汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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迷走中

しかし、毎日更新は維持したい


 非日常の中にあるもの

グラ王国で何故かドルーア軍相手にゲリラ戦の様な事をした訳だが、困った事になった

 

 

どうにもチキがアレを見て気に入ってしまったらしく、やり方を詳しく教えて欲しいと言う様になったのだ

 

 

……マジかよ(戦慄)

 

アレでドン引きしないの?

というか、少し前に俺チキの同族と言っても良い奴を解体したんですけどぉ!?

 

 

…あかん

今更になって罪悪感が

 

何せこの子、2000年(推定)経った舞台の覚醒でも普通に戦えるからなぁ

…え?マジ

 

こんなド畜生な戦い方が後世に残ってしまうの!?

 

いやいやいや、それはアカンやろ!

レギュレーション違反(解釈違い)も甚だしい

 

 

生き残る為にこんな戦い方をしてる訳だけど

俺は弱いからこうしてるだけだからな!?

 

 

そんな最悪な未来は見たくないよ、俺は(寿命的に見れるはずもない)

 

 

なんとかチキを説得しなくては!

 

 

ゲレタのかつてない戦いがこうして幕を開けた

 

 

 

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リンダはゲレタに先程の事を聞くチキと彼女に必死で

 

「いや、だからな?

真似したらあかんねん」

と説得しているゲレタの姿を見て、くすっと笑ってしまう

 

 

チキとゲレタの距離がグラでの戦闘で縮まったと思えるのだから

 

(…まぁ普通の感覚ではないわよね)

そうリンダは思うものの、あまり気にするつもりはない

 

 

力によってアカネイアを滅ぼしかけ、つい先程グラをも滅ぼそうとしたのだ

自分達が滅ぼされたとしても、それは仕方のない事

 

力の無いものは容易く踏み躙られ、弱者(敗者)は泥水すら啜らねばならない事などままあるものだ

 

 

国家がマトモに機能していないならば、自分の身は自分で守らねばならない

 

それが今の大陸の現実なのだから

 

 

そんな事よりも、リンダにとっては愛する恋人であるゲレタと可愛らしいチキの仲が良くなる方が遥かに大事なのだ

 

 

 

 

「でも格好良かったですよ」

 

「アレを格好良いと思える感性なのか

…うむ、やはり異文化コミュニケーションは斯くも難しいものだ」

 

そう話をする2人は笑顔だった

 

 

この笑顔をいつまでも守りたい

それはゲレタもそうだろうが、リンダもまた同じ気持ちなのだから

 

 

 

 

 

 

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ゲレタ達が去った翌日、手を出すなと言われていたが流石にシーマとゲレタ達の無事が気にかかり、市街地へと斥候を出す事とした

 

…既に彼との約束

 

現国王ジオルの拘束は終わらせている

 

 

処刑するつもりはない

前国王であるジオルの身柄は現在アカネイア・パレスにいるらしいアリティアのマルス王子に一任するつもりだ

 

…恐らくはマルス王子は処刑しないだろう

 

もしもそうであったとしても、もうジオルがこの国の地を踏む事は出来ないだろうが

 

 

シーマ自身が新たな国王に即位する事

 

これがゲレタから求められた条件だった

 

 

彼が言うには

 

「今の国王ジオルの体制下にあるグラの言うことなんて誰も聞きはしないだろ?」

との事

 

 

 

なお、ゲレタはジオルを信用できないとは言ったもののジオルを国王から引き摺り下ろせ

などと言った訳ではなかったりする

 

げに恐ろしきは焦燥に駆られて視野狭窄に陥ってしまった者の思考と行動であった

 

 

 

 

斥候が皆一様に青い顔をして戻ってきた

 

曰く、市街地の至る所でドルーア兵の死体が転がっている、と

 

 

 

彼女はその報告を受けてしばらく動けなかった

信じられないと言う気持ちはあったが、あの単騎での奮戦ぶりを見ると

 

(…まさか、ゲレタ殿が?)

