汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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メンタルがやばやばなので、初投稿です


 幕間 新たな日々

「…はっ!」

クライネは短く気合いを入れて弓を射る

 

「姉さん、流石」

 

「…なぁ、兄貴

まだ俺はダメなのかよ?」

 

「焦んなレイ

お前は身のこなしの軽さと目の良さが強みだ

敵の死角を取りながら、削っていけば良い」

 

「…うん」

大陸に更なる戦乱の嵐が吹き荒れようとしている時、ゲレタは村でクライネ、カタリナ、レイの訓練を行なっていた

 

 

クライネとカタリナは食事があまり食べられていなかった事から、消化器官が弱っているのでは?とゲレタは思い、暫くの間はかなり煮込んだスープやパンをスープに入れたものなどを食べさせる事とした

 

まだ料理の不慣れなリンダ(愛妻)であるが、日々成長していく料理の腕にゲレタはしみじみと幸せを噛み締めている

 

風呂に関してはゲレタ、リンダにチキ。パオラ、クライネにカタリナという割り振りだ

 

 

偶に村の男衆や村長と村の風呂に入りにいく事もある

素行の悪かったレイがゲレタとの出会いをきっかけに村の一員として役目を果たす事になった。そうレイの父親は笑っていたりと、村の者達との親睦を深める事も忘れない

 

リンダ達は隙を見つけては、料理や木彫り細工に裁縫なども習っておりリンダ曰く

 

「…こうやって過ごす日々もいいものね」

との事

 

 

ベッドについては村の建物の修復を行なっている者達からクライネとカタリナ用のベッドを作ってもらえる事となり、ゲレタとリンダにチキ。パオラ、クライネ、カタリナはそれぞれのベッドを使う事になった

 

 

ゲレタは簡易的な罠や鳴子などを村の男衆と共に作り、村の防衛能力の底上げを図っている

 

村社会というものは人との繋がりや関係なくして平穏を享受出来ないとゲレタも理解しているから

 

 

 

レイの父親からも

 

「息子を鍛えてやってくれ」

と頼まれている為、ゲレタは基本この3人にチキを含めた4人の中からローテーションで村の周辺の警戒にあたっている

 

 

勿論、余裕があれば獣を狩って食糧調達は忘れないし、倒した山賊の剥ぎ取りも怠る事はない

 

山賊と言えども、定住している…と言えばおかしな話となるだろうが、確たる拠点を持っている者達はそれぞれの縄張りが存在する

厳格な規定はないのだが、山賊同士の潰し合いなどというものは滅多に起きない

 

と言うのが、元山賊(サムシアン)であるゲレタの経験則

 

 

何せ、教会など使えるはずもなく、村の様に何かを育てるだけの環境もない

山奥と言えど、村の周囲にはそれなりの場所と水源が無ければ農作などと言うものは到底不可能

 

そして、それらを満たす場所と言うのは大抵村があるものだ

 

 

 

割と勘違いされる事が多いのだが、山賊が村の住民を皆殺しにしてそこに居座れば良い

と考える者が多いとゲレタは感じている

 

 

そんな事は出来ないし、出来たとしても誰もやるまい

 

 

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村社会という言葉がある様に

 

村というのは1つの社会なのだ

故に各々が果たすべき役割があり、それを皆がこなすからこそ村という集団は維持出来る

 

 

しかし、山賊というのは奪い、殺し、犯す事に酔ってしまった

或いは慣れきってしまった者が多い

山賊という集団の中でさえ、目が届かなければあっさりサボったり裏切ったりするのが常なのだ

 

元は善良な市民だったとしても、そうなってしまえば最早我慢なんて出来るわけがない

持て余すのだ

 

更に言えば元住民の死体処理も課題になる

 

 

山賊の使う武器はほほ斧

これは単純に殺傷力と破壊力が高く、比較的力任せで使える武器だからだろう

 

その代わりに殺害した者の遺体はかなり無惨な事になる

 

 

防備の比較的薄い村となると、山に近いところになる事が多い

街道沿いにある村とかは割と防備などがしっかりしているものだ

 

更に領主などもその存在を知っている為、自身の風評にも関わる事から兵士などを回してくる危険がある

 

 

その為、山賊が襲えてしかもそれをそのまま占拠できる場所と言うのは大抵辺鄙な所

 

 

人が少なければ、獣との生存競争となる

そんな中で血の匂いを垂れ流していればどうなるか?

