汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
アスク王国
それは様々な時代、大陸
勢力から英雄を集め、何とか平和を取り戻した国家
しかし、それ故に問題もある訳で
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召喚師エクラの憂鬱
エクラもまたアスク王国に召喚された人物である
彼は多くの世界の知識を持っており、その知識が英雄との繋がりとなり召喚を行なう事が出来る
が、あくまでもエクラが一方的に知っているだけであり、その繋がりは希薄なもの
その僅かな繋がりを手繰り寄せる事が出来て漸く召喚が叶うのだ
そう言った意味において、神竜族の姫であるチキは例外中の例外
エクラの知る知識
マルス達から聞いた歴史
その何れにも該当しない完全なイレギュラー
メディウスや闇のオーブにより操られていた事のあるガーネフやハーディンは知っている様だったが
であるならば、『白き賢者』『大賢者』と謳われたガトーを招き話を聞いてみたいと思っている
が、そう話は簡単ではなく
「竜の召喚には必要な
エクラの言葉に
「ああ。そうなんだ
何せエンブラ、ムスペル、ヘルに続きアルフ、スヴァルトアルフとの戦いもあった
アスク王国の滅びこそ避ける事は出来たが」
と頭痛を堪えながら話をするのはアスク王国のアルフォンス王子
特に相手も英雄を召喚してきたエンブラ帝国との戦いにおいて、アスク王国は当初劣勢であった
その為にエクラを召喚する事となった訳だが、エクラ自身は戦う力を持たなかった.その為、エクラに召喚をしてもらう事になったのだが防衛戦力、遊撃戦力。更にエンブラ帝国の英雄達と戦い、その上で帝国を打倒する決戦戦力まで必要と判断してしまう
結果、オーブは常に枯渇する様になってしまい
異界のチキ(仮称)はスヴァルトアルフとの戦闘が終結した記念に召喚していたりする
明らかに能力は高そうなのだが、戦う気がないらしくエクラも困り果てているし、アルフォンスも持て余している
ところが彼女は何故か農作業のノウハウを持っており、戦争の続くアスク王国にとって有難い存在となっていた
寧ろアスク王国の官僚達は
「実戦に出すなよ
良いか、絶対だぞ!」
とアルフォンスや実働部隊の指揮官であるアンナに圧力をかける始末
何せ指導者としては一流どころの多い英雄達だが、その殆どは統括者としての能力はあれど現場における経験がある者は非常に少ない
その中においてイーリスのドニと『異界のチキ』は数少ない農業経験者。しかもチキの場合、如何にして腹を膨らませつつも節約するか?という庶民感覚をも身につけている
しかも、何処ぞの軍師の様な鉄の味がする様な事もない
安定して、しかも大量の料理が出来るのだ
内政担当からすれば
「戦う気がない?
大いに結構!寧ろこっち方面で活躍して欲しい」
も言うのが本音だった
加えてエクラやアルフォンスですら動かしにくい者達でもチキのやる事には関心があるらしく、協力的なのだ
…ただ
「とは言ってもいざという時は戦って欲しいんだけどね」
アルフォンスの言葉にエクラは苦笑いをするしかなかった
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家族
大陸を竜に渡さんとしたベルン国王ゼフィール
リキア同盟のロイにより、その野望は砕かれたがそれについて彼はロイを恨むつもりはなかった
非情な話ではあるが
『力無き信念は無意味』なのだ
その力が武力なのか、或いは大衆の支持なのか
それとも別の何か
なのかは判然としないが
ゼフィールは父デズモンドから殺されそうになった事で人間不信に陥っている部分がある
妹ギネヴィアに対して思う事がないとは言わないが、何処かにあの男の愛を受けられた妹に対する羨望がないとは言い切れない
「父様の事?
