汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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(速報)ルート確定(知ってた)


代償

「⋯やはり、難しいですか?」

 

「うむ。流石に魔法の素養どころか、魔力と無縁の世界のものとなるとな。

正直なところ、情けない話となるがどうなるか私にも分からぬ。」

 

ゲレタの頼みを受けたガーネフであったが、おいそれとこればかりは応諾するには難しい話だった。

 

言うまでもないが、長い時を生き魔道の研鑽にその時を費やした大賢者ガトー。

その弟子であったガーネフはそれこそ当代屈指の魔道士。⋯いや、師であるガトー以外なればそれこそ彼に比肩しうるのはカダインのトップであるミロアくらいだろう。

 

 

そのガーネフをして、そもそも異界の者であるゲレタに魔法を教えるのは難しい。

技量はさておき、精神面においてはそれこそカダインに教えを求めに来る多くの者より遥かに強いものをもっていよう。

 

魔法の実力で言えば、魔竜族の長であるモーゼスの方がガーネフよりも優れている。

が、竜人族の魔法行使と人のそれでは出力に大きな差があり、如何なモーゼスであってもゲレタに教えるのは至難の業であった。

 

 

そこでゲレタは人の身でありながら、非常に高い実力を持つガーネフに教えを乞うたのである。

 

 

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ゲレタが求めるのは、戦闘に耐えうる出力の魔法ではない。

日常生活において役に立つ程度のもの。

 

 

⋯そもそも、ゲレタからすればこの世界の魔道士の戦い方は『己の活躍を他者に喧伝する』為に歪な進化を遂げたものではないか?と思っていた。

 

 

この大陸の産業や知識、技術は歪な進化を遂げているのではあるまいか?

⋯⋯いや、魔法という技術が確立されている為に医療技術、特に人体に対する理解度が低いのだろう。とゲレタは感じている。

 

 

何せ、命に関わるほどの重傷であろうとも回復の杖で治療されれば死を免れる。流石に失った血が多ければ即座に戦闘へ復帰するのは難しいだろうが。

 

道具屋で売っている傷薬もその名前に反して非常に効果は高い。にも関わらず、法外と言える程の価格とは言い難い。

 

 

 

教会が彼らの主張するところである『民に寄り添い、共に在る』というならば、そもそも医学が発展する事はないだろう。

 

⋯故に己の考える魔法の使い方。仮に人体が自分の考えるところと同じならば、微少な魔力量であろうとも戦う事は叶うのだ。

 

 

----

 

 

「⋯ゲレタさん、顔怖いよ。」

 

思考の海に沈んでいたゲレタを引き上げたのは、チキであった。

ガーネフはゲレタの瞳の奥に危険なものを感じ取り、彼女を呼んできた。

 

 

この場は彼女に任せるべき、じゃな。

ガーネフはそう判断し、その場を後にする。

 

 

 

(精神が強靭すぎるのも考えものか。

⋯ミシェイル殿の願うところが叶うならば、せめてひとり誰かを側に置くべきよな。今度話をしてみるとしよう。)

 

 

その思いながら。

 

 

 

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チキは確かにまだまだ精神が幼い。

しかし、だからこそ分かる事もあった。

 

 

「ゲレタさん、無理したら駄目だよ。」

 

「無理してる訳じゃ」

 

「してるよ。

私、そこまで分かる事はないけど、ゲレタさんの事は分かるんだ。

お話しよ?

ゲレタさんの故郷(ふるさと)の事。ゲレタさんの事。私沢山聞きたいんだ。」

 

彼女は続ける。

 

「私も私の事沢山お話するよ?

だから、⋯⋯⋯ね?」

 

彼女は柔らかく笑った。

 

 

 

----

 

 

 

ゲレタは己の国の事は話をする。

その歴史や政体、技術や思想なども。

 

 

だが、その一方でゲレタは己の感情について口にする事は殆どない。

 

それは命の恩人であり、仕えるべき主君ミシェイル相手でも。

 

 

 

ゲレタはこの世界において、異質なるもの。

 

 

故にこそ、この世界に馴染まねばならぬ、と。

何かの役に立たねばならぬと。思い定め、常に行動している。

 

 

それは絶対なる孤独。

 

 

人が人であるが故に逃れられぬ(さが)

 

 

 

家族も肉親もいない。

となれば、生きる為には価値を示し続けるしかない

 

ゲレタは必死にもがき続けるしかない。

 

 

 

 

----

 

 

 

 

チキは神竜族の長ナーガの娘。

 

 

生まれながらにして、大き過ぎるものを背負わねばならなかった。

ガトーはその世界をも滅ぼしかねない強大な力を危惧し、彼女を長い眠りにつかせる事を選ぶ。

 

 

そんな彼女を見ていられなかったナーガの従者であったバヌトゥが光の中に連れ出し、バヌトゥと逸れた彼女をとある竜人族が保護。

ドルーアへ連れていき、今に至る。

 

 

確かに彼女の事を周囲の竜人族達は姫と呼ぶ。

だが、彼等は彼女に何かを強いる訳でも求める訳でもなかった。⋯⋯いや、ある意味強いて求めたと言えるかも知れない。

 

 

平穏な日々を

世界を知って欲しい。と

 

 

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ゲレタとチキは真逆の存在と言えよう。

 

 

大陸の外のものであるゲレタ。大陸の祖たる竜人族。その指導者とも言えるナーガの娘チキ。

 

個として力を持たぬゲレタ。大き過ぎる力を持つチキ。

 

孤独に蝕まれるゲレタ。多くの者に見守られているチキ。

 

 

 

「休んでも良いと思う。

ゲレタさんは頑張り過ぎだよ。

独りは怖いよね、寂しいよね、寒いよね。

⋯でも、ゲレタさんは独りじゃない。

ううん、独りにさせないよ。私が」

 

「私が貴方の側にいるから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼少期の終わり

 

それは誰にでも訪れるもの。

 

 

 

1000年以上眠りについていた彼女の時間が動き出した。

守りたい人を守る為に。

 

 

愛する為に

 




と言う訳で作者のプロットを破壊して、チキルートが確定しました。

赤の章なのに、なんでやろうなぁ(ため息)




ミネルバ様達はこう、何ていうか恋愛ベタなイメージが強いんですわ。エストもそこまで上手いとは思えないし。

まぁ一応予防線も張ってるから、まだイケる⋯⋯⋯と思いたいところ。


なおチキについてはかなりの下駄を履かせるので、怒らないでね?


















聖戦において、作者が親世代の撃破数稼ぎにするのはウェルダンのマーファ(ガンドルフ王子の拠点)、アグストリアのアグスティ(シャガール王の拠点。対象はザイン率いる部隊)、アグストリアのオーガヒル(賊退治の時間じゃ、ヒャッハー!追い剥ぎするぞ)となります。
ボスチクなら、大抵のところで出来ますがそれでは撃破数かせげないのである。


なお聖戦の場合、撃破数50以上で武器に必殺が付与されるのでかなり凶悪。
親世代でディアドラのオーラの必殺に耐えるのはまず不可能。⋯まぁ能力はあまり伸びにくいですが

エリスルート完結記念の外伝

  • いる
  • いらない
  • そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
  • そんなことよりチキを出せ
  • その他
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