汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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短めの話


思いの外、ガトーに対する読者様達の印象が悪くて少しびっくり


少し不愉快になるかも知れない表現があるので、注意


 幕間 心

「…ねぇ、ゲレタ

無理しないで」

 

「……バレバレか?」

 

「私だけじゃないと思うわ

チキもパオラもクライネもカタリナも、多分レイと薄々気付いているわよ」

 

2人きりの風呂の時間、リンダは夫にそう話を振った

 

「無理しなきゃ生きていけなかったからなぁ」

 

ゲレタはそう言って遠い目をする

 

 

そんなゲレタをリンダは抱き締める

偶にするのだ

そんな表情(かお)

 

 

人を殺さねば生きていけない

だが、ゲレタがかつていた所では人を殺す事は最大の禁忌の1つであり、どの様な事情があったとしても許されるものではなかったと

 

そうリンダは聞いている

普通に考えれば与太話や狂人の妄言でしかないだろうが、リンダはそれを信じていた

 

嘘でも良い

などという事ではない

 

 

愛する人を信じられないで、何を信じるというのだろうか

そうリンダは思う

 

人によってはそれを盲信と言うのかも知れない

…でも

 

 

それでもリンダは

 

自分の涙で復讐(生きる事を諦める事)

生き方を曲げてくれたこの人の支えになりたいのだ

 

 

 

例えその結果、後世から何と言われようとも

 

 

リンダは自身の胸の中に愛する人の温もりを抱きしめ続けた

 

 

 

 

 

----

 

 

 

「チキさん、良いの?」

 

「……お父さんを1番支えられるのはお母さんだから」

カタリナの言葉にチキは少しだけ寂しそうに笑う

 

チキも分かっているのだ

まだ自分は子供なのだと

 

 

生きた時間の長さは自分の方が長いだろう

…だが、その時間の多くは何も得る事のなかった時間ではないか?

 

今の生活をして

バヌトゥとの生活の中で

 

チキはそう感じている

 

 

チキは父であるゲレタに対して少しばかり思い入れが強い自覚がある(なおチキの主観であり、世間一般の認識ではない)

 

 

父ならば、あの神殿で共に永遠を生きる事も

父の子をこの身に宿す事さえも

 

チキは嬉々として受け入れるだろう

 

 

…だが、それはヒトの世にある者としては許されざる事であり、父がそれを望んでいない事も理解している

………納得しているかどうかは少し怪しいところではあるが

 

 

 

チキの価値観は竜人族としてのそれとリンダの持つ大陸におけるそれ

更にゲレタのそれを混ぜ合わせたものとなっている

 

その為、優秀な者の(つがい)が必ずしも1人である必要はない

という割とシャレにならない結論に至っていたりするのだが、幸か不幸かそれを知る者はいない

 

 

 

なお、最近チキは危機感を抱いている

 

パオラ(自責に押しつぶされそうな女)ではない

パオラのペガサスとはしっかりと話をしなければならないとは思っているが

 

 

レイは脅威だ

何せ、クライネやカタリナと違い

父ゲレタと同性であるが故に裸の付き合い(一緒にお風呂)が出来るのだから

 

 

クライネとカタリナの2人は現状では(・・・・)脅威たり得ないだろう

何せ2人もパオラ(面倒くさい女)と同じく、父に対して後ろめたさを持っている。その上生活までも見てもらっているのだ

 

これで恩を感じない様な人物ではないだろう

 

 

 

チキにとっての脅威足り得るのはリンダ(母親)のみなのだ

 

 

 

 

…しかし

 

………嗚呼しかし

 

 

チキは父ゲレタの優しさも強さも

…そして弱さも知ってしまった

 

だから、出来ない

 

お父さんを支えられるのはお母さんだけなのだ

 

そう悟ってしまったのだ

 

 

 

でも

それでも良い

 

あの人の1番愛する人でなくとも

あの人の1番大切な娘であると

 

 

