汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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独自設定などに注意(n回目)









思想強め(今更)


過去よりの風来たりて

ナーガと共にロプトウスを追い、ユグドラルへ向かったフォルセティ。

 

 

彼は僅か100年ほどで自分達の血を与えられた者達がどの様な悲劇を引き起こしたのかを知っている。

 

ロプトウスの血はガレの時代、そしてユリウスの時代において彼の地に数え切れぬ惨劇を引き起こさせた。

 

 

人の身に自分達の血すら危険なのだ。

にも関わらず、あろう事かナーガの忘れ形見が人と結ばれようとしている。

 

 

その者が悪意を隠していないと何故言えようか?

その者が力に飲み込まれないと何故思える?

 

 

人と忘れ形見を近付ける事自体、好ましいものと思えないと言うのに。

 

 

 

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「失せよ。今まで隠者を気取っておった貴様に今更とやかく言わせるつもりはない。」

 

「ヒトと我等が交わったところで悲劇しか生まぬ。⋯何故それが分からん。」

 

モーゼス曰く隠者、フォルセティがドルーア領内に入ったところ、モーゼスと魔竜族達がそれを押し止める。

 

「ヒトの世に多少なりとも貢献していたガトーと違い、貴様は彼の地に勝手に赴き、それが終わればこの大陸に戻り隠棲した。⋯苦しむ同胞に見向きもせず。

そんな輩の言葉に誰が耳を貸すと言うか。」

 

モーゼスは魔竜族の長として、激発しそうになる者達を抑え、メディウスがドルーアを再興したと聞くとドルーアにいち早く合流している。

それが己の果たすべき責務であると確信しているから。

 

また魔竜族の者達から、そうあるべし。と望まれたから。

 

 

「誰が苦しむ同胞を放って他所に手を出せと言った?

一度手助けをして、あろう事か過ぎた力を与え、血まで与えたのであろうが。

仮に責任を感じているのであれば、二度助けに行った所で骨を埋めれば良かったであろうに。」

 

力を授けたのであれば、過ぎた力であると言うのならば、せめて己の力を宿した武器くらいは取り上げれば良い。

国の象徴だろうが、それで争いが起きるならば全て彼の地から持ち帰れば良かった筈。

 

「己の姿すら晒す事なく、死者の器を借りて人の世に介入するなど、貴様が危険視したロプトウス(愚か者)と何が違う?」

 

確かにコレは結果として人の世を守ったのかも知れない。

が、死者にも妻や子がいたというではないか。

 

 

 

良くもその様な惨い仕打ちが出来たものだ。

あの者から聞くに、解放軍とやらのトップはその正体を看破しながらも、コレ以外にそれを告げる事はなかったらしい。

 

 

力を振るうでもなく、ただ道を指し示しただけ。

それが最善であったかなど、誰にも分からぬと言うに。

 

 

 

 

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フォルセティは自覚していないが、一度ならず二度も他所に手を出した彼に対する竜人族(どうほうたち)からの評価はすこぶる悪いものだった。

 

特にナーガがユグドラルに赴き、その力を宿した神器を与え、その後に没した事から、今ではナーガの命を縮めた行為。と見做されている。

正確にはナーガやそれに従った者達は戻ってきた時にはその力を大きく減じていた。

 

彼等もまたその後ナーガの様に命を落とし、ユグドラルの事は既に終わった事として見られていた。

⋯いや、そもそも大陸において居場所を失いつつあった竜人族にとって如何にナーガのした事であろうとも、さしたる関心を向けられる事でも無かったと言えよう。

 

 

 

にも関わらず、若きフォルセティはユグドラルに赴き、何かをした。

 

 

 

そして、その空白を埋めたのがゲレタであっただけ。

 

 

 

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この世界に娯楽と言うものは稀少だ。

文化の成熟度において、マケドニアはアカネイアに遥かに劣る。ドルーアもそうだ。

 

 

非常に遺憾ながら、大陸の中心はアカネイアであり、大陸最古の国家もまたアカネイア。

一度メディウスらにより滅ぼされはしたが、カルタスを中心としたアカネイア再興を期す者達はアカネイア国内に留まり、抵抗を続けた。

 

