汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
一話だと思った?
ワイもそう思ってた
エレミヤは世間を知っている
この大陸が弱者にとって、住みづらい所である事を
彼女は司祭として、何不自由ない生活を送っていた
司祭となるにはシスターとして豊富な経験が必要であり、そのシスターの修行というのは各地にある教会にて行なっている
が、カダインにおける魔道士の半ば独占状態の様に、教会もまた癒し手であるシスターの修行などを独占
カダインにせよ、協会にせよ高位の使い手となると魔法と杖、両方に通じている
…しかし、双方の上層部は互いの領分を可能な限り侵さないという不文律を長年堅持していた
各勢力は戦場における矛となり得る魔道士擁するカダイン。そして、シスターを輩出する教会に対して政治的、或いは軍事的な行動を起こす事はない
それにより、戦火が及んだ際教会は一種の
その為、国家や組織問わず素養のある者に対してはその技術を教える事としている
表向きは
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治療の杖とて、それなりに費用のかかるもの
当然、無償での治療などと言うのは教会において許されるものではないし、仮にその様な事をする者が現れたならば教会はその持てる全てを使って
その者を消すだろう
それ自体はエレミヤとて、理解している
…納得は到底出来ないが
教会のシスターなどはそうでないが、アカネイアにある総本山ではお布施或いは寄進という形で治療費を公然と請求している
それも仕方のない事だろう
…しかし、総本山に勤めていた事のあるエレミヤは、その行き過ぎたやり方に反感を覚えた
本来、そこまでの怪我でないものでも貴族というものは体裁の為とやらで頻繁に治療を受けに来る
…その際の寄進の多寡によって、担当する者が変わるのだ
寄進の多い者は高位の司祭などに
少ない者はまだ経験の浅いシスターや、ともすれば見習いレベルのシスターにさせる事も
そして、庶民の場合はいくら金を積もうとも司祭が治療に当たる事はない
厳しい懐事情の中、何とかお布施を工面して来た民に対して、到底完治させられない程度のシスターをあてがい、そして治療の終わらぬままに帰すのだ
そして、決まって
「…これも神の思し召しなのです」
と亡くなった時にぬけぬけと言い出す
幸いにも彼女はそれなりに優秀だった為に担当した者を死なせる事はなかった、と思う
吐き気がした
助けを求める人達を助けたくて、自分はこの道を選んだ筈なのに
そして、エレミヤは教会から去る事を決める
きっかけはある孤児を総本山の前に捨てられていたのを彼女が見つけた事だろう
当初彼女はその孤児を総本山内で育てられないだろうか?
と聞いた
が、それを対する答えは
「ならぬ
此処に孤児などを入れるなどと!」
だった
だから、彼女はそのまま総本山を去る事としたのだ
幸いにも、真面目に取り組んでいた事から司祭としての地位を得るまでになっていたから、困る事はないだろう
そう思って
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しかし、現実はそんなに甘くない事を彼女は痛感する事となった
アカネイアという国において、民衆とは貴族や王族にとっての都合の良い存在でしかない
気分次第で徴収される税。気位ばかり一流で、騎士の意味すら理解していない様な騎士崩れの多い事
どうしても、司祭という立場になってくるとエレミヤも見たくも無いものが嫌と言うほどに見えてきた
王家に忠誠を誓っているとしても、その全てが王家の盾になろうとする様な者達では無い
今はアカネイア王家に従った方が良い
という打算によって動いている者の何と多い事か
教会、しかも総本山から出た彼女に手を貸す者は現れなかった
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それでも、彼女は孤児を手放す事を選ぶ事なく山中へと消えた
アカネイアのはずれにある寂れた村
…いや、正確には『村だったところ』というべきだろうか?
そこで彼女は立ち寄った街で彼女に着いてきた子供達を育てる事にした
余りにも無謀で、余りにも愚かな行為と知りながら
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幸いにも荒れているとは言え、畑があり裏手には川が流れている
エレミヤは種をそれなりの数購入しており、食料も子供達に持たせていた
だから、彼女はどうにかなる
そう甘く考えてしまったのだ
現実は甘くない
彼女はその事を文字通り、痛い程思い知らされる事になった
野菜を育てようにも元々教会や総本山で教育を受けてきた彼女にそんな経験も知識もない
…では、山に入って狩りをするか?と聞かれたならば
出来なかった
エレミヤは司祭であり、魔法は操れるが獣達は匂いや気配を察知して彼女に近づこうとしなかったのだから
そうして彼女は思い、悩む事になる
そんな彼女の事を見ていた子供達が自分を助けてくれたエレミヤの為に何かをしようとするのは自然な事だった
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エレミヤはある日、子供達の中でも年長の子供の姿が見えない事に気がつき必死でその姿を探した
そして彼女は子供達を見つけた
全身を赤く血に染めて、狼の亡骸のそばにそれはあった
彼女は子供達の遺体を力強く抱きしめた
私が
…私が弱かったから
貴方達を守れなかった
…ごめんなさい
本当にごめんなさい
その日、エレミヤは死んだ
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それからの彼女は人が変わったかの様に孤児達に過酷な訓練を言いつけた
出来ない者ややらない者には食事を与える事をせず、孤児達にひたすら強さを求めさせていく
強くなければ生きる事すら出来ないのだから
寂れた村
…いや、雨風こそ凌げるもののいっそ廃墟とすら言える様な場所に女性と子供達が住んでいる
となれば、山賊に目をつけられない筈もない
…だが、彼女は教会しかも総本山において司祭となった実力者
山賊程度、相手にならなかった
…エレミヤは子供達に殺しを教えた
山賊達を死なぬ程度に弱らせて、子供達にトドメを刺させたのだ
彼女の心が叫ぶ
こんな事をして良いはずがない!
と
しかし、現実は非情なのだ
そう思わねば、彼女は自身を保てなくなっていたから
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ある日出来損ないのアイネが倒れた
多少魔法を使える才能がありそうではあったが、アイネは致命的なまでに体力がなかった
彼女は仲間達に遠慮して、食事をあまり取っていなかったのだから
…だが、そんな者に用はないとエレミヤはアイネを切り捨てる事にした
自分を慕っているアイネの姉であるクライネにその
そう思ったから
クライネは鬱陶しいまでに自分の事を慕っている
ならば問題ないと
クライネはこれで更に強くなると
そう思っていた
…しかし、クライネは戻ってこなかった
探し出して連れ戻す事も考えたが
幸い、ローローは暗殺者として完成しつつある
そう考えて
堕ちた聖女は荒れ狂う心の中でもがき苦しむ
いつか醒める悪夢の中で
エレミヤの資料が少ない
少なくない?
あと少しばかり下の方に今後の事を書いておきます
宜しければ読んで下さると幸甚に御座います
来週か来月あたりに入院が決まりまして、それ以降の執筆について予定が立たなくなる事となりました
今月いっぱいは執筆出来ると思うので、何とか完結まで持っていければ
と考えております
とは言え、せっかくここまで書いたのですから出来る限り私なりの物語を書き上げたく存じます
この小説を読んで下さる皆様にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解頂けると幸いです
小説は
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