汚泥の中で   作:アカネイアの雑兵

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異伝におけるゲレタさんの説明


異伝 ゲレタという人物

「いやぁ、カナスくんはどう感じたかな?」

 

「私達とは根本的に考え方が違うと

だからこそ、あのやり方に至ったのでしょうね」

 

ホクホク顔のパントとゲレタの発言や提案などを纏めたノートを大事そうに持ったカナスはヴァイス·ブレイブの自室に戻りながら会話を楽しんでいた

 

 

 

「人体の構成を知るが故の効率的な戦闘法か

しかも微弱というのが怖いところだよ」

 

「ええ。何せ感知するのが困難でしたから

敵として対峙したくないですね」

 

稀代の魔道士とすら言える技量を持つパントとカナス

その二人をしてもゲレタの戦法に抵抗出来るかどうかは怪しかった

 

 

更にラガルトやジャファルと言った暗殺を生業としていた者達にも意見を聞いてみたのだが

 

 

 

 

「こりゃおっかないねぇ

何が恐ろしいって風による広範囲の索敵からの攻撃にシフトするまでのタイムラグが少なすぎる」

 

「···しかも風と言うのが選択肢として凶悪に過ぎる

外に居なくとも、吹いたとしても違和感が少ないだろうからな」

 

ラガルトとジャファルはそう真剣な顔で話した

 

 

「言ってしまえば俺達の時代のルナがどっからでも飛んでくる様なもんだ

勿論、術者すら見えないなら対策のしようがない

パントとカナス。あんたらなら、アレを防げるかい?

恐らく魔力障壁以外に対策はないと思うがな」

 

ラガルトの言葉に

 

 

「どうだろうね

完全に防ぐのは難しい」

 

「そして完全に防げなければ負けますね」

 

 

パントとカナスは改めてそんな非凡な事が出来るゲレタの技量に感服すると共に

 

そうせねば生きていけなかった境遇に同情する事となった

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

 

「···ふむ、流石は巫女が誇りとするだけの事はある」

 

ヴァルハルトは素直にゲレタの事を認め、寧ろその戦略に頭が下がる思いだった

ヴァルハルトはエクセライという軍師がいた

 

 

正道を是とするヴァルハルトやヴァルハルト配下の将

それに対してエクセライは必要とあらば、汚い事や騎士としては認めがたい事を献策してきたもの

 

 

 

全てはヴァルムの為に

その為ならば、汚れ役を買って出られる人物だった

 

 

 

 

ゲレタもまた自身の名誉などよりも、命や組織の一員として成すべき事を優先したに過ぎないのだろう

 

そして何よりも

 

 

「風の流れで獣達の動きすら誘導するとは恐れ入る」

 

物音や匂いを風で操作

結果自身の狩り場へと獣達を誘導したのだ

 

 

状況に対する適応力の高さと長期的な視点と短期的な視点

 

軍や政府

そして民衆視点を常に意識できるのだ

 

 

 

その上、他者の立場や視点

考えの違いすらも当たり前の様に受容出来る

 

現在アスク王国官僚とアルフォンス王子達の間に立ち、王国官僚側に少しずつ変化をもたらしつつあると聞く

 

 

 

「···見事としか言えぬな」

人という生き物を理解しているからこその立ち振舞い

 

 

 

そうせねば生きていけなかったのだろうが、ヴァルハルトはゲレタを先達として

1人の人間として

 

尊敬するに値し得ると確信していた

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

 

「···あれ?実はチキの父親って話の分かる人物なのでは?」

 

銀髪系美少女邪竜ことギムレーは首を傾げた

何せゲレタが召喚されて以降、チキやクライネは明らかに物腰が柔らかくなっている

 

加えて、ゲレタが批判或いは否定されたとしても

 

 

「万人に受け入れられる事なんて無理だろう?

