汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
「…いう訳で、これからクライネとカタリナを教える事になったゲレタだ。一応元山賊なので、山賊相手にはそれなりにやれるつもりだ」
「え、ええ」
「はい、お願いします」
ゲレタはクライネとマリアの杖で治療されたカタリナを連れて村の外へと巡回する事とした
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…ゲレタ個人としては、クライネはともかくとして、カタリナはもう少し休ませるべきではないか?と思いはしたのだが
(この子も抱え込むタイプだろうからなぁ
下手に思い詰めるくらいなら、身体を動かさせた方が良いだろう)
との考えから連れて来る事となった
どうやら、エレミヤとやらから不要と切り捨てられた事がかなりの精神的な負担となっているらしく、傍目精神が安定している様に見えるが瞳の奥に恐怖の色が見られる
パオラやカチュアにも見られたものだが、カタリナの場合はかなり酷い
環境はどうあれ、やはり
…精神面の安定はパフォーマンスに大きな影響を与える
普段ならば、さして気にならない事であろうとも精神が弱っている場合はそうでない
今の彼女にとって、何も役割を与えられない事は自身の存在を否定される事と同義になるだろう事は容易に想像出来る
勿論、クライネも手を尽くすだろうがどうにもなるまい
彼女にとって
…ならばどれだけ
集団を率いる人物
…この場合、妙な話となるが自分になるのだろう
自分が認める事で多少なりとも周囲の声を聞くだけの精神的な安定が望めるだろう
そうやって初めてクライネやリンダにパオラの言葉も素直に受け入れられるだろう
…チキについてはしっかり話をしないといけないだろうが
レイの奴にも話をせにゃならんだろうなぁ
…山賊の一味として生きねばならなかった時には、こんな事になるなんて思わなかったもんだ
坂道を重き荷を負い歩くが如し
か
生きるからこそ、背負うものが増えていくって訳か
…やれやれ
ゲレタは深いため息をつきながらも笑った
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クライネは自分達を助けてくれたゲレタという人物が元山賊という事を知り、困惑した
彼女の知る山賊と目の前で山の歩き方を話している人物が同じものとは到底思えなかったのだから
それと同時にエレミヤと同じ様な確かな知性をゲレタから感じた為に彼女の困惑の度合いは深まるばかりであった
何せ司祭として高等教育を受けているであろうエレミヤと元山賊であるゲレタ
ある意味では相反する様な立場の人物なのに、受ける印象が似ているのだから彼女の困惑も無理のない話だろう
…というか
「これから山に入る訳だが
…流石にその格好はダメだな。リンダ、悪いと思うが」
「2人の服ね
すぐ見てくるわ。…チキも手伝ってくれるかしら?」
「うん、お母さん
お父さん行ってくるね」
「頼むわ
…パオラは料理出来るか?」
「え?
はい、多少は」
「なら頼む。2人とも体力の消耗が著しい様だから、消化の良いものを」
「分かりました」
こんなやり取りがあれば、クライネも困惑する事だろう
そして、クライネとカタリナは肌の露出を極力抑えた服装でゲレタと共に山中にいた
「とりあえず2人には俺の仕事である山賊対策に就いてもらう
…勿論、それ以外の事もしてもらわにゃならんが、そこは理解して欲しい」
「それは勿論理解しています」
「はい。お願いします」
私とカタリナはゲレタさんの言葉に頷く
言っては何だが、助けて貰ったのだから
…その、愛玩される事すら覚悟していた私とカタリナだったのだが、どうやらそういう事を良しとしない人らしい
…正直意外だ
元とは言え、山賊ならば『奪い、殺し、踏み躙る』のが普通だと思っていたから
「…何やら勘違いしている様だが、俺には妻もいるし、娘もいる
家庭を壊す真似をする訳がねぇだろうがよ」
私とカタリナの内心を悟ったのか、ゲレタさんは苦笑い
「ま、山賊と言っても組織だった奴等は粗方潰しているから、はぐれの奴が多くなるだろうよ
あとは手隙の時には動物の狩りもあわせて行なう
何せ山賊を退治するのも大事だが、食い扶持を確保するのも大切な事だからな」
それは私達としても、寧ろ望むところだ