と思ってしまう

 

 

呆然とするシーマに周囲の者達は声をかけると

 

「すまないな

少し気が動転していた。一応市街地を捜索して生き残りが居ないか確認しよう。もし脅威がなければ民にも協力してもらい市街地の復旧を行なう」

と指示を出した

 

 

そして

 

(ゲレタ殿。この恩はいつか必ず)

そう彼女は心に決めたのである

 

 

 

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グラ王国攻略軍の敗退

 

 

それは瞬く間に大陸全土に広まる事となった

勿論、ゲレタの事はある程度ぼかしてシーマはアリティアのマルス王子に伝える事にしていた

 

ゲレタの口からマルス王子とは多少関係があるとの事を聞いたからだ

 

 

しかし、マルスの元に届いたそれを大陸全土に広めた者がいた

ドルーアの勢威の減少を狙うアカネイア貴族達である

 

シーマやマルスは出来る限り、ドルーア軍撃退について秘す事によりドルーア側の動きを抑制しようと考えていたのだが、そんな都合は関係ない

と言わんばかりにアカネイア貴族達はこのドルーアの大敗を嬉々として大陸全土に広めてしまった

 

何せ腐っていても、彼等は大陸最大国家アカネイアのそれなりの地位にある者達だ

情報をばら撒く事など大した事ではなかったのである

 

 

彼等としてはこの大敗を積極的に喧伝する事でドルーアに与しているマケドニアやグルニアに対する牽制としようとしたのである

勿論、わずか数名がそのような事を成せる筈もないのでグラ王国軍が若き王女であるシーマ王女に率いられ、獅子奮迅の活躍をした

としっかり都合良く脚色しているが

 

 

彼等としては再建中のアカネイア王国軍

この指揮権を自分達が握りたいと考えているのだ

 

そして、自分達がドルーア帝国を打倒し、アカネイア王国の歴史にその名を残さんと願っている

 

その為には軍再建の中心人物であるラングやジョルジュにミディアは邪魔なのだ

 

 

グラ王国王女であるシーマに率いられたグラ王国軍が数や質に勝るドルーア軍を撃破したならば

アカネイア王国王女であるニーナに率いられたアカネイア王国軍がドルーア軍に遅れを取るはずがない

 

という何とも(彼等にとって)都合の良い理論を展開していたのだ

 

 

流石のマルスやジェイガンでも、まさか他国の情報をこうもあっさりと広めるとは思っていなかった

 

ニーナ(アカネイア王国王女)の元ではなく自分の元にシーマ王女が何故先に知らせようとしたのか?

それが全く理解出来ていないのだから

 

 

そして何よりも

 

「…ドルーアがこれを座視する理由は、ない

………そういう事になるんだね、ジェイガン」

 

「…ええ、恐らくは」

 

 

シーマがマルスに態々自分の即位とグラ王国のこれまでのアリティアに対する不実を彼女は書面にて謝罪している

 

 

本来ならばマルス王子に面と向かって謝罪するのが当然。しかしながら、我が国は現在体制の変化に伴う混乱の中にある為、それも叶わない

 

混乱が落ち着き次第、我がグラ王国はドルーアによって統治されているアリティア解放に対して全力であたることを誓う

申し訳なかった

 

 

というもの

 

 

「信用は、出来ると思う」

 

「…前国王の身柄についても我等に一任したい

そう言っておられますからな」

この場にはジェイガンしかいない

 

 

ハーディンすら同席させられないのだ

 

 

何故ならば

 

「まさか仲間すら疑わないといけなくなるなんて

……思わなかったし、思いたくもなかった」

 

ドルーアのグラ王国攻略軍の敗北

 

 

それは本来、マルスやジェイガン

そしてハーディンとその信頼する狼騎士団の者達くらいしか知らないもの

 

 

それが外部へと漏れたとなると、流石に看過出来ない

 

 

 

 

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マルス達やハーディンは知らない事であるが、ハーディンの狼騎士団

 

この狼騎士団の中で、今意見が割れていた

 

 