勿論理解される様に努めていくべきだろうが、価値観とはなんだったか?チキ」

 

「···立場や視点等でそれぞれ違うものです」

 

「分かってるじゃないか

理解者が1人でも居てくれたらそれで俺は満足さ

ましてや可愛い娘と弟子が輪を作ってくれている

これで満足出来ないとか強欲に過ぎるわ」

 

 

愛娘の答えに笑って頭を撫でていた

 

 

(いや一応そやつナーガの娘なんだが)

本来ならば畏れ多く出来る筈も無い事

 

しかしチキは目を細めてそれを受け入れる

 

 

 

 

因みに暴走した依り代がいたのだが、ゲレタはあっさりと事も無げに鎮圧している

 

その上で普通に接しているのだからギムレーだけでなくロプトウスも顔をひきつらせた

 

 

 

ギムレーは一度ゲレタに聞いた事がある

 

 

 

地竜を倒した事があるのか?と

 

 

 

 

 

 

 

 

同席していたロプトウスはせせら笑っていた

 

ヒト特有の誇張であると

 

 

だが

 

 

「理性のない竜なんぞ獣と同じだ

寧ろ太古の掟、弱肉強食の(ことわり)の中で死なせた方が良いだろうさ」

 

と軽く笑っている

 

 

その場に居たメディウスはゲレタの話を黙って聞いていた

 

本来ならば、地竜族の長としてゲレタに何か言ったとしても不思議ではないにも関わらず、だ

 

 

 

実際ロプトウスはゲレタを侮り手合わせを求めた

 

 

 

 

 

だが

 

 

「······まだやるか?

これ以上となると命を取らざるを無いんだが」

 

「い、いや

参った。我の負けだ」

 

 

ギムレーは耳と目を疑った

 

何せロプトウスは自尊心の塊であり、それこそユグドラルにおける敗因はナーガの力を借りたが故と言って憚らない

 

 

にも関わらず、そのロプトウスが顔面蒼白で負けを認めたのだ

 

 

 

 

 

 

「認めざるをえなかった

身体の中に明らかに奴の魔力があったのだからな」

 

ロプトウスはそう苦い表情で後に語った

 

 

 

何が恐ろしいかと言えば、ロプトウスは魔力障壁を張っていた

 

だが、それをゲレタは素通りしたのだ

 

 

 

穿ち抜いたのではない

素通りだ

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、それか

おかしい事でもないと思うが?」

 

後に話を聞いた我やロプトウスのみならずメディウス、ヴァルハルトやハーディン達も目を剥く事となる

 

 

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

「魔法により生み出された現象は物理干渉が可能だ

故にこそ魔道士という戦闘職があるわけだ」

 

「ふむ、そうであるな」

 

ゲレタの言葉にメディウスは頷く

 

 

「そして物理干渉可能であるからこそ、物理的に防御も考えられた

そこで俺は1つ考えた」

 

「······」

 

ゲレタの言葉にロプトウスは蒼白だった

 

 

 

「魔力障壁があるなら、物理的に干渉すれば良いのではないか?とな」

 

 

!?!?!?

 

 

その場にいた者達が息を飲んだ

 

 

「ロプトウスは魔力障壁を展開していた

が、それは魔法に対する備えとして

ロプトウスは口を閉ざさなかったろう?

勿論そう誘導させてもらったがな」

 

 

チキとクライネはハッとした表情で

 

 

「ついに出来たんだ!」

 

「生前、師匠が目指していたやり方ですね」

 

と喜色満面となった

 

 

 

「つまり貴殿は」

ハーディンは漸く理解したのか、驚愕の表情を浮かべ

 

 

「そ

魔力を水や風と言った常にあるものに変換して相手の体内に侵入させる」

 

「そしてそれを一度魔力に変換し、か」

 

ヴァルハルトは唸った

 

 

「知っての通り、俺は魔道士としては落第も良いところだ

だから工夫を重ねる。幸いにもパントやカナスが協力してくれたからな

いやぁ、やっぱ俺は正道を歩めん手合いなんだと確信したわ」

 

