汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
勢いで書いているから、その勢いが止まると筆も止まるんやなぁ
と実感した
ゲレタのヤバいエピソードです
割と設定ガバガバなのは許して欲しい
「…ゲレタ、なんでこうなったのかしら?」
「………なんでやろなぁ」
「…あはは」
グラにおいて、現在私達は遊撃部隊としてグラの市街地を利用してドルーア軍を撃退している
…はっきり言って意味がわからないと思うだろう
私もゲレタもチキも正直なところ、納得している訳ではない
無いのだが、これ以外に方法を思いつかなかったのもまた事実なのかも知れないわ
…それにしても、相変わらず頼りになると言うか規格外と言うか
この手の状況で私はゲレタ以上に頼りになる人を知らない
…まぁ、そこまで交友関係が広い訳ではないのだけど
ゲレタはグラ王国の防衛に加わるに際して、いくつかの条件を出している
街中から城への住民の避難
必要となれば、建物への被害を許容する事
…そして
手を出さない事
これらを私達を城に招いたシーマ王女に飲ませた
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その結果、グラ市街地は巨大なゲレタの狩場と化したわ
私とチキには見られたくなかったのだろう
ついて行くと言った時、凄く複雑そうな顔をしていたもの
私はどんな貴方でも受け入れるわ
チキも目を逸らす事なくゲレタのしている事を見つめている
…あまり教育には良くないだろうから、止めるべきかと悩んだのだけどね
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「ええい!まだ小細工を仕掛けた者は見つからんのか!」
ドルーアの指揮官は苛立っていた
元々もっと早くにこのグラの地に到着していた筈なのに、合流予定のマムクート共が来なかったのだ
その結果、貴重な時間を浪費してしまう
ようやくグラを攻めようと先発隊を送り込めば、その者達が戻ってくる事はなかった
市街地の入り口付近で、その者達が地面に横になっていたのを発見した時などは怒りで我を忘れそうになったものだ
…しかし、全く起きる様子がなかった為に人をやって調べさせたところ
皆、死んでいたのだ
報告を受けた時、そんな馬鹿な
何かの間違いであろう
そう思ったし、今でも悪い夢ではなかったのかと信じたいが
そして、数人の兵は
身体の内部から引き裂かれた思わず目を背けたくなる様な姿で打ち捨てられていた
この時点で私はグラに対する甘い考えを捨てた
…流石は昨日までの同盟国を背後から斬りつける国だ
我等の常識など通用せぬ
そんな連中の相手をするのだ
警戒するに越した事はないと私は思い、市街地の慎重な捜索を命じた
その様な奴等となれば、罠の一つや二つ仕掛けてきたとしても不思議ではないのだから
魔道士共も動員して、市街地の捜索を行わせる
すると各部隊に少なからぬ損害が発生したのだ
私は不甲斐ない部下達を叱責したい気持ちを抑えて、事態の速やかな収束の為に更なる人員を派遣する事とした
「…何なのだ、此処は」
思わず弱音にも似たものが口から出た私を誰が責めされようか?
大した事のない戦力しか持たぬグラ王国の筈だ
にも関わらず、城の攻略どころか市街地の突破するまでの間に決して無視出来ない被害が出ているのだ
…だが、それももうじき終わるだろう
そう思っていた私だったが、ふと風を感じた
あまり風が吹くと弓隊の運用に支障が出るから、出来る限り急いで攻略せねば
そう考えた
……待て、風だと?
