汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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迷走中(n回目)


 異伝 価値観

「…久しいな

というべきか?」

 

「どうなんだろうねぇ

正直アンタの事は一方的に知っていたからなぁ

…まずはメディウス殿。娘が色々世話になったと聞いた

感謝する」

 

「……」

メディウスとの挨拶もそこそこにゲレタは頭を下げた

 

その姿を見たギムレーやロプトゥスは驚愕に目を見開き、メディウスは逆に目を細めた

まるで眩しいものを見るかの様に

 

「聞いた時は些か驚いたが、本当に其方にとって姫は娘なのだな」

 

「父親らしい事が出来た

なんてとてもでは無いが言えるもんじゃ無いがな」

 

「ナーガの姫がこうして其方に甘えている

それだけでも大したものよ」

ゲレタの言葉にメディウスは珍しく表情を緩ませる

 

「少し話をしたいが構わぬか?」

 

「娘を見守ってくれていた人の提案を断る理由はないさ」

メディウスの言葉にゲレタは笑って答えた

 

因みにチキはその時ゲレタに背後から抱きついていたが、ゲレタもメディウスも気にする事はなかった

 

 

 

 

異伝 価値観

 

 

 

 

 

 

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あの傍若無人を体現した様な娘がああも甘えるとは

 

騙されるな、ロプトウス。傍目大した事なさそうに見えるが、奴はれっきとした竜殺し(ドラゴンキラー)だ。少なくとも、メディウス配下の同胞を単騎で仕留められる人外だぞ

和気藹々と話をするメディウス(暗黒竜)ゲレタ(神竜族の姫の養父)

そしてゲレタの膝の上に座り、後頭部を父の胸に擦り付けるチキ

 

 

そんな光景を見ながらロプトウスとギムレーは小声で話をする

 

貴様の言葉を疑う様で悪いが、本当にそんな実力者なのか?俺にはそこら辺にいる魔道士よりも格下にしか見えんが

ギムレーの言葉に疑問符を浮かべるロプトウス

 

我もそう思っていた時期があった。…だが、各地の記録から察するにそうでなければ辻褄が合わぬらしい

苦虫を纏めて噛み潰した様な顔でギムレーはため息と共に吐き出す

 

 

なお、依代であったグランベル帝国皇子(ユリウス)と銀髪美女系邪竜である為、『見た目だけ』見れば中々良いものであったそうな

 

 

ヒュン!

 

「…貴方達。まさか師匠の事を悪く言っている訳ではありませんよね?」

 

「…一応これでも暗黒神なんて呼ばれていたのだが」

 

「諦めろ。姫の周りの人間は大概おかしいのばかりだ」

銀の弓で狙われている2人は憂鬱そうなため息をつく事になる

 

 

 

金色の弓姫(きゅうき)クライネ

薄紫(はくし)の賢者カタリナと並んで高名な弓使い(スナイパー)であり、師ゲレタに対して行き過ぎた感情を持っていると言われる人物でもあった

 

 

 

なお、クライネは妹カタリナと違い生涯伴侶を持たなかったガチめのヤバい奴としても知られている

 

妹カタリナは共にゲレタに師事したアリティアの近衛騎士、クリスと結ばれていた。その為、姉に比べるとそこまで暴走する事はなかったという

 

…とは言え、彼女とクリスの結婚式の際には彼女が孤児であった事から父としてゲレタに出席を頼んでおり、その際大喧嘩となった

 

 

 

 

 

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埋まらぬ溝

 

 

 

召喚に応じた以上、ゲレタもヴァイスブレイブの一員として戦うべきだと考えていた

勿論、アスク王国の農業への従事や娘やその友人達。弟子達との関わりを絶やす事はないが

 

 

ゲレタの在り方は主に竜族や竜人族。それに関わる者や力の無い事の意味を知る者からは好意的に見られていた

 

が、その一方で騎士道や正々堂々とは無縁な在り方に不満を持つ者もまた存在していたのである

 

 

特に戦局を左右しかねない実力がありながら、結局ただの市民として終わった事

…つまり力ある者の責務(・・・・・・・)を果たしていないのではないか?