ザガロとビラクはニーナ様を此処まで連れて来られたのは他ならぬハーディンがその命すら賭してオレルアンで奮闘したからだ

だからこそ、ニーナと結ばれるべき

との考え

 

何せ当時のハーディンは少なからずニーナの事を思ったからこそ、死に物狂いで圧倒的劣勢の中でも抗ったのだ

その想いは報われるべきだろう

というもの

 

なお、アカネイアのボア司祭もアカネイア再建の為には後ろ盾となる存在が必要不可欠であるとして、オレルアン公の弟であるハーディンならば好ましいと考えて動いている

 

 

それに対して、ウルフとロシェ

厳密にはウルフだけとなってしまうが、今のアカネイアの在り方を見るにハーディンの居場所はないのではないか?

そして何よりも、ニーナは命の恩人である筈のハーディンよりもアリティアのマルス王子にファイアーエムブレムを託している。その事からニーナやアカネイアとは距離を取るべきだ

と主張している

 

何よりも、あれだけ高潔で騎士の鑑とも言えるハーディンがあの様な人物と結ばれたとして、良い未来が想像出来ないのだ

 

 

ロシェも控えめながらにウルフの考えに同調している

ロシェとしては、アカネイアの都合よりもハーディンの心こそ第一にすべきであると思っている

 

それに、最近のハーディンはアカネイアの余りの不甲斐なさに苛立ちと諦めにも似た感情を持っている様に見えた

尊敬する主君がその様な姿になるのを見て、それを肯定できる部下はいない

 

 

これに対してザガロとビラクはニーナとハーディンが結ばれたならば、自分達もアカネイア騎士団の一員として、その様な事はさせない

と言っている

 

 

議論は平行線であるが、彼等はハーディンに対して忠誠を誓うオレルアンの狼騎士団

 

戦場において、その様な事を持ち込む事はないのだが

 

 

 

 

----

 

 

 

実はアカネイアの中で密かに影響力を増しているのがニーナとハーディンを婚約させ、オレルアンの精強な騎士をアカネイア軍に取り込もう

という考えであった

 

 

この考えはアカネイア軍の早期建て直しや軍の優秀な指揮官を得る事が出来る

更に有力なオレルアン公もその場合アカネイアに引き入れる事が出来、ニーナの影響力の低さも夫となるハーディンの存在がカバー出来るだろう

そう考えた

アカネイアにとって、メリットしかないと多くの者がこの考えに賛同。後にアカネイア国内で声高に主張される事となる

 

懸念材料としては他国人であるハーディンを女王の夫とする事であったが、それくらいは我慢すべきであるとされた

 

 

しかし、これには大き過ぎる問題があった

 

そう、ニーナとハーディンが相思相愛でない事だ

だが、貴族間の婚姻において政略結婚などというものは至極当然の事であり、自分の感情を優先させるなどというのはあってはならぬ事だった

 

 

当然ニーナもそのくらいは理解している

そうこのやり方を支持する者達は思っていたし、まさか敵国の騎士に対して想いを寄せている

などという事は想像も出来なかった

 

この方策を支持する者達は権力争いに敗れた者や権力争いや派閥と言ったものに疲れ果てた者達

 

 

つまり

現在ニーナの周辺の者達の彼女への不満

黒騎士カミュに対するニーナの想いなど知る由もなかったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

守るべきものは人それぞれ違う

仮に同じだとしても、その手段は同じとは限らない

 

人はいつだって間違える

それが取り返しのつかないところへ至るまで、人はそれから目を背け続けるのだろうか?

 

 




チキからすれば、ゲレタは自分を守ろうとしてくれる
初めて甘えさせてくれた人


なので、チキのゲレタに対する感情には強烈なプラス補正がかかります


なお、この補正値はゲレタ達が死んだ際に更に追加される模様


ニーナとハーディンの事について触れていたら文量が増えたでござる!
なんということだ(当初の予定は)もう助からないゾ


…おかしい
さらっと終わらせて後日談という名の覚醒時代のチキの回想に繋がるはずのスケジュールが

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