 

 

 

血とは怪我をしたから出るもの

つまり、手負いのものが血の匂いの先にいると獣達は知っている

 

対策や心構えをしていないと獣によって殺される事もあるものだ

 

 

 

 

 

様々な理由から、山賊は奪う事でしか生活できない様になってしまったのだとゲレタは思う

 

 

 

----

 

 

そんなある意味では社会に戻れなくなった山賊を俺達は養分として生きる

 

 

ミネルバ王女とマリア王女を連れてくる際にその話をしたのだが、どうやらお気に召さなかったらしい

 

分からなくも(無理も)ない

彼女の感性は何も間違ってはいないのだから

 

 

…ただ

それでは生きていけない者もまたいる

 

それだけの事

 

 

 

ミネルバとマリアをさっさと帰したのは、あのままだと間違いなく村人達とトラブルになると思ったから

 

マリア王女の悲しそうな表情からすると、彼女はミネルバよりも理解しているのだろう

 

 

貧しさというものを

 

 

 

衣食足りて礼節を知る

良く俺がいた世界で知られる言葉だ

 

 

着る物と食事

それに安全な住まいがあって初めて人は落ち着ける

冷静になれるのだ

 

 

クライネとカタリナの様に子供を幼い時から大人の考えに染めるという手法は別に珍しくもない

 

食わねば死ぬのだ

 

 

それはこの大陸においてなら

 

殺さねば生きれない

という事でもある

 

 

 

無論、誰彼構わず殺意を振り撒くのではない

自分を守る為に、自分が

守りたいと思う者を守る為に、剣を振るわねばならないのだろう

 

 

 

はっきり言ってしまうと、アカネイアが滅びようとドルーアが負けようと民衆の多くはそこまで気にしないだろう

 

あくまでも平穏な生活が送れたならば、それで充分なのだから

 

 

 

 

 

 

そうだとしても、子供に殺しのやり方を教えるのは

………堪えるなぁ

 

 

----

 

 

 

カタリナと共にこの村の一員となって少し経った

 

 

ゲレタさんは私とカタリナの食が細い事をかなり問題視しており、消化に良いものを奥さんやパオラさん。チキに作ってもらう様にしている

 

いつも

 

「貴方はいつも見回りとかをしているんだから、この位は任せて」

と奥さんに言われている

 

 

パオラさんやチキが手伝う事で何とかなるらしい

 

 

ゲレタさんの奥さんであるリンダさん

彼女はカダインの出身らしく、単純な魔力で言えばカタリナやゲレタさんよりも上らしい

 

ただ、カダインの教えに慣れてしまったらしくゲレタさんの様な細かい魔力制御は出来ないらしい

 

「…いえ、寧ろゲレタさんの方が

その、異常と言うべきでは?」

とはパオラさんの言葉

 

火を起こすのも一苦労だと思ったのだが、チキが普通にブレスを吐いてどうにかしている

 

 

チキは竜人族らしく、その中でもかなり偉い人の娘らしい

…どうやら、大陸で知られている呼び方はチキ達からすると不快に思うそうだ

 

もっとも

「お父さんとお母さんなら、別に良いですけどね」

との事らしいが

 

 

ゲレタさんは元山賊と言うのだが、どう考えてもそこら辺の教会の司祭よりも人の健康管理が出来ている様に思えてならない

 

 

「…山賊とは何なのでしょうね、姉さん」

と頭を悩ませている妹に私も同意する

 

 

お陰で少しずつだが、食べる量が増えているのは体力的には嬉しい

…嬉しいのだけど、やっぱり私達も女

 

体型には気をつけている訳で

 

 

ゲレタさんとの見回りや訓練をしない時はあまり食べない様にしている

 

 

 

レイもそうだが、私も妹もゲレタさんの剥ぎ取りや釣り(・・)について別に嫌悪感はない

村の人達もそうだ

 

余裕がないのに、どうして手段を選べるだろうか?

 

 

 

 

 

因みに

もしも

…もしもの話

 

ゲレタさんと敵対する事になったら、私とカタリナは真っ先に自分達に指示する者を殺すだろう

 

逃げる?

 

 

相手はかなりの範囲を攻撃できて、しかも魔力の動作も見えづらいとカタリナは言っている

仮に逃げおおせたとしても、チキやパオラさんのペガサスがある以上逃げ切れると思えない

 

素直にごめんなさいするしかないと思うわ

 

 

 

山賊相手とは言え、4、5人まとめて始末出来る人相手に勝てる訳がないのだから

 

 

 

でも、私達は鍛錬を怠るつもりはない

ゲレタさん達にまだ何も返せていないのだから

 

 

 

 




色々あったので、暫く更新しないかも知れません

ないとは思いますが、もしも1ヶ月更新が途絶えたら未完結と思って下さると幸いです

ifルート(18禁バージョン)いる?それだけ独立して投稿するものとする

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