という考えの元の不満であった

 

 

戦乱の中にあってなお騎士道や正道を貫いた者達からすれば、ゲレタの在り方ややり方は唾棄すべきものであり、その様な人物と共闘するなど願い下げだ

という者もヴァイスブレイブの中に少なからず存在していた

という事

 

 

ゲレタ自身、その様な批判や非難は寧ろされて然るべきだろう

と思っているので然程問題はない

 

 

…問題はゲレタ自身ではなく、ゲレタに対して評価している者がその様な意見に対して不快感をもつ事だろう

 

言うまでもなく、チキやクライネ。そしてメディウス達は不快に思う事はあったとしても気にする事はない

 

 

騎士道や正道というのは確かな実力や地盤…つまり立場や身分などがあって初めて貫き通せるものであると考えているからだ

 

この辺は真に絶望を体験した者達

特に所謂覚醒時代の者達の中でも子世代と呼ばれているルキナ達はそう考えている

 

並行世界であるがマルス達アリティア勢もまたこの様な考え方である

…が、一方で名誉などを重んずる傾向の強いグルニアのカミュに近い者達やマケドニアのミネルバやその部下の3人からは余り良く思われていない

 

 

 

その様な事情とアスク王国官僚達からの要請(圧力)もあり、ゲレタが前線に出る事はなかった

 

それがまたゲレタに対する不満を高める事となってしまう

 

 

 

 

 

 

 

暗夜白夜両王国の王族や重臣。カムイにカンナなどは竜族であろうとも基本的に態度を変える事のないゲレタに好感を持っており、割と頻繁にゲレタ達の元へと訪れている

 

両王国のトップであるマークスとリョウマはゲレタの娘に対する愛情とチキの父親に対する慕情を特に肯定的に見ており、自分達の弟であるカムイとその娘カンナが農作業や木彫り細工に取り組む事も全面的に支援している

 

 

その辺の事についてはやはり白夜王国勢に軍配が上がる為、暗夜王国の者達は出来る限り時間を作ってはゲレタの元へ行き木彫り細工の腕を磨いているとか何とか

 

 

その為エンブラ帝国に力を貸していたマークスに対するアスク王国の評価と悪感情が改善していく事となる

 

 

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類は友を呼ぶ

 

 

 

レンスター王国国王キュアンには最近友人が出来た

 

アカネイア大陸の英雄(本人は頑なに否定しているが)ゲレタだ

 

 

親友であるシグルドやエルトシャンにとって妻の話は地雷であり、他の友人達と話をしようにも彼等が結ばれたのはシグルドが反逆者としてグランベル王国から追われてからの話

 

あまり良い思い出とは言えなかった

その上まだ幼い我が子達を避難させねばならず、その殆どは今生の別れとなっているのだから、余り口にしたい話ではないだろう

 

 

しかし、キュアンにとって妻エスリンは素晴らしい女性であり、親友であるシグルドの妹でなかろうと恋に落ちたと思える程

 

 

 

何が言いたいかと言うと

 

思う存分惚気たい

のにそれが出来ないという不満があった

 

 

 

愛妻家というのは中々戦場で恋愛をすると難しいものであり、どちらかと言えば戦場で背中を預けあっていた関係から恋愛関係に発展するものである。とキュアンは考えている

 

 

と同時に人によってはかなり悩んでいる様にもキュアンには思えてならなかった

 

何せ元々戦いを好まないが、事情があり戦わざるを得なくなった者達にとって、ヴァイスブレイブとは寧ろ地獄にしかならないだろう

 

 

ある意味ゲレタという人物の来歴を知ると我の強い人物ではあるだろうが、決して周囲に対して無関心ではない様にも思える

 

…まぁ、騎士の感覚からすればそりが合わないだろうが

それはあくまでも優先順位の問題だとキュアンは思う

 

 

…それに、だ

 

あれだけ娘や弟子から慕われている人物が悪人とはキュアンには思えなかった

 

 

 

 

 

 

 

後にキュアンの親友(シグルドとエルトシャン)は語る

 

妻の惚気話をするな、とは言わない。が、周り(周辺)への影響(被害)も考えてくれ

 

 

 

この後キュアンはエスリン(愛妻)子供達(アルテナとリーフ)の事でゲレタと話が弾み、結果としてゲレタのイメージが少し変わる事になる




多分今日で投稿はひとまず終わると思います

今まで読んでくださりありがとうございました



もしかしたら、あと1話くらい投稿出来るかも知れませんが













本作はFE紋章の謎の二次創作であり、あまり見られないだろうなぁ
と正直思っておりました

が、結果的にお気に入り登録1500に届かんばかりとなり、多数の評価も頂き嬉しくもあり、また原作が作品として愛されていたのだなぁ
と改めて実感しました


時々書いていますが、本来この作品は短編でひっそりと終わる予定でした
こんにちまで続けられたのは偏に見て下さった皆様や感想、お気に入りや評価も下さったお陰かと感じております

暫くは入院生活となり、一時的に携帯を解約する形となりますので執筆予定は未定となりますが楽しい時間を過ごさせていただき本当にありがとうございます

              2024/11/30 アカネイアの雑兵

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