツも戦士として活躍していたところをタリス王に召し抱えられた

 

 

 

その為、少し離れた所にいるゲレタ達もアリティア勢と見なされるのは不思議ではなかったのだ

 

 

 

だが、彼等は知らなかった

ガルダの港町で起きたグルニア遠征軍の大敗

 

その最大の要因が彼等の目の前にいる事を

 

 

 

----

 

 

「面倒な事だな」

ゲレタはそう呟くと急速に近づいてくる騎士達を見る

 

 

「…イノシシかよ」

そう呆れた様な声を出すと

 

その腕を振るった

 

 

 

 

グルニアの騎士達からもゲレタのその不審な動きは見えていた

…そして、それに注目してしまう

 

 

「…がっ!」

先頭を走っていた騎士がいきなり落馬した

かなりの速度で走っていた騎馬から落ちるのだ。その痛みはなかなかのものだろう

 

 

更に

 

「なっ!」

先頭になった騎士はいきなり身体を宙に放り出された

 

彼の騎乗していた騎馬

その前脚が切断されていたのである。当然馬はそのまま頭から地面に突っ込む事となり、その命を散らす

 

 

 

ゲレタは手段を選ばない

というか、選んでいられる程に彼は強くないのだ

 

その為、あらゆる外法や汚い真似を彼は躊躇いなく実行する

 

 

 

流石に危険であると騎士達は速度を落とす

…それこそが、ゲレタの狙いであるとは知らずに

 

 

 

----

 

 

 

そして、それから数分後には騎士達の屍と馬の死体が横たわっていた

 

 

まぁ、二頭程は生かしている

少なくとも、危険な場所に連れてきたせめてもの報酬がわりとして

 

 

そして

 

騎士達の装備をゲレタは全て剥ぎ取り、売り払った

 

 

既に西の方では戦闘の気配はなく、少し煙が立ち上っている

 

 

「…やれやれだ

遅刻し過ぎたな」

そう肩をすくめると、ゲレタは集めた者達に報酬を支払い解散して良いと告げる

 

 

「殺すべき奴が向こうに行ったからな

流石にそこまでついて来いとはいわんよ」

彼等には彼等の生活がある

 

既にジュリアンを殺す事しか考えていない自分とは違うのだ

 

 

 

 

そして

 

 

「此処で逃したとなると面倒になるか」

 

そう憂鬱そうに呟いた

 




いきなりお気に入りと評価!?

…マジか
……マジかぁ
オラたまげたぞ

こんな感じでマルス達を追いかけていく感じになると思います


何かあれば是非とも感想などで意見などを頂けると嬉しく思います
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