そう納得させる事が出来るのだから

 

 

 

 

 

 

 

因みに父を乗せて空を駆ける事に関して譲るつもりは一切ない

少し前に父をペガサスに乗せる話があったのだけど、それは私的には完全にアウト

 

父と母を乗せるのは私だけのものなのだから

 

 

 

 

----

 

 

 

 

 

「…へぇ、小さな緑髪の少女」

 

「おう。茶色の髪をした少女と黒い髪をした冴えない奴と一緒にいたと思うが」

 

「仲は良かったのかい?」

 

「そうだな

俺には不仲には見えなかったぜ?

3人手を繋いで歩いていたし、緑髪の嬢ちゃんは本当に楽しそうだったからな」

ある街で赤い髪をした人物が街の住民と話をしていた

 

話と言っても、住民から赤い髪の人物が聞き出している

という方が正確なのだろうが

 

 

「ありがとう。助かったよ」

 

「別に鎌わねぇよ。最近物騒だからな

(あん)ちゃんも気をつけてな」

 

 

 

 

 

 

「…やれやれだ

とりあえず奴隷とか操られている訳ではないみたいだけど」

街から離れた所でその人物はため息混じりで呟いた

 

「…さて、どうするかな?」

そして、その人物は山の方へと消えていった

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

「…やはりそう都合良くはいかぬか」

 

 

ガトーはアリティアの街でカダインの者であるウェンデルから話を聞く事とした

もしも、あの娘の情報が手に入れば

と思ったのだが、

 

「申し訳ありませんが、心当たりはありませんな」

と言われてしまい、それ以上話を聞く気にもならなかった

 

 

 

一応カダインの創設者である上に『大賢者』と呼ばれているガトー

知る者からすれば、彼に教えを求めたくなる程

 

カダインの者や魔道士にとって、ガトーは一つの目標である

故に何か聞けるのではないか?と思っていたのだが、完全に当てが外れた形だ

 

 

アンリの末裔達はどうやら直ぐに行動するつもりはないらしい

その余りの危機感の無さには閉口するが、片手間でガーネフの相手をするつもりがないのは評価できよう

 

出来るならば、早く離れたい所ではあるのだが

 

 

何せあのモーゼス(バジリスク)が早々諦めるとは思えない

数を頼みに来られると逃げを打つ以外の方法はないのだ

 

 

 

「…余計な事を」

ガトーは不愉快そうに表情を歪めた

 

あの娘の力が解き放たれれば、大陸は惨劇に見舞われるだろう

その程度の事も理解出来ない従者風情があの娘を解き放ったのだ

 

一応探させてはいるが、何せ事が事だ

あまり人手は増やせない

 

 

 

それでも探さねばならない

この大陸の平和の為に

 

 

 




ウチのチキは割と良い子なんだけど、ところどころに価値観の違いから暴走する火種があったりする

なお、パオラに対するスタンスは変わらない模様













チキ的な人物評価


ゲレタ
お父さん。初めて優しくしてくれた強くて弱い人
叶うならば一緒に生きてほしい(竜人族基準)

リンダ
お母さん。優しく色々な事を教えてくれる人
お父さんの1番で、そういう意味では勝てないと思っている

バヌトゥ
この世界に手を引いて連れ出してくれた人
優しかった。出来ればお父さんやお母さんと一緒に暮らして欲しい

パオラ
お父さんに対する感情が複雑すぎるので面倒くさい人
彼女よりも彼女のペガサスの方が寧ろ脅威

レイ
喧嘩友達。お父さんの負担を増やしているから、何かあれば少し噛んでやろうと思っている

クライネ、カタリナ
お父さんに対しての感情が分かりづらい
チキの中では『面倒くさい女2号と3号』

お風呂とベット
お父さんとお母さんに甘えられる場所から
好感度的には多分バヌトゥに次ぐ4位あたり

ifルート(18禁バージョン)いる?それだけ独立して投稿するものとする

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