 

唖然とした

 

勝てないではない

勝つ為の手段を常に講じ続ける

 

 

「まぁ妻やカタリナみたいに魔力が高けりゃパワープレイも出来るんだがなぁ」

 

 

そうゲレタは苦笑したが

 

「そう卑下する事はあるまい

そなたは自身の出来る事を出来る範囲でやり抜いたのだ。寧ろ私からすれば見事と称賛する事しか出来ぬ」

 

アシュナードは笑った

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

以来ロプトウスはゲレタの強さを疑う事はなくなったし、出来る限りゲレタと誼を深めようとしている

 

メディウスはその余りの情けなさにため息をつき

チキは「漸く(とと)様の強さが分かったの?」と呆れ

クライネは「あの子が来たら教えるんですよね?」と笑う

 

 

まぁゲレタの初プレイが聖戦の系譜であった事から、ロプトウスもまたある意味で思い入れの強い人物

その為割りと楽しそうにしていた

 

 

 

 

勿論、とうのロプトウスからすれば死神の鎌を持った人物との会話は割りと疲れる事になったが、それでもユグドラル大陸関係者達と話をするよりは余程マシ

と思っていたそうな

 

 

 

 

なお、幾度か敵国の残党との遭遇戦があったりもしたが、相手はアカネイア大陸原初の索敵殺し(ジ·オリジナル·ソナー)

 

物陰に隠れようが、樹上にて待ち伏せしようが

全てはゲレタの索敵範囲

 

 

「ぬぅ、巫女から聞いてはいたが

よもや此処までの実力者とは」

 

索敵(余計な手間)が要らぬのは良いな

敵として相対したくはないが」

 

共に轡を並べたヴァルハルトやトラバントもこれには満足げであったらしい

 

 

 

 

 

なお、チキ(大人)はこの少し後に召喚された模様

 

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

矜持の意味

 

 

 

ゲレタは何時もの様に友人であるキュアンを自室で迎えた

 

 

 

既にヴァイス·ブレイブ所属では無くなったゲレタ

故にアスク王国の官僚達はゲレタの家を用意していた

 

そこにはチキやクライネ

後にチキ(大人)も加わり共同生活を送る事となる

 

 

 

ゲレタが自室もとい自宅に招くのはメディウス、ハーディン、ガーネフにロプトウス

そしてキュアンだけだ

 

何せヴァイス·ブレイブの者達の戦闘能力の高さは正に規格外。となればその行動にも気を払わねばならない

 

 

例えアルフォンスやシャロン、アンナやエクラが保証したとしてもアスク王国の官僚達としては扱いに困る部分はあるのだ

 

 

 

 

しかし、ゲレタは既にアスク王国に対して確たる貢献をしている事

更にゲレタの身をアスク王国直属としたのは間違いなく自分達の都合である

との事からある程度の訪問は認められる事となった

 

 

 

 

「やぁ、ゲレタ」

 

「よぅ、キュアン」

既に面倒な挨拶抜きで話が出来る間柄となった2人はいつも通り家族の話から雑談に興じる事となる

 

 

 

「···そうか。奥方は来られていないのか」

 

「聞けば割りと特殊なケースだったらしいからな

気長に待つさ」

 

キュアンはゲレタの妻がアカネイア大陸のリンダであると聞いている

 

 

現在ヴァイス·ブレイブに所属しているリンダはゲレタ達とはまた少し違った歴史を辿ったものらしい

 

 

 

「早く逢えると良いな」

 

「ああ

だが、アルフォンス王子達やエクラにも都合があるだろうさ

娘と愛弟子がいるだけで充分だ

その上お前みたいな友人も出来た。これ以上望むのは強欲に過ぎるだろう?」

 

キュアンの言葉にゲレタはそう返す

 

 

(本当に穏やかな人物だ

やり方が独特なのは寧ろやむを得ない事情からで、それを声高に非難するのはどうかと思うんだが)