私達を引き受けた結果、生活が苦しくなったなんて事になれば居た堪れないなどという話ではないのだから
「ま、暫くは俺のやり方を参考に自分達なりのやり方を見つけるこった。最終的には2人で見回ってもらう事になる予定だ」
ゲレタさんの言葉に私とカタリナは力強く頷いたのだ
…今思えば、その内容を確認してから頷くべきだったと後悔してやまないが
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「という訳で、先ずは索敵範囲の拡大からだな」
「…はい?」
「あの、それはどういう」
ゲレタさんの言葉にクライネは間の抜けた声を
私は戸惑いながら、疑問を口にする
…少し前ならば絶対にあり得ない事だ
やらねばならない
理由など考えるな
そう言ったものだったのだが
「いやいや
疑問に思った事をそのままにしておくなよ
聞くタイミングを逃すと案外聞かなくなるもんだからな
…あと、最初に教えるのは基礎なんだから、それが分かってないのに応用も発展もできる訳ないだろうよ」
と言われた
そして
「まぁ、それでも聞きづらいかも知れんか
…どうしたものか」
と頭を悩ませ
「なら、俺と一緒に
と私達は言われました
幸い私も姉さんもゲレタさんに見捨てられない様に必死だったので、その様な事はありませんでした
因みにゲレタさんを兄貴と慕っているレイに聞いたところ
「…思い出させんなよ
兄貴は凄いとは思ってるけど、アレは」
と言葉を濁されました
何があったのでしょうか?
「まず魔力で風を生み出します」
「はい」
これは魔道士の卵である私にとってはそこまで難しい事ではありません。クライネには出来ない事ですけど、それは別に構わないと思います
「そして、その風を極力抑えた上で周辺に広げます」
……………え?
私は思わずゲレタさんを何度も見て、そしてゲレタさんの起こしたであろう微弱な風とゲレタさんを交互に見ました
「?
どうした、カタリナ。分からない事があったか?」
「…いえ、分かります
ただ、それってかなり魔力制御が難しいと思うんです
…今の私の力量では難しい様な」
「……マジで?」
「はい」
私の言葉に目を見開いて驚くゲレタさん
そんなゲレタさんの姿を見て、クライネとほっこりしたのは内緒ですよ?
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そんな事があって、初日は程々に終わると思ったのですが
そうはなりませんでした
「…止まれ。2人とも」
先程までの温かさを一切感じない様な冷たい声に私とクライネは気を引き締めました
「…賊、ですね」
私には遠目に人が見えていたのですが、流石はアーチャーであるクライネ。姉には見えているみたい
「侮るな
他にもいやがる」
そう言いながら、ゲレタさんは手首を返しました
あの時の光景を私とクライネは一生忘れないでしょう
たったの
それで、4人いた山賊の命は絶たれたのですから
私達は暗殺術を仕込まれていました
…だからこそ、分かるのです
これがどれだけ理不尽で、回避不能な恐ろしいものなのかを
…その日から、私と姉はゲレタさんの事を師と仰ぐ事になりました
追いつけるか分からない
…でも、いつかこの人の役に立ちたいと
そう思ったから
なお、帰ってから村の人達が嬉々として殺した山賊達の装備を剥ぎ取りに向かった事を見た私と姉は、ぜっっったいに此処から離れない事を決めました
パオラさんの作ったご飯は美味しかったです
…え!
ご飯は交代で作るんですか!?
わ、分かりました
…あの
失礼だと思いますが、チキさんは料理出来るのですか?
そう聞いた翌日、チキさんが作った料理を食べて
私と姉は落ち込む事になるのですが
それもまた良い思い出ですね
という事で、クライネとカタリナがゲレタの弟子ポジションとなりました
なお、ゲレタを父と呼んだ場合は怒れるチキとの強制イベントが発生する模様
マスクデータ
ラング アーマーナイト18
HP 42
力 16
技 13
速さ 11
運 7
守備 18
魔防 9
ifルート(18禁バージョン)いる?それだけ独立して投稿するものとする
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いる
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いらない