かたやマケドニアは当時ドルーアの奴隷の集まりでしかなく、アイオテを中心とした抵抗運動があったとされている。

 

文化を復活させるのと、いちから文化を築くのでは前者の方が早いのもやむを得ない話。

 

 

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とは言え、今のマケドニアにはゲレタ(異分子)がいる。

ゲレタの居た世界は娯楽に事欠かないところであり、またゲレタは歴史の知識を得る為に本に親しんでいた。

 

 

そこでゲレタはカダインの魔道士であったガーネフに書の融通が利かないか話を持って行った。

 

 

マケドニアはドルーアと結ぶ事で食糧事情も改善しつつあった。しかし、それだけでは駄目だとゲレタは考え、それをガーネフに伝えた。

 

それを受けてガーネフは自身の持つ白紙の魔道書(スクロール)を渡している。

 

 

ガーネフは師ガトーやミロアに話を持っていき、カダインからの移住者を中心として書の生産を提案。

 

現在、三人を中心としてカダインの魔法技術の活用とスクロールの生産体制について話し合いが行われている。

 

 

 

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ゲレタは自身の持つ知識などをガーネフから貰ったスクロールに書き込み、その一部はモーゼスを介してメディウスにも共有される事となった。

 

特にユグドラルにおける戦乱については知らねばならぬものとしている。故にゲレタはそれ(聖戦)について記し、それをモーゼスに託している。

 

勿論、自分の知る知識と現実には剥離するところもあろうが、大筋では変わらないだろう、と割り切っていた。

 

 

血統配合(ウイポ)とも揶揄される聖戦のシステム。

故に分かる事はそこまで多くない。⋯が、シグルド達親世代や彼等と敵対した者達などについては、そこまで外れる事はない。と

 

 

モーゼスはそれを見て、怒りを感じるよりも呆れ果てた。

 

 

 

バーハラの悲劇とやらで喪われた命。

フォルセティの血を与えた風使いセティの末裔。それを依り代とし、動いていたのだと。

 

 

それは死者への冒涜であり、遺された妻や子供に対する侮辱だろう。

 

 

それと同時にフォルセティは何処までいっても、竜人族(変わろうとしないもの)であり、ヒトを理解しようとしなかったのだと。そう感じた。

 

 

 

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「人の世を守ろうとした貴様が、ヒトを理解してもいない。

正しく『ヒトデナシ』という奴なのだろう。

その様な貴様が何を以て姫とあの者を否定出来ると言うか。」

 

モーゼスはフォルセティを睨みつけ、

 

アレ(ガトー)も大概であったが、貴様はそれ以下よ。

我等に必要なのは、旧き風ではない。澱みを吹き飛ばす風。

それすら解さぬ者が道を征こうとする者を阻む事は我等魔竜族が許さぬ。

『自由なる風』フォルセティよ。その風が許される時代は終わったのだ。」

 

そのモーゼスの言葉を合図に魔竜族はフォルセティに迫った。




フォルセティの受難(パート1)










昔聖戦の系譜をクリアした時、最後にセリスが残ったレヴィンの事をフォルセティと呼んだ事に衝撃を受けた。

が、今となって考えると無理も無い話ではないかと思う様になる。


ナーガを始めとした十二聖戦士に血と神器を与えた神竜族。それはユグドラルの歴史において、紛れもない畏敬の対象だったのだろう。
グランベルも含め、ウェルダン以外の各国。その建国者が血を受けた者達だったのだから。

だが、レヴィンの姿を取ったフォルセティ。その存在を仮にシレジアの者達が知れば、果たして今まで通り尊崇の念を抱けるだろうか?
またレヴィンに子供がいれば、その者達は自身の父の姿を借りたフォルセティに感謝出来る、とは思えない。


またレヴィンは親世代において風魔法フォルセティを持ち、プレイヤーにとって相当心強い戦力となったのではないだろうか?

親世代における軍師ポジションはオイフェだった。オイフェは幼少の身であった為、戦場に出る事を許されず、それでもシグルドの力となりたいが為のもの。

だが、子世代のレヴィンはそうではない。


奇しくも、親世代にキュアンに従い活躍したフィン。
彼は子世代においてもリーフに従い活躍している。


その辺りの納得いかない事を本作では出していこうと思います。

エリスルート完結記念の外伝

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