 

今でもゲレタが元山賊

しかもアカネイアでは少し名の知れた山賊『サムシアン』の一員とは到底思えない

 

 

それに

 

 

(元山賊や盗賊、海賊だっているだろうに)

それがキュアンには不愉快だった

 

 

 

守るべきものをゲレタは家族や身近な者達と定め

他の者達は別のものを選んだ

 

それだけの筈

 

 

ましてや、ゲレタと同じ世界にて戦っていたならば批判してもおかしくはない(キュアンには到底理解出来るとは思えないが)

しかし、批判しているのは別の世界の者達ばかりだ

 

確かにアカネイアのミネルバ王女とその部下の3人の騎士やカミュとその配下の騎士は疎んでいるようだが

 

 

 

そもそもの話として、戦争とは本来騎士が行うべきモノ

キュアン達ユグドラルの人間からすれば騎士や戦士といった軍に在籍しているもの

或いはレイミアやロベルトの様な傭兵が戦うべきものだ

無論戦う意思があれば、その限りではないだろう

 

 

しかし、ゲレタはあくまでも元山賊ではあるが、立場的には市民或いは農民の筈

 

にも関わらず、戦え

 

 

 

責任を果たせ

等というのはお門違いにも程があるだろうと

 

 

 

故にアカネイア大陸の者達の中でミネルバ達やカミュ達と関わろうとするユグドラル大陸の者はいない

 

 

寧ろリーフなどは

 

「そんな戦い方もあるのですか」

目を輝かせていた

 

 

 

 

 

 

···流石にあの戦い方は無理だろう

 

そうね、レヴィンも無理と言っていたわ

 

 

 

妻エスリンと目で会話したキュアン

 

 

風使いセティの血を色濃く継いだシレジアの『自由な風レヴィン』

彼をして無理と言わしめるならば、果たして誰があんな芸当出来ようか?

 

 

 

 

なおゲレタからは後日息子がゲレタに師事しに来たと聞きゲレタに平謝りした模様

 

 

騎士と名乗るならば

己の力や仲間との力を合わせて難局を乗りきるべき

 

 

 

 

だからこそ、騎士というものは特別視されるのだから

 

 

そうキュアンは感じていた

 

 

 

 

 

 

なお、エルトシャンとシグルドがゲレタとの手合わせを望んだ時には

 

「······お前達なぁ」

と呆れたものだ

 

 

 

何せミストルティン(魔剣)ティルフィング(聖剣)装備の本気だったのだから

 

 

 

まぁそれでもゲレタはその上をいった訳だが

 

 

 

曰く

 

「武器を落とさせるのも立派な戦術だよな?」

との事

 

「ユグドラルの神器がヤバいのは聞いた事があるからな。んなもん持ってる奴とガチでやり合うかよ」

とも言い、エルトシャンとシグルドは揃って大笑いしたものだ

 

 

 

なお、ゲレタにはデビルアクスという規格外の武器があった事を後に知る事となる

 

 

······いや、あのな?

負けたくないのは分かるがサイレスの杖は反則だと思うんだが、アルヴィス?

 

 

 

 

 

 

 

----

 

 

 

 

「いやぁ、アルヴィス殿もやるなぁ

って素直に感心したわ」

 

「隠し持っていたデビルアクスで勝負を決めたお前がそれを言うのか」

 

当時の事を楽しそうに話すゲレタと苦笑いするキュアン

 

 

「俺は元山賊だぜ?

往生際が悪くて当たり前よ

それに」

 

「それに?」

 

キュアンは興味深そうに聞くと

 

「娘と愛弟子が見てんだぜ?

不甲斐ないとこなんざ見せたかねぇだろう?」

 

ゲレタの言葉にキュアンは大笑いする事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゲレタ

???→()の意地
体力0になると1度限り体力半分で仕切り直す


再発動にはmap5つ攻略が必要
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