汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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Lawルートの続き


 ヒトの素顔

何故かリンダに泣きつかれて、一緒に旅をする事になったゲレタです

 

 

いやまぁ、確かに可愛いですよ?リンダは

でも手を出す訳にはいきませんし、出来るだけ面倒ごとは避けたいじゃ無いですか?

 

 

なので

 

「…また野宿なの」

言うな、リンダ。俺も悲しくなってくるわ

 

「分かっているわよ、ゲレタ

分かっているけど!」

リンダは悲しそうな顔を浮かべる

 

 

 

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こうなったのには理由がある

 

大きな街や村にある施設

宿屋

 

本来身を休め、明日の為の気力や体力を回復する場所

…なのだが、この宿屋。選択を間違えると奴隷コースへ直行すると言う特大の罠が仕掛けられている事があったりする。この事を果たしてマルス達は知っているのだろうか?

 

 

 

宿屋の主人は当然だが、宿泊客と顔を合わせる

別に不思議な事でも不自然な事でもない

 

故に悪意ある者の中には宿屋の主人と共謀して

或いは主人を脅して

 

宿泊客の中に獲物が居ないかを探すのだ

 

 

一応個室であり、内鍵も付いているが小窓などありはしない

…その為何か宿泊客に用事がある時は廊下から室内に声を掛ける必要がある

 

別にこれも不思議ではない

 

 

が、主人が悪意を持っていたり、悪意ある者に動かされている場合はこれらの要素全てが宿泊客に対して害をもたらすものとなる

 

部屋の中が見えぬと言う事は部屋の中からも廊下は見えぬと言う事でもある

宿屋の主人に呼びかけられたからと扉を開けた所に悪漢がいる事もあり得るのだ

 

 

…と言うか、実際に俺とリンダは遭遇したのだが

 

 

 

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戦利品という名の追い剥ぎの成果を売り払って資金にするが、魔導書というものは売られている場所が限られているうえに、個人で買うとかなり高価になる

 

マルス達は曲がりなりにもタリス王国の支援や後ろ楯にアカネイアのニーナ(小娘)の権威もあるのだ

商人達もマルスの覚えを良くしようとある程度値引きするし、なんなら行軍について行く者もいる

何せマルスの祖国アリティアは事実上滅んでいるのだ

 

しかし、今マルス達はアカネイアのニーナ王女の願いによりアカネイア解放とドルーア討伐を求められている

これらが成されれば当然マルスはアリティアを再建できるか?或いはアカネイア内において領地持ちになる可能性は非常に高い

 

 

であるならば、今の些細な損失よりもマルス達の信用を勝ち取り、彼の領土で商売をする方が利益になる

そう言った考えに基づくもの

 

 

当たり前だが、ゲレタやリンダにその様な背景や後ろ楯はない

…正確にはリンダはカダインのミロアの1人娘なので、やれなくはない。そのかわり、彼女の持つオーラを狙うガーネフにその居場所を教える様なものになるが

 

勿論、そんな事をリンダが望む筈もない

寧ろゲレタには自分の身の上の話はしたものの、他人に自分の事を話したいと彼女は思っていなかった

 

 

そんな訳で資金はいくらあっても足りないとのリンダからのアドバイス(という名の説得)により、ゲレタとリンダは同じ部屋で寝泊まりする事とした

したのだが、何故か宿の主人がしきりにゲレタとリンダを別の部屋にしようと口を出してきた

 

ゲレタは

 

(多分これアカンやつや)

と何となくこの後の事を想像して顔を顰めたが、それを見た宿の主人はゲレタが不愉快になっていると受け止めた為に同室となる事が出来た

 

 

 

そして、案の定主人の呼び出しに応じたリンダが危うく捕らえられそうになってしまったのである

言うまでもなく、拐おうとした者をゲレタは『内側から風の刃でズタズタ』に引き裂き

 

「世話になったな

宿代の返金は要らん」

と言い残し、リンダと共にその村を飛び出したのだ

 

 

 

そんな経験があって、リンダも宿屋に泊まる事を躊躇する様になってしまった

 

と言うよりも、リンダは必要最低限以外村や街にいる事すら厭っている様にゲレタには見えていたが

 

 

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「一人旅って大変なのね、やっぱり」

そうため息をつくリンダ

 

(いや、それはお前が綺麗所だからだと俺は思うんですわ)

とゲレタは内心深いため息をつく

 

「居る?ゲレタ」

 