その考えに思い至った私は自らの考えがおかしい事に気がつく
此処は市街地入り口付近にある民家を利用した臨時の指揮所だ
そして、此処に窓はない
風の入り込む所など
そう私が思い、兵に命令を下そうとするが
「が、はっ」
声が出ない
…息が出来ぬ
身体の中が、熱い
私は最後にそう感じるとそのまま意識を失った
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「建物の中に臨時の指揮所を構える、か
…随分腰の据わったやり方をする奴もいたもんだ」
ゲレタは自身の魔法により、兵が入り口付近を守っている建物内を索敵
その結果、指揮官らしき人物を捉えた
「この時代にはソナーなんてもんはないからなぁ
まさか微弱な風で自分の居場所を特定されるなんて思わんだろ
…頭は潰した
あとは少しずつ身体の端から切り落としてやるだけだ」
軍隊とは
組織とは人に例える事もできる
頭脳は指揮官や指導者
手足などは末端の兵など
神経は伝令
手足を傷付けたとしても、そうそう倒せるものではない
…狙うは頭脳ただ一つ
頭脳を失えば、手足は統一した動きが出来なくなる
残念ながら、人体の様に停止する訳ではないが脅威の度合いは確実に下がる
組織の心臓とも言えるかもしれない
が、どちらでも構わないのだ
あとは少しばかり残酷に殺して回れば、敵の戦意は直ぐに落ちるだろう
「…殺し方にも順序があるんだよ
ドルーアに対して別に思う事はねぇが、邪魔になるなら潰して進ませてもらう」
ゲレタはそう呟くと、既に誰一人生きている者の居ない指揮所の側から離れた
「…しかし、自分でも驚く程に魔力量は少ないってのに応用が効くもんだ。お陰で捗る捗る」
そんな物騒な事を呟きながら
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そこは地獄だった
兵士達が通ろうとすると建物が突如として崩れ、彼等を下敷きにする
頭上から降ってくるはずのない大岩が落ちてくる
意味がわからない
理解出来ない
そして
「ひいっ」
少し前まで生きていたはずの味方が偵察から戻らない
それを心配して見に行った者達はまるで眠る様に命を失った味方を目にする
かと思えば、突如味方が苦しみだしてそのまま死んでいく
意味がわからないから恐怖する
理解出来ないからそれに対処できない
そして
迷った彼等は指示を求めて、前線指揮官に必死の形相で聞くのだ
「どうすれば良い」
と
しかし、聞かれたがわも事態が飲み込めておらず魔道士達は誰一人として戻ってこない(ゲレタによる犯行)
その為彼等は指揮所にいる指揮官に指示を仰ぐ他なかった
既に指揮所には誰も居ないと知る事なく
そして彼等は司令部の者達が全滅している事を知り、その混乱は終息するどころか更に拡大する
もうこうなるとグラ王国攻撃など出来るはずもない
彼等は姿の見えぬ敵を相手にせねばならないのだから
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恐怖というものは容易く人から冷静さを奪い去る
ましてや、命がかかっているとなれば、尚更だ
ある恐怖に支配された兵士は、少し様子のおかしい者を見つけた
普段ならば、声をかけるだけで済む話
…しかし、姿の見えぬ敵によってドルーア軍内の一部では
「敵が内部に潜んでいるのではないか?」
との話が囁かれる事となっていた
無理もない
姿の見えぬ敵よりも
姿の見える敵らしきもの
の方が遥かに対処しやすく、恐怖を忘れさせるものなのだから
そして、兵士は
「お、お前が敵かぁ!」
とその槍で貫いた
「なに、を」
味方であるはずの人物を
引き金は引かれた
疑心暗鬼に満ちた集団
しかも統制の欠け、味方殺しという明確な脅威が生まれた
こうなると、もう歯止めは効かない
アイツの様子がおかしかった
アイツはあの男と親しかった
恐怖は伝播し、いつしかそれは狂乱へと変わる
まるで中世で起きた魔女狩りの様に
姿の見えぬ敵を味方の中に求め始めた
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「さて、行くか」
「そうね」
「…良いんですか?」
阿鼻叫喚の地獄絵図と化したドルーア軍を尻目にゲレタ達はグラ王国を後にする
なおゲレタはドルーア軍の人間のものと思われる服を着ていたが、適当にそこら辺へと投げ捨てて
勿論、こんな陰惨な事が起きているのを知っているのはゲレタだけ
「やれやれ、いつまでこんな事をやってんのかね」
ゲレタはそうつまらなさそうにぼやく
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アカネイアにおける全く進まない話し合いにさしものマルスも困り果てていた
しかもアカネイア貴族の中からは
「アリティア軍の人員を此方に回すべきではないのか?」
との意見すら出ていた
なお
「我等はニーナ様をアカネイアへと送り届け、ドルーア帝国の打倒こそが最優先と考える
現状、その為にはマルス王子の率いるアリティア軍に協力するのが最もよい方策であると判断している
貴殿らに従う理由も謂れもない」
とハーディンが
「私達は王よりシーダ様とマルス様の力になれ
そう命じられております」
とオグマが
「私がマルス王子に従っているのはマリアを救ってもらった恩があるからだ」
とミネルバがそれぞれの言葉で断っている
それは単純にマルスとしても嬉しい