別に構わないのだけど、何が聞きたいの?」
少なくとも、ゼフィールにとってイドゥンはそういった対象ではなかった
別の大陸の話とは言え、竜族の娘を己が娘として育てた者の話に興味がないとは言えない
不思議な事にチキの父ゲレタと母リンダは強力無比である竜人族、しかも神竜族の長の娘であるチキを利用するつもりはなかったと言う
その上、父ゲレタは竜相手であろうとも臆する事なく戦い、単身で打倒していると
…まぁ、いくら何でも解体するのは理解に苦しむところではあるが
聞けば魔法の使い方も独特であったと言う。ならばその様な事もまた必要だったのかも知れない
最近、チキの勧めで木彫り細工をマードックやブルーニャにイドゥンと共にやる事になったが、これがまた奥深い
イドゥンなどは力加減を間違えて当初は壊す事ばかりであったが、チキとの関わりの中で少しずつやり方を覚えているらしい
…なんとも面白いものだ
メディウスが言うにはアカネイア大陸の竜人族の中でもあのチキは変わり者であるらしいが、その変化をもたらしたのは両親であると言う
一度会って話がしてみたいものだ
…なに?
召喚師が召喚出来ぬと言っている?
…マードック、ブルーニャ、イドゥン
少しばかり手を貸すとするぞ
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竜とヒトの間
ミルラはマギ・ヴァル大陸の竜人族だ
竜人族というのは此処アスク王国にもそれなりにいるが、その殆どが信仰の対象であったり、何処かの組織や軍に属している
ミルラとて、魔王フォデスを倒す為にエフラム達に力を貸した
ニニアンやニルスの様な者もいるが、2人はそもそも竜が普通に生活する世界の者
…ところが、『異界のチキ』はそうではない
神竜族の長ナーガの一人娘でありながら、ヒトの娘として生活を送ったと
それだけでも理解するのに時間がかかるのに
山賊退治はわかるけど、農作業に狩り。料理や子育ての手伝い
おおよそ他の竜人族からすれば考えられない様な生活を送っていたと言う
竜人族の寿命は長い
故に人と関わり生きていくのは難しい
価値観も習慣も違うのだ
にも関わらず、チキの両親は死ぬ最期の時まで彼女と共にいる事を選んだという
羨ましくない筈がなかった
そして気になるのだ
どうして、そんな事が出来たのか?と
それは竜人族や竜族ならば誰しも思う事だろう
愛されたい
側にいて欲しい
特別扱いなんて要らない
と
ノノやンンも羨ましい
ルフレも邪竜の生まれ変わりなのに
カムイもカンナも
だからミルラ達は協力するのだ
そんな事が出来る人達がどんな人なのか気になるから
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再会
「召喚するの?アルフォンス」
「そうなるかな
一応オーブも貯まったし」
アルフォンスの言葉にエクラは苦笑いを隠せなかった
「…正直どうかと思うんだけど」
「…戦力は幾らでもあるに越した事はないから」
「そのせいでトラブルも起きているよね?
そりゃあ召喚しろと言われたらやるけど、アルフォンスの立場的にキツくない?」
「………まぁ、ね」
エクラの言葉に乾いた笑みを浮かべるアルフォンス
何せ召喚した英雄達はみな強力な戦力なのだ
王族なども多く、粗忽に扱う事は出来ない
本人がどう思っていようとも、だ
エンブラ帝国との戦いにおいてもそうだったが、敵側に召喚され
その後にエクラによって召喚された者も決して少なくない
危急存亡の危機であったのは事実だが、エクラを召喚したアルフォンスは事実上召喚した英雄達に対する権限を持つと共に責任を持たねばならない
特務機関ヴァイス・ブレイブのトップとして
またアスク王国の王子として
なのだが、エンブラ帝国やムスペル王国などとの戦い
その後のヘル、アルフにスヴァルトアルフなどの戦いから
との意見も王国内から出ている。少ないなりにも
加えて、ムスペルのフィヨルム王女など敵対していた勢力からの人員を受け入れている事もあり、政治的な発言力は決して王族であるアルフォンスやシャロンとて高くなかった
「まぁそういう事なら召喚はするけどね」
エクラとて、その辺の事情を全く理解していない訳ではなかった為苦笑混じりで召喚を行なう事とした
「…私の名はクライネ
それが更なる騒動の元になると知る事なく
とりあえず来月以降の執筆については不可能となりそうです
その為、小説などは残した上での長期更新停止となると思われます
申し訳ありませんが、ご了承下さい
小説は
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