「はいはい、居ますから手早く水浴び終わらせなって」

 

「分かったわ」

今リンダは近くの湖で水浴びをしている

流石に女の子である以上、あまり不衛生なのはどうかとゲレタも思っていたし、リンダも出来ればそうしたいと思っていた

 

なお、元山賊であるゲレタだが、割とその辺はきっちりしていたりする

 

 

 

 

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「水が欲しいだぁ?」

 

ハイマンは目の前の男の言葉に怪訝そうな顔をした

そしてその男は更にこう口にする

 

出来る限り綺麗な水を

 

「…んなもん何に使う気だ、ゲレタ?」

ハイマンの言葉に

 

拷問と他に少々

そう答えた

 

「…ふ、ん

まぁ良いだろう。誰か適当な奴にやらせる

…あとこれをお前が使え!」

そうハイマンはゲレタに手渡した

 

本、ですか?

 

「魔導書だ、馬鹿野郎

テメェが必要だって抜かしやがるから用意してやったんだ

有り難く思えよ」

 

…ありがとうございます。(かしら)

 

「はん!いつまでも無駄飯ぐらいを許してやる程俺は甘くねぇんだ!

いいか!これからはしっかり働いてもらうぞ?」

 

…勿論です

 

 

 

とまぁ、こんな事があったお陰で山賊としてゲレタはかなり身綺麗にしていたのである

 

 

その後しばらくしてゲレタは自身が思う以上に魔導書が高いものであると知り、斧ひとつ満足に扱えなかった自分を辛抱強く使ってくれたハイマンに対して絶対の忠誠を誓ったのである

 

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「ごめんなさい、あがったわ」

そう長い髪を綺麗な布で拭きながらリンダは湖の方からゲレタの元へと歩いてきた

 

「ペンダントやサークレットを忘れちゃねぇだろうな?」

 

「大丈夫、ありがとう」

ゲレタの言葉にリンダは胸元に視線をやり、ゲレタの気遣いにお礼を述べる

 

 

 

 

 

 

「それにしても、私はカダインに住んでいたから分からなかったけど酷いものね」

 

「『衣食足りて礼節を知る』というからな

日々の生活すらギリギリなら人は容易く悪い方へ流れるもんだろ?」

 

「…そうかも知れない」

リンダはゲレタの言葉に苦笑いしか出来なかった

 

 

 

 

 

----

 

 

 

そして2人は港町へ辿り着いた

 

 

「中々の規模だな」

 

「魔導書を売っていると良いのだけど。あるかしら?」

そう街へ向かおうとする2人に

 

「止まれ!」

鋭い声がかけられる

 

 

 

 

 

 

「すまなかった。そうか、旅人か」

この港町ワーレンに雇われている傭兵シーザは2人に頭を下げる

 

「仕方ねぇよ。アンタらも仕事だろう?」

 

「そう言ってもらえると助かるよ」

ゲレタの言葉にもう1人の傭兵ラディも頭を下げ、苦笑いを浮かべる

 

「魔導書が売っていて助かったわ」

とリンダも安堵の溜息を漏らしていた

何せ、オーラが使えないとなるとリンダには自衛の手段がないのだから

 

 

 

「もし腕に自信があるならば、闘技場を利用すると良い

経験にもなるし、勝てば賞金も貰えるからな。…ああそうだ、武器は自前だから気をつけろよ」

 

「中々大変だと思うけど頑張って」

そうシーザとラディは2人に声を掛けると町の警備へと戻っていった

 

 

「…どうするよ?闘技場」

 

「あんまり長居したくないわ。ごめんなさい」

ゲレタの言葉にリンダは表情を暗くして謝罪する

 

「構わんって。んじゃ行くか」

 

「ええ」

 

そうして2人は港町ワーレンを後にした

 

 

 

その翌日マルス達がワーレンに到着したのだが、神ならぬゲレタに分かるはずもなかった

 

 

 

 

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「何だと!アリティア軍が此方に向かっているだと!

…良し全軍に出撃準備をさせよ

砦の部隊も全て出せ!ここで何としてもアリティア軍を倒すのだ!」

 

 

 

そして始まる峠での一大決戦

 

今までに無い大規模な戦闘!

 

 

 

 

 

「よし、資金もかなり危なくなってきたからな

ここらで補給(調達)するとしようか?」

 

「…もう止めないけど、もう少し

その、無いの?」

 

そこに混じる異分子2つ

 

 

次回

 

「激戦」

 

 

カオスルート

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