何せ下手な人物の場合、指揮権を寄越せと言ってくる可能性も考えねばならないのだから
…それに加えて彼等の頭を悩ませる問題が更にある
「…ジェイガン
もしかして僕達は少しばかり下に見られているのだろうか?」
「…何とも言えませぬな
これがニーナ様のお考えとは思いたくありませんが」
現在アカネイアに駐留する事となったマルス達アリティア軍
しかし、その扱いは決して良いものではなかった
ニーナはアカネイア唯一の王族として、既にパレスから離れられなくなっておりその周囲にはアカネイア貴族達が常にいる
マルス達に対するニーナの言葉は使者によるものだ
それは組織として問題ないのだが
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「……だからと言ってマルス殿の婚約者であるシーダ王女を始めとした者達に対する縁談とは
…理解に苦しむな。それにジョルジュ殿やミディア殿は何をやっているのか?」
マルスのそばに付き添っているハーディンは明らかに苛立っている
マルスは別に立場の上下には拘らない人物なのだが、流石にこれは度が過ぎていると少しばかり苛立ちがあった
幸いにもそれらの不満はハーディンが代弁する事としてくれている為、アカネイア貴族達からのマルスへの評価はそこまで悪くない
…まぁ、マルスからの彼等に対する心象は控え目に言っても最悪だったが
ジョルジュやミディアは貴族達の説得やラングが中心となって行なわれているアカネイア軍の再建にも携わらねばならない為、全く手が足りていない
しかし、気位だけは一流のアカネイア貴族相手となると、ある程度の立場(アカネイア貴族基準)が必要となる
ニーナがそのあたりを理解していれば良いのだが、なにぶん彼女の興味はグルニアのとある人物に向けられている
その上ニーナの側に仕える貴族達はマルス達に関する情報や彼等から齎された情報を取捨選択して、ニーナに伝えていた
中世期における佞臣もびっくりな在り方であったが、残念ながらアカネイアでは寧ろこれが
爵位も地位も持たない亡国の王子に対する扱いとしては寧ろ破格の扱い
とすら思っている者達もいるのだから、どうしようもない
そして縁談はシーダだけではない
エリス、レナ、マリアにも
なお、レナの兄であるマチスはレナへの縁談について
「申し訳ないとは思うが、現在我々はいつ死ぬかも分からない戦争をしている
妹であるレナはこの戦争を最後まで見届けたいとの話を私は聞いている。戦争が終わってからその話は伺いたい」
として、相手方を納得させている
一応マチスはマケドニア国内において、それなりの家の者
その為、この手の話の断り方は心得ているのだ
何せレナは国王であるミシェイルからの話すら断った実績がある
それに比べたら大した事はない、との事
ミネルバについてはアカネイア貴族の中であまり良く思われていない事もあって、縁談の話はなかった
それに対して、彼女は内心ホッとしていたり
因みに彼等アカネイア貴族の考えでは
「彼女達が欲しい」
ではなく
「彼女達を貰ってやってやる」
というものである事からも彼等の腐敗ぶりは窺い知れるだろう
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「…ラング殿
我々に戦力が不足しているのは理解しているが、だからと言ってマルス殿の力を当てにするのはどうかと思うが」
「……私もそう何度も説得したのだが、聞く耳をあやつらは持たぬ
何せ貴族の中には「アリティア軍をアカネイア軍として編入させろ」と言う者すらいるくらいなのだ
ジョルジュ殿の言う通りではあるのだが、私も出来る限り妥協させてこれなのだ」
「……被害が出るどころか、壊滅する未来しか見えないな」
「寧ろそれを狙っているのではないか?と私は見ているがな
あまり言いたくはないが、マルス殿達はアリティアを取り戻さぬ限り流浪の軍。ならば使い潰してしまえと思っているのではないだろうか」
ラングの言葉にジョルジュは呆れ
「理解出来ないな
マルス王子達がいたからこそ、彼等は今の地位に戻れたのではないか
それを」
「……ここだけの話だが、マルス王子達が遅かったから自分達は逃げなくてはならなかった
そう主張する者すらいる始末なのだ」
ラングも呆れた様な話し方になる
当然だろう
そもそもドルーア帝国の脅威を読み違え、マケドニアやグルニアの敵対を防げなかったのは、あまり言いたくはないが今は亡き国王陛下達の判断ミス
そしてドルーア軍の侵攻を食い止められなかったアカネイア軍の責任なのだ
間違っても当時ドルーアに対して討伐の兵を動かし、それが同盟国からの裏切りで国すら失ったマルスに対して言って良い事ではない
「…ジョルジュ殿
マルス殿に伝えてもらいたい
…今暫く耐えてもらう事になってしまった事、このラングが詫びていると。私は何とかして貴族達を大人しくさせる故」
「分かった
…だが、ラング殿。貴殿も気を付けられよ」
そう言ってジョルジュはラングの元を後にした
この時の事をジョルジュは数年後に悔いる事になるのだが、今の彼には知る由もない話だった
という訳でグラは助かりましたが、アカネイアがかなりやばくなってます
多分これくらいはやると思う
ニーナと分断したら
あとゲレタの最終ステータス載せておきます(クラスチェンジ前)
ゲレタ 魔道士レベル20
HP 36
力 11
技 20
速 14
運 20
守 6
魔防 8
絶死の一撃(改)
必殺率+20%